ゼンマイ道と赤倉沢を遡り川内山塊最深部へ漂泊
- GPS
- --:--
- 距離
- 15.3km
- 登り
- 710m
- 下り
- 703m
コースタイム
- 山行
- 10:05
- 休憩
- 0:50
- 合計
- 10:55
「川内山とその周辺」笠原藤七
「岳神 第13号」峡彩山岳会 〜堂窪山 赤倉沢日影沢より〜
「LATERNE 6号」峡彩ランタン会 〜堂ノ窪山(H10.5上旬)〜
「山の仕事、山の暮らし」高桑信一
「一期一会の渓」高桑信一
天候 | 晴れ時々曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2015年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
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コース状況/ 危険箇所等 |
山行形態 歩道(登山道並み)歩き:40% 尾根歩き(軽い薮こぎ):20% 沢登り:20% ゼンマイ径(沢沿いのヘツリ道):20% |
写真
装備
個人装備 |
スパイク長靴も良さそう
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感想
川内山塊に関する文献と過去に日影沢から堂ノ窪山に登った時の記憶を参考に、ゼンマイ径をたどり赤倉沢(仙見川)の奥へ入ってみた。
旧門原集落から林道二又線を終点まで車で進む。そこから仙見川に沿って山肌を縫うように水平歩道を歩き出す。途中に通過する寄草沢は蛭の多い川内山塊でも蛭の巣窟として知られほど高密度地域である。1時間半程度で山の神が祀られた二又の広場に到着。仙見川は二又で赤倉沢と仙見川(中俣沢)に分かれ、ここを渡渉しない限り奥へは進めない。
前日の雨の影響でやや増水しており膝上での渡渉となった。水流は速く水温はかなり冷たく感じられた。今年のGWの頃に渡渉地点まで偵察に行ってみたが雪解け水による増水で渡渉は無理であった。しかし対岸を歩いている山菜取りを発見した時は驚いた。どこから渡渉したのだろうか。今回は渡渉地点にはトラロープが張られていた。対岸には赤倉沢出合方面に向かって踏み跡があり、これがゼンマイ径の始まりである。
二又から最初の1時間は両岸を急峻なスラブ谷に囲まれた地形をヘツるように進む。ゼンマイ径は片勾配の上、濡れた岩や落ち葉で滑りやすい。滑落すれば数十メートル下の赤倉沢へ一直線だ。気の抜けない歩きが続く。危険な場所には山菜取りが付けたのであろう、ロープが何か所か見られた。ピンクテープも時々枝にぶら下がっており、現在も山仕事に使用されているようである。赤倉沢の中流部では徐々に谷は開けてきて、段丘上にはブナ林が出てくる。ゼンマイ径が明瞭なのはそのあたりまでで、徐々に薮はうるさくなってくる。
二又から約2時間ほどで右岸に大きな一本杉のある、栃平という場所に至る。小沢が合流するやや開けた場所で、かつてゼンマイ小屋があったという。文献ではゼンマイ径はさらに左岸を奥へ延びているらしいが、薮がひどいので赤倉沢へ降りて遡行したほうが早い。栃平から上流の赤倉沢は穏やかで川岸の浅瀬を歩ける場所が結構ある。沢が大きく蛇行し両岸が狭まってくると、獅子の鼻のよう岩を二条に分かれて流れ落ちる獅子鼻の滝が現れる。ここは右岸に巻き道があり容易に通過できる。前回、新緑の頃に来たときは、この辺りは対岸まで埋め尽くす多量の雪渓に覆われていた。
まもなく右から日影沢が小さな滝を落として合流している。さらに200mほど遡り今回の最終地点とし引き返した。見渡せる範囲ではさらに上流には難しい滝は無さそうであった。「川内山とその周辺」の、かなり古い記録によると臼ノ沢沿いから灰ヶ岳へ上がるルートがあり灰ヶ岳から毛石山〜集落へと延びる古径に出られたらしい。
このまま、登ってきた険しいヘツリ道を下山する気持ちにはなれず栃平から小沢を遡り中間尾根上の鞍部(栃平の大ダルミ)を目指すことにした。タナイの沢は小さいが、中流部では意外と深くえぐれており、巻きながら登った。また下流部では右岸に踏み跡が確認できた。栃平からの標高差300mを一気に登り切るとブナの大木の点在する鞍部に出た。樹間からは西側に粟ヶ岳〜権ノ神岳方面の稜線が見え、東側には三角形の灰ヶ岳、さらに毛石山へ北進する平らな毛石山脈が望まれた。
中間尾根上はそれほど薮は濃くなく、頂稜にうっすらと踏み跡(ゼンマイ径)が続いていた。なだらかなピーク690m(下タナイバナノ頭)、649mと通過してもゼンマイ径はまだ続いいる。624mを過ぎて下りになる頃から徐々に不明瞭となる。尾根が終わりに近づき急傾斜になってくるとついには消えてしまった。推測であるが標高500mあたりから径は北東尾根に沿って赤倉沢へ向かっているのかもしれない。このまま薮の急斜面を二又に向かって下り続けた。ラスト標高差100mでは60度を越えるような斜面も現れ、崖に出ないよう慎重にルートを見極めながら降りた。時々薮につかまり体重を支えながら降りる場面もあった。途中から、また山菜取りの踏み跡が合流してくるので、導かれるように降りると渡渉地点のちょうど真上に出た。日没までまだ十分に時間がありほっとした。
ロープの張られた少し上流に流れに緩やかな場所があるので渡渉してみた。しかし中央部が意外と深く股間近くまで水没した。あえて流れの速い場所にロープがあったわけが分かった。後は飽きるほど長く感じる水平な歩道を日没と競争しながら林道終点へ戻った。帰途、久々にさくらんと温泉に立ち寄り汗を流した。山行中、蛭に食われた記憶は全くなかったが、足首を見ると蛭に吸われたような痒い痕跡が1か所あった。
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