関西最難関の双門ルートから大滝の滝壺に降り、関西最高峰に登る
奈良県
Kumainkobe
体力度について
- GPS
- 18:24
- 距離
- 27.1km
- 登り
- 3,270m
- 下り
- 3,255m
アクセスを調べる
標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 9:14
- 休憩
- 3:16
- 合計
- 12:30
- 山行
- 4:18
- 休憩
- 4:47
- 合計
- 9:05
| 天候 | 1日目：晴れ時々曇り、一時小雨 2日目：晴れ時々曇り、一時雨 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2023年09月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
標高650m 国道309沿いに路肩駐車。 ただし落石の恐れあり。 |
| コース状況／ 危険箇所等 |
熊渡から弥山川を遡行し、巌の双門、双門大滝の滝壺を経由して狼平避難小屋を目指す。言わずと知れた関西最難関「弥山川双門ルート」に加え、双門大滝の滝壺に降下するというハードな山行。 ・弥山川双門ルートは、33の梯子地獄、狭く急なトラバース道、垂直に近い鎖場、眩暈するような高所、落石危険箇所、無数の渡渉、ピンクテープの乱立（偽テープあり）、道迷い頻発など最後まで気を抜けない。 ・巌の双門は落石の危険が高く、ヘルメット必携。アーチの上に踏み跡があったため登ってみたが、足元脆く、木の根や枝で隠れた巌の双門に抜け落ちる穴が所々にあるのでザイルがあったほうが良い。 ・双門大滝の滝壺への降下はお勧めしない。土、草、樹々が脆く崩れる急な崖、落石必発のガレ場など命の保証はない。私たちはエキスパートのおかげでザイルを使用しなかったが、ザイルは必携。 ・狼平避難小屋〜弥山〜八経ヶ岳（大峰山）に関してはよく整備されており危険箇所はない。 ・狼平避難小屋〜カナビキ尾根は、一部に急な下りがあるので、疲労が蓄積した脚には堪えるかも知れない。分岐や道迷いの危険のある箇所もあり。 |
| その他周辺情報 | 温泉：黒滝の湯〜700円。駐車無料。 https://morimonogatari.com/hotspa/ |
写真
夕食は、肉、つみれ鍋、カレー鍋。ビール、ウイスキー、日本酒、焼酎に加え、炭酸水が3L。贅沢な宴だった。これを担ぎ上げて来たN1さんとSさんに感謝。
22
感想
大峰山系――ずっと憧れの存在でした。
たまたま黒岩会の方々にお誘いいただき、二つ返事で参加を決めました。しかも、関西最難関とされる双門コースに加え、「巌の双門」への立ち寄り、双門大滝の滝壺への降下、狼平避難小屋での一泊、そして八経ヶ岳での御来光（＝大峰山）という、かなりハードな計画でした。
メンバーは黒岩会の9名。フリークライマーのM会長とN1さん、剛力のSさんとN2さん、変幻自在なMさん、そして私を含む女性3名。
宿泊を伴う登山は今回が初めて。準備のためにPA'LANTE Desert Packを購入し、荷物を7.5kg（うち水2L）に抑えました。しかし途中で35mザイル（約3kg）と水2Lが追加され、最終的にはこれまでで最も重い12kgにもなりました。それでも、M会長（15kg超）、N1さん（25kg前後）、Sさん（20kg超）と比べれば、まだ軽い方だったはずです。
【熊渡登山口〜金引尾根・弥山川分岐：30分】
緩やかな傾斜の歩きやすい林道で、初対面の方々と挨拶を交わしつつ、コース情報を共有。ウォーミングアップに最適な30分でした。
【白川八丁〜釜滝：20分】
白川八丁から弥山川に入渓。最初は伏流で水のない川原。やがて水が流れ始め、渡渉が必要に。大きな岩が目立つようになった頃、釜滝に到着。この滝の水量で進むか撤退かを判断する人が多いそうですが、この日は水量が少なく、遡行決行となりました。
【釜滝〜一ノ滝吊橋：1時間20分】
本格的なアスレチックルートの始まり。壊れた橋、へつり、渡渉、急な高巻き、ゴーロと変化に富む行程。一ノ滝前の岩場でまったりと休憩。M会長は滝に打たれに行きましたが、水の冷たさにすぐ退散。私も挑戦しかけましたが、足元が滑りやすく断念。振り返れば、ここまではまだほんの序の口でした。
【一ノ滝吊橋〜仙人�瑤離謄薀后�2時間】
双門名物の金属梯子が本格的に登場。垂直に近い岩壁を登る梯子は計33本あると言われています。重いザックを背負っての急登に体力は次第に奪われ、高度感のある鎖場や痩せ尾根では集中力も必要。一部メンバーのペースが落ち始め、休憩を多く取りながら進行。三ノ滝、裏双門の滝を望むビュースポットでは、まったり休憩。仙人�瑤離謄薀垢砲詫縦蠅茲�1時間遅れて11時前に到着。そこから見下ろす双門大滝は壮観でした。
【巌の双門：往復で1時間】
仙人�瑤離謄薀垢�ら少し進んだ地点で正規ルートを外れ、15分ほどで巨大な岩の橋「巌の双門」へ。落石必至のガレ場を下ると、切り立った断崖の先端に。振り返って見上げた巌の双門のスケール感は圧倒的でした。橋の上に登れそうだったため、挑戦してみたところ、目も眩むような高度感。忘れられない光景です。
【巌の双門〜ザンギ平の肩：30分】
正規ルート（慰霊碑付近）まで戻り、急登をこなすと、やがて視界が開けてザンギ平の肩に。金剛山、葛城山、生駒山などが遠望でき、ゆったりと休憩。
【双門大滝の滝壺：往復で1時間半】
今回の山行のメインイベント。9名のうち希望者6名が挑戦し、4名が滝壺に到達。滝壺から見上げた70mの大滝は言葉を失う迫力でした。崩れやすい急斜面やガレ場を慎重に降下。途中、1名が約3m滑落し軽傷を負うアクシデントも発生。付き添い1名と共に引き返しました。ヘルメットとザイルの使用は必須です。今回ザイルは未使用でしたが、M会長が2回にわたって下見をしてくれていたおかげで、安全に滝壺まで降りることができました。
【滝壺降下地点〜河原小屋跡：1時間半】
弥山川まで一気に下降。入渓と高巻きを繰り返しながら遡行。やがて広く石が転がる河原に到達（河原小屋跡）。比較的平坦な地形で小休止。
【河原小屋跡〜狼平避難小屋：3時間】
弥山川に沿っての遡行が続きます。ゴーロ、鎖場、梯子、空中回廊とバリエーション豊か。両脚が攣ってペースが落ちた1名を補助しながらの行動に。日没前の小屋到着は難しいと判断し、先行隊と後続のサポート隊に分かれることに。結果的にこれが失策でした。最も弥山に詳しいM会長が後続に入ってしまったため、先行隊は度々道迷いを起こし、疲労困憊。ピンクテープも踏み跡もわからず、半ばプチ遭難状態に。幸運にも30分後に後続隊と合流でき、M会長の先導で無事に避難小屋に到着。心底ほっとしました。
【狼平避難小屋にて宿泊】
19時頃に小屋に到着し、すぐに夕食の準備へ。焼肉、つみれ鍋、カレー鍋、そしてビール、ウイスキー、日本酒、焼酎。炭酸水3Lに豊富なおつまみ。これらを担ぎ上げたN1さん（25kg超）とSさん（20kg）は超人そのものでした。
【狼平避難小屋〜弥山〜八経ヶ岳：往復3時間強】
翌朝、志願者4名で八経ヶ岳の御来光へ。暗がりの中、整備された山道を進み、時折鹿の鳴き声が響きます。山頂には数十名の登山者が待機。あいにくのガスで景観は望めませんでしたが、奇跡的に朝陽が一瞬姿を見せ、歓声が上がりました。
帰路、弥山周辺の苔や枯木の織りなす幽玄な風景に癒されました。弥山小屋のトイレ（100円）を拝借し、小屋周辺を散策。テント泊の方々も数組。弥山山頂の奥宮・弥山神社は厳かな空気に包まれており、印象深い場所でした。霧が晴れると、先ほどまでいた八経ヶ岳が顔を出していました。
狼平避難小屋に戻り朝食。棒ラーメン、焼きそば、ソーセージ、挽きたてコーヒー、ババロアと豪華。私の役割は水の浄化で、弥山川の水をSawyer Miniでろ過し、合計30L分ほどを確保。腕がパンパンになりました（笑）。
【下山（熊渡）：2時間強】
下山は金引尾根ルートを利用。急な下りも一部ありますが、小走りにちょうど良い快適な道。ただし眺望に乏しく、後半はやや単調で飽きが来ます。無事に熊渡に下山後、車で30分ほどの「黒滝の湯」で汗を流しました。
今回は、関西最難関ルートに加え、双門大滝滝壺降下、関西最高峰・八経ヶ岳登頂を含む27.1kmを無事完徒。山の厳しさ、美しさ、仲間の力強さを身をもって感じた貴重な山行でした。ご一緒いただいた黒岩会の皆さまに、心より感謝申し上げます。
以下備忘録です。
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◆双門大滝（落差70m）
・日本の滝100選
◆弥山（みせん、1,895m）
・日本の山岳標高1003山、日本の山1000
・大峯の中心的山岳。天河大辨財天社の奥宮がある。
・古来より命の源である水の神として信仰の対象に。
・弥山小屋は4月下旬〜11月中旬に営業。
◆八経ヶ岳（1,915m）
・日本百名山、関西百名山、近畿百名山、奈良県の山（分県登山ガイド）、日本の山岳標高1003山、日本の山1000、大阪周辺の山250、日本百霊峰、日本新百名山、奈良百遊山、温泉百名山、山渓花の百名山地図帳
・近畿地方の最高峰
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kamisugirunner さん
重いザックを背負い急登や垂直階段を進む12時間の行動、かなりハードでした。今度はもっと身軽な装備で臨みたいと思います。弥山川の水、キレイでした。
Kumainkobe ฅʕ·ᴥ·ʔฅ
先達の方がいらっしゃったのでしょうが、それにしても凄いところに行かれましたね。
私も双門コースには昔二度登ったことが有り、そのうち一度は巌双門も訪れました。それにしても巌双門のあんな先まで良くいけましたね。あそこから下を見た景色はどうだったのでしょう。私なんかはず〜っと手前(降りて行かれた時の写真辺り)でもう良いやって戻りました。おまけに門の上まで上がったとか、どんだけ命知らずなんでしょう。
双門の大滝も普通降りる人はいないと思うけどこれまた凄いですね。
よくぞ御無事でのご生還の事お喜びします。
六甲を離れたと思えば、いきなりのアドベンチャー。これからもご活躍を祈っています
今回は双門のエキスパートが何人かいたので安心してお任せできました。ただザックが重かったので予想外に消耗しました。巌の双門の先は断崖絶壁でした。この世の果を見た感じです。
いい歳をして自分のポテンシャルが如何程か興味があります。
まだまだ限界が見えません。
ただ人様に迷惑をかけないようには意識しています。
Kumainkobe ฅʕᵔᴥᵔʔฅ
双門ルート行かれたんですね！
森は美しくて弥山川のブルーが綺麗なルートでわたしも大好きです。
でも、水量によって難易度が変わるし、毎回行くたびに、微妙にルート取りが変わるので(それも正解)終わった後は疲労困憊なのですが、それでもまた行きたくなる素晴らしい場所です。
巌の双門の橋の上、登ろうとしたのですが雨後で滑って断念しました。来年は状況を見て、チャレンジしたいです。双門の滝壺は、経験者の方と行く予定もあったのですが、日程が合わず。コレもチャレンジ目標です。
河原小屋から後は、意外に道迷いが一番多いルートだと思います。基本的に河原を歩くのですが、「ピンテの意味」を間違えるとえらいこっちゃになります。奇跡的に朝陽が顔を出した瞬間は感動的ですね♪来年は避難小屋に泊まって、八経ヶ岳で朝陽を見てみたいです。超ロングの難関ルートお疲れ様でした😊
お返事が遅れ、すみません。
双門から戻ってから関東に出張（仕事）しています。
確かに難コースでした。
巌の双門や双門大滝の滝壺のみならず、一歩間違えば命を落とすような場所が多いですね。集中力を維持するのが大変でした。また河原小屋跡以降で迷い、精神的に打撃を受けました。肉体的な疲労と相まって、いつでも遭難する可能性はあると感じました。
狼平避難小屋は、キレイに整備され、貸切だったのもあって快適でした。川がすぐ近くにあり、弥山や八経ヶ岳にも近いので便利でした。
今回の山行にあたって、アヤちゃん&Woodさんのレコも参考にさせて頂きました。いつも詳細で正確なレコ、ありがとうございます。
Kumainkobe ฅʕ◔‿◔ʔฅ
仙人��周辺のみならず、気の抜けない場所が多かったように思います。特に滝壺への道は、崖をずり落ちて行ったようなものでした。
今度はきちんと装備して、また行ってみたいと思います。
コメントありがとうございました。
Kumainkobe ฅʕ·ᴥ·ʔฅ
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