八ヶ峰(知見から)


- GPS
- 02:42
- 距離
- 5.4km
- 登り
- 469m
- 下り
- 469m
コースタイム
天候 | 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
よく整備された登山道 |
その他周辺情報 | 美山かやぶきの里に食事処 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
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感想
9月に入った後も猛烈な暑さは続いている。朝夕は少し涼しさも感じられるが、昼間の炎熱地獄は8月とかわるところがない。7月以降、涼を求めて5本の沢を登ってきて、暑さとは無縁の時を楽しんできたので、今週末もまた沢のつもりだった。想定外だったのは、南海上に台風が発生して、日本列島の南を東に向かって抜けて行ったことだ。それが木曜から金曜にかけて雨を降らせた。台風としては小さなもので、我々の住んでいる地域には大きな影響はなかったが、台風は台風。通過の翌日に沢に入るのは避けたほうがいいだろう。スポット状に大量の雨が降ることはままあり、予想をはるかに上回る沢の増水があるかもしれない。以前、普段は水が乏しくて「つまらない」六甲の沢に、増水を期待して台風一過の快晴の日に入渓したことがある。想定を超える水量で、それでも核心部はこなして遡行を続けて行った挙句に、滝場で先行者の滑落事故に遭遇した。そんなこともあって、やはり台風一過の晴天のこの日の入渓は諦めたのだった。と言って、ならばどの山に行くのか、特段のアイデアもない。山行計画のストックはそれなりの数、作成済だが、それぞれに思うところあっての計画。今回の場合、台風は南岸を通過したため、日本海側は比較的影響が少なかったはずである。多少とも日本海寄りの山から選ぶことにしよう。そうなると候補は限られて、行き先は京都府と福井県の境にある八ヶ峰と決まった。過去の記録からお気楽登山が見込まれる山のようで、一方、冬季にはそれなりの降雪がある。花は少なめとも。なので、もともとは積雪期に登るつもりで「とっておいた」山なのだが、そこを切り崩して今回の行き先としたわけだ。登山ルートも何通りかある。比較してみると、西側の八原からのルートが、「涼しい」、「急登がなくて楽々」、「ルート明解」という具合にポジティブな評価が多い。東からは稜線上の峠まで車で上がって尾根伝いに山頂を目指すルートがある。峠からなら楽そうに思えるが、距離や時間のデータからはさして有利な感じではない。むしろ、車で峠まで上がるのが、不安要因だ。もう一つ、北の家族旅行村からのルートは、ブル道に引き込まれて遠回りした、と言った記載があって、自然度が?である。そこで我々は八原から登ることにした。
名神、京都縦貫とつないで園部ICから北に車を走らせる。途中までは霧が出ていたが、次第に晴れてきた。道は湿っていて、ひょっとすると夜まで雨が降っていたのかもしれない。京都の府道の走行となるとちょっと構えてしまうが、道路状況は概して良い。美山町は観光を重視していると見え、集落はどこも小綺麗に整っている。途中、「美山かやぶきの里」を通過する。広い駐車場や道の駅にような施設があり、集落には何軒ものかやぶきの家が残っている。かやぶきの里の前後の集落にもかやぶきの家屋が散見されるのが、この地域を特徴あるものにしている。
かやぶきの里を過ぎると道は狭くなり、最後の集落の先、橋を渡ったところで道路は終わる。ここに広い駐車スペースがある。気温は22℃。沢に入っていたら寒いくらいの気温だ。日なたに出て足ごしらえをする。駐車場横に「カモシカ保護地」の古い看板があり、そこから八ヶ峰への登山道は始まる。今やニホンジカの激増の影で生息地を失いつつあるニホンカモシカ。この地に、果たして今も生息しているのだろうか。
登山道は最初、小尾根に絡むようにジグザクを切って登っていく。山肌を掘り下げて作った道で、古くから使われた道に典型的な姿をしている。林下にはオオイワカガミの群落が随所に広がり、花期には見事であろう。道はやがて尾根の側面をトラバースするようになる。傾斜は緩く、なんとなく登っていく感じで確かに楽に高度をあげていく。周囲はほぼ全体を通じて落葉温帯樹林で、ところによってはモミノキの大樹が何本も天に向かって聳えている。潤いに満ちた好ましい環境である。やがて「スキー場跡」に出る。すでに若い林となって露地はない。この先も一貫して樹林の下をゆっくりと登っていく。確かに涼しい。一つには、東からの陽射しを尾根が遮っているのがその理由の一つであるが、かといって暗いわけでもなく、快適で歩程がはかどる。
道標には「西の鯖街道」とも書かれている。また、古い石柱が立っていて、確かに歴史ある道であることを感じさせる。古い道というのは、巧みに緩い勾配で登っていくので、無理なく歩けるものだ。かつては馬も越えた道なのだろう。一登りすると、アンテナ塔が立つところを通過する。気がづけば自然と右側の大きな尾根の頂部が近づいてきて、道はこれをまたぐように反対側へと渡り、間もなくさらに上の尾根に乗る。その地点に知井坂(ちいさか)の標識がある。府県境の主稜線に出たのだ。この稜線の北側は福井県名田庄であり、稜線上の道には名田庄トレイルと印字されたテープが一定間隔で貼られている。高島トレールに倣ったものか、ヤマレコの山リストに加わる日も近い、かも。
この先は主稜線に沿って進む。ますます傾斜が乏しくなる。途中、作業道から離れてほんの数メートル上の尾根上の山道へと進むと、傾斜が付いてくる。視界が開け、高圧鉄塔の立つところに出る。北西に日本海が見えないかと目を凝らすが、白く霞んだその先にあるような気もするし、ないようにも思える。傾斜は強まっていよいよ山頂か、と期待を持つ。だがそれは偽の山頂である。小さな鞍部を越えて少々登った所が本当の山頂であった。
山頂は小広場となっており、数本の松が枝を広げている。東と北に眺望が得られるが、やはりここでも日本海は、しかとは見えない。そうこうしていると、東の尾根から我々と同年代のお二人が登ってこられた。暑い!との言葉と共に汗が噴き出す様子、我々は随分楽に登ってきたなあ、と八原ルートのお得感を実感するのだった。
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