磐梯山


- GPS
- 04:21
- 距離
- 8.1km
- 登り
- 730m
- 下り
- 730m
コースタイム
天候 | 曇、山頂のみ強風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
チェンスパ不要 |
その他周辺情報 | 帰りの温泉、塩川保健福祉センター 花しょうぶの湯200円 |
写真
感想
【遠征2日目:夜明けの誤算と目的地への執念】
遠征2日目の夜明けは、まさかの誤算から始まった。目指す登山口にはたどり着けず、遥か手前のPAで目覚めるという、計算外の事態。時計の針は、すでに予定より1時間も進んでいた。窓の外は、すでに明るい朝の光に満ちており、焦燥感が胸を突き上げた。
安全運転でハンドルを握り続け、ようやく登山口に到着。駐車場には、拍子抜けするほどわずかな車影。事前に予測されていた賑わいとはかけ離れた光景に、一瞬、拍子抜けする。荒れた天候が、この山から人々を遠ざけているのだろうか。
【白い闇の行軍と天からの試練】
肌を刺すような冷気の中、山道へと足を踏み入れた。気温は低くとも、道中には風ひとつなく、いつものように体から噴き出す滝汗が止まらない。周囲は一面のガスに包まれ、視界は白い闇に閉ざされていた。眼前に広がるはずの絶景は、今日、その姿を隠している。しかし、その白い闇の中をただ一人、黙々と歩みを進める感覚は、どこか神秘的で、不思議な心地よさがあった。
静寂を破るかのように、突然、風が唸りを上げ、大粒の雨がボツボツと降り注ぎ始めた。まさに天からの試練。間髪入れずにレインウェアを羽織り、ザックカバーも装着。これで、どんな試練も乗り越える準備は整った。
【頂への最後の闘いと吹き荒れる嵐】
清水小屋分岐から、山頂への最後の登りが始まった。足元の石は滑りやすく、一歩一歩が重く、まるで登山道が私を拒んでいるかのようだ。幾度か現れる分岐点。しかし、迷いはなかった。山頂へと続くであろう左の道へと、私は進んだ。
そして、ついに山頂付近へと辿り着いた瞬間、そこは別世界だった。想像を絶する爆風が容赦なく全身を叩きつけ、一瞬にして体温が奪われる。まるで嵐の真っ只中に放り込まれたようだ。しかし、この壮絶な瞬間の証として、必死に写真を一枚。そして、即座に下山を開始した。これ以上、この苛烈な場所にとどまることは許されない。
【救いの小屋と運命の悪戯、そして新たな旅路】
下山し、分岐点まで戻ると、そこに人の気配を感じた。導かれるようにその足跡を辿ると、奇跡か、はたまた運命か、清水小屋が営業しているではないか! 凍えきった体に、飛び込むようにして注文したコーヒーの温かさが、どれほど心身に染み渡ったことか。そして、憧れの山バッジを手にすることができ、この日の苦難が報われたような気がした。
この後、西吾妻へと向かうはずだったロープウェイは、無情にも運休の知らせ。まさかの運命の悪戯に、計画は頓挫した。しかし、立ち止まっている暇はない。急遽、観光へと予定を変更し、この地の新たな一面を探し求めることにした。そして、この日の終わりに、私は再び深夜バスに乗り込み、遠く家路へと向かう。今回の遠征は、困難と発見、そして予期せぬ出会いに満ちた、忘れがたい一日となった。
帰りの温泉、塩川保健福祉センター 花しょうぶの湯200円でした。小さいです。休憩所あり。
2025/5/22(木)〜5/25(日)
名古屋5/22→5/23郡山駅 深夜バス7時着(30分前着)9500円、独立3座
郡山駅→安達太良山 レンタカー8:00〜
安達太良山ロープウェイ 往復1800円モンベル割
安達太良山→那須岳 レンタカー
那須岳ロープウェイ 1800円
那須岳→5/24磐梯山 レンタカー
磐梯山→会津若松 レンタカー
会津若松→郡山駅 レンタカー
郡山駅→5/25名古屋 深夜バス10000円独立3座
磐梯山が深田久弥の著書『日本百名山』に選定された理由は、他の百名山と同様に、深田久弥が重視した以下の3つの基準を高く満たしていたためと考えられます。
* 山の品格: 磐梯山は、福島県のシンボル的な存在であり、「会津富士」とも呼ばれるほど、その均整の取れた美しい山容に品格が認められました。見る方角によってその姿を大きく変えることも特徴で、特に会津盆地側から見る整った三角の頂は、まさに「立派な山」として感嘆されるにふさわしいものでした。
* 山の歴史: 磐梯山は古くから「宝の山」と呼ばれ、万葉集に詠まれたり、民謡「会津磐梯山」に歌われたりするなど、会津の人々に深く親しまれてきた歴史があります。信仰の対象でもあり、人々の暮らしに密着した存在であったことが、深田久弥の選定基準に合致しました。
* 個性のある山: 磐梯山は、その個性的な地形と、特に明治21年(1888年)の水蒸気爆発による劇的な変貌が大きな特徴です。
* 表と裏の顔: 噴火以前は富士山のような整った美しい円錐形をしていましたが、噴火によって北側が大きく崩壊し、荒々しい爆裂火口跡と、そこから流れ出た泥流によって形成された裏磐梯の五色沼などの景勝地が誕生しました。この「表磐梯」と「裏磐梯」という対照的な表情を持つことが、磐梯山の大きな個性として評価されたと考えられます。
* ダイナミックな自然: 噴火によって誕生した銅沼(あかぬま)や、ブナの原生林、そして山頂から望む360度の雄大なパノラマは、他の山にはない独自の魅力を放っています。周囲に高い山が少ない独立峰であるため、山頂からの眺望は特に優れており、猪苗代湖の広がりも眼下に収めることができます。
深田久弥は、磐梯山の持つこれらの多面的な魅力と、その歴史的・地理的な特異性を高く評価し、『日本百名山』に選定したと考えられます。特に、一度の噴火で山容が劇的に変化し、それがまた新たな美しい景観を生み出したという物語性も、深田久弥の心を惹きつけた理由の一つと言えるでしょう。
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