陣馬山 そして鉱泉、蕎麦
- GPS
- 03:57
- 距離
- 7.0km
- 登り
- 555m
- 下り
- 538m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
http://www.bus-navi.com/pc/03-1_jikoku.php?keito_param=90153090503402&start_tname=&goal_tname=&start_tcode=901530&goal_tcode=&pole=35&basic_tcode_s=070655&basic_tcode_g= |
コース状況/ 危険箇所等 |
■道の状況 ・危険箇所はまったくありません。 ・陣馬山頂の南側は霜柱が解けた後、ぬかるんで泥が靴底に絡みます。 ■温泉・飲食 《陣馬の湯》 ・日帰り入浴ができる宿が3軒あります 《手打ち蕎麦》 ・東京の目白から13年前に移転し、ご夫婦で昼のみ営業(1130〜1430) ・藤野駅から甲州街道を新宿方向へ徒歩8分(線路沿いの道経由が安全) ・休店日:毎週火曜日、第3水曜+α |
写真
感想
近くの山をゆっくり歩き、温泉に浸かり、蕎麦を食べる--「それだけでいいから」と、友人の口ぶりそのものは控えめだった。
といっても、「それだけ」の条件を満たすのに相当に腐心した。結果的に選んだのが、陣馬山を北から南へ通り過ぎるルート。
温泉を愛し、自他ともに認める蕎麦通の彼だが、好天の陣馬山頂から望む富士山の美しさにも助けられ、合格点をもらった。
中央線の車窓に映る川は湯気が立ち上っていた。空が澄んだ朝。高尾駅から陣馬高原下へのバスは臨時急行便が仕立てられた。
終点でバスを降りた人々の最後尾を、彼の言葉通り、ゆっくり登り始めた。数分遅れて着いた定時運行便の乗客に抜かされる。
それでも畏友は慌てない。世間のあれこれを論じ、近況を語り、足もとの霜柱を覗き込んだかと思うと、「休もうか」と言う。
陣馬山までは休憩なしで登る心づもりだったが、急ぐこともない。メインディッシュは温泉と蕎麦だ。そう考えながら水を補給した。
北側斜面は泥濘が残っているかと案じていたが、日陰の樹林帯は落葉の下から固まり、滑る心配もない。手足の指先は痺れる。
枝だけになった広葉樹林帯に出ると、眩しいほどの日差しが差し込んでくる。一気に気分が開放されて、歩くペースも上がる。
キャタピラ痕がついた道を合わせると陣馬山頂は近い。南側に伸びる尾根の上に出ると、富士山の威容が目に飛び込んでくる。
頂上に立つと、「きれいだな」と沈着冷静な彼がつぶやいた。「そうだろ」と言葉を返す。360゜の展望が説得力をもって迫る。
富士山の左側には丹沢山系が広がり、整った姿の大山は遠く見ても美しい。逆に右側には、雪の南アルプスがかすんで見える。
山座表のあるベンチ脇で湯を沸かしていると、over60と思しき女性が来た。「初めて登られましたか」と友が恭しく尋ねた。
使い込んだ道具類に頓着しない問いだった。「いいえ」と否定した女性は「今日は金峰が見えないわね」と言い残して去った。
特に気まずい空気が流れることもなく、友は悠然と漏らした。「今度は女房と来るかなあ。和田峠からなら大丈夫だろう」と。
陣馬山頂からの帰路は、しばらくの間、高尾山と結ぶ幹線縦走路を歩く。大会が開かれているのか、トレイルランナーを多く目にした。
奈良子峠を折れると眺望は制限されるが、青空に映えるブナやサクラの木々を眺めると心が和む。正午を過ぎても快晴が続く。
落葉の絨毯も感触が面白い。足首まで埋まることもあるので、下り坂では注意しなければならない。途中で1回、林道を横切る。
そして、入浴。「うちは山の宿ではなくて、料理の宿」と蘊蓄を傾けるご主人に1人1000円を払い、別棟の風呂場へ向かう。
「蕎麦はなくても、これで満足」と友。渓谷を一望できる檜風呂が気に入ったようだ。「まあ、食べてみて」と、宿を後にした。
向かった店は大がかりなPRを控えているようなので、ひと言。友人と酒を酌み交わして語り、蕎麦を堪能する至福の時だった。
コメント
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Rheingoldさん、こんばんは。
この日も好天ですね!!
私は景信山から陣馬山の定番ルートを歩いたことはありますが、このルートは初めてみました。
富士山、丹沢、新宿副都心・・・その場で私が実際に目にしたら、大興奮したと思います
渓谷を一望できる檜風呂と美味しいお蕎麦。
充実した一日を送られて羨ましいです。
そしてまたRheingoldさんの文章に惹きこまれてしまいました・・・
pippiさん、おはようございます!
はい、充実した1日でした。
信頼できて元気づけられる友とともに、諸々(酒を含む)を満喫し、心身ともにリフレッシュしました。
私は幸せ者だと、つくづく感じます。
果たして山歩きと言えるのかと思うほどお手軽なルートでしたが、これもまた楽しみ方の一つでしょうか。
ちょっと頑張ったかなと密かに胸を張ったり、道端に咲く花の名前を覚えたり、絶景に感動したり……。
日ごろの山歩きを振り返ってみると、自然の恵みと自分たちの健康が、改めてありがたく思われます。
時節柄アルコールとの距離が接近しますが、pippiさんもご自愛のうえ、新春の山行にお備えください。
私も無理のない範囲で“摂生”に努めます。
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