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Yamareco

記録ID: 189236
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
赤城・榛名・荒船

裏妙義 谷急山北稜→三方境→丁須の頭→御岳

2012年05月08日(火) [日帰り]
 - 拍手
GPS
09:21
距離
13.6km
登り
1,192m
下り
1,190m

コースタイム

累計時間 区間時間 時刻  場所
 0:00  0:00  0617  入山川沿い某所(車デポ)
 0:10  0:10  0627  裏谷急沢右岸と入山川右岸との出合から尾根取付(入山)
 0:26  0:16  0643  谷急山北稜尾根末端
 0:48  0:22  0705  谷急山北稜尾根標高790m付近(〜0710)
 1:43  0:55  0805  谷急山(〜0820)
 2:46  1:03  0923  三方境(〜0934)
 3:18  0:32  1006  烏帽子岩北側末端(巻き終わったところ)
 3:55  0:37  1043  赤岩東側末端(巻き終わったところ、〜1048)
 4:16  0:21  1109  鍵沢のコル(丁須の頭基部)〜丁須の頭ピストン(頭で小休止、〜1134)
 5:06  0:50  1224  御岳(〜1234)
 6:00  0:54  1328  鼻曲り(〜1334)
 6:25  0:25  1400  第一不動の滝
 6:37  0:12  1412  あさおの吊橋(下山、〜1419)
 7:56  1:19  1538  入山川沿い某所(車回収)
天候 午前中は概ね晴れ
午後から薄曇り、時折日差し
過去天気図(気象庁) 2012年05月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
自宅
 ↓
所沢IC
 ↓関越自動車道
藤岡JCT
 ↓上信越自動車道
松井田妙義IC(所沢ICから1時間15分ほど)
 ↓出口を右折し、突き当たった交差点を左折、国道18号バイパス(碓氷バイパス)
約15分ほど、食堂「あかしや」の先を斜め左へ
 ↓県道92号
約5分ほど、入山川沿いの某所(N36度18分35秒、E138度41分17秒付近)
県道92号に入った時には、入山川は右手に流れていますが、
しばらくすると左手に流れるようになります。
左手に流れるようになったらすぐです。

※取付地点等についての詳細は、フォトにて紹介します。

コンビニは、松井田妙義ICからR18に入ってすぐ、ファミマ、セーブオンの順にあります。
そこを過ぎると、ドライヴインは数か所ありますが、コンビニがありません。
コース状況/
危険箇所等
※本ルートはバリエーションルートです。

・取付地点
「アクセス」の部分に記載された場所の入山川沿いに、
ガードレールが切れている部分が巡視路の入口で、
「61 西群馬幹線 東京電力 高崎工務所」という黄色い柱が立っています。
巡視路に沿って河原に下り、渡れるところで適当に渡ります。
巡視路から降りた対岸のすぐが裏谷急沢の出合ですが、
増水していて渡れない場合は、少し上流から対岸へ渡り、出合まで戻ります。
裏谷急沢を右岸へ渡ったところの斜面から尾根に向かって取り付きます。

・稜線序盤
滑りやすく、ものすごく急な斜面をひたすら直登します。
灌木が丈夫、かつ豊富なので、手掛かりは十分ですが、
この手の登りに慣れていないと、体力的には相当堪えます。
赤テープが途中に数か所ありますが、当てにせず、
とにかく登りやすそうなところを直登です。

・稜線中盤
800mを過ぎるとナイフリッヂになっています。
痩せ気味で浮石も多いので要注意。

・稜線終盤
1000mを超えると、傾斜が次第に緩んできます。
地形図では判別できない程度の僅かなアップダウンがあります。
稜線の進路が南に変わると、傾斜がかなり緩み、尾根の幅も広くなります。
ここまでくれば、まずはひと安心。山頂はもうすぐです。

・谷急山〜三方境
計6つの小ピークをP6からP1の順に踏みながら、一気に300m近く標高を下げます。
すべてのピークを巻かずに登頂するルートです。
鎖場はあちこちにありますが、中でもP4とP3の間と、P3とP2の間に、
かなり際どい箇所があります。
三方境は、谷急山からのルートに加え、
並木沢へのルート、烏帽子岩、丁須の頭へのルート、
国民宿舎裏妙義へのルートが重なる広い峠です。ここでひと息つけます。

・三方境〜烏帽子岩〜赤岩〜丁須の頭直下
烏帽子岩の手前までは、少々急ですが、ごく普通の登山道です。
烏帽子岩の巨大な姿を目に捉えたところからが本番です。
烏帽子岩を過ぎて赤岩を巻き終わるまでの間は、
至るところに微妙なトラバースを強いられる鎖場があります。
丁須の頭の末端部に差し掛かる手前に、20mほどの長大なチムニーがあり、
同じ程度の長さの鎖がかかっています。

・丁須の頭
頭の真下から上に登るところに鎖がかかっていますが、
オーバハングしています。

・丁須の頭直下〜御岳(おんたけ)
しばらくは、痩せ尾根で鎖場が連続します。
一見アップダウンが激しいように思えますが、
実際に通ってみると登りはほとんどありません。
途中、けもの道があちこちにあるので要注意。
マーキングをよく確認し、もし踏み跡があるところでも、
藪がやたら増えてきた(視野が狭窄するほどの)場合は、
ルートを誤ったと認識しておくとよいでしょう。

・御岳〜第一不動の滝〜あさおの吊り橋(下山地)
御岳からしばらくは急峻な下りで、鎖場が続きます。
次第に緩やかになっていくと、今度は踏み跡が複数ある個所があり、
同様に誤ったルートの場合は藪がやたら増えます。
尾根が太くなると、傾斜はさらに緩やかになり、危険地帯が減ります。
ルートが西に向くと、鎖場は数か所ありますが、
これまでに比べるとだいぶマシになります。
第一不動の滝の直下にかかる鎖場が最後の鎖場です。
滝の脇なので、スリップ注意。
下山地の吊橋から横川駅までは、歩いて20分程度の距離です。
ファイル
山行計画書
(更新時刻:2012/05/09 22:05)
今回の手書きルート図(特大サイズです)
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今回の手書きルート図(特大サイズです)
左が谷急山です。1.5kmほどで約600mの標高差。急です。
左が谷急山です。1.5kmほどで約600mの標高差。急です。
入山川沿い某所に車をデポ。
入山川沿い某所に車をデポ。
車デポ地から数10mほど川の下流へ戻ると、ガードレールが切れている箇所があります。
車デポ地から数10mほど川の下流へ戻ると、ガードレールが切れている箇所があります。
「61 西群馬幹線 東京電力 高崎工務所」。ここから巡視路を河原へ下ります。
「61 西群馬幹線 東京電力 高崎工務所」。ここから巡視路を河原へ下ります。
川へ降りて数10mほどで、炭焼き小屋の跡地があります。
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川へ降りて数10mほどで、炭焼き小屋の跡地があります。
裏谷急沢と入山川の出合。
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裏谷急沢と入山川の出合。
出合の裏谷急沢右岸側から直登します。
出合の裏谷急沢右岸側から直登します。
ナゼここに赤テープが・・・?興醒め・・・。
ナゼここに赤テープが・・・?興醒め・・・。
尾根の末端から一気に登ります。灌木が多いので、手掛かりに心配はありません。
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尾根の末端から一気に登ります。灌木が多いので、手掛かりに心配はありません。
こんな急斜面でも、ミツバツツジがきれいに咲いています。
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こんな急斜面でも、ミツバツツジがきれいに咲いています。
手掛かりは多いですが、斜度は急です。
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手掛かりは多いですが、斜度は急です。
最初に車デポ地から見上げていた送電塔が、すでに下にあります。
最初に車デポ地から見上げていた送電塔が、すでに下にあります。
ナイフリッヂ。
やっと灌木より高い位置まで出ました。高岩です。
やっと灌木より高い位置まで出ました。高岩です。
よく見ると、はるか下にデポした車が。
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よく見ると、はるか下にデポした車が。
柱状節理の巨大な岩峰。これが谷急山北稜ルートの最大の見所です。
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柱状節理の巨大な岩峰。これが谷急山北稜ルートの最大の見所です。
右から、烏帽子岩、赤岩、西大星。谷急山北稜が南に折れるあたりから。
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右から、烏帽子岩、赤岩、西大星。谷急山北稜が南に折れるあたりから。
ルートが南に折れると、だいぶ緊張状態が和らぎます。
ルートが南に折れると、だいぶ緊張状態が和らぎます。
藪尾根を詰め切って・・・、
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藪尾根を詰め切って・・・、
無事に谷急山登頂。
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無事に谷急山登頂。
谷急山から、浅間山がくっきりと。まだ少し雪をまとっています。
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谷急山から、浅間山がくっきりと。まだ少し雪をまとっています。
谷急山から、大烏帽子、小烏帽子。
谷急山から、大烏帽子、小烏帽子。
谷急山から、表妙義の稜線。こちらも縦走したいなー。
谷急山から、表妙義の稜線。こちらも縦走したいなー。
谷急山から、烏帽子岩、赤岩、丁須の頭。
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谷急山から、烏帽子岩、赤岩、丁須の頭。
アップで丁須の頭。特徴的なハンマーヘッド岩が見えますか?
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アップで丁須の頭。特徴的なハンマーヘッド岩が見えますか?
谷急山北稜ルートを振り返って。こう見ると、ずいぶんとはっきりした踏み跡です。
谷急山北稜ルートを振り返って。こう見ると、ずいぶんとはっきりした踏み跡です。
岩山と岩山が擦り合わさるように。
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岩山と岩山が擦り合わさるように。
烏帽子岩、赤岩、西大星。どこから見ても、エグいなー。
烏帽子岩、赤岩、西大星。どこから見ても、エグいなー。
こんな感じの鎖場が、これからたくさん出てきます。
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こんな感じの鎖場が、これからたくさん出てきます。
並木沢の源流と思われる水の流れを見つけましたが、さすがに水場としては遠すぎる・・・。
並木沢の源流と思われる水の流れを見つけましたが、さすがに水場としては遠すぎる・・・。
大遠見峠。女道への道標の看板以外には何もありません。最初、いたずら書きかと思いました。「女」って(笑)
大遠見峠。女道への道標の看板以外には何もありません。最初、いたずら書きかと思いました。「女」って(笑)
三方境。妙義湖・国民宿舎方面が、「山と高原地図」における、裏妙義唯一の実線ルートです。
三方境。妙義湖・国民宿舎方面が、「山と高原地図」における、裏妙義唯一の実線ルートです。
三方境から並木沢ルートへ。何もそんなに大きく樹に書かなくても・・・。
三方境から並木沢ルートへ。何もそんなに大きく樹に書かなくても・・・。
三方境から斜面を登り詰めると、いよいよ核心部に突入します。まずは烏帽子岩。
三方境から斜面を登り詰めると、いよいよ核心部に突入します。まずは烏帽子岩。
丁須の頭も、だいぶ近くなってきました。
丁須の頭も、だいぶ近くなってきました。
烏帽子岩の直前。こうやって見ると、直登できそうな感じもしますが、巻きました。
烏帽子岩の直前。こうやって見ると、直登できそうな感じもしますが、巻きました。
烏帽子岩の直後。ロープが張ってある所を見ると、やはり登れるようです。
烏帽子岩の直後。ロープが張ってある所を見ると、やはり登れるようです。
烏帽子岩を過ぎて赤岩荷を巻き始めてすぐのところに、巨大な落石がありました。まだ起きて間もないようです。
烏帽子岩を過ぎて赤岩荷を巻き始めてすぐのところに、巨大な落石がありました。まだ起きて間もないようです。
赤岩の取付部。一応は左側から登れなくもなさそうですが・・・、巻きました。
赤岩の取付部。一応は左側から登れなくもなさそうですが・・・、巻きました。
急斜度スラブのイヤらしいトラバース(手前から奥へ)。鎖に頼りすぎると、腕の力を失いますので、バランス重視。
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急斜度スラブのイヤらしいトラバース(手前から奥へ)。鎖に頼りすぎると、腕の力を失いますので、バランス重視。
丁須の頭がだいぶ近づいてきました。
丁須の頭がだいぶ近づいてきました。
ペラッペラの岩を無理やり削って作ったと思われるトラバースルート。ここもかなり微妙です。
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ペラッペラの岩を無理やり削って作ったと思われるトラバースルート。ここもかなり微妙です。
赤岩末端。今にも崩れ落ちそう。
赤岩末端。今にも崩れ落ちそう。
これもひどい・・・。が、よく見ればホールドがいっぱいありますので、しっかりと足先でスタンスを取りさえすれば、ちゃんとトラバースできます。
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これもひどい・・・。が、よく見ればホールドがいっぱいありますので、しっかりと足先でスタンスを取りさえすれば、ちゃんとトラバースできます。
問題の個所。看板の方角を見ると、
問題の個所。看板の方角を見ると、
このように進むことができるように見えますが、数10mほど進んだ末に詰まるというワナ。
このように進むことができるように見えますが、数10mほど進んだ末に詰まるというワナ。
正解は正面のルート。ぱっと見気づきにくいですね。
正解は正面のルート。ぱっと見気づきにくいですね。
正面のルートを詰めると、岩に穴を空けてホールドを人工的に作った鎖場が。試しに右から登ってみましたが、足元が非常に緩かったので、結局鎖場を使いました。
正面のルートを詰めると、岩に穴を空けてホールドを人工的に作った鎖場が。試しに右から登ってみましたが、足元が非常に緩かったので、結局鎖場を使いました。
赤岩の道標。実際は、赤岩の末端部です。
赤岩の道標。実際は、赤岩の末端部です。
丁須の頭の手前にある、長大なチムニーにかかる鎖。ここはかなり神経を使います。
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丁須の頭の手前にある、長大なチムニーにかかる鎖。ここはかなり神経を使います。
いよいよ、丁須の頭が目の前に見えてきました。
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いよいよ、丁須の頭が目の前に見えてきました。
丁須の頭の直下から、鎖とホールドを手掛かりに、頭の上へ詰めていきます。
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丁須の頭の直下から、鎖とホールドを手掛かりに、頭の上へ詰めていきます。
頭の上。ハングしているので、鎖の下部が全く見えません。もちろん、ホールドも見えません。
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頭の上。ハングしているので、鎖の下部が全く見えません。もちろん、ホールドも見えません。
このように、幅が1mあるかかないかという極細頭なので、クイックドローでセルフビレイを取りました。
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このように、幅が1mあるかかないかという極細頭なので、クイックドローでセルフビレイを取りました。
丁須の頭から、歩いてきた烏帽子岩、赤岩。
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丁須の頭から、歩いてきた烏帽子岩、赤岩。
丁須の頭から、西大星。
丁須の頭から、西大星。
丁須の頭から、表妙義の稜線。
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丁須の頭から、表妙義の稜線。
丁須の頭から、妙義湖。
丁須の頭から、妙義湖。
この鎖が切れたら・・・いや、考えない考えない。
2
この鎖が切れたら・・・いや、考えない考えない。
丁須の頭から国民宿舎方面へ。いきなりこんな鎖場がドン、と。
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丁須の頭から国民宿舎方面へ。いきなりこんな鎖場がドン、と。
鎖場を下ると、いきなり「×」印が。え?
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鎖場を下ると、いきなり「×」印が。え?
落ち着いて振り返ると、右後方にルートが。そこを詰めると、御岳方面への分岐が現れます。
落ち着いて振り返ると、右後方にルートが。そこを詰めると、御岳方面への分岐が現れます。
道標と御岳。今回の縦走で初めて現れた「御岳」の道標です。
道標と御岳。今回の縦走で初めて現れた「御岳」の道標です。
丁須の頭が、少しずつ小さくなっていきます。
丁須の頭が、少しずつ小さくなっていきます。
御岳。見るからにアップダウンが激しそうですが、実際に通ると、そうでもありませんでした。
御岳。見るからにアップダウンが激しそうですが、実際に通ると、そうでもありませんでした。
御岳にて。
御岳山頂には「御嶽神社」の石碑があります。由緒正しい山なんですね。
御岳山頂には「御嶽神社」の石碑があります。由緒正しい山なんですね。
御岳から丁須の頭。どう風化すれば、あのような形になるのだろう・・・。
御岳から丁須の頭。どう風化すれば、あのような形になるのだろう・・・。
修験者が修行したと思われる岩室。奥に石碑と仏像があります。
修験者が修行したと思われる岩室。奥に石碑と仏像があります。
このテープシュリンゲの先には・・・。
このテープシュリンゲの先には・・・。
「ワタナベ」と書かれた安全環付のカラビナ。シュリンゲは15mほど連結されていました。感謝。
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「ワタナベ」と書かれた安全環付のカラビナ。シュリンゲは15mほど連結されていました。感謝。
赤とピンクのミツバツツジ。
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赤とピンクのミツバツツジ。
と、いうことです。今回の縦走路中には、ほぼゴミがありませんでした。
と、いうことです。今回の縦走路中には、ほぼゴミがありませんでした。
鼻曲岩から横川の街を見ます。茶色の屋根は、「峠の釜めし」でよく知られる「おぎのや」です。
鼻曲岩から横川の街を見ます。茶色の屋根は、「峠の釜めし」でよく知られる「おぎのや」です。
第一不動の滝まで下ってきました。あと少し。
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第一不動の滝まで下ってきました。あと少し。
いよいよ最後の鎖場。滝と並行して下る鎖場なので、あまり心穏やかではありません。
いよいよ最後の鎖場。滝と並行して下る鎖場なので、あまり心穏やかではありません。
恵比寿様の石像。よく見ると、釜めしの釜が(笑)。他にも、いろいろな神様の石像が祀られています。
恵比寿様の石像。よく見ると、釜めしの釜が(笑)。他にも、いろいろな神様の石像が祀られています。
このあたりは観光スポットのようで、ルートがよく整備されています。
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このあたりは観光スポットのようで、ルートがよく整備されています。
この岩はなんだ・・・?答えは次のフォト。
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この岩はなんだ・・・?答えは次のフォト。
「胎内くぐり」の安産岩。「おつむ ごちうい」という但し書きがカワイイ(笑)
「胎内くぐり」の安産岩。「おつむ ごちうい」という但し書きがカワイイ(笑)
そして無事にあさおの吊橋に下山。
そして無事にあさおの吊橋に下山。
御岳ルートの登山ポスト。こちらにはトイレがあります。
御岳ルートの登山ポスト。こちらにはトイレがあります。
鍵沢ルートの登山ポストと道標。こちらにはトイレはありません。
鍵沢ルートの登山ポストと道標。こちらにはトイレはありません。
さて、下山口から車のデポ地までの5km強を歩かなければなりません。国道18号から県道に入ってすぐの場所から、丁須の頭、赤岩、烏帽子岩。あれを縦走したんだなあと振り返り。
さて、下山口から車のデポ地までの5km強を歩かなければなりません。国道18号から県道に入ってすぐの場所から、丁須の頭、赤岩、烏帽子岩。あれを縦走したんだなあと振り返り。
並木沢登山口。ルート道標がありました。
並木沢登山口。ルート道標がありました。
朝によじ登った谷急山北稜。急だわ・・・。
朝によじ登った谷急山北稜。急だわ・・・。
そしてよ〜〜〜やく車デポ地へ。最後の舗装路歩きが、一番疲れたかもしれません(笑)
そしてよ〜〜〜やく車デポ地へ。最後の舗装路歩きが、一番疲れたかもしれません(笑)

感想

【谷急山北稜ルート参考サイト】
http://hmgs.jugem.jp/?eid=929
http://haijinoyamaaruki.com/uramyougi07_04.html
http://fac.coolsite.co.jp/FAC-NOW7/071201/

【温泉】
「峠の湯」
http://www.usuitouge.com/tougenoyu/

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昨秋、長年の両膝の故障についにドクターストップがかかったのち、
手術を控える中、ドライヴがてら表妙義の中之岳神社から見晴台までの、
僅かな距離を散歩したとき、「怪我が治ったら裏妙義を縦走する!」
と決意したのが、今回の山行のそもそものきっかけでした。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-134986.html

同11月初旬、手術後の入院中のベッドの上にいたぼくは、
眠れない夜にこの計画の構想を練り始めました。

裏妙義縦走と言うと、やはり丁須の頭は外せませんが、
それ以外にも谷急山、御岳などがあり、
これを1本の線でつなげられないか、と考えていたのですが、
「山と高原地図」では、谷急山だけドン突きになっており、
三方境からのピストンでしかアクセスできないようでした。

ところが退院後、よくよく調べてみると、
谷急山の北側の稜線が、マイナーなヴァリエーションルートとして、
僅かばかりのサイトで紹介されているではないですか。
(他、裏谷急沢から詰めるという、さらにマニアックなヴァリエーションルートもありました)
この稜線から詰めれば、谷急山→三方境→丁須の頭→御岳→横川と1本のルートがつながる。
これだ!ということで、ルートを決めました。

この谷急山北稜ルートは、本当に情報が少なく、
取付点もあまりよくわかりませんでしたが、地形図をよくよく見ると、
自ずと取付点とルートが見えてきました(詳細はフォトの2番目の地図を参照)。
取付点へ下降する場所さえ間違えなければ、何とかなりそうです。

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今年の2月末にお山に復帰して以来、近隣の奥武蔵、奥多摩、高尾などの山域を、
いろんなルートや条件で登りながら、術後の膝のコンディションを確認してきました。
本当は、桜咲く4月中旬に登る予定でしたが、
4月の最初の山行で左膝付近に痛みが走ってしまい、
レストすることを余儀なくされたため、延期されたままでした。
レスト明けのつい10日ほど前の山行でも、
たかだか6時間ばかりの行動で痛みが再発してしまい、
これでは妙義は無理か、と半ばあきらめかけていたのですが、
執刀医は「まあ大丈夫でしょ!」のひとことだし、
リハビリ担当の理学療法士との相談の結果、テーピングで制御が可能ではないか、
という結論に達したので、ひとまずトライしてみることにしたのでした。
http://www.yamareco.com/modules/diary/19423-detail-34596

そんなこんなで、当日は3時起きで3時半過ぎに出発。
毎度おなじみの寝不足、左膝付近の状態は不安定と、マイナス要素満載でしたが、
懸念されていた川への下降地点を一発で見つけることができたので、
テンションは一気に上がりました。

ヴァリエーションルートとは言っても、
難度としてはさほどでもないこのルート、
稜線まで出てしまえば、ひたすら稜線沿いを直登するだけなので、
迷うことは考えにくく、何とでもなります。

しばらくは新緑の樹林におおわれた藪尾根を上がりますが、
樹林の丈が次第に下がってきて、景色が開けると、
右手に柱状節理の岩峰が見えてきます。
さまざまな巨岩、奇岩が連なる妙義山塊でも、この岩峰は際立っています。
写真で何度も見た岩峰ですが、実際に見ると、感動が大きいものでした。

尾根を詰めに詰めると、谷急山の山頂に出ます。
地形図を見るとわかりますが、進路が東から南に向くと、
傾斜が緩んできて、尾根の幅も広がるので、普通の登山道とそう変わりありません。
とは言え、裏妙義を1本の線でつなぐための
第一段階をひとまずクリアしたことの喜びは大きく、
山頂で思わず万歳三唱をしてしまいました(笑)。
山頂からは、360度の大展望!東にはこれから歩く丁須の頭や烏帽子岩、
西には浅間山、南には表妙義の山々がくっきり見えました。
これは、一度ならず、また来たいものです。

さて、ここからは破線ルートとは言え、一般登山道です。
道標は豊富にありますし、踏み跡も明瞭なので、ホッとひと安心。
三方境まで6つの小ピークをアップダウンします。
鎖が続々と出てきて、妙義山らしくなってきますが、
鎖に頼らず、慎重に昇り降りします。
懸案の左膝付近の痛みも出ず、思ったよりも早く三方境へ到着。
三方境は、樹林帯の中の広い鞍部です。

丁須の頭へと続く斜面は広く、登山道もよく踏まれている様子だったので、
脚への負担を考慮して、ダブルストックを使用しましたが、
15分ほどで斜面を登り切り、烏帽子岩が見えてくると、
またルートが痩せてくるので、結局すぐにしまってしまいました。
今回の山行では、いらないかなー、と思いつつもダブルストックを持参しましたが、
やはりあっても邪魔でした。
特に、谷急山北稜では、ザックの脇にしまってあるストックの先端が
藪に引っかかることが多く、だいぶ神経を使ったので、
むしろない方が楽だったかもしれません。

斜面を登りきったところからが、裏妙義の王道、鎖トラバースの連続です。
まずは烏帽子岩の大きいこと!まさに烏帽子型ですが、
「風の谷のナウシカ」の巨神兵でも被ったら緩そうなほどの巨大な烏帽子です。
その姿に圧倒されつつ、よく見ると登れそうな感じもしましたが、
右(東側)から巻きます。
その次の赤岩は、巨大な岩が連なっていて、これもまあ登れないこともなさそうですが、
烏帽子岩よりも難しそうです。同様に、右(東側)から巻きました。
この赤岩を巻くところの鎖トラバースが非常にイヤらしく、神経を使います。
丁須の頭までのルートは、どこも核心的なところばかりですが、
その中でも特に厳しい箇所だと言えます。

赤岩を巻き終わると、丁須の頭まであと少しです。
直前で、20mほどの長大チムニーがあり、そこに鎖がかかっていますが、
これもスタンスを取るのがなかなか難しく、腕の力に頼ってしまうと、
かなり消耗すると考えられます。

そして丁須の頭の真下、鍵沢のコルに到着。ここから頭までは、ピストンです。
裏妙義の鎖オンパレードのメインディッシュに相応しい、鎖三連弾。
1〜2本目はまあさほどでもない(これまでの鎖場を経ていれば)ので、
頭の数m直下までは行けますが、最後の3本目は危険度極大です。
丁須、というだけあって、頭の上はハンマーヘッド型なので、
下の鎖は宙にぶら下がっていて、オーヴァーハングしています。
ここでホールドと鎖でスタンスを取りながら登っていくのですが、
まあかなり怖いですよ(笑)。
頭に登っても、スペースが畳1畳ほどしかありませんし、とにかく細いので、
風でも吹けば、落っこちてしまいそうなほどです。
怖いので、さすがにここではセルフビレイしました。

それにしても、丁須の頭からの展望の素晴らしいこと!
高度感が素晴らしく、すべてが見渡せます。
谷急山の展望も素晴らしかったですが、
この高度感は、谷急山ではまず味わえません。

・・・さて、登ってきた以上、下らなければなりませんが、
当然ながら下りのほうがさらに危険度超大です。
何しろ、ホールド見えませんし。
何のビレイもなしに下るのは、自殺行為です。
慎重にビレイを取りながら、登り以上に時間をかけて下りました。

さて、ここから最短の下山ルートは、鍵沢ルートですが、
裏妙義を1本の線でつなぐ、という山行目的ですから、
当然ながら鍵沢ルートではなく、御岳ルートを使います。
御岳ルートは、鍵沢のコルから「国民宿舎」と書かれた矢印方面に向かいますが、
「御岳」とは書いていませんので、一瞬迷います。
10分ほどで御岳と国民宿舎への分岐道標があります(籠沢のコル)。

御岳方面は、稜線を見るとアップダウンが激しそうに見えますが、
実際には下り中心で、登りはほとんどありません。
灌木が豊富なので、そう見えるだけのようです。
相変わらずの鎖オンパレードですが、それよりも踏み跡が分岐することが多く、
やや道迷いが発生しやすいところが要注意です。
進みながら、踏み跡なのに藪の背が目のあたりまで来た場合は、
ルートを誤ったと判断してよいでしょう。
(付近に、何本かヴァリエーションルートがあるようです)
その場合は、明瞭なところまで引き返して、ルートファインディングし直します。
よく見ると、多くのところにペイントやテープがありますが、
肝心なところになかったりもします。

御岳を過ぎ、しばらくは急な下りが続きますが、
次第に傾斜が緩くなり、尾根も広々としてきます。
そこまでくると、いよいよこのルートの終わりが見えてきて、
帰還への想いが頭をよぎってきます。

ルートが西に向くと、最後の急下降が始まります。
ところどころに鎖場があり、沢が近いこともあって湿りがちなので、
気を抜かずに通過していきます。

大滝(第一不動の滝)が目の前に現れると、その直下のもう1つの滝のすぐ脇に、
最後の鎖がかかっています。滝と一緒に下るという、
何ともいやらしい鎖ですが、足を滑らせないように、慎重に下ると、
急にルートが整備され、日本の神様の石像やら、橋やらがかかっている場所になります。

いよいよ、この縦走も終わりです。
神様ひとりひとりに手を合わせながら、あさおの吊橋まで下っていきました。

あさおの吊橋まで下れば山行は終了ですが、
ここから入山川沿い某所にデポした車を回収しなくてはなりません。
疲労困憊だったらば、タクシーを呼ぼうと考え、
あらかじめ近隣のタクシー会社の電話番号を調べていましたが、
まあ何とか余力があったので、靴紐を緩め、
山行中は邪魔で邪魔で仕方がなかったダブルストックを出して、
固い舗装路をガシガシと歩くこと5kmちょっと、1時間15分。
今日縦走したルートを下から眺め、感慨に浸りながらクルマに戻りました。
この舗装路歩きが一番疲れたかも?(笑)

往路同様、高速道路で帰るつもりが、
まだ16時にもなっていなかったし、節約したかった、ということもあり、
一般道で帰ったのですが、高速道路では見逃してしまうであろう多くの景色を、
ゆっくりと眺めていると、これまでに気づかなかった発見があり、
なかなか面白いものでした。

例挙すると・・・
・群馬県と埼玉県北部のコンビニは、セーブオンばっかり
・埼玉県北部、児玉郡神川町は梨の名産地だった
・よく読めない名前の看板があった。「骨羽田」?何て読むの?
・比企郡小川町には、ホンダの巨大な工場があった。

高速だと、1時間半ほどの行程を、倍以上の3時間40分ほどかけて帰宅しましたが、
渋滞している箇所もほとんどなく、楽しいドライヴとなりました。

さて、肝心の左膝のほうは、今回は全く異常なし!
新たなテーピングがうまくマッチしたようです。
テーピングしたところが擦過して、若干水ぶくれになってしまいましたが、
積極的に灌木を手掛かりにして、下肢への負荷を軽減することを心がけたこともあり、
最後まで問題なく歩きとおすことができました。

この脚の状態で完踏することができたことは、今後に向けて大きな励みとなりました。

登攀関連の装備は、ヘルメット、グローブ、クイックドロー、捨て縄数本、
簡易ハーネス、8mm×20mザイル(不使用)。
服装は長袖シャツに長ズボン。
藪が多く、また春先からはヒルも激増するそうなので(ぼくは遭遇しませんでしたが)、
半袖Tシャツと半ズボンは絶対にやめたほうがよいです。

最後に・・・。

今回のルートを完踏できたのは、
大地、岩、草、樹などの自然が、ぼくを支えてくれたことに他なりません。
もちろん、山の神様も見守ってくれたのだと思います。
ここでこの岩があったから、この樹があったから、
ぼくの身体は安全に支えられ、脚を守ってくれたのです。

改めて、山は征服するものではなく、登らせてもらっているものだと、実感しました。
心の底から、感謝したいと思います。

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コメント

motchさん、こんばんは。
「高所恐怖症」の私には、非常に体に悪いレコ、ありがとうございます。

ただ、自分では決して行かない(行けない)お山やルートも、レコを通してドキドキしながら
勝手にイメージしています。 

それにしてもmotchさんのレコは、山の風景がまざまざと浮かび上がってきて、
そしてそこを歩くmotchさんの心象風景といい、いつも素敵だなあ、と感心してしまいます。
たとえ写真が一枚もなくても、まるで自分もそこにいるかのような。

膝も痛みが出なくてよかったですね。
2012/5/9 20:48
ありがとうございます。
ricalonさん、こんばんは。

まだ自分が望んでいる状態には程遠いですが、
おかげさまでようやく裏妙義の縦走をすることができました。

ricalonさん、「高所恐怖症」とおっしゃいますが、
素晴らしいレコの数々を拝見するにつけ、
もうすでに無意識下で克服なさっているのでは??
という気もするんですが、いかがでしょうか(笑)

積雪期の乗鞍の肩から山頂までに比べたら、
ずっと穏やかなような気がしますよ

拙レコ、毎度毎度長くなりすぎてしまっており、
どうやって簡潔に、かつきちんと書けるのか、
苦慮しているのですが、そうおっしゃっていただけると、
救われる気持ちです。

いつもありがとうございます。
2012/5/9 21:43
おはようございます
山や心象風景などの表現が、私には真似できない繊細さがあると感じるのと、
私のような初心者にとっては技術的なところも勉強になりますので
もっと長くてもかまわないくらいですよ

読み方の分からない地名は、児玉町にある長泉寺の "骨波田(コツハタ)の藤” のことでしょうか?
2012/5/10 9:35
天然記念物なんですね!
1955さん、おはようございます。

補足いただき、ありがとうございますhappy01
読みどころか、漢字まで間違ってましたねcoldsweats01
しかも、天然記念物になるほどの名勝なのに・・・
(HP見ましたけど、圧巻ですね!)
まだ埼玉歴2年足らずの若輩者なので、どうかご容赦を

最初、看板を見たときは、地元の政治家の人名?とか思ったくらいなんです(笑)
「骨波田のふじ」って書いてあったので、
「ホネハダ?・ノフジ」さん?変わった名前だなあってdash

レコのほう、ありがとうごさいます。
どうも冗長になりがちだなあと毎回反省している次第ですが、
そのようなおことばをいただけますと、励みになります。
2012/5/10 10:01
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