加藤文太郎の生地浜坂(芦屋城山)


- GPS
- 05:42
- 距離
- 10.4km
- 登り
- 429m
- 下り
- 434m
コースタイム
- 山行
- 2:52
- 休憩
- 2:50
- 合計
- 5:42
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
浜坂漁港〜矢城ヶ鼻灯台は落石のため通行止め。他にも崩落あり。 |
その他周辺情報 | 浜坂温泉。日帰り入浴あり。駅前に足湯あり。 駅の向かいに案内所兼お土産物屋「松籟庵」(〜17:30)あり。 |
写真
でも案内板地図にも反対側の入口にも何もありませんでしたし、以前あった掲示がなくなっているなら解除されたんだと思うじゃないですか…
装備
個人装備 |
普段着
登山靴
登山セットinザック
|
---|
感想
台風が接近する中、盆休み前半には北アルプスの麓に宿が取れなかったので、代わりに加藤文太郎の生地、浜坂へ行ってきました。昨年3月に続いて2回目ですが、前回は1泊2日の予定を組んだのに初日は強風で餘部鉄橋が渡れず、実質1日で見て廻ったために不完全燃焼だったのです。心残りを日帰り再訪で解消してきました。先週の天橋立で、夏はどうせ暑いなら海(の近い低山)もいいな、と思ったのもあります。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-4117681.html
豊岡駅で山陰線を乗り継いで終点浜坂まで。福知山からの乗客の大方が乗り込んで、立っている人もちらほら、という状態でした。城崎温泉で空くだろうと思っていましたが意外と降りる人は少なく、香住でも同様、浜坂までには空き席があるようになりましたが、結局7割くらいの人は豊岡から浜坂まで乗っていたんじゃないでしょうか。およそ1割はさらに鳥取方面へ乗り継ぐようでしたが、意外な浜坂人気でした。ここから七釜温泉や湯村温泉に向かう人もいそうですね。
まずは心残りその1、矢城ヶ鼻灯台へ。前回は時間がないので途中の加藤文太郎ふるさとの碑で引き返しました。芦屋城山の頂上は前回踏んでいるので今回はパスしてもよかったのですが、まあ何かしらピークは踏んでおかないとということで、城山頂上をピストンしたのち、矢城ヶ鼻灯台を経由して浜坂漁港へ。ところがこの灯台から漁港への道は落石多発で通行禁止だったんですね。入口側に前回はあった掲示が無かったので解除されたものと思ったのですが…不可抗力ということで許してください。確かに登山道に落石がゴロゴロしていたので足早に通り過ぎました。
せっかく港町に来ているので、地元の海産物で昼食を。「マル海渡辺水産」は6階建てのビルの1階にお土産物屋、2階から上はレストランというか食堂というかが入っていて、3階から上は団体のお客が入っているようでした。一番大衆向けっぽい、2階の「味波季」に入りましたが、運良く待たずに入れてちょうど満員でした。賑わってますね。浜坂はホタルイカと松葉ガニが名産です。どちらもオフシーズンですが。ちらし寿司(1650円)を頼んだところ、てんぷら、茶碗蒸し、カニ足の味噌汁、サラダまでついてきました。さすが漁港、安くて量が多い。
加藤文太郎のお墓に甘納豆と干した小魚をお供え。お下がりを頂戴してここぞという山行で行動食にします。甘納豆は自身の著書『単独行』で言及がありますが、干し魚に関しては新田次郎『孤高の人』にしか出てこないんですよね。新田次郎の創作でしょうか。塩分とタンパク質が補給できて軽く日持ちする干し魚は行動食として合理的なのであり得るとは思いますが。執筆当時は加藤文太郎本人を知る人も大勢存命だったので、取材で誰かから聞き取ったのかもしれません。新田次郎自身が一度会っていますし。
続いて心残りその2、加藤文太郎記念図書館へ。前回は時間が足りなかったのですが、今日はじっくり見られました。リピート山中の「孤高の人よ 加藤文太郎のうた」のCDを購入。他に絵葉書やTシャツなどもありました。この曲が夕方の閉館時、山岳モチーフを随所に取り入れたこの図書館に流れるのは大層エモい(今風表現)ので、時間があればぜひ閉館までいることをお薦めします。今回は電車の時間までにまだ立ち寄りたいところが2か所あったので早めにお暇しましたが、17時閉館時なら17時22分の列車がちょうどいいかと。
駅前の観光案内所兼、喫茶店兼、お土産物屋「松籟庵」へ。昨年3月末まで駅舎にあった、鉄道グッズ館「鉄子の部屋」が縮小移転してきていました。私は鉄分は薄いのですが、アイスで涼みながらしばし見学。ここにも加藤文太郎Tシャツを置いてました。心残りその3、駅前の足湯に浸かり課題コンプリート。前回は工事中だったのです。
帰りの列車は温泉地の駅に停車するたびに少しづつお客が乗ってくる感じで、若い人が多いのが意外でした。2022年にJR西日本が2000人/日以下の線区の収支状況を初めて公開して話題になりましたが、ここ城崎温泉〜浜坂〜鳥取も2000人/日以下の路線で、城崎温泉〜浜坂は兵庫県内で最大の赤字を出してるんですよね。香住温泉とか餘部鉄橋とかいろいろ観光資源もあるのに。円安で海外旅行が割高になって国内観光に人が戻ってくるとよいのですが。公共機関利用ハイカーとしては路線も便数もなるべく維持していただきたい…
ちなみに17時22分の浜坂発をYahoo路線検索すると、18時33分豊岡発の便への乗り換えは時間が1分しかなく候補に出てきませんが、実際は同じホームの向かい側なので間に合います。まあ福知山でも40分(駅前の王将で晩御飯を食べるには微妙な時間)、篠山口でも10分待たされるのですが。帰りは特に不便なんですよね…
そういえば八鹿駅ではハイカーらしい人が2人乗り込んできました。氷ノ山でしょうか。多少様子が判って来たのでこの辺りの山もいろいろ行ってみたいですね。兵庫が生んだもう一人の登山家、植村直己ゆかりの蘇武岳とか。城崎温泉の来日岳は日帰りできそうですが、せっかくの温泉一泊した方がいいかも。しかしとりあえずは加藤文太郎の生地で充電したことですし、今夏中にどうにか北アルプスに…
そうそう、「加藤文太郎のうた」はとても良いですよ。加藤文太郎のことは、新田次郎『孤高の人』で知ってファンになった人が多いと思うのですが(私もそうです)、やはり小説なので脚色や内面に作者のイメージの投影が含まれていて、干し魚の件もそうですが史料で確認できない内容も多く、実在の登山家として考えた時には虚像と実像を区別する必要が生じるんですよね。あとパートナーの吉田富久(作中では宮村)のせいで遭難したみたいな扱いになってて気の毒。その点、この歌はわれわれ現在の登山者を視点に据えて、加藤文太郎に対する憧れを主題にしているので、その虚像と実像の問題をクリアしていると思うんですよ。共感しやすいです。山小屋でのコンサートとかまたあったら行ってみたいですね。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
3年前に同地を訪れたので懐かしく拝見しました。加藤文太郎の生地というだけでなく、街並み、独特の海岸線、海産物、温めの温泉、全てが魅力ある街でした。城山、芦屋の六甲被り、その通りですね(笑)。
また行きたいと思いつつ、兵庫県内とはいえ遠い(交通も不便)。また歩くしかないかなあ。
Kumainkobe ฅʕᵔᴥᵔʔฅ
浜坂いいところですよね。思いの外乗客が多く浜坂人気を感じて嬉しくなりました。前回は春だったので、季節の違いも味わえました。次は秋か、カニの美味しい冬に。
Kumaさんの浜坂のレコは以前にも拝見していて改めて今見返したら、歌にも出てくる宇都野神社に参るのを忘れていた、と気づきました。(お気に入りにも入れていたのに) 次のミッションはそれにしたいと思います。最高ミッションはもちろんロード180kmなのですが。
兵庫県縦断200kスピードハイク、再チャレンジを楽しみにしております。(でもご無理なさらず) 季節やルートを変えたらまた違った発見があるやも。あとお墓参りは何度行ってもいいのではないでしょうか。なお3年前のレコで地元の方に教えてもらったという加藤文太郎のお墓ですが、図書館にあった写真に写っているもの(雄山俊哲居士の戒名(法名?)があるもの。今は花子夫人の花苑智芳大姉も入っている。写真を追加しました)と違うように思います。以前にはあった標柱がなくなっているので判り難いですよね。先刻ご承知で余計な差し出口でしたらどうかご容赦ください。
お墓の件、私の心残りは正にそれなんです。
再訪の口実が「拝啓 加藤文太郎 兵庫縦断176kスピードハイク」だったのですが、今年も出場枠をえることができませんでした。来年に期待しています。
Kumainkobe ฅʕ´ᴥ`ʔฅ
ご承知でしたか。失礼をお許しください。
墓地に東側の細道から入ってY字路を左に進み(20mくらい?)、通路の右手(北側)にほんの数m入ったところに東を向いて建っていて両脇に石灯籠があります。(調べはお済みかもしれませんが、失礼ついでに)
176kスピードハイク、制限時間48時間という苛酷なレースなのに人気なんですね。来年の出場に向けて調整がんばってください。でも仰るとおり加藤文太郎の生地ということを抜きにしても浜坂はいいところですよ。(笑)
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する