甲武信ヶ岳(今年は雪が多い)


- GPS
- 28:28
- 距離
- 13.8km
- 登り
- 1,643m
- 下り
- 1,636m
コースタイム
[11月30日] 7:43甲武信小屋-8:12甲武信ヶ岳8:23-8:40甲武信小屋8:55-9:27木賊山9:40-11:03近丸新道分岐(1869mのピーク)12:29-(近丸新道へ)-14:10ヌク沢-15:11近丸新道入口-15:34西沢渓谷入口バス停
天候 | 12/29(水)晴れ、夕方は、山沿いは雪、夜中は晴れ 12/30(木)小雪 |
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過去天気図(気象庁) | 2010年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
【雪】 12/28夜より雪となり、12/29朝は西沢渓谷入口バス停付近は雪が4cmほど積もっていました。 徳ちゃん新道に入ると雪は10cm程度、甲武信小屋付近になると50〜60cmになります。 甲武信ヶ岳山頂は吹きさらしで雪はあまりありませんでした。 【気温】 30日の朝6:00の外気温は-10℃、朝の小屋内の気温は4℃とたいへん冷えていました。 30日の昼間、歩行中、リュックの外に差しておいたペットボトルの水が半分くらい凍り、シャーベット状になっていて驚きました。 【風】 2日間とも風が強かったのですが、樹林帯は風をほとんど感じませんでした。しかし、防火帯や吹きさらしに出ると風速5-7m/secの強風となっていました。この時は雪も降っていたので、顔は痛さを感じるほどでした。 【装備】 吹き溜まりは深さ1mくらいありますので、スパッツ、オーバーズボンは必要と思います。 全コースにわたって急斜面があるので、アイゼンも必要です。ただし、ワカンやスノーシューは不要です。 【トレース】 徳ちゃん新道と近丸新道では、徳ちゃん新道の方が踏まれていました。(我々は登りは徳ちゃん新道、帰りは気分を変えて近丸新道を歩きました) 記)tokenzakai=yontousankakuten-T |
写真
感想
【甲武信ヶ岳】
頂上直下の樹林帯を抜けると雪をかぶったケルンが迎えてくれます。と、同時に強風が容赦なく吹き付けてきます。完全防備で山頂へ向かいましたが、あまりの寒さからゆっくり景色を楽しむ余裕はありませんでした。記念の写真を何枚か撮影し、早々に山頂をあとにせざる得ませんでした。
【三角点】
甲武信ヶ岳で三角点を探しましたが見つかりませんでした。地図をみて初めて三角点が設置されていないことを確認しました。
途中の木賊山は三角点が有りますが、雪に埋まっていて探すのに苦労しました。探していたところ、手ごたえがあり、掘り出すことができました。(三等三角点)
【雪の量】
前日(12/28)に雪が降ったこともあり、麓から雪が見られました。登山口を過ぎると湿った雪が10cmくらいで、アイゼンに団子状に付着します。標高1400mを超えるとアイゼンに雪の付着がなくなります。この辺りは新しい雪の下に凍結した雪があり、雪が解けにくいために湿り気がなく、付着がないものと思われます。おそらく28日の雪が降る前は、この辺りから雪が付き始めたのではないかと思われます。
雪はだんだん増え、甲武信小屋あたり(標高2350mくらい)では50〜60cm位となります。なお、吹き溜まりは100cmくらいとなります。
急な斜面があるので、アイゼンは必要で、ところどころ雪の深いところがありますのでスパッツ、オーバーズボンもあった方が良いでしょう。
【甲武信小屋】
宿泊は7,8人位だったが、大晦日には30人程度が宿泊予定との話を小屋の方から聞きました。
夕食はカレーで、特別にすっぽん鍋も出されました。寒い中で鍋は体が温まるのでたいへんありがたく感じました。
なお、小屋番の方の誕生日ということで、ケーキも振舞われました。疲れた中では、甘い物は実においしく感じます。
小屋の中は当然のことながら、寒いのですが、布団に入るとたいへ暖かく感じました。使い捨てカイロを併用したので、夜中に靴下を脱ぐくらいの暖は取ることができました。
トイレはなんと水洗となっていて、古い小屋ながら快適でした。
【標高差】
西沢渓谷入口バス停から甲武信ヶ岳まで、標高差が1350mもあり、しかも雪が付いていたこともあり、だいぶくたびれました。久しぶりに歩いたという感じがしました。
【雪山】
自分たちにとっては、今シーズン最初の本格的な雪山で、特にスタートから雪があり、雪の感触、雪景色など、普段は味わえない雪山の環境を満喫することができました。2010年の夏は特に暑く、その暑さはついこないだのような気がします。ほんのわずかな期間で日本の気候はこんなにもかわるのかと改めて認識することができました。
いずれにしてもるこれでしばらくは都会暮らしができそうな感じがしました。
【夕暮れの景色】
トラブルがあって、スタートが大幅に遅れ、甲武信小屋の方にはご迷惑をかけてしまいました。(携帯は通じるので、事前に小屋に連絡しておきましたが、トラブルがあるときは連絡をしておきましょう)
スタートが遅れたので、戸渡尾根から夕方の景色を見ることができました。北の甲武信ヶ岳方面は雪雲がかかっていることが多かったのですが、南や西側は晴れていました。
夕焼けが空を染める頃、振り返ると富士山が夕焼けをバックにシルエットとなっていました。加えて、その右側には国師岳が同様の状態となっていました。見かけの大きさが同じくらいなので、富士山型の山のシルエットを同時に二つ見ることができました。
尾根筋の大部分は樹の枝が邪魔して眺めがよくないのは残念に感じました。(戸渡尾根の標高1800m付近には樹木が切れる眺めの良いところがあります。)
尚、29日の17:21には国際宇宙ステーション(ISS)が北北西から北に通過する予報を調べてあったので、期待しましたが、雪雲でさえぎられ確認できませんでした。
【星の観察】
冬の星座は賑やかです、寒さの中、観察をするのは勇気が必要です。
甲武信小屋の消灯時間は20時で、ひと寝入りして目を覚ましたのは深夜0時頃でした。窓から空をのぞいてみると星が出ていることがわかり、その後、寝付けなかったので、1時前に外へ出てみました。
小屋の位置関係から展望のあるのは北から東の方向のみでした。空を見上げて、すぐに目に入ってきたのは、北天の北斗七星で、柄杓部分を上にして下に向かって縦に伸びた姿を確認しました。あまりの寒さにこれだけ見ただけですぐに布団へ駆け込みました。
朝方5:30の朝食後、外に出てみました。まだ、暗く東の空には月が出ていました。三日月を逆さにした形でたいへん明るく目に入り、この月明かりの中、月の上に2つ星が見えました(月のあるときは明るい星でないと目立たない)。後でしらべてわかったのですが、これらはおとめ座の一等星、スピカとその上は土星でした。
なお、月の北側、低い位置(左下)には金星が輝いていました。これは一目でわかります。マイナス四等星位だろうと思います。
尚、深夜に確認した北斗七星は柄杓の柄が水平になるくらいまで回転していました。
北斗七星は季節を指定すれば、時刻がわかり、時刻がわかれば季節がわかるというのがうなずけます(時計代わりになるという意味です)。
普段見ることがない明け方の星を見ることができてたいへん満足しました。
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