黒戸尾根と廃道日向八丁尾根で甲斐駒、日向山日帰り周回
- GPS
- 19:56
- 距離
- 25.6km
- 登り
- 3,064m
- 下り
- 3,073m
コースタイム
CT 23時間程
天候 | 晴れ、午後少し曇り。全般的に少し蒸して暑い一日。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
<概要> 尾白川渓谷駐車場から黒戸尾根で甲斐駒に登り、その後で鋸岳方面に向かい三ツ頭から、廃道になっている日向八丁尾根を降りて、烏帽子岳、大岩山、日向山と縦走して、駐車場に戻る周回コース。大岩山以降は登山道だが、三ツ頭からそこまでは廃道になっているので、コースタイムははっきりとはしないが、23時間位だと思う。藪こぎとルートファインディングは必須で、日帰りで歩くにはそれなりの覚悟が必要。まず誰も歩いていないので、自己責任で判断する事。しかしその分、単純な黒戸尾根のピンストンでは味わえない、変化のあるコースが楽しめる為、やり遂げた後の充実感は大きい。 <尾白川渓谷駐車場から黒戸尾根で甲斐駒> コースタイムが長いのと、三ツ頭から大岩山までの廃道部分の時間が読めない為、深夜のスタートは必須。黒戸尾根は登山道がはっきりしているので、深夜でも道に迷う事は無いだろう。ただ梯子や鎖場等が多いので注意は必要。 <甲斐駒から三ツ頭> 鋸岳方面に向かって下り始めると、とたんに道は判りづらくなる。急いで下ると道を見失う様な個所が幾つか有るので注意が必要。6合石室は、縦走路から少しだけ左に離れているので、突然現れる。中はひんやりして過ごしやすい。周りは岩場で縦走路に進む最初が少し判りづらい。 <三ツ頭から大岩山> 廃道の区間。このコースで最大の難所。現在、大岩山からコルまでの下りは、鎖、ロープ、梯子がかけられたので、前の様にロープを持参する必要は無くなった。 三ツ頭から烏帽子岳に向かう地点に標識は無いが、踏み跡が有るので判別できる。烏帽子岳に登る直下に巻き道らしきものが有るが、これは進め無くなるので迷わずに烏帽子岳に登る。そのまま稜線沿いに下ると、烏帽子中尾根になってしまうので、早めに左に下り八丁尾根に進む。尾根沿いに下れば大岩山のコルに降りれるが、実際は所々歩行困難な個所が有る。その様な個所では、左側に降りた巻く事になる。これがなかなか判りづらく、藪こぎの連続となるので、破れても良いズボンと長袖を着ていた方が良い(樹脂が付着しているせいか汚れが洗っても落ちにくい)。巻く場合は尾根の近くはハイマツ等が密集して歩き難く、樹林帯まで降りた方が進みやすい。しかし今回の様な時計周りの場合、下りになるので木々にさえぎられて目的の大岩山が見えないので不安になる。逆周りでこの区間は登りの方が判り易い。 <大岩山から日向山> 鞍掛山と日向山の分岐までは破線の道で少し判りづらい。暗くなるまでに日向山に辿り着く事は必須だと思われる。日向山からは最初の出だしが判れば、後は尾白川林道まで、暗くても迷う事はないだろう。林道に着いた地点に、尾白川渓谷駐車場に下る登山道の印が有る。地図には載っていないが、これを使うと時間を稼げる。しかし暗いとヘッドライトだけでは、少し迷う地点も有る。この登山道は、途中で何度か林道と交差するので、判らない場合は一旦林道を歩いて、次の交差する地点で入り直せる。 <結び> このルートは、このとおりだけ歩くなら、逆周りを推薦します。その方が廃道区間で道迷いの回数が減り、体力と時間の消耗が少なくて済みます。また逆周りなら時間がかかった場合、怪我や道迷いのリスクが高い、暗い夜道の下りを避けて、6合石室や七丈小屋で一泊する事もできます。6合石室で泊まる場合、水場への行き方はriCさんのレコが詳しいので参照して下さい。 http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-120286.html この周り方を選んだのは、日向山はピストンして、浮動滝へ下って尾白渓谷沿いで駐車場に戻る予定だったからです。これだと最後に渓谷も見れて、より変化の有る山行が楽しめます。 但しコースタイムは1時間増えて24時間になる事、渓谷は日が沈むのが早いので、渓谷美を楽しむには、浮動滝着が遅くても17時、できれば16時で無ければなりません。今回より3時間以上速く歩かないと駄目だという事ですね。それが出来れば、今回の回り方がベストです。 <登山後の温泉> 尾白の湯が駐車場からの帰り道に有る。700円で9時まで営業。受付は8時30分に終了。 |
予約できる山小屋 |
七丈小屋
|
写真
感想
このルートは、僕の持っている古い地図に載っていたので、前から黒戸尾根を登るなら、この廃道経由で周回するつもりでした。ただwebで調べるとロープ持参で無いと難しそうで、ちょっと日帰りは困難でした。
山レコではjinzaemonさんが去年やっています。僕の逆ルートですが、その際には大岩山からのコルまでの下りに、鎖、ロープ、梯子が無く、命がけだった様です。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-84000.html
今年になって、yakouseiさんが、このルートを僕と逆コースで鋸岳に抜けています。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-84000.html
さて今回、久しぶりの山行と、先週はずっと顧客訪問で朝トレが出来ず、夜も遅かったせいか、出だしで既にダウンしていました。いつもはランニングに短パンですが、藪こぎが有るので古いニッカズボンと、厚手の半そでにしたら、この日はとっても暑くって、深夜なのに汗びっしょりでした。予定より大幅な遅れで甲斐駒の山頂に着いた時には、このまま黒戸尾根を引き返して尾白渓谷で涼む事が頭をよぎりました。しかしここからが、まだ一度も歩いた事が無い道です。取りあえず、予定よりは行程を短くする事にして、下り始めました。
烏帽子岳の直下で巻く道の様な所が有り、web で検索した際に誰かが巻くと書いていたのを思い出しました。しかしそのまま頂上に登り、気になって戻ってそちらに歩いてみました。結果は直ぐに進め無くなりました。それで再度、烏帽子岳に登り返し、大幅なタイムロスです。烏帽子岳の稜線沿いに下っていると、進め無くなりちょっと左にそれて下って見ると、別の稜線が左手に見えました。既に八丁尾根の分岐に気づかず、烏帽子中尾根に下っていた様です。そこでまた登り直して八丁尾根に下りました。ここでも大きな時間ロスと、体力ロスです。
それ以降も藪こぎと、何度かの行ったりきたりで時間と体力を失い、日帰りは切迫してきました。ここで予期しなかった反対側から単独で歩いて来る人に出会いました。相手の方もまさか人に会うとは思っていなかった様です。お互いに情報を交換し、これから先はそれ程の藪こぎは無いとの言葉で元気が出ました。やっぱり道が判らない場合、登る方が収束するので判り易いですね。下りは発散するのでロスし易いと痛感しました。
大岩山に着いて地図を確認したら、まだまだ先が長い事に愕然としました。登りで深夜に出発するのは怖くないのですが、初めての道で下りで暗くなるのは危ないので避けたいのです。それからは時間との戦いでした。あれだけもう歩けないとへばっていたのに、急に歩くのが少し速くなったのです。
しかし携帯電話のアンテナが立って、かみさんに電話が出来たのが8時。やっぱり怒られました。何とか尾白の湯に間にあって、9時に風呂を出て双葉SAで晩御飯を取り、眠くなったのでここで少し仮眠。家に帰り着いたのが朝の4時20分でした。今日は下の娘の学童のBBQ、少し寝て直ぐに起きてBBQの有る公園に行きました。いやはやこの週末は疲れました。
結局今回も、当初の計画したルートは貫徹できず、時間が経つとブルーになってきました。帰り着いた時には、やっと無事に帰れたのと、9割強は予定のルートを歩けた満足感は有ったのですが。。。次こそは目的貫徹を目指します(でも無理はしませんが。。。)。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
Futaroさん、こんばんは
すっきりしないお天気の週末が多かったですから、
いい日に山歩きができて良かったですね
でもいつもながらハードになりましたね
廃道を歩くこと自体私にはできないのですが・・日向山に着いたのが暗くなる前で良かったですね
私も黒戸尾根リベンジしなくてはと思っているのですが、なかなかタイミングが見いだせません。
Futaroさん、こんばんは。
以前蛭ヶ岳で早いのは安全だとご指摘を受けたものです。
黒戸尾根だけでも2度失敗して心の重荷になっているのに、
廃道まで含めて回られるとはへこみます。
まねはできませんが、一般道くらいはできるようにしたいと思っています。
20時間の山行はすごいですね。
やっと10H歩けるようになったばかりですから、
先は長いですがいつかは。
Futaroさん、こんばんは。
20時間ですか。。。日帰りとは言えないような時間ですね。
黒戸にバリエーションルートを加える心意気はさすがです。
日向山から駒岩・鞍掛山へ至るルートはネットで見た
ことがありましたが、このように周回できるのですね
長い藪こぎとルートファインディングで消耗した後の
運転も大変だったと思います。
さらに、帰宅してすぐにBBQですか。。。
お疲れ様でした
shira-gaさん、おはようございます。
jinzaemonさんの時の様に、命がけというのは僕も嫌ですが、適度な廃道はルートどりの自由度が増すので良いものですよ。車の回収も楽ですし 是非shira-gaさんもこちらの道に来てください。ドM度が上がりますよ
しかし時間が読めないのが難ですね。。。するっと行く時は廃道になる前のコースタイムより早い時も有るのですが。。。
toratora48さん、おはようございます。
プロフィールを読むと、まだ去年始めたばかりですね。黒戸尾根撤退のレコも読みましたが、これからいくらでも挑戦できます 何歳かは判りませんが、僕はもう54歳です。きっとtoratora48さんの方がずっとお若いでしょうから、もっとどこでも登る機会は有りますよ。
ただ怪我が多いのはちょっと心配ですね。山は速いが安全ですが、それも怪我をしないという前提が有っての事ですから。暫くは速度を少し落として、その分は早立ちでカバーした方が良いかもしれません。
ちなみに僕はWii Fit ではバランス系の反射神経が要求されるのを、筋トレ系より重点的にやっています。反射神経が鍛えられていると、怪我をし難くなりますから
youtaroさん、おはようございます。
地図でみると綺麗な周回コースでしょう 心意気に体がついていけて無いので、少し危ないのですが。。。年を取って体力が衰えるなか、持久力だけはそれほど衰えて無いようなので、なんとかやれています でもyoutaroさん位の体力が有れば、もっと楽にいけるのにといつも思います。今回のルート、18時には余裕で戻って無いと駄目なのですが
運転はあまり寝て無いので辛いですね。駐車場に着いて、2時間位しか寝る時間が無かったから。やっぱり帰りのSAで仮眠して正解でした。
おみごとでございます。無事のお帰りとご成功に拍手100回くらいしたいのですが、拍手機能は単発式でした。
烏帽子岳の近辺はやはり迷いやすいのでしょうか。コースの向きでコツが変わるのですね。
下りだと烏帽子岳から、八丁尾根の始まりがわかり難くて、つい知らない内に烏帽子中尾根になってしまいました。天気が良くって大岩山は見えていたのですが。。。
稜線は途中でナイフリッジになったり、凄いハイマツで進めなくなって、ちょっと下ると進行方向が見えなくなったりですね。やっぱりこの様な廃道は、登りに使う方が安全なので、やるなら逆周りですね ちなみに先ほど、コース状況の欄に結びを追加しました。
ナイトハイクも、登りだと恐くないですが、帰りが遅くなって下りで暗くなると道を見失い易いのといっしょですね。
でも実際に通ってみて、jinzaemonさんの大変さが良く判りました。大岩山の小ピークからコルまでの区間、ロープや鎖、梯子が整備されても、十分にそれが無い時の恐さが想像できました。よく一人で整備されて無い時に行けたものです ご無事で何よりでした。
甲斐駒って周回できるんだって思ったら、廃道じゃないですか〜。しかも20時間
そんな甲斐駒を行かれたFutaroさんにショックって言われる私の方がショックですよ!!
すごいですねぇ。。。奥様にはしかられたようですが、達成感は素晴らしいことでしょう
こんなルートいけちゃうなんてあこがれるなぁ
Futaroさん
甲斐駒お疲れさまでした。
夜中から黒戸登って、下山は藪こぎルートを
日帰りで周回ってFutaroさんらしいですね
初めての道で日が暮れるのは嫌ですね。
20時間の山行、ご苦労様でした
20年ぶりなので、計画を立てる際、他の人のレコを参照しました。ainuさんやkankotoさん、hanameizanさん等のレコは、速すぎて参考にならないので、最初からチェックしませんでした。
でまあ、一番参考にしたのがto4さん、eirkkoさんのレコだったのですが、それより3時間位遅いのに、ショックを受け、さらにもしやと思って、再度tamaoさんのレコをチェックしたら、テント泊のtamaoさんより1時間遅かったんです。日帰りの軽装としては大ショックです
kankotoさんの言うとおり、良くも悪くも僕らしいレコですよね。
結構反省しています かみさんにも怒られたし まあいい経験になりましたし、次回もし同じルートを歩くことが有れば、もっと楽に通れるでしょう。
烏帽子岳からの眺めいいですね:)
鋸岳と烏帽子分岐の所は、烏帽子の方が本ルートではないかと錯覚してしまうほど踏み跡がはっきりしていますよね。
この写真を見て眺めが良くて結構多くの人が登っているんだろうなと想像しました。
自分のときと違って晴れていてとっても羨ましいです。
ただその先が問題です。距離はあまり無いので、ちょっとよって景色を見る人がいるんでしょうね。
天気はriCさんには申し訳ないほど良かったです 鋸岳のルート、6合石室もしっかりしてるし、あそこで1泊して、のんびり周辺を散策するのも良いかなと思いました
riCさんもまたの機会に(今度は晴れの時)に行って下さい
Futaroさん、こんにちは
黒戸尾根から廃道を行くこのルート、とても面白そうな
良いルートですね。
いつか歩いてみようと思います。
つい先日廃道で大変な思いをしたばかりなので、整備が
進んでいるのも嬉しいポイントです
日帰りではかなりロングなので、6合石室で一泊して
のんびりもよさそうな感じです。
この時期ならシュラフだけ持って行けば一晩過ごせそう
ですね。(寒いかな?)
hiro-tさん、こんばんは。
変化が有って良いルートですよ。少し経験と根性が必要ですが 僕の逆周りがお勧めです。
6合石室は良さそうでした。夏は涼しく、冬は暖かい感じです。今の時期なら3シーズンのシュラフで大丈夫だと思います。水場は以下のriCさんのレコを参照して下さい
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-120286.html
Futaroさん、こんばんは。
こんなところに廃道があったのですね。
甲斐駒は学生の時から好きな山で沢やら岩やら何ども登っていました。
黒戸尾根もトレランの人であふれているようであまり興味が無くなっていました。
おっしゃっているように、日向山から行けば、行き先である甲斐駒も見えますし、登りだと道も迷いづらいですね。
すばらしい周回コースだと思います。
今度ぜひ行ってみたいです。
kurosukeさん、こんばんは。
やっぱり逆周りがお勧めです。kurosukeさんなら、速いのでもう少し遅く出発しても間に合うでしょうし。
大岩山から甲斐駒までは、走れないと思いますが、最後の黒戸尾根は、走れる箇所が結構あります。
逆周りだと6合石室の近くと、7丈小屋と後半に水場が有るので水も少なくて済むと思います。景色も変化が有って良い周回コースです。
ただ藪こぎは大変ですが
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する