記録ID: 870912
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
剱・立山
黒部ダム〜一ノ越ピストン(荒天のため縦走断念)
2016年05月03日(火) 〜
2016年05月05日(木)


- GPS
- 56:00
- 距離
- 15.5km
- 登り
- 1,324m
- 下り
- 1,335m
コースタイム
天候 | 曇・雪/強風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
4日朝。昨夜から雨がポツポツ降り始め、今朝もまだ降り続いていた。テント撤収するの嫌だなあと思いながらダラダラしてるうちに、ようやく雨があがった。というわけで出発したのは8時。
ロープウェイの黒部平駅を横目にタンボ平を通過。このあたりは天気いい。
ロープウェイの黒部平駅を横目にタンボ平を通過。このあたりは天気いい。
極度に疲労がたまり、歩みは遅くなるばかり。風も強い。一ノ越山荘がもう少し先に見えているが、そこまで辿り着ける気がしない。しかも一ノ越にはテン場はない。
ここならちょうど岩の出っ張りもあって比較的風を防いでくれる。スコップでならせばテント1張分の平地は確保できそうだ。この先にこれ以上の適地はないだろう。とっさに判断してここで幕営することにした。気温は高いので、ゴアライズのシングルウォールのみ。フライシートは張らなかった。ていうかフライシートを張る元気がなかった。
ここならちょうど岩の出っ張りもあって比較的風を防いでくれる。スコップでならせばテント1張分の平地は確保できそうだ。この先にこれ以上の適地はないだろう。とっさに判断してここで幕営することにした。気温は高いので、ゴアライズのシングルウォールのみ。フライシートは張らなかった。ていうかフライシートを張る元気がなかった。
5日朝の写真。
昨夜の寝入りばなから雪が降り始め、気づいたら尋常じゃない積雪がテントを押し潰そうとしてる。いくらなんでも短時間でこんなに降雪があるとは考えられない。ここは風を防いでくれる場所ではあるが、逆に雪が吹き溜まる場所でもあったようだ。テントの中から雪を押し退けようとしたが、とても埒があかない。30分か1時間、それくらいのうちに積雪はテントの壁を覆ってしまうくらいの勢いだった。
急斜面の山側からどんどん溜まってくる雪は、しばらくしてテントの頂点にまで達した。ここまできてテントがもちこたえているなら、あとの雪はテントを乗り越えて谷側の斜面にどんどん落ちていくだろう。自分の中で良い方向に結論を出して、安心して熟睡に入った。
朝起きて、テントから出るのも大変だった。あいにくスコップもピッケルもテント外に置いたままだ。出入口を塞いでる雪を手で押しどけて、ようやくテントから這いずり出ることができた。
昨夜の寝入りばなから雪が降り始め、気づいたら尋常じゃない積雪がテントを押し潰そうとしてる。いくらなんでも短時間でこんなに降雪があるとは考えられない。ここは風を防いでくれる場所ではあるが、逆に雪が吹き溜まる場所でもあったようだ。テントの中から雪を押し退けようとしたが、とても埒があかない。30分か1時間、それくらいのうちに積雪はテントの壁を覆ってしまうくらいの勢いだった。
急斜面の山側からどんどん溜まってくる雪は、しばらくしてテントの頂点にまで達した。ここまできてテントがもちこたえているなら、あとの雪はテントを乗り越えて谷側の斜面にどんどん落ちていくだろう。自分の中で良い方向に結論を出して、安心して熟睡に入った。
朝起きて、テントから出るのも大変だった。あいにくスコップもピッケルもテント外に置いたままだ。出入口を塞いでる雪を手で押しどけて、ようやくテントから這いずり出ることができた。
一難去ってまた一難。
急に便意を催してきた。こういうときは一刻の猶予もない。慌ててテントの脇(平らな所はそこしかない)で排便をした。
冬は吊りズボンなので、ズボンを下ろす際には、ジャケットも脱がなければならない。極寒でもないのだから、テントの中で脱いでおけばいいものをその余裕がなかった。外は依然として強風で、拭き取りに気を取られてるうちにジャケットが風に飛ばされた。
少し谷側に落ちたところで一旦止まったが、こちらは尻をむき出しの状態なのですぐに取りに行くことができない。しかるべき処理をして、さあジャケットを取りにいこうと思いきや、辛うじて斜面にへばり付くように止まっていたジャケットはさらに風に煽られて滑り落ちていった。この写真のU字谷の谷底の遥か彼方に見えるブッシュに引っ掛かったように見えた。
あんなところまで取りに行くのか、、、防寒着は他にダウンジャケットを持ってるから、いっそのこと諦めるか?幸い気温はそんなに低くない。しかし雨に降られるようなことになれば、ゴアテックスジャケットがなければ命取りになる。あー!しかもあのジャケットのポケットにはデジカメも入ってるんだった!そのような葛藤を経て、急いでアイゼンを履き、雪に埋まったピッケルを掘り起こし、U字谷を下りた。
急に便意を催してきた。こういうときは一刻の猶予もない。慌ててテントの脇(平らな所はそこしかない)で排便をした。
冬は吊りズボンなので、ズボンを下ろす際には、ジャケットも脱がなければならない。極寒でもないのだから、テントの中で脱いでおけばいいものをその余裕がなかった。外は依然として強風で、拭き取りに気を取られてるうちにジャケットが風に飛ばされた。
少し谷側に落ちたところで一旦止まったが、こちらは尻をむき出しの状態なのですぐに取りに行くことができない。しかるべき処理をして、さあジャケットを取りにいこうと思いきや、辛うじて斜面にへばり付くように止まっていたジャケットはさらに風に煽られて滑り落ちていった。この写真のU字谷の谷底の遥か彼方に見えるブッシュに引っ掛かったように見えた。
あんなところまで取りに行くのか、、、防寒着は他にダウンジャケットを持ってるから、いっそのこと諦めるか?幸い気温はそんなに低くない。しかし雨に降られるようなことになれば、ゴアテックスジャケットがなければ命取りになる。あー!しかもあのジャケットのポケットにはデジカメも入ってるんだった!そのような葛藤を経て、急いでアイゼンを履き、雪に埋まったピッケルを掘り起こし、U字谷を下りた。
U字谷の谷底からテントを見上げる。思ってた場所にジャケットは見つからなかった。より風下側まで探してみたが見つからない。もう諦めて下山しようか。そう思って引き返しはじめたところでブッシュに引っ掛かってるジャケットを発見!無事デジカメも回収できた。
やっと一ノ越山荘に着いた。稜線は猛烈な風でまともに立つことさえできない。とりあえず小屋の中に入って様子をみる。小屋内には室堂から登ってきた人で溢れてる。小屋番の人に聞いたら、この強風は明日も続くだろうとのこと。
やっと縦走のスタート地点まで来たのにここで断念するのは虚しすぎる。せめてすぐ目の前の龍王岳だけでも登頂できないだろうか。そう思って意を決して小屋を出たが100mほど歩くだけでも体は真っ直ぐに保てないし、油断をすると体ごと飛ばされそうになる。これはいくらなんでも無謀すぎる。もう諦めよう。
雷鳥沢へ下りて今日明日様子をみることも考えたが、天候が回復しない場合、黒部ダムまでの交通費が余計にかかることになる。さらに強風でロープウェイが動かない可能性も考えて、登ってきた道をそのまま下ることにした。
やっと縦走のスタート地点まで来たのにここで断念するのは虚しすぎる。せめてすぐ目の前の龍王岳だけでも登頂できないだろうか。そう思って意を決して小屋を出たが100mほど歩くだけでも体は真っ直ぐに保てないし、油断をすると体ごと飛ばされそうになる。これはいくらなんでも無謀すぎる。もう諦めよう。
雷鳥沢へ下りて今日明日様子をみることも考えたが、天候が回復しない場合、黒部ダムまでの交通費が余計にかかることになる。さらに強風でロープウェイが動かない可能性も考えて、登ってきた道をそのまま下ることにした。
撮影機器:
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
ゲイター
バラクラバ
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
アイゼン
ピッケル
スコップ
行動食
非常食
調理用食材
飲料
水筒(保温性)
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
調理器具
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
ファーストエイドキット
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ナイフ
カメラ
テント
テントマット
シェラフ
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---|
感想
龍王岳、立山、真砂岳、別山、剱御前と「百高山」未踏が集中するこのエリア。お気軽登山者が増える夏山の前にこれを踏破してしまおうという計画だった。室堂からスタートすれば標高差は少なく楽にアプローチできる。しかしそれで登頂したと言うのは自分自身のプライドが許さない。いや、実はそれ以上に室堂までの「黒部・立山アルペンルート」のバカ高い交通費をケチりたいというのが本音だった。ということで交通費出費を最小限に抑えるべく、黒部ダムを起点にすることにした。
当初の計画では5月4日のうちにロッジくろよんのテン場から龍王岳を登頂して雷鳥沢へ下りる予定だった。しかし雨天による出発の遅れや体力の消耗により、その日のうちに一ノ越まで辿り着くことさえできなかった。さらには稜線付近は猛烈な風が吹き荒れ、縦走を全てあきらめ一座も登頂することなく下山した。
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