秋の吾妻連峰・中津川遡行
- GPS
- 32:00
- 距離
- 18.4km
- 登り
- 1,335m
- 下り
- 756m
コースタイム
- 山行
- 12:55
- 休憩
- 6:51
- 合計
- 19:46
天候 | 10/17 晴れ時々曇り /18 ド快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2015年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト) 自転車
・自転車はグランデコスキー場に停めさせていただきました。 ※必ず断って止めてください。 グランデコからレークラインが重なるところまで5キロくらい、草むらを入ってレークラインに自転車を持ち上げ、涼風峠にザックを置き、空身で自動車回収しました。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・白滑八丁は水線通しのへつりで行くなら、フェルトでは厳しいかなというところ。 ・大きな滝がいくつも出てきますが、ほとんどが高巻くもので、昔の記録やエアリアは頼りにならないほど、道ははっきりしません。 ・岩がもろい所があるので、高巻きも注意。 ・ゴルジュ内はコケが多く、結構滑りました。乾いた岩も濡れたシューズで乗るとツルツルいきました。 ・高巻き道は |
その他周辺情報 | 休暇村は16時まで ¥800 他、結構高めでした。検索不足?? ラビスパ裏磐梯は¥500と施設の規模のわりに、お得感いっぱいでした。 |
写真
装備
備考 | アクアステルス |
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感想
本当は2泊でゆっくり登って、下道ドライブしながら帰ろうと思っていたが、いつも通りSAで気が付けばとんでもない時間に…とりあえず裏磐梯まで行って風呂くらい入ることにした。休暇村で平日の真昼間から、いい大人がという感じ。ゆったり時間の流れるこのエリアは大好きな場所である。
グランデコに自転車を置かせてもらい、中津川レストハウスに移動。まだ時間も早く、観光客もかなり多い。結果、残ったのは自分の車のみ。翌日、寒気が入るとのことだが、めちゃめちゃ星がきれいな夜だった。
10/17
駐車場から10分で河原に降り立つ。しばらく平凡な河原を進んでゆくとナメ帯に突入する。火山の山ではこういった形に侵食されるのか、葛根田も同じような感じだ。でももっと広く規模が大きい感じだ。時期も時期なのでへつりで進むが、ステルスでないと厳しい感じだけれども、両岸から湧水が流れているところなどは、赤茶のヌメリでゴム底は全く歯が立たない。どちっが良かったのか気になるところだ。左岸に一か所ヌメリでどうにもならないところが出てきて、周囲を見回すとなんとトラロープが!その先もへつり、膝上の渡渉を繰り返してどこまでも続く白滑八丁を進む。
天気は上々、歩いている空間、空気さえが黄色になっている感じだ。白滑八丁が終わるとごろたの河原となる。紅葉はこの辺りが絶好調。大岩が目立ち始め岩壁が見え始めると魚止滝。とても深い大釜を控えている。
高巻き入口はわかるものの降下点が定まらず、魚止上の小尾根状を下る。ごろたの河原はしばらく続くと、越えることができない淵が出てきて、なぜか銀マットが転がっている左岸小尾根状から巻き始める。ここも『やっちまった!』という感じだったが、河原が見えるところに来ると真下に取水堰があった。堰の上に出るように巻き下る。
ここで泊まる人も多いということだが(自分もその予定だった)広いが整地が必要なところばかりと感じた。この辺からイワナが足元を走る走る。ゴルジュが立ってくると、巨大な釜に小滝が落ちている銚子口。右壁をへつって落ち口で対岸に渡るが、水量多いと大変だろう。ここから先は狭いゴルジュながら大岩が多く、さらに蛇行しており先が見通せない。
このゴルジュ内でとうとう股下まで濡れてしまった。右岸を通っている方が多かったか?小滝をいくつも越えるが、地形図上のどれかはわからない。30分くらいで観音滝到着。この滝も立派だ。これまでの滝は皆、釜がでかい。左岸のはっきりした踏み跡で巻くが、ここも降り口がわからずアクロバティックに降りてくる。
この後出てくる連瀑で左壁にロープが張ってあり、乾いていてもぬめった感じなのでうまく使わせてもらう。その先、右岸岩棚に赤ペンキの「↑」を発見。昔の人たちは装備が整っていない時代に、ここをルートにしていたとは…脱帽です。
ゴルジュが一段落すると河原が開けてきたので、どこかははっきりしないが一時休戦的に休む。
巨岩帯は続き、飽きてきたところ権現沢が左岸から流入し、権現滝が鎮座している。そのすぐ先の屈曲部にすごい滝が見えてきた。これが神楽滝(40m)だ。出てくる大きな滝が倍々で高くなってゆく。
本流と権現沢を分ける小尾根を巻く。上部の方が踏み跡がはっきりしており、急斜面に番線やら鎖やらも出てくる。やせた尾根が平坦になると、次の急斜面への登りが始まる手前左下に踏み跡が続いており、ルンゼを経て夫婦滝の正面に出くわす。
夫婦滝、次の静滝は容易に越えられ、両岸の岩壁がものすごく高くなると、今日の核心と思われる熊落滝に到着。井戸の底にいる感じで、1段目の滝はそれほどではないが、直角に右に曲がった先に流れが少し飛び出して見えている。
いったいどれだけ高く巻き上がらないといけないのだろうか?岩井又の嘉助滝の巻きのように追い上げられて、どこで降りたらいいのかわからなくなってしまうのだろうか?不安は付きまとうが、これを越えなくては明日以降がきつくなるし、泊まる場所も当然ない。
いろいろな記録から入り口を探すが、どうもいまひとつな感じ。ちょっとした尾根状を上流側の藪から登り始める。踏み跡風だが、けもの道のようだ。しばらくして小沢が出てくるので、これを登ろうか迷うが苔むした小滝がかぶっているように見えたので右斜めに登る。滝の上に出ると流れはノッペリした滝になってしまっており、この藪を直上して左手の小沢が源頭風になったところで左へトラバースした。
この先はなぜか平坦になる。不思議だ。藪はそれほど密ではない。適当に岩壁の淵と思われるあたりを下部を確認しながら歩く。1個目の尾根状を少し下って様子を見ると、熊落を越えていないようだったので、さらに先に見える幾本もの針葉樹が生える尾根筋に入ろうと試みるが、激藪に入ってしまい苦労する。平坦部の方が笹が細く歩きやすかった。どうにか針葉樹の生えた尾根に乗ると、たまたま上流部が見え、平流になっていることを確認したので、これをさらに下る。すると驚いたことに、熊落滝上に懸垂なしで飛び出した。会心のRF、しかも約1時間で越えられた。
資料にあるBPを探すとすぐに発見、右岸のちょっと高めのところで正面に滝が見える所だ。先週は納得いく焚火ができなかったが、今日は薪も多く、会心の焚火となった。魚があったら最高だったけど…
10/18
本日始めの滝は右から巻き気味に、次の5mも右から。次の右折するゴルジュにかかる滝も右からだが、普段から陽があまり射さないのか、岩盤の質なのか靴が濡れているとヌルッとくる感じが気持ち悪い。
越えた先は赤くゴツゴツした感じのナメが続き、安心させておいての大物『朱滝』が出てくる。60mのこの滝は話の通り滝の下側は赤い壁、真夏に来れば迫力もすごいのだろうが、十分な迫力だ。
熊落滝よりも楽に巻けるということだったが、入り口がどうもいまひとつ。始めが肝心、よく吟味して滝から少し戻った水の流れるルンゼを登る。不安定かなと思っていたら思ったほどでもなかった。岩壁状の滝となったところで右の尾根に移るが、この登りが急もいいところ。木登り、泥壁、もろい岩等結構な怖さだ。
何とか大きめの木が生える高さまでたどり着き、そのまま尾根状を登ると、昨日までの法則のごとく平坦になる。熊落よりもヤブも薄く、岩壁の縁を進む。一部旧道の名残もありうまくたどればこれを使える。
しばらく進んで、落ち口当たりと思われる小尾根に見当をつける。よく見ると尾根状は二重になっており、奥側の方が都合がよさげだったので、これを下降すると流水溝が出てくる。これをベースに小尾根を目指すと、流水溝をそのままで滝上に出た。この巻きは50分だった。本流は上越の沢のような感じのナメ滝帯になる。大物は全て終わり。
この先は高度計との闘いエリアだが、今回は地形図と記憶力と勘に頼るしかない。ナメは思いのほか滑り、巻き気味に通過する。段々沢幅が開けてきて両岸が下がり、荒涼とした河原状に変化してくると、硫黄臭のするヤケノママとなる。右岸に赤茶けた壁があるのですぐにそれと分かる。
本当の計画ではここで泊まるはずだったが、整地が大変そうな河原だ。BPはよく探せば見つかったのだろうか?
右岸の大崩壊地で若干伏流気味になるが流れはすぐ復活し、小川状になった平凡な河原が続く。あんな大滝の上にもかかわらず、すごい魚影が濃い。周囲の植生が吾妻連峰チックに針葉樹が増えてくると、流れが急に左折する1596mに到着する。
この先の流れは本流がはっきりしており、傾斜もちょっとずつ上がってくる。所々誰が書いたかオレンジの矢印があり、古いエアリアの旧道と思われる支流の入り口に赤テープがぶら下がっていた。多分東大顛に抜ける流れなんだろう。
晴れているので迷うこともなく、一跨ぎ程度の沢幅になると湿原なんかも出てくる。水枯れすることはなく、本流と思われる流れにボサがかかり始め、『やっちまったか!?』と思うとでかい湿原に出くわす。見通しが良いため、隣のでかい湿原に入り西へ少し進めば登山道に出た。すぐ先は大凹という水場で、ここの水が水源になっているようだ。ということは上流部では別の流れから水をくまないと…
給水後、梵天岩の窪みで装備替え。雲が増えてきたが360°の展望だ。あとはゴンドラの最終に間に合わすべく進む。別の登山者にコース状況を聞けば、どうやら間に合うとのこと。西吾妻は割愛し、西大顛でちょっと休憩した後、急いでゴンドラトップへ向かう。
15時ちょいすぎ位にゴンドラにたどり着いたが、今日は最後のひと仕事がある。自転車は小野川湖までは下り、その後レークラインをくぐったところで右の砂利スペースに入り、ここからレークラインに入る。大汗かきかきレストハウスまで戻って今シーズン最後と思われる沢登りを締めた。
関東では悪天だったらしいが、南東北の秋の晴天をしっかり堪能した最高の3日間だった。帰りはラビスパ裏磐梯で入浴し、若松〜会津南街道〜今市で高速道路に出た。。
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