天空にラピュタを見た《南岳》


- GPS
- 09:45
- 距離
- 32.7km
- 登り
- 2,601m
- 下り
- 2,601m
コースタイム
- 山行
- 9:06
- 休憩
- 0:35
- 合計
- 9:41
天候 | 6時半まで晴れ/のちガス |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
1,200円/24H |
コース状況/ 危険箇所等 |
右俣 夜間は広い沢でのルートミスを誘発する 槍ヶ岳山荘〜南岳山荘 とても歩きやすいハイキングコース 南岳新道 下りより登りで利用したい 下りは1歩の落差が大きく(急登)大変である。 |
その他周辺情報 | ひがくの湯 950円 |
予約できる山小屋 |
槍平小屋
|
写真
感想
風景を見て涙を流す。稀有な体験をした。南岳から望む穂高連峰が最も美しい。
北アルプスに通い始めて久しいが、本日、とうとうその日が訪れた。今日槍ヶ岳に登る。午前0時新穂高を出発。0時より早くても遅くてもいけない。きっちりした性格だ。右俣を進む。おかしな気もするが、白出沢出合より先へは行ったことがない。正確には一度、涸沢岳西尾根取付に行ったことはあるが記憶にない。槍ヶ岳へのメジャールートだから夜に初めて行っても何とかなるだろうと思っていたら大失敗をやらかした。広い沢でルートが分からなくなり、あろうことか来た道を戻って、槍平小屋に帰ってきてしまった。下っているのに、歩きやすいなぁとか思って気付かなかった。なんとも間抜けな話だ。これでモチベーションがダダ下がり、槍ヶ岳登頂は諦めた。諦めたというよりも行きたくなくなった。どうするか。短めに切り上げたい。槍ヶ岳稜線に上がり、未踏の南岳方面に向かって、南岳新道で下りるのが良いだろう。この判断が思わぬ大ヒットとなる。
槍ヶ岳界隈は平日にもかかわらず、人だらけだった。みんな大好き槍ヶ岳。
喧騒を避けるように南へ向かった。
稜線は誰も歩いていない。
突拍子もなく南岳山頂標識がルート上に現れた。そしてその向こうに見える穂高連峰に目が釘付けになった。あれは、天空に浮かぶラピュタだ。厚い雲海が裾野を隠し、雲の上に鋭い岩峰を連ねる穂高連峰。あまりの美しさに、涙腺が緩んだ。風景を見て涙腺が緩む。そんなことはかつて無い。
全ての苦労が(そんなに苦労していないが)報われた瞬間だった。独り悦に入って感動していると、カメラを持った南岳の小屋番の若者が上がってきた。
聞けば、今年1番の滝雲だという。穂高に目を奪われて気が付かなかった。改めて見れば、大キレットを隠す滝雲ではないか!! 感動してしまうのも無理からぬ絶景だったのだ。溢れるように雲が西から流れてきて、大キレットを超え、東の谷に流れ落ちてゆく。若者と盛り上がっている数分のうちに滝雲ショーは終わりを告げた。とんでもない光景だったが、カメラを回すのを忘れるというのはこういうのを言うのだろう。心に刻んだ。
若者と別れ小屋へと向かう。
穂高連峰は南岳から見るのが最も美しい。そして北へ進めば、槍ヶ岳をも眺められる。富士山に限らず、山は遠くにありて眺めるものとするならば、この槍・穂高連峰縦走路の途中に位置する南岳こそ絶景ポイントではなかろうか。
素晴らしすぎる稜線。またいつか滝雲に出会いたい。下山路、雷鳥とニホンザルに出くわしたが、滝雲を見た今、おまけのようなものだ。すごいところだ、南岳。てんこ盛り。来夏、この縦走路を行く時は、南へずっとゆくのだろう。ジャンダルムを越えて。
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