稜線暴風で頂上アタック敗退(白馬岳往復)
- GPS
- 00:17
- 距離
- 5.9km
- 登り
- 1,589m
- 下り
- 3m
コースタイム
(2日目)7:00頂上アタック-猛烈な風で敗退
7:20白馬山荘から下山開始も猛烈な風で一旦小屋へ非難
8:30白馬山荘再度下山開始-11:30猿倉
天候 | 1日目 曇り時々晴れ 2日目 曇りのち風雪(稜線は暴風) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 タクシー
|
コース状況/ 危険箇所等 |
猿倉のちょい先から雪がありました。ただ、帰りは随分溶けていたのでこのあたりは急速になくなるでしょう。 白馬尻あたりは、まだまだ大量の積雪。そこから先は大雪渓・小雪渓の区別なく「普通の雪山」です。 雪は日中は腐った状態。クレバスの出来かけがかなりの数ありました。落石跡は無数に存在。雪のブロックが落ちてきてヒヤっとする事もありました。 アイゼン使わず登りましたが頂上宿舎付近は、雪が堅くなっているので使った方がよいでしょう。 スキー客8割、登山2割といったところ。 栂池に下りる予定でしたが、2日目の稜線の吹雪では無理と判断し大雪渓ピストン。それでも頂上小屋まで戻るわずか15分のルートが、相当な難易度になりました。2日目朝の気温は-2℃ 吹雪に叩かれると結構寒く感じる温度でした。 |
ファイル |
高度記録(Pro Trek)
(更新時刻:2010/05/29 20:58)
1日目GPSログ
(更新時刻:2010/08/16 20:22)
2日目GPSログ
(更新時刻:2010/08/16 20:22) |
写真
感想
初日はすごく平和な登山。。ただ、W邊隊員が葱平で足をつったため平らなところまでの移動、念入りなストレッチと、念のためのアンザイレン、踏ん張りがいらぬよう堅めのステップを作ったりで白馬山荘到着はちょい遅めの17:00になった。とはいえ日が長いこの時期、まったく問題はなかった。別に問題だったのが、K城隊員が別行動(仕事の都合で一緒にスタート出来ず)だったので、明るいうちに頂上に来られるかが心配のタネだった。11:30頃猿倉スタートのメールは着ていたので普通にきても18:00は過ぎる。だが途中経過のメールが来ていいペースで着ている事がわかりホッとした。結局18:45には合流出来、皆で自炊の夕飯となった。頂上アタックは20分でいけるが全員揃ってから、という事で明日朝に回すことにした。小屋は我々のパーティー以外に2パーティ計4人ほど。8人パーティーで3部屋というぜいたくぶりであった。
2日目は、予報通り曇っており下り坂の天気。本来は栂池方面から降りる予定であったが、行った事がない事、これから荒れる可能性ある事を考慮し来た道を往復する事にした。とはいえ頂上だけは行っておきたいので空身でアタック。ところが。。。ここからが今回の山行の核心とでもいえるところで、「ものすごい風!!」10分ほど登ったところで、よろめく者、膝をつく者、風上を見られない者が続出!危険と判断し、頂上アタックは断念した。朝一番は目の前に見えていた白馬岳のピークは見えないほどの吹雪となっていた。。
残念ではあったが、一旦小屋に戻り7:20くらいから下山開始。ところがここでもドラマはあった。。小屋周辺は風が巻くせいか弱いのだが、その上下の稜線は完全に吹きっさらしの状態。ここまで強い風にはあった事がない。まっすぐ立っているのが大変。クラックに足を突っ込む者、風で動けなくなるもの、ザックカバーが飛ばされる者あり。頂上小屋まで降りれば稜線特有のこの暴風はなくなると思っていたが、小屋は閉まっているし、ホワイトアウト気味でまだ見えない。恐怖を感じたメンバーも出たため一旦白馬山荘に戻る事を決意。この登り返しはきつかった。。わずか100mも登らないが、何しろ普通に立っているだけでも踏ん張りで筋力を使う状態。風上に体を倒しながらなんとか小屋に戻った。結構ヘバっているメンバが多かった。小屋の玄関では、皆が今の感想を興奮気味に語っていたが自分はかなり迷っていた。正直降りるのを天気がよくなるまであきらめるべきか、ただそれは月曜の出社をあきらめることにもつながる。。とはいえ無謀な特攻をして遭難につながっても。。小屋の人とも会話し、やはり強風は頂上小屋から少し降りればなくなるとの事。ホワイトアウトでメンバがはぐれないようにだけ注意してください、という事なので下山を決意。8:30に小屋を後にした。
小屋付近は大したことはないが、少し降りると再び猛烈な風が襲ってきた。ちりじりになるのを防ぐのと怖さ軽減のため腕を組んで風に立ち向かう。F本隊員にトレースの先導役をしてもらい少しずつだが進んでいった。トレースは新雪が積もり異なる色の雪で埋まりつつあった。途中K城隊員が遠くに離れそうになりヒヤっとしたが、ホワイトアウトの中頂上小屋が見えてきた。結構歓声があがるような状況であった。
その後は、雪が降る「普通の雪山」に戻り何事もなく降りていった。小屋から猿倉まで人には一切出会わず大雪渓を独り占め状態。昨日開山祭りをやっていたとは思えないような静けさであった。
11:30には猿倉に到着。添付ファイルの高度記録を見て頂きたいが、我々メンバとしては驚異的な下山速度。ゆるい雪がクッションになり、足腰が楽であったため出た速度であろう。
タクシーで白馬に戻った後は、ちょいとシャレたイタリアンの店で昼食。帰りのあずさで宴会をしつつ帰途についたのであった。
photo by STK D300
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