9月最後は禁漁前の竿納めのつもりであったが、ワンゲル部員から沢の希望があり、日曜日に大峰のモジキ谷を遡行することにした。モジキ谷は天川村漁協の管轄で既に禁漁期間となっているため、これで今シーズンの納竿は東北遠征中の大深沢となってしまった。同行のワンゲル部員は沢ヤ希望の1回生1名である。モジキ谷は過去2回遡行していて、今回は渇水ということもあり、スムーズに行けるかと思いきや、そう簡単にはいかなかった。最後の詰めで、標高1400mの二俣を右の谷に入ってしまう。全体的に急で小滝をいくつか超えてしまったため、戻るよりは稜線に抜けてしまう方が安全と思い、標高差100mほど登る。ところが、結構難易度が高い小滝が出てきて、ワンゲル部員には少々しんどい。小滝といえど、全体的にかなり急なため、落ちたらどこまでも転がって行ってしまう。そこで尾根1つをトラバースして本来の谷に戻ることにする。草丈ほどの笹や、木を掴みながらトラバースし、最後は念のために懸垂下降で無事復帰する。本来の谷に復帰して、登っていくと、テントにポール、袋に入ったシュラフが半分土砂に埋まって散乱している。人も埋まっているのではとビビるが、人骨も腐敗臭もなし。帰宅してから調べてわかったことだが、2020年1月に遭難事故があり、その時に救助された人が残していったものらしい。天気は1日パッとせず、時折小雨がパラついたことはあったが、何とか下山まで持ってくれた。モジキ谷は標高差1000mを登るため、全体的に急で、最後はかなり急な詰めとなる。関西起点沢登りルート100ではグレード的には1級上だが、それはスムーズに行ってのことで、リスクは結構高い沢と思われる。車1台だと、余計に2.5時間も歩くことになるため効率も悪い。詰めでの間違いもあり、12時間行動という長丁場となってしまった。同行のワンゲル部員にとっては、いろいろと実戦的な経験ができたのではないかと思う。
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