下の廊下 欅平〜水平歩道〜阿曽原温泉〜旧日電歩道〜黒四ダム 紅葉前の断崖絶壁歩き


- GPS
- 11:01
- 距離
- 28.6km
- 登り
- 5,362m
- 下り
- 4,452m
コースタイム
- 山行
- 4:04
- 休憩
- 0:03
- 合計
- 4:07
天候 | 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
写真
感想
今回は黒部峡谷 下の廊下を踏破してきました。ちょうど10月からの紅葉シーズンにだけ開通する歴史ある上級者向きルート。例年混み合う中間点にある阿曽原温泉小屋の予約も無難に取れ、踊躍して念願の黒部の深淵に向かいました。
富山市街からJR・地鉄を乗り継ぎ宇奈月温泉へ。そこから有名なトロッコ電車に観光気分で揺られること1時間20分、終点 欅平駅に降り立つ。少数派のばっちり登山仕様の乗客はそのまま登山口に向かっていく。
まずは急坂からスタート。ひたすら九十九折りの道で標高を上げていき、40分ほどで水平歩道の始・終点にたどり着く。
そこからはずっと文字通り平坦な道が続いていくが、ご存じの通り決して楽な道ではない。左手に黒部峡谷の雄大な景色を眺めながら、断崖絶壁に作られた狭い道や丸太の桟道や橋を伝っていく。一歩でも踏み外せば‘黒部に怪我なし’の言葉通り命の保証はないので、高所が苦手な人には恐怖でしかないと思われるが、その点はおかげさまで平気なのでこうして楽しく歩いてられる。
この間では特に志合谷のトンネルがおもしろかった。水浸しの真っ暗な坑道を抜けていくのはちょっとしたスリルな体験だった。
欅平から4時間ほどで阿曽原温泉小屋に到着。まだ14時頃はまだ人は疎らだったが、それから続々と増えていき次第に賑わっていく。最終的には満室。
ここでのお目当ての露天風呂は男女1時間交替。明るいうちに芋洗い状態の温泉に浸かる。それでも山中でサッパリ出来るのはありがたい。
夕食は食べ放題のカレーライス。その後に昔放映された小屋紹介の番組を小屋主さん解説付きでしきりに感心しながら鑑賞。20時には適度な疲労と温泉、満腹であっさり入眠してしまう。
2日目、夜明け前に阿曽原温泉小屋を出発し、さっそく暗い中で急坂を登る。仙人ダムに着く頃にはすっかり明るくなり、敷地内通用路を抜けて行く。山中で立派な建造物に入っていくのはなんとも不思議な感じ。
仙人谷をあとにして東谷吊り橋を渡るが、ニホンザルの群れが占拠していて大騒ぎ。特に強い警戒感を出すでもなく遠巻きにこちらを避けてくれるので、揺れる橋を遠慮なく進む。
ほどなく進むと旧日電歩道が始まる。峡谷の向こう側の山肌にある黒四発電所を見送りながら、S字峡、半月峡、十字峡、白竜峡と深い黒部峡谷を歩いていく。残念なのは紅葉シーズンには早すぎで、この辺りの山々は全然蒼い。よそ見せずに済むのは良いかもしれないが。
前日同様に断崖絶壁の道。歩きの注意点は基本的に変わらないが、黒部ダムから来る人数が多いので、行き交いに更なる注意をはらう。写真映像ではめちゃくちゃ大変そうに思えたが、お互いに意識している為か案外スムーズだった。
この間で特に印象的だったのは、十字峡の迫力ある流れと白竜峡の美しさ。長い行程だが次々と周りの表情が変わるので飽きるようなことはなかった。もちろんずっと緊張感を強いられているのはあるでしょうが。
そうして歩くこと出発から6時間、ようやく要塞感漂う黒四ダムのコンクリートが見える。テンションの上がり方は目指す頂上が見えた時と変わらない。
ダム下の川を渡り、最後の登りにとりつく。ゴールは一番高所にある展望台で。黒部ダムを訪れるのは5年前の剱岳立山の帰り道以来だが、自分の脚でここまで歩いて来たので放水の景色もだいぶ感慨が違う。うっすらと白くなりつつある立山もいくぶん眩しい。
相変わらず観光客の方々で溢れて、レストハウスでのランチもままならないので、記念にダムカードを貰って、小1時間ほどで扇沢へ下りる。
紅葉シーズンには早かったですが、黒部峡谷の奥深さの一端は堪能してきました。これは整備されている小屋の方々のお陰なのですが、思った以上に足場がしっかりしていて怖い状況も無く安全に山行することができました。本当にありがたいことです。
欅平からのルート選択も到達感があって良かったと思います。
ちなみにコースタイムだとほとんど休憩してませんが、コース上でスペース確保できる限られた場所でそれなりに休んでました。いくら平坦基調とはいえ息抜きは必要です。
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