鍋割北尾根〜小丸尾根(×通行不能)


- GPS
- 07:22
- 距離
- 24.4km
- 登り
- 1,465m
- 下り
- 1,499m
コースタイム
- 山行
- 6:29
- 休憩
- 0:52
- 合計
- 7:21
天候 | 霧雨のち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
■「1月31日まで伐倒作業のため通行禁止」の小丸尾根ですが「事故が起きても責任は負えない」との注記があり、作業休止中の通過は自己責任の範囲と判断して入りました。しかし、745m小ピークの下がブルドーザー道になり、途中で左へ分かれるはずの登山道を発見できませんでした。ブル道(ドロドロです)は途中迷路のように分岐するうえ、二俣よりかなり西に出ます。やはり作業休止日でも「登山道破壊により通行不能」と諦めて通らないことを強く推奨します。 ■玄倉林道熊木沢出合の先の落石区間は、石が取りのけられて少し歩きやすくなりました。 ■バリエーションルートに分類される鍋割北尾根ですが、尾根に乗ってしまえばさほど迷う所はありません。ただし随所に急な尾根の直登があります。 ・入口は落石区間が終わって林道がU字カーブする所のオガラ沢出合。ドラム缶?2つに赤矢印が見える。林道から見える堰堤の左を越え、二手に分かれる沢の左俣へ。 ・次の堰堤は右から越えて沢床に降り、左側の岸(中洲のような所)にあるテープを頼りに行くと鉄製堰堤に至るので左から越える。堰堤に「←ナベワリ山」と赤ペンキで書いてある。 ・何も文字が書いていない(消えた?)足元の小さな手製の道標から右手の植林帯の踏み跡を登ると、2、3分でまた左の沢(平らな涸沢)に降りる。 ・対岸にテープと木の幹に赤字の↑が見つかるので、標高約900mの尾根まで40mほど直登する。ジグザグに切った踏み跡あり。この付近はほぼ真東に向かう。 ・右(南)へ尾根を外さないように登り、オガラ沢の頭(1100m)から急勾配をちょっと下って鍋割峠。倒木が峠をふさいでいる。この倒木の先の方に踏み跡が左上方へ伸びている。 ・すぐ尾根(不明瞭。先へ平らな巻道状の踏み跡が続いているので注意)に至り、右上へ鋭角に曲がってその急な尾根を直登する。標高1200m少々で一般登山道を仕切るロープの所に出る。 |
写真
感想
玄倉バス停でもかすかな霧雨が降っていた。新松田駅は小雨で、曇りのち昼から晴れという天気予報には結局最後まで裏切られたのだが、とにかく冷え込みがないのを救いと考え、気を取り直して登山シャツにレインウエアを上だけ羽織って出発した。
ユーシンの紅葉目当てか、満席のバスの乗客の半数以上が下車している。そういった人影を抜き去って先を急ぐ。今日は初めてのバリエーションルートを辿るので、道迷いを計算に入れて少しでも林道で時間を稼いでおきたい。
玄倉発電所の手前で臨時の車両通行止めがあった。ふつう小川谷出合の先の林道ゲートまでは一般車も入れるが、紅葉時で駐車スペースを考えた措置なのだろう。霧雨がほとんどあがり、体が温まって暑くもなってきたのでレインウエアを脱いだ。
その林道ゲートでは休憩を終えた学生風のグループに追いついた。先頭の女の子に聞くと、熊木沢出合まで往復するという。真っ暗な新青崩隧道あたりまで後ろからワイワイ楽しそうな声がしていたが、玄倉ダムを過ぎたころには聞こえなくなった。今日のユーシンブルーは曇天の割には青が鮮やかで、きっと記念撮影にでも忙しいのだろう。
時速5キロ程度で快調に進み、第8隧道を過ぎれば雨山橋は近い。雨山峠への分岐を経て、1時間50分でユーシンロッジ分岐に到着。今日はロッジには寄らず、もう一度車止めゲートを越えて人影の途絶えた玄倉林道を進む。素掘りの第9隧道を過ぎれば熊木ダム。ここも美しいユーシンブルーだ。沢の中に「落っこち橋」が見えて、棚沢ノ頭に至る熊木沢出合の分岐を右に取れば、いささか緊張する落石多発区間に入る。
歩いてみると、崩落した石を取り除けて人が一人通れる程度の通路が作ってあり、以前より格段に歩きやすい。特段の危険を感じることなく無事に通過し、ほどなくオガラ沢出合に着いた。石に腰かけてお握りだけ早弁して鍋割北尾根の急な登りに備える。
この先は、検索で見つけたryo555さんという方の去年11月の山行写真と歩行軌跡入り地図を参考に進んだ。写真と赤ペンキの矢印やピンクテープを照らし合わせれば、まず踏み惑うことはない。ところどころはっきりした踏み跡もある。無事に涸沢から山腹の直登にかかり、北尾根に乗ることができた。
後は尾根伝いだから、こと登りに関して間違うことはまずないが、急斜面の直登が多いので思ったより消耗する。ヤブこそないが踏み跡は消えがちで自分の目で歩きやすいルートを探さなくてはならない。目通し直径1mはあろうかというブナの巨木を過ぎた所で前方にピークめいたものが見え、オガラ沢ノ頭に到着した。ガスはかえって濃くなったようで周囲の山々は全く見えず、木々の葉もまだ緑が目立って紅葉もパッとしない。
左へ少し向きを変えて急坂を下ると窪地が見えた。旧鍋割峠だ。一瞬、道をロストしたかと思ったが、大きな倒木の倒れた先の方へ踏み跡が伸びていた。鈍角の尾根のような所で右に曲がり、また尾根通しで標高を稼ぐ。急勾配を120m余り登るとロープ柵が見えて、無事に鍋割山西方の登山道に到着した。
鍋割山頂もどんよりガスの中ながら、結構な数の登山者でにぎわっていた。といっても晴れた日には及びもつかず、自慢の鍋焼きうどんもすぐ食べられるというので、持参のカップ麺はやめて1杯注文した。
さて、まだ1時にもなっていないので、ryo555さんのルートをぴったりトレースしてみようと小丸尾根を下ることにした。今、写真を見ると鍋割山頂にも小丸尾根通行止めを知らせる表示類はあるのだが、この時は全然気づかず、小丸尾根分岐でロープの通せんぼの横にある告知を見て初めて事態を知った。
今さら混雑する大倉尾根も後沢乗越も行きたくない。強行突破と決めて霧の急斜面をジグザグに下る。標高1050m付近でリョウブなどの木々の名を記した板が掛けてある所で一休みし、尾根の東側の植林帯で不明瞭になる登山道をさらに下ると、左下に真新しい切り株群が見えてきた。件の伐採地に着いたようだが、やはり作業は行われていない。
ほどなく軽い登り返しで745mピークにいることが分かった。もう二俣は遠くないはずだが、なんとその先の登山道がブル道にされている。雨上がりでドロドロの道を仕方なく辿った。方角的に左に登山道が分かれる気がするが、破壊が激しくてよく分からない。やがて広々とした伐採跡にいくつものブル道が分岐する所に出た。
さあ、どっちへ下るか。左下を探ると下の斜面にロープがあり、登山道の印のようにも見えたが、そこまで道なき道を突破するのを躊躇した。次善の策で方角的に近いブル道を下ったところ、これはプツリと行き止まりに。憤然として、今度はブル道を外れてショートカットし、分岐まで丸太の間を縫って登り返した。
もう一つ下りのブル道は向かう先と反対の西へ延びている。「これはプチ遭難的状況?」と不安がよぎったが、ブル道は必ず林道に続いているのだから遠回りでも仕方ないと思い直し、ドロドロのジグザグ道をひたすら下った。間もなく残置された重機、ぬかるみを緩和する部分的な砂利舗装が現れて、これがどうやら「本道」らしいと一安心。沢が近づき、やがて鍋割山からの登山者たちの姿が見えて西山林道末端部に合流した。
ずいぶん後沢乗越寄りに降ろされたが、まだ3時前なので問題はない。伐採の資材置き場を軽く迂回して長い林道歩きに入った。かなり歩いて本来の小丸尾根からの道と合流。しっかりロープで通せんぼしてあった。
二俣の勘七ノ沢の渡渉で泥だらけの靴とスパッツをすすぎ、ブル道歩きの残骸を洗い流した。例によって延々と続く西山林道をさらに1時間歩き、大倉集落に到着。振り仰ぐ表尾根にはまだ雲がかかっている。今日は下界にもはっきりした晴れ間は無かったようだった。
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