残雪の奥穂高岳(雪崩に遭遇の為、撤退)
- GPS
- 23:22
- 距離
- 40.5km
- 登り
- 1,954m
- 下り
- 1,951m
コースタイム
7:00上高地-8:00明神-9:10徳沢-10:15横尾
5月1日
6:40横尾-8:15本谷橋-10:45涸沢
5月2日
6:40涸沢-8:00ザイテングラード取り付き-8:35雪崩に遭遇-9:00涸沢まで撤退
5月3日
7:10涸沢-8:45本谷橋-9:40横尾-10:50徳沢-12:35明神-13:35上高地
天候 | 4月30日曇り時々雪 後は晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2010年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
上高地〜横尾はほぼ夏道 横尾〜本谷橋までは、ところどころ高巻きになる。 本谷橋を過ぎた辺りかた完全に雪道となった。 しかし涸沢までは、殆ど危険個所はなかったが 本谷橋を過ぎた辺りから、休憩時には、上からの 雪崩に注意する事。 |
ファイル |
(更新時刻:2010/11/30 22:56)
|
写真
感想
当初の予定は4月29日から入山して4泊5日の予定だったけど、27日くらいから
季節外れの強い寒気の影響で、横尾より先で入山規制をしてたから、一日遅らせての出発にした。しかし29日になっても寒気の影響は続いて、横尾でも雪が降っていた。稜線を見ると風が強くて、ガズがかかっていた。
そのため、涸沢まで行くのを諦めて急遽横尾にテントを張った。
次の日は天気も回復して、いい日になった。この時期は残雪期だから、本来なら雪も黄砂の影響などで汚れているけど、季節外れの寒気の影響で、稜線では1m近い積雪があったみたい。このためいつどこが雪崩てもおかしくない状態になっていた。
涸沢〜白出のコル
朝方は風も強くて冷え込んだけど、8時を回る頃からは気温もあがり、前日に降った
雪も緩んで、トレースを外れると一気にラッセル状態だった。仕方なく先行者の
トレースを頼りに登った。しかしそれが大きな間違えだった。トレースはまだ
雪崩ていない小豆沢沿いに着いていて、誰一人ザイテンの右ルートに行こうとしな
かった。ザイテンの右ルートは前日にデブリが出ていて、小豆沢よりは落ち着いて
いた。そして8時半を過ぎた頃になると、拳大くらいの雪の固まりが上からポロポロと落ちて来ていた。
先行者の2人の男性と、雪崩に対する話をしていた時に上から凄い音と共に数人が
雪崩に巻き込まれながら落ちて来た。自分も逃げる間もなく巻き込まれ、そのまま
凄いスピードで落とされた。後でGPSの記録を見て驚いたけど、MAXで84キロのスピードで落とされていた。
流されてる時は雪崩の底に入ったみたいで、真っ暗になってもうダメだとも考えていた。でもよく流れている時は諦めないで泳げというし脚と腕を必死で動かした
結果、雪崩のスピードが緩んで来た頃には雪の中も少しは明るくなってきた。表面に近いと思い助かる予感がした。そして上半身が流れが止まる瞬間に出てなんとか助かった。しかし周りには血を流してる人もいて、辺りは騒然となっていた。自分も直ぐに這い出て上を見たら2発目の雪崩が迫っていたので、もう歩いてる時間がなかったので、そのまま横に転がるようにしてデブリから抜け出した。2発目の雪崩は
自分の直ぐ真横を凄まじい音とともに抜けて行った。あれに巻き込まれてたら、今こうして報告もしていなかっただろう。
サングラスやグローブを失くしたから、もうそれ以上に登山を続けるのは不可能の
判断して、一日早く涸沢を後にした。
今でも目を閉じるとあの時の光景がよみがえって来る。でもまた冬に近づくと雪山に行きたくなる。今年の冬は雪崩の講習会とかに積極的に参加して、もっと雪崩のメカニズムについて勉強するつもりだ。
来年のGWこそ、奥穂高岳に立ってみせる。リベンジをもう決めている。
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