室谷川 駒倉沢遡行倉谷沢下降


- GPS
- 19:17
- 距離
- 17.4km
- 登り
- 1,100m
- 下り
- 1,101m
コースタイム
天候 | 1日目 晴 2日目 曇り時々晴→晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2025年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
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その他周辺情報 | 日帰り温泉:清川高原保養センター 500円 食事:桃園楼(津川駅近く) |
写真
装備
個人装備 |
ライジャケ・ウエット上
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感想
■まとめ
飛び石連休を繋げて4連休にした週末。 大きな谷か、遠方への沢旅を計画していたけれど、前半二日の天気が悪化したため、二日でいける沢を検討することになった。
前日に広い範囲で降雨があったため、どこの山域にするか悩んだが、比較的影響が少なそう・減水が早そうということで、ここ最近の候補にしている室谷川 駒倉沢・倉谷沢へ。
この山域の沢はハズレが無い。自分にとっては緊張する難易度のルートばかりで、入山するまでは気が重いけれど、圧倒的な景観、ありのままの自然に感動して再び訪れたくなる。そんな場所。
今回のルートは、1級上と書いてある記録もあったので、もしかしたら、入門ルートのような難易度かと少しだけ期待したけれど、自分にとっては、そんなこともなく、良くも悪くも密度の濃い行程だった。
アトラクション的なゴルジュ突破、滝の登坂、スラブ帯のルーファイ、泳ぎセクション。 怖くて緊張したりもするけど・・いろいろな要素に悩みながらルート進むのが面白い。
そして、歓声を上げたくなる渓谷美。 今回のルートだと、倉谷沢Co350mから両岸が柱状節理のゴルジュが圧巻で感動した。 奇岩ゴルジュはタイミングによっては威圧感のある光景に見えるかもしれないが、丁度よく日が差し込んで水の色が明るく、岸壁からしたたり落ちる水滴のきらめきと合わさって、芸術的な美しさを感じた。 歩くまでは、室谷川上流部の渓相の良さには敵わないかな?・・と思っていたが、趣の異なる渓谷美で、甲乙つけがたいくらいだ。
今期はこれが沢納のつもりだったので、充実した沢登りが出来て、本当に良かった。
■22日(1日目)
前日は休日だったため、早めに移動して新潟で夕食&買出し後、津川駅へ。 十分睡眠をとれる予定だったが、夜明け直後に行動したほうが良いとの判断になり、多少の寝不足のまま、3時起きで室谷集落へ移動。
下山口である倉谷沢の脱渓点に車をデポしたところで、山岳保険の加入を忘れていたことに気が付き電波を拾いに室谷集落まで往復。 結局のところ、時間の余裕を作れず6時出発で歩き出す。
1時間ほど林道を歩き、入渓点の室谷川本流まで。 相変わらず入渓点の流れは緩やかだけれど、以前よりも水量が多く感じる。 この日から気温が下がったため、泳ぐ箇所が出てこないかヒヤヒヤしたが、幸い駒倉沢までは腿までの渡渉で済んだ。
駒倉沢の出合いからしばらくは平凡な渓相。 時たまゴルジュ地形にぶつかるが、両岸の地形も緩いため、ゴルジュは突破に時間かけず巻きで処理する。
次第に両岸の岸壁が迫り始めて、水線突破が増え始める。 水は澄んでいて、水温も冷たくないので水と戯れるのが楽しい。 両岸の地形に圧迫感はあるが、旨い具合に弱点があり、序盤は順調に進めた。
後半になると10~15m程度の滝が出てきてロープ確保で進む。
右壁凹状の15m滝で、シャワクラに臆して空荷突破で上がったが、後続が見えない位置まで上がってから荷揚げしたため、意思疎通が取れず懸垂で戻って中段で荷揚げするはめに。 30分くらい浪費。 意思疎通が取れてもロープが伸びると、重たくてザックが上がらないし、これは失敗だった。
直後に10mほどの階段状の滝。一見すると簡単そうに見えたが、ぬめり具合ひどく、最初のハイステップがかなり怖かった。
スラブ基部からは、水線の右回り・左回り両方の記録があったが、ブッシュを拾えそうな右回りで進む。
定期的にテラス状の地形になるので、極端な高度感はないものの、滑りがある樋状地形を進むため、滑り台のようで気をつかう。 途中から乾いたスラブとブッシュを拾いながら高度を稼ぐ。
傾斜が緩んだところで、沢筋に戻ろうと思っていたのだけれど、直上方向スラブと樹林帯が安易そうに見えたため、稜線に出てしまうことに。 稜線から300mほど水平移動になるのだが、想定よりも藪が濃くて、時間を浪費してしまった。これも失敗。
倉谷沢の源頭につく頃には16時過ぎ。 予定していたビバーク地にはとても着かないので、水だけ確保して両岸台地でのビバークを覚悟していたところ、Co750m左岸に平らな藪地があったため、湿気っぽかったけれど、この日はここまでとした。
周囲は樹林帯なので薪は割と多かったのだけど、直前の降雨のせいか、湿地のせいか、薪が湿気ていて、焚火が安定せず、ロゴス着火剤5個、テーピング1巻き投入しても火が消えかけて諦めかけたが、haruさんのブーイングを受けて、食用サラダオイルも投入して再度粘ると、ようやく暖が取れる程度に安定した。 ある程度の悪条件でも焚火ができる自信があったけれど、心が折れるくらい燃えない薪だった。
陽が落ちてからは割と寒く、火のそばを離れるのが辛いくらい。熾火も安定したので、持ち込んだホッケや、ウィンナーが無駄にならず、楽しい晩酌ができた。 焚火を諦めなくて良かった。
■23日(2日目)
この日は泳ぎの頻度が多い想定のため、多少でも水温が上がることに期待して4時起床、6時出発。
朝はシュラフを出たくないくらいの温度。なお、就寝時はシュラフ#4+シュラカバ+化繊ダウンで快眠できた。 相変わらず、燃えない薪で小さな焚火を起こして暖を取り、朝飯食べて出発。
序盤は深いゴルジュもなく、あまり泳ぐことはなかったが、巻きから沢床にもどる数mが小悪く、スリングでエイドダウンしたり、補助ロープで軽く懸垂したりする箇所があった。
Co490で20mクラスの大滝にぶつかり、懸垂下降を考えるが滝壺が大きく、水中への下降になりそうで断念。ゴルジュの少し手前、右岸のルンゼ状地形から尾根まで上がり、樹林帯を巻き降りる。
Co430からは泳ぎセクションが増えるため、出合いでウェット、ライジャケ着用。
7-8mの淵を泳いだら、ナメ床を歩くというパターンが続き、寒いけど辛いけど我慢はできるという感じ。
このあたりから、沢床のグリーンタフが目立ち始め、ゴルジュの美しさが増してくるので、景色の良さに寒さもまぎれる。
しばらく下降すると5mヒョングリ滝、ここは飛び込み突破している記録もあったが、相談して巻き降りることに。 上から見た感じは室谷川の飛び込みと同じくらいに見えた。
巻きは右岸から尾根乗り越し、隣の沢経由後、さらに右岸巻き。わりと踏み跡が多く、苦労せずに下れた。
5m滝を下ってからしばらくすると、両岸の柱状節理が目立ち始め、Co350mから両岸が柱状節理のゴルジュが始まる。 ここの景色が圧巻で、haruさんと共に歓声を上げた。 奇岩ゴルジュはタイミングによっては威圧感のある光景に見えるかもしれないが、丁度よく日が差し込んで水の色が明るいため美しさしか感じない。奇岩からしたたり落ちる水滴がきらめき良いアクセントになっている。ここからの数十メートルは、寒さを忘れるくらい気持ちの良い泳ぎセクションだった。
徐々に河原が目立ち始めるが、時折大きな淵をまじえてゆるかな下降を続ける。
さすがにもう泳ぐセクションは無いかと思ったら、脱渓間近に20mくらいの泳ぎセクション。 水の色は相変わらず綺麗で感動するが、最後の泳ぎは寒くて辛かった・・・
林道に上がると、快晴の日差しが冷えた体に気持ちよく、余韻を楽しみながら車戻った。
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