白馬岳
- GPS
- 56:00
- 距離
- 19.6km
- 登り
- 1,607m
- 下り
- 1,587m
コースタイム
- 山行
- 6:36
- 休憩
- 1:05
- 合計
- 7:41
- 山行
- 9:19
- 休憩
- 1:21
- 合計
- 10:40
天候 | 3日間快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
写真
感想
2015年アルプス冒険学校の記録。参加者は中1男子1、60代女性1、malmal(スタッフ1),CL,nobouの計4名。中1男子Tubasaはアルプス初体験。60代女性MY女史は断糖生活者で同コース2回目。女史は通常の登山者とは異なり、体力面でも食事の面でも特殊な対象者で経験も少ないので、Tubasaをmalmalさんに委ね、nobouがMY女史に付く。若くて体力のあるmalmalさん&TubasaとMY&nobouでは体力・行動力に大きな差があり、出発から帰着までほとんど一緒に歩くと言うことはなかったが、それはやむを得ないことで、今回に関してはそう言う山行である。
8月7日
初日は登山口を8:45に出発。栂の森の水場まで頑張って水を補給。この時点ですでに差がついていたが、この水場の水飲んでほしいので待ってもらう。
栂の森の水場はコース中随一の水場である。この水を美味しく飲むために、ここまでは水を我慢して登れと、シロウマ学のの師である尾沢洋さんに教わったのはもう30年以上も前である。その師のとっておきの㊙湿原に向かうべく、次の天狗原下の雪田と天狗原の休憩所で調整して風吹分岐を10:43に通過。風吹方面に10分歩いて山ノ神コースに入った所で荷物をデポして湿原探訪に向かう。ひと夏に何万人の登山者が白馬岳を訪れても、その湿原に立ち寄る人は100人といない。それどころか地元の人であってもその存在を知る人はほんのわずかであり、それゆえにそこは30数年前と少しも変わらぬ美しさを保っている。それに比べてここ数十年間の天狗原湿原の衰退は目を覆うばかりである。
2013年の山ノ神湿原は雪解けが早すぎて条件に恵まれなかったが、今年はドンピシャのタイミングで湿原のよさを満喫でき、1時間あまりの探索を終えてデポ地に戻り昼食。12:28に乗鞍・風吹分岐から乗鞍への登りにかかる。
ここから先、MY女史は2年前の2013年の初挑戦の時は、雪渓まで2:15、ケルンまで3:00、大池山荘までは3:50を要しており、今回も女史にとっては相当過酷な行程になるのでTubasa・malmal組とは完全に別れての行動となる。そしてこのきつい登りを、今回は雪渓まで1:56,ケルンまで2:29、大池山荘まで3:31で登り、僅かとは言え進歩が見られた。
かくして初日は16:00に先着の2人が待つ大池CP場に着いた。
8月8日
2日目は白馬岳への頂上ピストンで、長大なこのコースも別行動とならざるを得ない。晴天に恵まれ、多数の登山者と後になったり先になったりしながらゆっくりのペースで登り、小蓮華岳まで2:46(前回は2:41),三国堺まで4:08(同3:57)、白馬岳まで5:20(同5:04)かかって2度目の登頂を果たした。前回の方がわずかながら早かったのは、初体験の姉妹同士で励まし合ってのことであろう。
白馬山荘でゆっくりして帰途に就き、白馬岳を13:58(13:30)発。三国境まで0:55(前回1:06)、小蓮華岳まで1:53,白馬大池までは3:32(同3:52)で17:30大池着。前回は姉妹のタガが外れてのんびり帰ったために時間がかかり、大目玉を食らった分だけ今回は早かった。
8月9日
3日目は下山だけなので余裕があり、6:10に出て乗鞍ケルのケルンまで0:40(前回1:10)、風吹分岐まで2:04(同2:55)、栂の森の水場まで3:07(同4:40)、登山口までは4:16(同5:47)と大幅に短縮し、昼までに栂池高原駅に下ることが出来た。前回、登りのあまりの苦しさから乗鞍の下りを嫌がり、蓮華温泉に下りたいと言うのをなだめすかしながら6時間近くを要して栂池に下ろしたこと思えば大きな進歩である。
2回続けて大池からの頂上ピストンとしたが、次の機会には縦走を試みるべきかと思う。それは、白馬岳からの帰りに要する時間の半分を登りに費やせば、荷物を背負っての移動は決して無理ではなく、その力はついていると言える。Tubasaにとってもそれは充分可能な行程であり、むしろその方がいい筈である。
断糖生活者とは‥
加古川市の崇高クリニックの荒木裕医師が提唱する糖尿病の療法(ノンカーボダイエット)で、MY女史は一切の糖分(炭水化物)を断ち、タンパク質と脂質のエネルギーと栄養素,サプリメントのみで生活することに依り血糖を生じさせないと言う療法に従って、穀類のみならず一切の野菜も口にしないと言う生活を8年間続けている。
女史の食事は魚貝類や肉類等のたんぱく質と植物由来の脂肪だけで、主食と言うべきパンや米飯がない。主食に代わるものとして彼女が食べているのは、小麦粉を精製する際にとれる外皮(ふすま)でつくった『健康ふすまパン』と言うもので、それにゆで卵等をはさんで食べているが、それは私達がエネルギーを摂るために米や麦を食べるのとは全然違っていて、その意味では主食とは言えず、単に腹を満たすためだけに食べる無糖の食べ物である。そのため、食生活が単調になることは避けられず、はた目には満腹感を得られないのがつらいのではないかと思うが、その点には慣れたと言う。
それでも野菜が食べられない分,食事のバラエティーが著しく狭められ、他の人達と同じものが食べられないことには相当な辛さがあると思われる。
2013年にそのMY女史から45年ぶりにメールが飛び込んできたが、その内容は『断糖と言う特殊な生活をしているので、普通の人のように登れるかどうか不安だが、何としてもアルプスに登りたい・・』と言うものだった。
幼小児を含む子どもや登山とは疎遠になりがちな主婦,高齢者等,初心者や経験の少ない人,健康不安の人達の登山をサポートすることが自分の登山の大きな楽しみなので色んな相談に応じてきたが、断糖生活者と言うこれまで全く経験したことのない対象者には大いに興味が湧き、栂池から白馬大池経由で白馬岳に登ると言う、彼女にとってのみならず自分にとっても『大冒険』となるアルプス登山に取り組むこととなった。
この時は女史の2才年下の妹S女が同行・サポートしてくれることになったが、そのS女にとっても、アルプスは初体験となるので、白馬大池に2泊し手頂上ピストンを試みると言う、比較的安全な計画を立てて実行に至った次第。
その後MY女史は爺ヶ岳,燕岳の日帰り登山や米山登山などを経験し、今回が2度目の白馬岳となった。
2013年 断糖生活者,白馬岳をめざす〜1
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