肘折温泉から月山 登山の楽しみを再認識出来る好ルート!
- GPS
- 32:00
- 距離
- 27.7km
- 登り
- 2,187m
- 下り
- 1,747m
コースタイム
天候 | 18日 くもり時々霧雨 19日 霧雨時々雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
山形まで夜行バスを利用。 肘折温泉へはJR新庄駅から一日3〜4便バスあり。 [下山] 月山銘水館からJR寒河江駅まで路線バス。ただし休日日中はほとんど便がないので注意。今回はたまたま平日で助かりました。 志津から月山銘水館までご親切な方の車に便乗しましたが姥沢からバスも出ています。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
肘折温泉から月山山頂まで、全般的に足元が良くないのでスリップや滑落に十分注意。肘折側の登山口からしばらくの間は急斜面のトラヴァースが非常に多いのですが、路肩が斜めになっているのでスリップ注意です。豪雪地帯にありがちなパターンですが、このコースは特に注意が必要と思いました。あと特に危険な個所として、念仏が原西側の清川越えは登りも下りも非常に危険を伴います。そのあと月山本峰の登りも意外に急斜面が多いのと、整備された姥沢側と違い自然の沢地形をそのまま利用しているため、水気が多くスリップ箇所が多くて気が抜けません。 このコースは体力的な面が問題にされることが多いですが、悪天候だったせいもあり、私はスリップや滑落など安全面が非常に気になりました。単独で挑まれる場合は十分に準備と覚悟が必要と思います。 念仏が原の避難小屋は非常にきれいで快適です。いつまでも大切に使っていきたいものです。 3連休で草刈りが入った直後でした。この難コースの草刈りはとても危険なうえ、非常に重労働であることは想像に難くありません。総勢8人がかりだったとのことです。草刈り前だとひどいヤブ漕ぎは避けられなかったでしょう。大変快適に縦走できました。ひたすら多謝多謝です。 月山でこのような充実した冒険ができるとは思ってもみませんでした。天気が悪くて残念だったので、いつの日かもう一度挑戦したいです。 |
その他周辺情報 | 月山銘水館に温泉併設。300円は激安! |
写真
感想
7/18(月) 肘折温泉〜念仏が原避難小屋 曇り時々霧雨
新庄行きの夜行バスは満席で予約が取れず。仕方なく山形行き夜行に乗り、早朝山形着。7:06のJR鈍行に乗り換え8:23に新庄に到着。8:35の肘折温泉行バスに飛び乗った。今回は交通も綱渡りだった。
肘折温泉の雰囲気は素晴らしい。見るからに良さげな宿がたくさん。公衆浴場も昔ながらの感じだ。後ろ髪を引かれつつ温泉街を離れ歩きはじめる。
林道を歩き続け1時間強で登山口に到着。途中看板もほとんどなかったので不安だったが無事着いた。登山道を登りはじめるとすぐに気持ちの良いブナ林。ブナの森は晴れててもガスでも気持ちが良い。梅雨のしっとりとした雰囲気も悪くないのだ。
さらに登り続けるとトラヴァースが多くなってくる。この山域はジャスト尾根上ではなく、少し下のトラヴァースが多い。おまけに豪雪地帯なので道幅が狭く傾いているうえ路肩も弱い。バランスを崩しやすく、こけるともちろん谷側に落ちる。一応れっきとした登山道だが上級者向けの道ではある。
ネコマタ沢の渡渉点で草刈りのご一行にお会いした。総勢8名、3日間で山頂まで草刈りしたとのこと。まったく頭が下がります。この登山道は普通の山の3倍は危険だし、体力もいることだろう。それにしても草刈り直後に歩けるとはなんとラッキーなのだ。3日前だったらヤブ漕ぎでびしょ濡れになっていたに違いない。
ネコマタ沢を詰めて一山超えると庄内平野の水系に入る。この山域は地形が非常に複雑だ。小沢をいくつか越えるので水は豊富だ。水筒はいらないくらいだ。更に一山越え、新庄の水系に戻り緩く下ると念仏が原だった。避難小屋は念仏が原の入り口に位置している。
この避難小屋は非常にきれい。大切に使われているのがよくわかる。水場もすぐそばだしトイレは天然の水洗。それにしても東北の山の無人小屋はなぜこんなにきれいなのだろう。予想はしていたが今日は誰も来ず自分だけの宿泊。ひとりでまったりと過ごした。
日没時には天気は晴れ渡り、三日月池までサンセットを見に行った。絶景だったが月山の山頂の雲だけはどうしても取れなかった。
7/19(火) 念仏が原避難小屋〜月山〜志津 霧雨時々雨
出発してすぐは天気が比較的良かった。念仏が原の湿原は最高の景色。花もいっぱい咲いていた。
しかし清川への下りになると雨が降ってきた。おまけに道は非常に悪い。なだらかな月山はどこへ行ったのか、峩々とした沢へじわじわ下るワイルドな道がつづく。スリップすると命にかかわる箇所もあるので慎重に慎重を重ねてゆく。橋は立派で渡渉は問題ないが、登りの路もまた悪く、非常に神経を使った。しかし何故かここの場面を私は非常に楽しんでもいた。最近の登山道は整備されすぎ。そして廃道は荒れすぎ。この登山道のようなちょうどよい道が昨今いかに少ないことか。
清川の難路を超えると道は再び月山本峰の優しい斜面に吸収されてゆく。ところどころ池塘や湿原も現れ飽きさせない。残雪も多くなってくる。ただ雨はひどくなる一方。登山道は自然の小沢を利用しているので相変わらずワイルドでスリップしやすいので神経を使いながら進む。この状況は山頂寸前まで続いた。
山頂は暴風雨。5分ととどまらず西側へ下山にとりかかった。さすがにこちらは整備が良くサクサク進む。姥沢へは降りず、湯殿山のほうへ行き装束場から志津へ降りるルートを取った。このルートも整備されていてきれいだったが、草刈りがされておらずヤブ漕ぎ状態だったうえ雨がひどかったのでびしょ濡れになった。沢の渡渉も多かったのでスリップしないよう細心の注意を払った。
標高1000mを切ると晴れてきた。天気が悪いのは山の中だけだった。車道に出てバス停に向けて5分も歩くと車が止まってくれ「乗っていきませんか?」。うーん今日は天気はいまいちだが運は悪くない。
仙台から来られた単独の女性の方だった。今日はあまりに天気が悪いので月山は途中であきらめたとのこと。肘折コースは歩いたことがあるそうで避難小屋がやっぱりいいとの意見で一致した。肘折コースは春のスキーもいいそうだ。飯豊や朝日の話題でも盛り上がった。
月山銘水館で下してもらい、ひと風呂浴びてから路線バスでJR寒河江駅まで出た。そこから山形に出て新幹線で小田原まで順調に帰ってきた。
――
肘折コースは最高である。天気が悪かったのは残念だったが、自分としては良い山旅・冒険ができたと思った。登山道を歩いてこのような気持ちになったのはほんとうに久しぶり。このコースはもう一度絶対行く!!
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