鳳凰山 〜積雪期三山登頂の悲願叶う〜
- GPS
- 19:57
- 距離
- 25.4km
- 登り
- 2,442m
- 下り
- 2,406m
コースタイム
- 山行
- 5:37
- 休憩
- 0:06
- 合計
- 5:43
- 山行
- 6:58
- 休憩
- 1:22
- 合計
- 8:20
天候 | 12/24 晴れ 12/25 晴れ 12/26 晴れ(雲多い) |
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過去天気図(気象庁) | 2016年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
無料 トイレあり 登山ポストあり 駐車場までの道路に積雪・凍結はなかったが、今後の天候により変化するので冬タイヤでの走行を。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
◆夜叉神峠登山口〜南御室小屋 降雪後の24日は杖立峠まで積雪3cm程度で凍結もほとんどなかった。晴れの日が続いた26日には雪がほとんどなかった。 杖立峠から火事場跡、苺平まで積雪5cmで凍結箇所もあり。まだ石が出ているのでクランポンなど着けなくても歩けた。 南御室小屋までの積雪も5cm程度と変わらないが全面雪となる。 ◆南御室小屋 ・水場あり ・男女別のトイレあり(チップ制) ・営業期間外(年末年始12/29〜1/3営業) ・冬季小屋あり(1,000円) ・テント場の積雪は10cmぐらい ◆南御室小屋〜薬師岳 最初からクランポンを装着した。 小屋からすぐの急登を越えてから緩やかな樹林帯となる。樹林帯の積雪は10cmだが登山道はよく歩かれていて踏み抜きの心配なし。 樹林帯を抜けた砂払岳から薬師岳は強風により雪が飛ばされて砂礫が出でいた。 薬師岳小屋は改装中だがトイレの利用は可能。テントが2張あったが張っていいのか不明。 ◆薬師岳〜観音岳 雪と岩と砂礫の稜線。ルートは無雪期と同じ。稜線の東側は吹き溜まりとなっている。雪庇はなかった。 ◆観音岳〜地蔵岳 観音岳までで戻る人が多いがトレースはある。ここまでと同じく積雪10cmぐらいで雪がない箇所もある。稜線上の西側を歩くが、アカヌケ沢ノ頭直下に下るところだけは東側の樹林帯からとなる。鳳凰小屋分岐からアカヌケ沢ノ頭に登り、地蔵岳直下に再び下る。 |
その他周辺情報 | 日帰り温泉は月曜日休館が多いみたい… |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
防寒着
ネックウォーマー
バラクラバ
毛帽子
靴
予備靴ひも
ザック
アイゼン
ピッケル
ビーコン
行動食
水筒(保温性)
計画書
ヘッドランプ
予備電池
日焼け止め
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ナイフ
テントマット
シェラフ
|
---|---|
共同装備 |
昼ご飯
調理用食材
水筒(保温性)
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
調理器具
ライター
地図(地形図)
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
ロールペーパー
ツェルト
カメラ
テント
|
感想
去年の年越し登山で断念した鳳凰山の地蔵岳。およそ1年ぶりの再挑戦だ。
◆12月24日(土)
夜叉神峠登山口はすでに数台が駐車。晴れ予報の南アルプスにしては空いている。25kgのザックを背負い、落ち葉の上に雪の乗った登山道を登る。
およそ1時間で夜叉神峠に到着。ここからの展望はやはり素晴らしく、冠雪した北岳、間ノ岳、農鳥岳、悪沢岳、上河内岳が見られる。この先でこの景色が見られるのは火事場跡だけだ。樹林帯からの展望は貴重なので、ここでじっくりと写真を撮ることにしよう。
雪と岩と氷の混ざる日陰道を登り、杖立峠、火事場跡、苺平へ。火事場跡からの展望を除き、見所はほとんどない。苺平から南御室小屋へ一気に下る。
南御室小屋は営業期間外だが、テントは10張ほどの先客がいる。全面積雪で雪質はサラサラ、雪の下は固く凍結していて雪ペグが刺さらず、横に寝かせて雪で埋める。まだ慣れていない作業だが上手く出来た。
夕食は赤ワイン、チェダーチーズ、フォカッチャ、ポトフ、ハンバーグ。これだけ持ち込めば荷物が重くなるのは当然か。夕食後には星が綺麗に出ていたが、テント場が暗くなってから撮影しようと思って早めに寝て、0時ごろに起きて空を見たらボンヤリとしか見えなくなっていた。旬を逃したようだ。
◆12月25日(日)
目が覚めてテントのジッパーを開け外を見るとまだ暗い。朝食を摂ってから出発の準備に取り掛かる。テントはここに張ったままなので撤収の手間がないから楽だ。
小屋の北側は急斜面なので最初からクランポンを装着していく。稜線歩きがメインとなるのでトレッキングポールでなくアイスアックスの出番だ。昨日と変わらずの樹林帯から景色は見えない。1時間ほどで砂払岳に着くと北岳、間ノ岳、農鳥岳がそびえる。やはり南アルプスの山はでかい。南には富士山も見える。期待していたご来光は残念ながら地平線に掛かる雲が隠してしまったようだ。
砂払岳から改装中の薬師岳小屋まで下り、薬師岳に登り返す。鳳凰山は南アルプスでは珍しく花崗岩で構成された山で、燕岳や甲斐駒ヶ岳と同じように奇岩が積み重なっている。強風で雪が飛ばされた薬師岳の頂上は妙な岩がゴロゴロと点在していて面白い。7時12分、鳳凰山南峰、薬師岳に登頂。
薬師岳の次に目指すのは観音岳だ。稜線の西側は雪がほとんどなく、東側は吹き溜まりとなっている。そのため歩くのは西側だ。途中で雲の上に太陽が姿を現し、白峰三山の東面を照らし出した。光の当たる3000m峰は神々しく輝いていた。薬師岳から続く奇岩群は観音岳に至る稜線でも健在で、頂上直下の岩場は少々厄介だ。観音岳の頂上周辺は薬師岳と違って雪が多い。山頂標識は頂上直下の東側にあるので、ここからでは南アルプス主稜線は見えない。見えるのは北の仙丈ケ岳、アサヨ峰、甲斐駒ヶ岳、八ヶ岳、地蔵岳、東の奥秩父、南の富士山だ。7時43分、鳳凰山最高峰、観音岳に登頂。
1年前はここ観音岳で引き返した。今回はこの先の地蔵岳が目標なので北に向かう。岩と雪の稜線を歩いていく。少し下ると稜線の東側に樹木が並んでいるので、樹木に沿っていく。鳳凰小屋分岐から登り返してアカヌケ沢ノ頭を目指すがルートが分かりにくく、アカヌケ沢に下る直前で雪の少ない西に少し下ってしまい、戻って道を探したら雪の深い樹林帯を下るルートを発見。正面に見える地蔵岳に導かれるようにアカヌケ沢ノ頭から下って賽ノ河原にたどり着いた。地蔵岳の最高点はオベリスクだが登れないので賽ノ河原にある標識が事実上の地蔵岳頂上と言える。9時39分、目標である鳳凰山北峰、地蔵岳に登頂。1年越しの悲願達成。
賽ノ河原にはお地蔵さまがたくさん並んでいて、その先には甲斐駒ヶ岳が座している。そのずっと遠くには北アルプスの穂高岳から後立山連峰までずらっと白い峰々が並んでいる。オベリスク直下まで登ってみると富士山が望める。ここまで来た甲斐があったというものだ、山梨だけに。
目標達成できたので来た道を戻る。これまでは北に向かってきたので、南に向かうと、同じ道なのに見える景色が違う。常に富士山が正面に来るのだ。また南アルプス南部の最高峰である悪沢岳もよく見える。この悪沢岳、我々をなかなか歓迎してくれない意地悪さんで、前日まで晴れていてもいざ登ろうとすると雨と風で試練を与えてくるのだ。次回登るのはいつになるだろうか。
時間と体力に余裕があるので観音岳の山頂標識の上の岩に登る。そこには2等三角点『観音岳』があるのだが、後で調べると成果不良により測量停止中とあった。国土地理院にはぜひともこの三角点を復興してもらいたい。
観音岳から薬師岳、砂払岳へと戻り、そこで絶景ともお別れだ。樹林帯をずっと下って南御室小屋に着いた時にはテントはわずか2張となっていた。明日は月曜日だ。
夕食はホットワイン、昨日残しておいたチェダーチーズ、生ハム、豆乳鍋、メスティンで炊いたご飯。これで明日も元気に歩けそうだ。
18時ごろには星がよく見えていたので星空撮影を始める。長時間露光にも挑戦し、いい感じのものが撮れた。仮眠後の深夜に起きて、再び撮影を始める。北極星を見つけたり、すばるからアルデバランとオリオン座を探すのは面白くて癖になりそうだ。
◆12月26日(月)
下山だけなので4時55分に起床して7時過ぎに出発。凍結した雪の下にあるペグを掘り起こすテントの撤収は大変だと分かった。
せっかく山に来ているのだから途中の辻山に登らないという選択肢は我々には存在しない。ウサギの足跡が我々を辻山に導く。辻山から見えるこの日の北岳、間ノ岳、農鳥岳も素敵だ。
辻山から苺平、火事場跡、杖立峠、夜叉神峠へと下る。2日前に登ったときよりも雪が減っていて、代わりに凍結箇所が増えていた。火事場跡付近ですれ違った学生と思われる5人の男女。翌日は荒天が予想されるので少し心配したが、この時期に登る者であれば冷静な判断が下せるのであろう。一方、夜叉神峠で出会った女性グループは場違いなハーフパンツ姿だった。おそらく夜叉神峠までのハイキングであろう。その先まで登らないことを願う。
11時44分、無事に登山口に着いた。天候に恵まれて目標を達成できたことに感謝。
いやぁ〜、自分にはあり得ない山行を見させて頂きました。
山頂(稜線)では雪のない箇所もあり、例年より雪が少ないのでしょうか?
周りの景色は雪を冠った名山ばかりで、目が痛くなりませんでしたか(笑)
特に、雲海に浮かぶ富士山が素晴らしいですね♪
25kgの荷物を担ぎ上げ、豆乳鍋とは普通では出来ないクリスマスディナーとなりましたね♪
お疲れさまでした。
ayamoekanoさん、こんにちは。
運よく天候に恵まれて鳳凰三山に登れました。1年前より風が弱かったので稜線上での長時間行動が可能でした。積雪量ですが、1年前と比較したところ同じぐらいでしたね。南アルプスの積雪量が増えるのは2〜3月かもしれません。
雪山での食事は難しく、いろいろなものが凍ってしまうのですが、冷蔵しておきたい肉や野菜は重いけど日持ちするので便利です。クリスマスに鍋というのは奇妙ですが、食前の赤ワイン、チーズ、生ハムのおかげでクリスマスが楽しめました。
夜叉神峠で、お見かけしました。
良いクリスマスでしたね〜
羨ましい??
Hide-Gさん、コメントありがとうございます。
3日とも好天でいいクリスマスを過ごせました。寒かったですけどね♪
Hide-Gさんの記事を拝見しましたが、鳳凰山の前の畑薙ダム付近の崩落が気になりました。いけるもんなら聖岳を検討していたので。貴重な情報ありがとうございました。
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