摩ヶ峰(須留ヶ峰)へ大山砥神社から往復
- GPS
- 06:37
- 距離
- 10.0km
- 登り
- 1,047m
- 下り
- 1,050m
コースタイム
- 山行
- 5:26
- 休憩
- 1:11
- 合計
- 6:37
天候 | 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
”一般コース”と呼ばれている林道跡は、沢筋の鉄砲水で完全に崩壊した箇所があり、削られた沢の側壁は磨かれた岩盤となっていて通行不能。いわゆる”ベテランコース”のみが使用可能。随所でルートファインディングを問われる。道標に表示の時間は完全にデタラメなので一切無視すべき。 |
その他周辺情報 | 近くにはなし |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
|
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感想
国土地理院地形図に山名が記載されている山は、自ずと注意が向くものである。但馬の須留ヶ峰もその一つだ。この山、宍粟の北東部の稜線から北を見た時に、こんもりと盛り上がった双耳峰として非常に目に付く存在でもある。いつか行きたいものだと思っていたが、我々はここにきて『ふるさと兵庫100山』に色気が出てきて、その一座ともなっているこの山の探訪はmustの課題となった。しかし、馴染みのある宍粟の山々ですら結構遠いのに、須留ヶ峰となると、いったいどうやってアプローチしたものだろうか。登るのはいつがいいのか。ちょっと調べてみると、ヤマビルが多いというから、11月から4月上旬まででないと安心して登れない。積雪期が一つだろうが、車でどこまで入れいるのか。行程が長いからなるべく奥まで入りたいところだが、除雪状況の情報が必須だ。
と、あれこれ考えて結局実行できずにいたのだが、今年は冬の訪れが異常に遅い。普段の年なら但馬は冬型の気圧配置のせいで、この季節、雨や雪に見舞われてなかなか山行のチャンスがないところ、この日はこちらも快晴の予想だ。気温は20℃近くまで上がる勢いと見込まれる。これは、須留ヶ峰に登る好機到来である。
ヤマレコで予定ルートを作成する過程で、須留ヶ峰の南西の山の名が、スリガ峰と記載されているのに気づいた。これは、私が聞いている山名の謂れとは違っている。須留ヶ峰は本当はスリガ峰と言ったが、国土地理院地形図(陸軍測地部の地形図)作成の際に当て字で須留ヶ峰と書き込んで、現在に至るというのが私の聞いた経緯だ。つまり、スリガ峰=須留ヶ峰と言うことになる。
播但道朝来ICから携帯のナビに従って餅耕地集落へと向かう。ナビは(今日は)的確に山神神社への細いほそい道へと誘導していく。最後の短い区間はラフとなる。途中に一か所だけ、すれ違い可能な場所がある。神社の幟の立つところから河原に向かって降りると広い駐車可能なスペースがある。
神社の上をさらに上流に向かう林道を辿る。林道脇には、「スリガ峰登山道」と書かれた古い標柱が立っており、自説(聞いた話だが)の信ぴょう性が高まったように思えて気を良くする。この先、金属製の立派な現在地表示板が立っていて、そこには「須留ヶ峰(摩ヶ峰)」との記載があり、本当の標記は摩ヶ峰で発音はスリガ峰だとの思いが一層強くなる。林道はすぐに終わって山道となり、谷の右岸に渡渉して移る。自然林の谷筋をしばし進むと、大きな丸太三本を渡した木橋がかかっている。左岸に渡り返すわけだが、木は腐朽して苔が生え、且つ水流から結構高いところにかかっている。ちょっとわたる気がしないので、渡渉して対岸に移る。この後、同様の木橋がかかっていたところが何か所かあるも、朽ちて落下している。いずれも渡渉となる。水量は少なく容易。ヒノキの植林となったところで左から流入する小沢に入っていく。この沢にかかる丸太橋だけは通行可能であった。やがて谷の左岸を大きく高巻くようになり、道型はしっかりとしてくると周囲は灌木となって明るく陽射しが届き、一気に季節外れの暖気に包まれた。そして上方に案内看板が見えてくる。いわゆる「一般コース」との合流点である。ここには須留ヶ峰まで40分とある。しかし実際には1時間余りを要する。ほんの僅か林道跡(一般コースの延長)を辿ると林道終点となり、ここから尾根についた山道となる。標識は須留ヶ峰まで35分、とあるが、ここから山頂までは1時間かかる。しばらくヒノキ植林を進み、小沢をわたって山腹を巻いていく。大まかなジグザグを経て自然林に入る。この辺り、重層な落葉で道がわかりずらい。注意しながら山腹をトラバースしつつジグザグに高度をあげる道を拾って進む。ヒノキ植林に入って支尾根の鞍部に出ると、再び標識が立ち、「須留ヶ峰へ35分」!と書かれている。(この手前にも35分がもう一つあったかも)。林道終点であと35分、それから30分登って今また35分!実際の所、ここから30分でやっと大杉山である。この鞍部から稜線を辿り、自然林の中を高度をあげていくと、もう一つ大きな尾根に乗り、道は右に折れてさらに登っていく。やがて谷を隔てて左側に須留ヶ峰が仲間の三つのピークと並び立っているのが見える。須留ヶ峰はまだ遠い感じがする。意外に時間を費やす登路も、アセビ藪が出てきたところですぱっと大杉山の山頂に飛び出す。三方に視界が開けた山頂は苔に覆われて、実にいい雰囲気だ。これから行く須留ヶ峰の山頂よりも、数段上の風情だ。山頂の標識には須留ヶ峰まで30分位とあって、これは正しい。山頂には大屋町宮本から道が登ってきている。さらに山頂から西に向かうところにも宮本への新道があるが、我々は左寄りに緩やかな稜線を進む。途中、天滝・氷ノ山なる木製標識があり、その示す方角を見ると、氷ノ山の立派な山容がのぞまれ、三ノ丸あたりがもう雪化粧しているのだった。コブを2,3越して最後の登りをこなすと、ようやく須留ヶ峰山頂に達した。
時間も押しているので、すぐに引き返す。大杉山山頂で昼飯だ。asakinuは弁当箱を忘れてきた!しかし、kinuasaの箱は、クリスマス前のシュトーレンがズシリと重い。これを食べたら二人とも腹いっぱいだ。幸い、陽射しが温かく、快適な時を過ごす。ここからは下りだ。一般コース、ベテランコース分岐まで一気に下る。ここから一般コースで降ることとし、林道跡を進むが、何とじわじわとずっと登っていくじゃないか。えー、と思っていると、目前を急しゅんな沢がつき切って走り、林道は完全に切り落とされてしまっている。鉄砲水の仕業と思われるが、完膚なきまでに道は分断され、沢の側壁は岩の直壁となっている。ここを無理に突き切るのは極めて危険。さらに林道はその先、同様に寸断されている可能性がある。しょうがないので引き返し、ベテランコースを下ることとする。一般コースの登り口に「通行不可」といった注意書きがあればいいのだが、我々はその有無を確認していない。ベテランコースを歩いた感触では、そういった手当は全くなさそうであるから、一般コースを登路にとると悲惨なことになる。現状、ベテランコースが唯一の選択肢である。
ベテランコースの下りは速く、3時前には下山を果たした。なかなかワイルド(野蛮)な山行となり、印象に残る一日となった。当然のこと?ながら、誰一人出会うことのない、静かな初冬の登山を楽しんだのだった。
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