谷川岳一ノ倉沢烏帽子沢奥壁南稜〜国境稜線


- GPS
- 12:38
- 距離
- 13.3km
- 登り
- 2,033m
- 下り
- 1,445m
コースタイム
- 山行
- 10:32
- 休憩
- 2:07
- 合計
- 12:39
天候 | 霧のち晴れ 当日は山頂は15度程度で、8時以降に曇りが抜けて晴れたが 風があり稜線は涼しかった。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
これまで無料だった駐車場の入り口に有料パーキングとしてゲートが出来ていた。ただし、24時間までは無料なので日帰り時には影響がない。 ここでテントで前泊したが入り口近くなので夜間に到着する車や、自販機に向かってくる人の話し声などが寝てるときに気なったので次回は奥側にテントを張った方がよさそう。 また、トイレの手洗いの水が殆どでなかった。一ノ倉沢出合のトイレもそうだが雨が降っていないで渇水していると水がでなくなるようだ。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
■谷川岳インフォメンションセンター〜一ノ倉沢出合 舗装路を歩くので問題ないがマチガ沢手前から霧で視界がほぼなかった。一ノ倉沢出合付近で霧が無くなり視界が開けた。また、一ノ倉沢出合にあるトイレについて便器の水は流れるが手洗い用の洗面台から水がほぼ出ない。事前に今日の谷川岳にて情報を掴んでいたので登山指導センターで水を汲んでいった。 ■一ノ倉沢出合〜テールリッジ取り付き 一ノ倉沢出合ではほとんど水が流れていないが、右岸側の捲き道の箇所に着いては沢底に水があるので捲き道に乗り上げてから沢底に戻る。ここでもほとんど水が無いが、ひょんぐりの滝付近では水が出てくるので、懸垂下降支点まで高捲くが、踏み跡が泥濘していたのは霧のせいか? 懸垂下降支点は一番奥の高い箇所に3点のボルトがあるので、これが一番安全だと思われる。また、一番手前のボルト2つに固定のフィックスロープがあったので、帰りの登り返しは、このロープを掴みながら登った方がよさそうだ。懸垂下降後、谷底に向かって左手に残置ロープがあるので、そちらから谷底に降りると向かって衝立沢方面の左岸に残置ロープを利用しながらテールリッジに取り付いた。 ■テールリッジ取り付き〜南稜テラス テールリッジの岩は殆ど乾いておりフリクションを信じて登ることができる。 テールリッジには下部以外に2か所フィックスロープがあった、2つ目の島に取り付く際のトラバースする箇所ではロープの下側にスタンスがあるのでそれを使うと楽に登れた。もう一つのフィックスは箇所は登りでは気にならないが、下りでの事故防止用か。烏帽子沢奥壁のトラバースではいつも岩から水がしみだしているが、今回はあまり水は無かったが、濡れている個所がありバランスを崩しそうになった。常に注意が必要。トラバース後、南陵テラスへは鎌型ハング側の方が登りやすいが、先行パーティーが登っている場合、左側から登った方が良いのかもしれない。 ■南稜テラス〜南稜終了点 どのピッチも終了点がしっかりして安心できる。また、プロテクションについては主にハーケンになっているが基本的に信用できるのが多いが、人気ルートとはいえアルパインなので動くホールドもあるので注意が必要。今回、5、6ピッチ目を繋げてクラック手前の支点迄を1ピッチを繋げた際に馬の背リッジに上がらず、クラック手前まで左側の壁を登るとかなり動くホールドが多く信用できなかったので一番緊張した。ある程度、早めに馬の背リッジに上がった方がよさそうであった。 岩のコンディションとしては1ピッチ目のチムニーには今回は比較的乾いており、7ピッチ目についても水の染み出しもなく今回は全体的に岩のコンディションに恵まれていた。 ■南陵終了点〜5ルンゼの頭 南陵終了点から懸垂岩付近までは左の岩を登って行ったが意外に悪い。懸垂岩を越えたあたりで私が右手に上がってしまったので左に戻る際に急な斜面を笹を掴んで藪漕ぎをしながらトラバースをして時間をかけてしまった。トラバース後、上を見ると左右の岩稜に囲まれた笹藪があるが、それを避けて左手の岩と藪の境目を登って行ったが、最後、上部に出る際にそれなりに壁が立っておりロープが欲しくなった箇所があった。あまり良い手が無い中で土の箇所にハイステップして乗り越した箇所があったが、この日一番緊張した箇所。上がった先は下から見上げて左手の岩稜だった、ここからは手足がしっかりして藪がきつくなくなり少しすると右の藪の方から上がってきたと思われる踏み跡が出てきた、おそらく笹藪を上がってくる方がリスクも少ないであろう。その先を少し歩くと踏み跡がしっかりして5ルンゼの頭が出てくる。基部にはリングボルト2個+ボルト1つあるのでここを支点にできる。5ルンゼの頭は技術的には難しい場所ではないが南稜よりも岩が動く箇所が多いし、基部の支点が真下にあるので落石をビレーヤーに当てないように注意が必要。残置ハーケンが2つあり、それ以外にカムと岩角でプロテクションを1つずつ取った。上に抜けるとリングボルト2つで終了点が取れる。 ■5ルンゼの頭〜一ノ倉岳 5ルンゼの頭からは稜線上の頭を幾つか超えるが踏み跡が明瞭で、アップダウンもきつくない。南陵終了点から危険を感じながら歩いていたがここからは、手足しっかりしているので一安心。アップダウンを抜けて一ノ倉岳側には30分程で辿り着くと藪漕ぎになるが、藪の密度はきつくないので藪漕ぎを20分ほどで一ノ倉岳山頂付近の登山道に出る。 ■一ノ倉岳〜谷川岳ロープウェイ(天神平駅) よく整備された一般道で安全。所々、蛇紋岩で丸まっている岩を乗る部分があるので雨でぬれていたら、そこは注意が必要。また、天神山分岐から先の木道は濡れていると滑りやすいので足運びを注意。 |
その他周辺情報 | 下山後、谷川湯テルメで温泉に入浴 料金 大人700円、ドライヤー5分100円、ロッカー代100円 |
写真
装備
個人装備 |
長袖インナー
ズボン
防寒着
雨具
靴
予備靴ひも
ザック
行動食
飲料
ライター
地図(地形図)
トポ
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
タオル
ナイフ
カメラ
クライミングシューズ
ハーネス
ヘルメット
チョーク
確保機
ロックカラビナ
カラビナ
クイックドロー
スリング
セルフビレイランヤード
タイブロック
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
ツェルト
|
---|---|
共同装備 |
■各自担当(半分づつ)
ダブルロープ 50m×2(各自1本)
クイックドロー6本
アルパインクイックドロー(60cm2
120cm×2)
スリング180cm×2
120cm2本
60cm2本
カラビナ8個
環付カラビナ8個
■(SSさん担当)
カム(キャメロットウルトラライト) 0.3
0.5
0.75
1
■(raist担当)
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
ツェルト
|
備考 | 水 2.5L 500mL余りました 行動食 カロリーメイト2箱、ジェル2つ、おにぎり1つ コンデスミルク、大きいクッキー1つ、ラムネ クライミングギア クイックドローを4本にして, アルパインクイックドローを120cm2本増やした方がロープのキンクを防ぐのにも良かったと思われる。 今回はカム(キャメロットウルトラライト) 0.3, 0.5, 0.75, 1を持って行ったが大きいカムが決まるところは少なかったので0.2, 0.4を追加して、1を削った方が良かったかもしれない。 |
感想
2年前の10月に4P終了点で敗退後、悪天候でテールリッジ取り付きで敗退2回、悪天候により中止と長い道のりでしたが5度目の挑戦で南稜をやっと登れました!
ついでに南稜終了点より国境稜線へ抜けルートを歩けて大変満足な山行でした。
前日は晴れでしたが、当日は朝の霧があり一部濡れている個所がありましたが、南稜ルートは岩が乾いて登りやすかったです。南稜テラスに到着してルートを見た時にこんなにルート短かったかな?と思ったので、おそらく2年前にこのルートを4P目で敗退した時より成長しているのだろうな。
南稜ルートは基本的にはピッチはコンディションが良かったせいか難しいところもなかったが、5P目だけルートファインディングをミスり突き当りを真っすぐ登り、馬の背リッジをほぼ登らずワイドクラック下に出るというルートを取ったのですが、この壁が岩が脆く少し怖い部分もありました、それ以外はあっさり抜けれました。
個人的にはこのルートは南稜終了点から5ルンゼの頭を抜けるまでがこのルートの核心でした。南稜終了点から最初の緩斜面スラブが滑りやすかったのですが懸垂岩付近を歩いて言ったら、SSくんは左手のスラブ帯を登っており、SSくんと合流するために笹を掴みながらトラバースして合流、その後、そこを抜けた笹原を左手側より岩稜と笹の境目を登っていきましたが、ここは最後、土壁で70度くらいあり手が良いところが無いなか草付きの棚にハイステップして乗り込む箇所があり、ここがこの日一番痺れました。そこから先は踏み跡がしっかりして5ルンゼの頭までは直ぐにつきました。5ルンゼの頭は基部の支点より真っすぐ登り、残置でプロテクションを取ってから左手にトラバースすしましたが、SSくんがリードしてくれたので気楽でした。ここはダブルロープ1本でクライミングシューズには履き替えないで登りましたが、怖い場合は安全を期してクライミングシューズに履き替えた方が良いと思います。
今回の反省点としてはアプローチシューズでなく登山靴で来てしまったせいで南稜終了点からは脚が信用できずに余計な心配をして時間が掛かってしまった。
また、今回はパートナーのSSくんが、1P、5P、6P(6Pのワイドクラック+7P)と5ルンゼの頭をリードしてくれて大変楽をさせてもらいましたが、次回の機会があれば1P、7Pをリードしたいが国境稜線まで抜けなくても良いかな。
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