茶臼山〜縞枯山〜雨池


- GPS
- 06:52
- 距離
- 10.1km
- 登り
- 524m
- 下り
- 501m
コースタイム
天候 | 曇り(最後に晴れ間) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険な場所はなし。 |
写真
感想
〜8月15日の項から続く〜
「天気になりそう」と窓を開けた妻の声。休暇最後の朝なので、「海底摸月(ハイテイツモ)!」と膝を打った。
眺望の茶臼山を経て、3日前はガスっていた縞枯山でリベンジを果たし、雨池へ廻る心づもりを固める。
ところが、車を走らせて10分もせずに雲が広がり始め、麦草峠に着くと前日までと同じような暗い空に。
少し落ち込みかけたが、麦草峠の駐車場で気を取り直した。併設のトイレはいつも清潔に保たれている。
設置管理者も立派だが、利用者のモラルも相当な高さだと感心する。山を愛する人間はこうでなければ。
朝刊を取り出して天気図を読み返す。確かに気圧配置は微妙だが、いずれは晴れ間がのぞくに違いない。
好転に期待して歩き始める。茶水の池北端の分岐を大石峠方向に曲がり、この日のルートは時計回りだ。
しばらくは木道が敷かれた緩斜面が続く。苔むした原生林の深緑を味わい、フィトンチッドを享受する。
やがて傾斜が急になり、膝丈ほどの岩がゴロゴロと転がる。乾いた部分を狙い定め、岩の上を伝い歩く。
3人のリズムが合ったり合わなかったりするのは仕方ない。「意外と楽しい」と娘が呟くのを無言で聞く。
携帯電話のアンテナが3本立った中小場で東京と連絡をとる。盆明けの月曜日、世の中は加速を始めた。
全校登校日の8月16日になっても宿題に触れていなかった小学生の頃から、夏の終わりは慌ただしい。
樹林に囲まれた茶臼山の頂上では、ご夫婦が弁当を広げていた。挨拶を交わし、西へ数分歩いて天望台へ。
視界なし。「むしろ天気が悪くなる前に」と早弁を思いつき、風を遮る岩陰に荷物を置いて、お湯を沸かした。
なるほど樹林の中で食事をとる人は懸命だと感心しつつも、強風下でのご飯と紅茶、バナナを堪能する。
13日に北側の斜面をピストンした縞枯山に、この日は南側から登る。すれ違う人は相変わらず少ない。
展望台の西まで登り切ったところで、40代と思しき男性が「また下りですねえ」と同意を求めてくる。
頷くと、「私、ソロなので」とGPSを見せてくれた。家族から「欲しくなったの?」。経験則で即答は避ける。
縞枯山の北側斜面を、妻と私は3カ月余りの間に3回下りた。振り返ってみると、人間は状況に慣れるものだ。
雪の残る5月2日は滑りながら55分かかった。お盆寸前には48分間。そして、3回目の今回は40分で。
下り坂は相変わらず苦手だが、ゆっくりと歩く意識を高めている中で、逆に所要時間は短くなっている。
雨池峠で腰を降ろして水を飲んでいると、日差しが少し戻ってきた。まだ空の大半は雲に覆われている。
雨池峠分岐まで、周囲の植物を楽しみ、岩の合間を縫うように下る緩やかな坂に意外と時間がかかった。
途中、別荘地の雑貨店で見かけるような格好の女性と遭う。颯爽としているが、泥のヒールが痛々しい。
空模様がすっきりしない。雨池は次回にしようかと萎えかけていたところで、年配のご夫婦に触発された。
雨池まで行きすぎて戻ってきたという。3日前に私たちが断念したコースを、そのまま歩いている形だ。
ショートカットするわけにはいかない、と雨池への道を進む。樹間に見え隠れする水面は意外に青い。
それもそのはず。雨池に着くと、対岸の原生林が日差しを受けて緑色のグラデーションをつくっている。
晴れてきた。この日、最も寛いだ気分に浸る。池畔の石に腰掛け、おにぎりをおもむろに出して食べる。
静寂の中、2つの影が池の上を近づいてくる。カモだ。とうとう上陸して私たちの目の前まできたではないか。
終わりよければすべてよし。瑞々しい山と青く美しい池。静寂に包まれ、人なつこいカモにも出会えた。
それだけでも了とすべきところ、中央高速が30kmの渋滞というので迂回した帰途の国道20号にも幸運が。
韮崎市内で花火大会のフィナーレを直下で見上げる好位置で車の流れが止まり、家族の喝采を受けた。
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