知床東岳 青空と流氷と山頂からのパウダーラン


- GPS
- --:--
- 距離
- 12.0km
- 登り
- 1,462m
- 下り
- 1,464m
コースタイム
- 山行
- 8:20
- 休憩
- 0:10
- 合計
- 8:30
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年02月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
基本的に緩い傾斜で登っていきます。ピーク手前の台地に上がる前の斜面が風に叩かれて硬くしまっていました。斜度もそこそこあるのでアイゼン装着。 |
写真
感想
※過去の記録を移行しています。
厳冬期の知床半島において、ピークからパウダーを滑ることが出来たのは、たしかに奇跡に近いのではなかろうか。
こぐさんと。知床東岳へ。良い条件だった。2年ぶりの知床遠征。
海抜50mの海風混じりの冷気に身を慣らし、樹林帯の緩斜面を刻む。やがて雪面は締まり、ハイマツ帯を抜けるころには、風紋の間に新雪が薄くたまりはじめる。標高1520m、主稜線までゆっくりと高度を稼ぎ、ふと振り返れば、海は白い盤のように凪ぎ、流氷が果てなく連なっていた。
正直、滑りは期待していなかった。稜線付近はたいてい風で叩かれ、表面は硬く荒れていることが多いからだ。ところがこの日は違った。ピーク直下にも奇跡的に軟らかい雪が張り付き、薄く乗った新雪がエッジを素直に受け止める。浅い沢型を読み、面の良い所だけをつなぎ合わせると、標高差約1500mのロングダウンヒルが一本の線になってつながっていく。上部は軽いドライ、ミドルでわずかに密度を増し、下部はしっとり——雪質の移ろいを脚でなぞりながら、ターンの余韻だけを残して次の地形へ。
ピークからの景色は素晴らしい。どこまでも続く流氷、長い斜面、空と海と雪が同じ色調で溶け合う。こぐさんの笑い声が薄い空気にほどけ、こちらもつられて頬が緩む。滑り終えた斜面を見上げれば、白いキャンバスに二人のラインが淡く残っている。
とろけた。
あの一本は、条件に恵まれた偶然の積み重ね——けれど、そこへ足を運び、読み、待ち、信じたからこそ掴めた一本でもあった。知床でまた一本、夢のような線を描けたことに、静かに感謝した。
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