不忘山
- GPS
- 08:41
- 距離
- 12.0km
- 登り
- 1,242m
- 下り
- 1,231m
コースタイム
天候 | 登山開始時は霧雨、まもなく雨は上がるも、頂上までガス。不忘山登頂後は徐々に晴れ間。下山は終始、ガス。 |
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過去天気図(気象庁) | 2016年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
上りは、急傾斜を直登するせいか、道が半ば沢と化して荒れ気味だが、それほど危険な個所はない。下りに使ったコースは、急傾斜の踏み痕が道になった感じで、踏み外せば大けがするような場所が多い。また、平日で天候もいまいちのためか、人通りがなく誰とも会わなかった。単独行には向かないコースかもしれない。 |
写真
装備
個人装備 |
Tシャツ
ズボン
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
ザック
昼ご飯
非常食
ヘッドランプ
日焼け止め
携帯
時計
タオル
ツェルト
GPSカメラ
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感想
蔵王連峰は故郷の山で、これまで何度も登った山。不忘山、屏風岳の南蔵王縦走はかつて何度か歩いている山域ですが、硯石登山口から入山していました。ヤマレコ等のネット上では白石スキー場から登るコースが多く紹介されているので、今回はこちらのコースを選択することにしました。
1.白石スキー場登山口〜不忘の碑までの登り
硯石からのコースは尾根筋を辿り、急な坂は適度にトラバースしていて、言わば初心者向けであるに対し、今回のコースは沢筋を辿り、直線的なコースであるためか、登山道は半ば沢と化し、所々浸食のため荒れていて、苦しい登りが長く続く厳しめのコースです。硯石のコースとは数百メートルしか離れていません、登りの印象は全く別物で、硯石からにすればよかった、という考えを振り払いながらのつらい登りでした。それでも、コースが沢筋であるがゆえ、湿地に生えるキンコウカやカキツバタ、ギボウシなどが多くみられのが唯一の救いでした。
低木の樹林帯で覆われた登山道は不忘の碑の手前まで続き、それを抜ければ、一気に視界がひらけるハズでしたが、あいにくのガスで、下界は灰色一色。ちょっと残念でしたが、それを補って余りある光景が次に待っていました。
2.不忘の碑から頂上、祠まで
樹林帯を抜けると、火山礫のガレ場となり、登山道の周りはお花畑。さっきまでの登りの疲れは吹き飛びました。ハクサンフウロ、クルマユリ、ミヤマシャジンなど、たくさんの高山植物たちが霧に濡れていて、ちょっといい感じです。水玉に飾られた花々の写真撮影に没頭しました。これほどのお花畑はなかなかない。どれだけ歩いたか記憶が定かでありませんが、やがて不忘山頂上に。程なく着いた印象でしたが、後で地図を見ると不忘の碑から頂上までは500m程もありました。頂上から少し降りると、祠があります。お花畑はそのあたりまでで一段落します。
3.不忘山祠〜南屏風岳〜水引入道分岐
ここからは屏風岳への縦走コース歩きです。しばらく歩くと、尾根道は少し晴れ間がでできました。これでやっと晴れる、と期待させる天気になりましたが、これは尾根に出たため、と後で思い知らされます。道は背より低いハイマツやシャクナゲの中を進みます。ここには、イチャクソウ、オトギリソウ、ツリガネニンジン、シャクナゲなどの花が見られました。やがて、南屏風岳に到着し、ここで昼食をとることに。
4.水引入道分岐〜水引入道〜沢越え〜白石スキー場登山口
ここからは、下山道。入って間もなく急坂。道が先ほどの縦走路とはうって変わって、心もとない感じ。人通りが少ない道とすぐわかり、一抹の不安がよぎりましたが、来た道も悪路だし、距離も長いので、このまま進むことにしました。しばらく下ると湿地帯に出ました。濃いガスでしたが、よく見るとキンコウカが一面咲いています。場所を示す看板は倒れていて、整備があまり行き届いていない様子です。不安が少しずつ、膨らんでいきます。でも、もう、行くしかない!と言い聞かせて前進です。
湿地を過ぎるとまた登り道に。もう、登らなくてもいいという気分でしたが、地図を確認しても他に道はなく、間違っていいなさそうなのでそのまま進むことに。上り始めて程なく、水引入道というピークに出ました。相変わらずのガスで遠くは何も見えない。ここでコンパスを出し、再度進行方向を確認。これまでの経路で間違いなく、ここまま降りればよいと判断しました。でも、ここからが大変でした。
しばらく下ると、再びガレ場となり、濃いガスで道がおぼつかなくなる。道と単なるガレの色違いを見極め、ところどころ岩にペンキで描かれた黄色のマークを頼りに降りる。やがて、大日向という分岐に差し掛かる。ここでスマホのGPS地図とコンパスを見比べ、採るべきルートを確認し、右側のルートをすすむことに。しばらく下ると樹林帯に入り、急坂の悪路になってく。おお、厳しい。ところどころ、前向きでは降りられない。こんな場所で転落でもすれば、大けがし、生きて帰れないという、緊張感のなかで足を進める。降りるにつれて沢の音が徐々に大きくなり、鎖のかかった岩場に差し掛かった。写真をとる余裕もなかったが、高さは10mくらいはあったように思う。鎖を頼りに慎重に降りると、今度は沢越え。なんと、頭上に鎖が渡してあり、下に水面から2mほどの高さの岩。この鎖と岩で沢を超えろと...。一瞬、たじろいだが、これしか方法がないので、意を決して頭上の鎖につかまり、岩に足を踏み出し、さらに対岸の岩場にとりつき、よじ登ってみる。やってみると、意外に簡単で、無事通過。でも、そのあとにまた小さな沢があり、道がはっきりしない。ここでGPS地図を見るも、現在位置が沢の対岸にあっておかしい。谷合なので、衛星が十分補足できていないらしい。小さい沢の対岸を見ると道らしきものが見えたので、行ってみると、道が続いているので、このまま進むことにした。その後、何度かGPS地図を確認した。道は間違ってないらしいが、思ったよりかなり時間がかかっている。スマホの電池も残り少ない。本当にこの道で大丈夫だろうか。この不安はスキー場の近くまで続いた。
と、こんな感じの下山で、途中誰にも会いませんでした。
まとめ:
今回は、天候はあまりよくなかったものの、この日しか取れないと思える写真が多くとれ、未知のコースを踏破でき、また、電子機器の限界や自分の体力を再確認でき、収穫の多い登山でした。半面、事前調査や計画が不十分で、天候がさらに悪化した場合を考えると反省すべき点も多い登山でした。
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