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Yamareco

記録ID: 88599
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍

残雪の奥穂高岳(雪崩に遭遇の為、撤退)

2010年04月30日(金) 〜 2010年05月03日(月)
 - 拍手
GPS
23:22
距離
40.5km
登り
1,954m
下り
1,951m

コースタイム

4月30日
7:00上高地-8:00明神-9:10徳沢-10:15横尾
5月1日
6:40横尾-8:15本谷橋-10:45涸沢
5月2日
6:40涸沢-8:00ザイテングラード取り付き-8:35雪崩に遭遇-9:00涸沢まで撤退
5月3日
7:10涸沢-8:45本谷橋-9:40横尾-10:50徳沢-12:35明神-13:35上高地
天候 4月30日曇り時々雪
後は晴れ
過去天気図(気象庁) 2010年04月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
松本インターを降りて国道158号線を上高地方面に。沢渡に市営駐車場が4ヶ所ある。1泊500円
コース状況/
危険箇所等
上高地〜横尾はほぼ夏道
横尾〜本谷橋までは、ところどころ高巻きになる。
本谷橋を過ぎた辺りかた完全に雪道となった。
しかし涸沢までは、殆ど危険個所はなかったが
本谷橋を過ぎた辺りから、休憩時には、上からの
雪崩に注意する事。
ファイル
(更新時刻:2010/11/30 22:56)
沢渡駐車場。4泊5日の予定だったので、全装備で
30キロを超えた。なんてこった。
2010年04月30日 06:22撮影 by  FinePix A800 , FUJIFILM
4/30 6:22
沢渡駐車場。4泊5日の予定だったので、全装備で
30キロを超えた。なんてこった。
上高地から見る明神岳。鯉のぼりがGWらしい。
2010年05月05日 20:59撮影 by  FinePix A800 , FUJIFILM
5/5 20:59
上高地から見る明神岳。鯉のぼりがGWらしい。
横尾に着く頃に天気が崩れだし、雪になった為
予定を変更して、横尾泊にした。
テントは今はもう販売していない、IBS石井
スポーツのゴアテント。前室があるのが便利。
2010年04月30日 13:44撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
4/30 13:44
横尾に着く頃に天気が崩れだし、雪になった為
予定を変更して、横尾泊にした。
テントは今はもう販売していない、IBS石井
スポーツのゴアテント。前室があるのが便利。
夕方になると、天気も回復してきて、前穂高岳も
顔をだしていた。
2010年04月30日 17:20撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
4/30 17:20
夕方になると、天気も回復してきて、前穂高岳も
顔をだしていた。
5月1日の朝。夜中にまた雪が降ったため、一晩にして銀世界に。
2010年05月05日 21:00撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
2
5/5 21:00
5月1日の朝。夜中にまた雪が降ったため、一晩にして銀世界に。
岩小屋跡付近から見た屏風岩。昨夜の雪でより
迫力があった。
2010年05月01日 07:52撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
5/1 7:52
岩小屋跡付近から見た屏風岩。昨夜の雪でより
迫力があった。
本谷橋から先は、本格的な雪道に。
時折強い風が吹き下ろしていた。
2010年05月01日 08:23撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
1
5/1 8:23
本谷橋から先は、本格的な雪道に。
時折強い風が吹き下ろしていた。
前日の雪で前穂北尾根も白さを取り戻していた。
2010年05月01日 09:30撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
1
5/1 9:30
前日の雪で前穂北尾根も白さを取り戻していた。
帰りはスキーで帰りたくなる斜面。
2010年05月01日 09:30撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
5/1 9:30
帰りはスキーで帰りたくなる斜面。
ヒュッテが遥か彼方に見える。
2010年05月01日 10:00撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
5/1 10:00
ヒュッテが遥か彼方に見える。
2010年05月01日 10:01撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
5/1 10:01
スキーヤーにはたまらないコンディションとなった。
2010年05月01日 14:25撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
1
5/1 14:25
スキーヤーにはたまらないコンディションとなった。
奥穂高岳も、白く雪化粧。
2010年05月01日 14:26撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
5/1 14:26
奥穂高岳も、白く雪化粧。
テントを張り終えて、食事の時間。
2010年05月01日 14:40撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
5/1 14:40
テントを張り終えて、食事の時間。
テントからのこの景色。もうやめられない。
2010年05月01日 15:13撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
3
5/1 15:13
テントからのこの景色。もうやめられない。
スノーソーを使って、雪のブロックを作ってみた。なかなか難しい。
2010年05月01日 15:13撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
5/1 15:13
スノーソーを使って、雪のブロックを作ってみた。なかなか難しい。
夕方にはテント村が出来ていた。
2010年05月01日 18:06撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
5/1 18:06
夕方にはテント村が出来ていた。
5月1日
モルゲンロートに染まる
2010年05月02日 05:24撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
1
5/2 5:24
5月1日
モルゲンロートに染まる
2010年05月02日 05:27撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
5/2 5:27
涸沢小屋
2010年05月02日 05:28撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
5/2 5:28
涸沢小屋
時折強風が吹いていた。
2010年05月02日 05:28撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
5/2 5:28
時折強風が吹いていた。
続々と登山者が上を目指す。
2010年05月02日 06:38撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
5/2 6:38
続々と登山者が上を目指す。
自分も準備を進める。アイゼン装着。
2010年05月02日 06:40撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
1
5/2 6:40
自分も準備を進める。アイゼン装着。
前穂北尾根に向かう人も。自分もいつかは行きたいバリエーション。
2010年05月02日 06:41撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
5/2 6:41
前穂北尾根に向かう人も。自分もいつかは行きたいバリエーション。
北穂高に向かう人達も。
2010年05月02日 06:42撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
5/2 6:42
北穂高に向かう人達も。
奥穂に向かう人達が列になっていた。
2010年05月02日 06:50撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
5/2 6:50
奥穂に向かう人達が列になっていた。
出発前の記念撮影。この後の雪崩に遭うハメに。
2010年05月02日 06:54撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
5/2 6:54
出発前の記念撮影。この後の雪崩に遭うハメに。
奥穂に向かう途中。テント村の眺めがいい。
2010年05月02日 07:19撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
5/2 7:19
奥穂に向かう途中。テント村の眺めがいい。
前穂高岳の眺めがいい。まるで厳冬期のよう。
2010年05月02日 07:33撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
5/2 7:33
前穂高岳の眺めがいい。まるで厳冬期のよう。
奥穂に向かう人達。それにしても凄い人。
2010年05月02日 07:34撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
5/2 7:34
奥穂に向かう人達。それにしても凄い人。
涸沢槍の眺めも最高。
2010年05月02日 07:34撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
5/2 7:34
涸沢槍の眺めも最高。
前穂吊尾根。息を飲む美しさ。
2010年05月02日 08:00撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
5/2 8:00
前穂吊尾根。息を飲む美しさ。
ザイテングラードの取り付き。この時にザイテンの右側に行っていればよかったものを。
2010年05月02日 08:00撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
5/2 8:00
ザイテングラードの取り付き。この時にザイテンの右側に行っていればよかったものを。
ザイテングラードの半ば。斜面が増してきた。
2010年05月02日 08:01撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
5/2 8:01
ザイテングラードの半ば。斜面が増してきた。
気温も上がり始めていて、時々拳大くらいの雪だんごも転がり始めていた。この撮影の直後に雪崩に遭遇。写っているザイテンの岩に当らなくてよかった。
2010年05月02日 08:02撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
5/2 8:02
気温も上がり始めていて、時々拳大くらいの雪だんごも転がり始めていた。この撮影の直後に雪崩に遭遇。写っているザイテンの岩に当らなくてよかった。
奇跡的に生還して、テントから写した小豆沢。朝は誰一人行かなかったザイテンの右側。しかしあの雪崩の後からはルートが変わった。
2010年05月02日 11:35撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
5/2 11:35
奇跡的に生還して、テントから写した小豆沢。朝は誰一人行かなかったザイテンの右側。しかしあの雪崩の後からはルートが変わった。
デブリを見てもよく助かったと思う。
2010年05月02日 11:35撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
5/2 11:35
デブリを見てもよく助かったと思う。
何事もなかったかのように、鯉のぼりが泳いでいた。自分もこの時すでにビールタイム。懲りない奴。
2010年05月02日 11:36撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
5/2 11:36
何事もなかったかのように、鯉のぼりが泳いでいた。自分もこの時すでにビールタイム。懲りない奴。
こんな景色を見ていると、雪崩にあったなんて思えなくなる。既に来年のリベンジを決めていた。
2010年05月02日 11:37撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
5/2 11:37
こんな景色を見ていると、雪崩にあったなんて思えなくなる。既に来年のリベンジを決めていた。
しかし、来年はもうここは通らない。
2010年05月02日 11:37撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
1
5/2 11:37
しかし、来年はもうここは通らない。
この時間になると完全に人の流れが変わった。
2010年05月02日 12:25撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
5/2 12:25
この時間になると完全に人の流れが変わった。
夜になると幻想的な風景を見せるテント村。
2010年05月02日 19:18撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
3
5/2 19:18
夜になると幻想的な風景を見せるテント村。
やっぱり山はテントがいい。
2010年05月02日 19:22撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
3
5/2 19:22
やっぱり山はテントがいい。
夜中に月明かりで写した一枚。満月だった為、昼間のようだった。
2010年05月06日 19:58撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
7
5/6 19:58
夜中に月明かりで写した一枚。満月だった為、昼間のようだった。
2010年05月06日 19:58撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
1
5/6 19:58
モルゲンロートに染まった最終日の朝。
2010年05月03日 04:48撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
2
5/3 4:48
モルゲンロートに染まった最終日の朝。

感想

当初の予定は4月29日から入山して4泊5日の予定だったけど、27日くらいから
季節外れの強い寒気の影響で、横尾より先で入山規制をしてたから、一日遅らせての出発にした。しかし29日になっても寒気の影響は続いて、横尾でも雪が降っていた。稜線を見ると風が強くて、ガズがかかっていた。
そのため、涸沢まで行くのを諦めて急遽横尾にテントを張った。
次の日は天気も回復して、いい日になった。この時期は残雪期だから、本来なら雪も黄砂の影響などで汚れているけど、季節外れの寒気の影響で、稜線では1m近い積雪があったみたい。このためいつどこが雪崩てもおかしくない状態になっていた。
 
涸沢〜白出のコル
朝方は風も強くて冷え込んだけど、8時を回る頃からは気温もあがり、前日に降った
雪も緩んで、トレースを外れると一気にラッセル状態だった。仕方なく先行者の
トレースを頼りに登った。しかしそれが大きな間違えだった。トレースはまだ
雪崩ていない小豆沢沿いに着いていて、誰一人ザイテンの右ルートに行こうとしな
かった。ザイテンの右ルートは前日にデブリが出ていて、小豆沢よりは落ち着いて
いた。そして8時半を過ぎた頃になると、拳大くらいの雪の固まりが上からポロポロと落ちて来ていた。
先行者の2人の男性と、雪崩に対する話をしていた時に上から凄い音と共に数人が
雪崩に巻き込まれながら落ちて来た。自分も逃げる間もなく巻き込まれ、そのまま
凄いスピードで落とされた。後でGPSの記録を見て驚いたけど、MAXで84キロのスピードで落とされていた。
流されてる時は雪崩の底に入ったみたいで、真っ暗になってもうダメだとも考えていた。でもよく流れている時は諦めないで泳げというし脚と腕を必死で動かした
結果、雪崩のスピードが緩んで来た頃には雪の中も少しは明るくなってきた。表面に近いと思い助かる予感がした。そして上半身が流れが止まる瞬間に出てなんとか助かった。しかし周りには血を流してる人もいて、辺りは騒然となっていた。自分も直ぐに這い出て上を見たら2発目の雪崩が迫っていたので、もう歩いてる時間がなかったので、そのまま横に転がるようにしてデブリから抜け出した。2発目の雪崩は
自分の直ぐ真横を凄まじい音とともに抜けて行った。あれに巻き込まれてたら、今こうして報告もしていなかっただろう。

サングラスやグローブを失くしたから、もうそれ以上に登山を続けるのは不可能の
判断して、一日早く涸沢を後にした。
今でも目を閉じるとあの時の光景がよみがえって来る。でもまた冬に近づくと雪山に行きたくなる。今年の冬は雪崩の講習会とかに積極的に参加して、もっと雪崩のメカニズムについて勉強するつもりだ。

来年のGWこそ、奥穂高岳に立ってみせる。リベンジをもう決めている。

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