中谷左俣から比良岳 下山は葛川越へ
- GPS
- 06:11
- 距離
- 10.2km
- 登り
- 1,262m
- 下り
- 1,254m
コースタイム
天候 | てんくらCでしたがピーカンの青空(^^)。朝はきりっと冷えてました。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
私にとってはほぼすべて危険個所(^^;)。中谷は雪も少なくなってるようです。左岸(右)から常に落石がある状況でした。葛川越ルートでは、おなじみの登山ロープでトラバースするところが完全に崩壊していました。写真で紹介します。 |
写真
感想
今週は気温も下がり、また雪が増えたかなと期待(^^)。しかも日曜日は放射冷却で冷えるとのことだったので、雪崩の心配もないと判断して中谷の左俣を目指すことにしました。
中谷方面はαルンゼの存在しか知らなかったのですが、右俣も左俣も登られていることを知って、少なくとも堰堤までは一度は踏み入ってみたい場所でした。今回のルートはkol-yosioka様のレコを大変(というか全面的に)参考にさせていただきました。ありがとうございます。
道具が多いので車で向かいました。荒川峠登山口近くのスペースに停めさせていただき、準備を整えてスタート。そのまま車道を歩いて行きます。
程なく道は終了しました(^^;)。いきなりワイルドに崩落したであろう場所についた足跡をたどっていきます。そこを越えるとまた登山道っぽくなり、道は続いていました。ちょっと広くなった場所で堰堤が見えるか覗いてみますが見えず。もうちょっと先のようでした。
確か右側の斜面に途中から取り付かなければならないはずなので、右を注視しつつ進みます。そして出ましたトラロープ。ロープはだいぶ古そうなので、足場として組まれたパイプを登っていきます。いきなり激しい(^^;)。まあここで苦労しているようではこの先は進めませんよね。
その先トラバース気味に進んで行くと金網のゲートが出現。これを出ると堰堤の上にこんにちはです。で、いきなり目の前に二俣の風景がドドンと広がります(^^)。予想通り新雪が付いてめっちゃきれい!もうこれだけでだいぶと満足してしまいますが、この先左俣に向けて進んで行きます。
足元には1本のトレースがありました。先行者がいるのかな。が、よく見ると下山方向に付いているようにも見える。αルンゼの取り付きもちょっと見て、左俣方向に進んで行きます。この先は厳しくなることが予想できるので、早めにアイゼンなど装着し、スタイルを整えます。それから進むと前に最初の大岩が見えてきました。
気が付くとトレースが無くなっていました。右俣に進まれたのか、αルンゼに進まれたのか、引き返されたのか。大岩は思っていたより前傾していて、近づくのも怖く感じたので手前から左に巻いていきました。そして適当なところから沢筋に降りていきます。クライムダウンもできそうでしたがロープを使いました。
降りてみるとびっくりすることに、トレースがあります。しかも岩の上でひっくり返ったのか、雪を削り落とした跡が付いている。振り返るとロープで降りた場所も登られたような形跡があります。ということはやっぱり人がいるのかな?なんとも不思議な感じです。
その先もトレースっぽいものが続いていたので、導かれるように進んで行きました。滝が連続して現れて、それぞれを右や左に巻くように越えていきます。そのうちとある滝を、トレースが必要以上に高く巻いていきました。これは登山者であれば尾根筋にルートを取ったのかとも思えますが、このザレをルートにするとも考えにくい。しかも足跡が小さいことから、鹿だったのかもしれません。
さて、トレースが無くなり、沢筋を一人登っていきます。アイゼンの前爪をかけ、岩肌を掴んで登るところもあり、なかなか緊張する箇所もあり。気温は低いはずなのに汗が出まくります。遠目には越えられなさそうに見える滝も、近づけば意外とルートが見えたりで、一つ一つ越えていきます。
ところがいよいよ私にとって難関が出現しました。ゴルジュになっていて高巻きができず、滝が二手に分かれているそのさらに右を行くか左を行くかしかない。右のほうが斜面がましに見えますが、1段登った先が見えないので不安が残ります。左の斜面(右岸)は上部は大丈夫そうですが、取り付きがほぼ垂直に2mほど登らなければなりません。困った、どうしよう。
もはや撤退のほうがリスクになるので、ここは通過したい。結局左の壁(右岸)に取り付くことにしました。前爪をかけ、アックスを効かしてから一手一歩ずつ動きます。登りきるとそのまま斜面を登り、滝を通過。ここが核心でした(^^;)。この先も滝は続きますが、巻けるもしくは登れる大きさでした。
意外と滝は続きましたが、だんだんと小さくなってきたような気が。それと同時に雪が増えてきました。ふわっと新雪が乗っているので足元がわからず歩きにくいこと。12月のイメージですね(^^;)。やがて右からの水流との合流地点を過ぎると、ぐっと水量は減って雪歩きの様相となってきました。
雪のほうが歩きやすいかと思えば足がはまるので岩場に移動し、岩の間に足がはまると思えば雪に移動しつつ、進みやすいところを探して登ります。右側のほうが岩が露出していて足元がわかりやすいものの、落石が多くていただけません。そのうち完全に雪渓になりました。動きやすいところを探して登ります。
少しずつ終了点に近づいているはずが、景色が変わらないのでもがいているだけのような(^^;)。左に寄ると雪が深く、中央に寄ると踏み抜く。まあいつか着くでしょう。落石が怖いので早く抜けたいですが、落石エリアはだいぶ抜けたか。
ようやく終了点が近づいてきました。ところが近づいてみると、思ったより斜面が立っているうえに、雪が無くなってズルズルの土が露出している。それではと右方向に逃げ、手を効かせつつなんとか稜線に乗越しました。濡れた土がズルズルなので足が効かず、なかなか痺れる乗越しになりましたが、まあとにかく左俣完登(^^)!振り返った琵琶湖方面は少し霞むも素晴らしい眺望で、大変癒されました(^^)。
あとは移動して下山と思いきや、木戸峠まででてこずります。沢地形で新雪と踏み抜きに阻まれ、引き返して尾根筋を登る羽目に。まあ最悪汁谷ゲレンデまで登ればいいけれど、もうしんどいし(^^;)。トラバース道らしきところまで登ると歩けるようになったので、そこから木戸峠に辿り着きました。
一般道にはトレースがあったので楽をさせてもらえました(^^)。この辺りは平地なので、しばらくの平地歩きを楽しみます。そのとき、前からハイカーさんが一人来られました。「どちらまで?」と聞かれたので、思わず「どこまで行きましょう?」と答えてしまい、しばし談笑(^^)。トレースは比良岳までとのこと。なら中ゆりからの下山もありですね。
何も考えずにトレースを歩いていると警告発令。どうやらトレースは冬道に伸びているらしい。なら山頂も踏ませていただきます。そうすると一山登ったことになりますし(^^)。確かにトレースはここで終わっていたので、新雪を合流点まで進んでいきます。
合流点からは薄くトレースが付いていました。であれば葛川越のほうから下山することにします。こっちの下山もやっておきたかったので。葛川越まで降りると、そのまま右に下っていきます。
最初は道らしい様相です。が、急にアイゼンが雪団子になって歩きにくい。頑張れ私のアンチスノープレート!でもどうにもならず、一歩一歩雪を飛ばしながら歩く羽目に(^^;)。さらに岩が出てくると歩きにくさ倍増でどうにもならん。アックスをザックに戻して両手を使えるようにし、ついでに1枚脱いで暑さに備えます。
落ち着いて歩くと、意外とたくさんリボンがあることに気づきました。ありがたい。あと、なぜかトレースが出てきました。それでも渡渉ポイントを見逃して登り返すポンコツさですが、通ったことがあるというだけで心にゆとりが持てるというもの(^^)。それなりに順調に下ります。
やがて中ゆり道との分岐点に到着。この頃にはだいぶ雪も減ってきたので、アイゼンを外します。やっぱり歩きやすい(^^)。スピードが上がって快調に歩き始めましたが、見覚えがない大崩落地が突然現れました。こんなところあったっけ?とりあえず下るしかないので、川まで下ることにします。
振り返って見覚えがある岩が見えたので気が付きましたが、このルートの難所であった、登山ロープでFIXされていたトラバース箇所でした。張られていたであろうロープの一部が垂直になっています。現在も崩落中のようで、見ている間もぱらぱら落ちてきていました。しかしむしろこのほうが安全に通過できそうな感じが(^^)。ちょっと高所をトラバースするのは怖いですしね(^^;)。
とりあえず川に降りたものの確か道は右岸にあったはずなので、適当なところから登り返します。その後は順調に進み、見覚えのある広場へ。渡渉先にはリボンがあり、川から離れるポイントに到着しました。あとは道歩きです。
トラロープがある崩壊地を越え、ロープが意味をなしていない崩壊地を越え、登山ロープを伝う崩壊地を越えると大岩谷分岐。ここで一般道に合流。あとは歩きやすい道を進むと荒川峠登山口へ帰還。今日のスタート地点へ戻ってくることができました(^^)。
登った方向を見ると、垂直に見える白い筋があります。あれを登ったのかな?おっそろしい(^^;)。とにかく無事に中谷左俣を登って帰ってくることができました。正直疲れた〜!でもこの充実感(^^)。本日も山に、そして先達に感謝。ありがとうございました!
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