駅前・鳴虫山あるき(木段に注意)


- GPS
- 06:15
- 距離
- 8.7km
- 登り
- 687m
- 下り
- 625m
コースタイム
天候 | 曇り一時晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
東武鉄道「東武日光」 東武バス「総合会館前」 |
コース状況/ 危険箇所等 |
特に危険な場所はないと思っていました ただし、ところどころ急な下りで注意を要します 木段の荒廃箇所を嘆いていたところ、同行者が転倒しました |
写真
感想
[1週間遅れのアップになりました]
近所の書店で2011年版の「日光 白根山・男体山」を調達し、駅で崎陽軒の「シウマイ弁当」を買い込んで、湘南新宿ラインに乗った。
10年版の表紙は帯が赤色だったが、11年版は青緑だ--と小さな発見をした地図を開いて、翌朝のルートをたどりながら駅弁を口に運ぶ。
1月の赤城山方式を援用して宇都宮に前泊する。ただし、名物の餃子を味わう時間がない。残念なので、シューマイで点心気分に浸った。
JR日光駅のホームに降りると女峰山が眼前に迫る。インスブルック駅のホームから冬季五輪のジャンプ台が見える光景を思い起こす。
その女峰山に比べ標高は半分以下の鳴虫山が目的地だ。駅から近く、天候によっては手軽に雪山歩きを楽しめそうだと思っていた。
天気予報では、朝の日光市内は-6℃まで下がるはずだったが、寒くない。晴れているはずの空も、どんよりと雲に覆われている。
それでも登山口の先は雪道になった。新雪はないが、日陰には10cm近い雪が残っているところも。100mほど歩いて軽アイゼンを着けた。
杉と檜に囲まれた坂を登る。向かって左の東側から薄日が差し始める。日当たりのよい場所は雪が解けている。アイスバーンに要注意。
気がつくと目の前に鳥居があった。天王山神社。歳のせいか、山歩きの途中で神仏に条件反射的に手を合わせることが多くなった。
神ノ主山の頂は忽然と姿を現す。評判通り、日光連山と市街の眺望が素晴らしい。さっそく山座同定。何と言っても、女峰山の迫力だ。
杉の枝に遮られるが、男体山もよく見える。少し位置を変えながら、日光連山をゆっくりと眺める。北東の釈迦ケ岳方向も雪が美しい。
快晴にはほど遠いものの青空が広がり、山々の雪が輝いて見える。この時間帯は雲も日光連山から離れ、じっくりと絶景を堪能できた。
歩き始めようとしたところで十人弱のグループが登ってきた。互いに挨拶。この朝、山に入ってから妻以外と初めて言葉を交わした。
グループを残して鳴虫山を目指す。しばらくは賑やかな会話が聞こえていたが、やがて静寂の山に戻る。鳥の声も聞こえてこない。
尾根道をひたすら歩く。右手にはブナの大木も。春になればアカヤシオが見事なのだろうが、この季節は急登の印象に支配され気味だ。
いつも通り、私たちは独自のペース。40代前半と思しき単独の男性に先を譲った。「鳴虫山まで、どのくらいでしょうか」と尋ねられた。
「私たちの足で15分ぐらいの計算なので、10分ぐらいでしょうか」と答える。男性は柔和な笑みを浮かべ、礼を言うと先へと行った。
果たして15分後。鳴虫山に着くと、件の男性は展望台の脇に腰を降ろして休憩中だった。互いに、それぞれの山頂写真を撮り合った。
眺望はきかないと言われているが、ここからの眺めも趣深い。殊に男体山の存在感が増し、白根山から西方向の山並みも見え隠れする。
しばらく休み、下山の急な坂に備える。そして、山頂を後にするとすぐ、タイガージャージーのようなロープが張られた階段が現れる。
誰かがステップの雪を払い落としてくれたようで、歩きやすい。軽アイゼンで木面が傷つくのが痛々しいが、ここでの脱着は難しい。
合峰、925mの独標を経て憾満ケ淵に至る下りは、ところどころにロープもあり、総じて急だが、雪のためか、さほど痛痒を感じない。
むしろ、無雪期に泥の斜面や張り出した木の根が滑りやすくなった時は厄介だと思う。逆コースの選択も一考に値するかもしれない。
何よりも気に掛かったのは、周囲の地盤が流失した後に残された木段の無残な姿と危険性だった。そして、その写真を撮った後……。
数メートル後ろで妻が転倒した。木段を避けて歩いているうちに滑ってバランスを崩し、障害物と化した木段の縁で上半身を撲った。
大事には至らなかったが、2週間にわたって日課のジョギングと山歩きが休みに。そして、山歩き計画と実施の瑕疵を問われている。
顚末を話すや、娘から叱責を受け、返す言葉もなかった次第。木段の一般問題を考える前に、同行者の安全確保に十全を尽くすべし。
帰路、憾満ケ縁の並び地蔵には、揃いの赤い毛糸の帽子と前掛けが。さらに、願いの文章が記された手製の灯籠が添えられていた。
受験生の合格祈願あるいは遊学生の進級願望などの学業成就系をはじめ、家内安全系など、微笑ましく、心温まる言葉が並んでいた。
その一つが「早くあたたかくなりますように」。雪山ハイキングも楽しいが、花の季節もそこまで来ている。好天日を厳選して、また。
Ende
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
こんばんは、Rheingoldさん。初めまして
鳴虫山登山お疲れさまでした。奥さんは大丈夫ですか?
お大事にしてください。
鳴虫山の木段は自分も危険だと思っていました。
今後このようなことが無いように早期に改善、解決してほしいものです。
石裂山でも同様の階段が連なっているところがあります。
登山者の注意と責任において…というのはわかりますが
大事になってからでは遅いですよね。
自分も気をつけて登らねばと、肝に銘じさせていただきました。
chachamaru
chachamaruさん、コメントありがとうございます
ご心配いただき、痛み入ります。
結果として私が妻を急かせた側面もあったと反省しています。
そのあたりが娘から厳しい指弾を受ける要因でもありまして。
年齢相応、技術相応の安全な山歩きを実践しようと思います。
そうした自己責任を全うしたうえでのお話としてではありますが、
やはり荒廃した木段のありようについては検討されるべきか、と。
いやいや、荒廃する前、設置の段階から精査が必要なのでしょう。
さて、妻は暫く塞ぎ込んでおりましたが、昨日(26日)の午後、
ボランティア(外出はできる程度なので)の集まりから帰宅して、
「テンション上げるために、これ買ったの。セールだったから」。
見れば、UVカットの山用シャツでありました。
シウマイ弁当がいいですネ。
一度は食べてみたいのですが、なかなか機会がなく
醤油瓶コレクターもいる位で、ロングセラーもうなずけます
男体山などの眺めが素晴らしいです。
女峰山と赤薙山のお写真は、まるでヨーロッパのお山のようですね!
お写真は山の行き方も説明が入っているので、初めてでも安心します。
奥様は、大変でしたね
私も先日の高尾山〜陣馬山で転んで、掌から流血したのでテンションが下がりました。
でも気持ちが上向いてこられたようで良かったです。
お買い物が山用のシャツ・・・さすがです
ポカポカした日に、のんびりしたお花ハイクも素晴らしいので、
出掛けてみてくださいネ
そう、「シウマイ弁当」はロングセラーでした
陶器の醬油瓶にコルクの栓ばかりだった昔から食べてます
家に持ち帰って温めても、列車の中で冷えたままでも、うまい
なるほど、これを携えて花を愛でるハイクも素晴らしいですね
pippiさんが紹介してくださった房州に足を伸ばしてみますか
わが同行者のリハビリにはもってこいかもしれません
ありがとうございます
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する