雲取山(鴨沢〜七つ石山〜雲取山〜雲取山荘〜三峰神社
- GPS
- 26:00
- 距離
- 21.1km
- 登り
- 2,002m
- 下り
- 1,495m
コースタイム
天候 | 25日晴れのち曇り、26日晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
鴨沢バス停:駐車場なし(車で林道を10分程度入ったところに無料駐車場あり20台位)・トイレあり 三峰神社:無料駐車場あり、トイレあり、食事・お土産店あり 登山道:無雪期特に危険個所なし・分岐毎道標あり |
写真
感想
雲取山は、苦しい・辛いという2つ揃った山だった。
昨年9月に高尾山を出発し、毎月三峰神社へと続く尾根道を歩き続けた。
景信山・陣馬山・生藤山・熊倉山・槇寄山・大沢山・三頭山といくつものピークを踏破してきた。
夏の終わりをつげる頃からスタートして紅葉の秋・雪積の冬・芽吹きの春そして若葉の初夏と季節も移り変わった。
そして今回が最終回、ゴールの三峰神社を目指し雲取山に登った。
25日 晴れ
雲取山は、危険な山ではなかた。 しかし登っても登っても辿り着かない苦しい・辛い山だった。
登り始めた時は、写真を撮る余裕もあったが、2時間登り続けて最初の水場を過ぎたあたりからその余裕も無くなった。
また更に2時間登り続けて七つ石山小屋に到着した。 小屋への登りは、かなりの急登で心拍数が一気に上昇する。 『小股・小股』と自分に言い聞かせながら呼吸を整えようと深く・ゆっくり呼吸しようと思うが、バカバカ呼吸が荒くなる。
七つ石山小屋に辿り着くやいなやリュックをバッサと降ろし、空を仰いで寝転がる。『ああ苦しい!』と呟きながら目を閉じる。
数分程して呼吸も穏やかになった。
体を起こし周りの景色に目をやるが、全体的に霞んで周りの山々も良く見えない。山小屋のご主人が富士山も観えると話してくれたが、影すら観えない。
一息ついて七つ石山山頂へ向かう。 もう何も考える気がしない。 ただ黙々と登る。
いつも山頂で記念写真を撮るのであるが、それも忘れる程疲労していた。
山頂から雲取山の嶺が隣に見える。 雲取山へ向かう長い下りと長い登りの全容が見える。
『まだあんなにあるのか・・・・・』
急坂を下る。 ヘリポートへ着く。 ここでは多くのテントが花を咲かせていた。
『俺も今日はここで終わりにしたいよ』と思うのであるが、まだまだ先は長い。
いよいよ小雲取山への登りにかかる。 そこから見える急登に力が抜ける。
もうここを登る気力が湧いてこない。
ここから雲取山荘に向かうまき道がある。 まき道を行くことにする。
まき道は、本道に比べれば多少荒れてはいるがしっかりした踏み跡があり、通行する人が少なからずいることを感じさせた。
まき道は、標高差約100mを登り小雲取山にでた。さっき下で見た急登をまいて登って来たのである。
ここからは、雲取山頂へ30分・標高差約80mの登りと雲取山荘へ続く20分・標高差200mの下りでだけである。
雲取山へ登頂したいという思いがよぎる。
しかし時間は、もう16時30分を回っている。 今の自分の体力・気力で山頂を踏み、山荘へ1時間以内で辿り着けると思えなかった。
雲取山登頂は諦め、本道を外れまき道を進む。
まき道は、標高差約100mをゆるやかに下って雲取山荘へと導いてくれた。
17時30分雲取山荘に到着した。
所要時間7時間30分の長い長い道のりであった。
雲取山荘は、宿泊者260名と大変混雑していた。
食事も1時間待ちということで汗まみれのウェアーを着替え、仲間たちとビールで乾杯となった。
仲間の話では、山頂はガスっていて何も見えなかったとのこと。
雲取山荘は、2階建ての建物に6〜8畳位の個室が十数個ある。
我々は、7名で1室を使用したが、やはり自由に寝返りが打てる程の余裕はなかった。
夕食は、ハンバーグとポテトサラダ、ごはんは食べ放題。
朝食は、焼きサケと生たまご、ごはんは食べ放題。
トイレは、屋外にありに男女それぞれ2台と数が少ないため、朝など女性は10分〜15分並んでいたように思う。
どこの山小屋でも同じようにある風景かと思う。
26日 日曜日
4時起床・4時30分朝食・5時30分出発
朝方若干ガスっていたが、晴天・湿度も低く気持ちの良い登山が楽しめそうな日であった。
前々回登山の三頭山でヌカザス山からの急な下りで大腿四頭筋が痛くなり、その後前回笠取山でも同じように痛かった。
しかし今回は全く痛みを感じない。 膝にも大腿四頭筋にも痛みを感じない。
痛みを感じない下山は、楽である。
7:00芋ドッケ・7:20白岩山・8:25前白岩山・9:30お清平・10:00霧藻ヶ峰とそれぞれのピークを越える。 その都度少々きつい登りがあるものの、どの登りも20分程度で登れる。
前白岩山からお清平への下りは、かなりの急坂であるが下半身の痛みは全くない。
霧藻ヶ峰を過ぎ植生が杉林に変わった辺りから、湿気を含んだ空気に変わった。
三峰神社奥宮の鳥居が現れる。
12:00三峰神社に下山した。
所要時間6時間30分とこの日も長い長い道のりであった。
雲取山を登ってみて登山道や道標も整備されており、登山者も多く、鎖場等の危険個所も無く、『危険な山』という印象は全くない。
しかし山小屋までの所要時間・距離を考えた時、登山の苦しさ・辛さに自分の体力・気力がどこまで耐えられるのかを把握していないと登れない山だということが分かった。
今迄登ってきた日帰り登山の山々とは大きく違う。
雲取山は、北アルプス・南アルプス等の本格的登山へと向かう入口の山なのかと思う。
登山初心者として度々筑波山に登った。
それと同じように雲取山へも度々登ってみたいと思う。
そしてそれは、更なる高みへの挑戦を可能にしてくれるような気がする。
高尾山から三峰神社まで縦走する奥多摩探検隊というシリーズ登山を完歩して、やっと中級登山の入口に立てたような気がする。
それは登山についての初歩的な様々な危険やそれを回避する技術を学ぶと共に、自分の体力や能力を自覚することが出来た登山であった。
今は、自分の力だけで登れる山・登れない山が予測できる。
しかし 二日酔いで『もう酒も見たくない』・ゴルフを1日に2ラウドして『もうクラブ振りたくない』と思うのと同じように『もう山に登りたくない』と思わせる登山でもあった。
それでいながら地図を見ると丹沢・奥多摩・秩父に登りたい山々が沢山ある。
最後にガイドの土屋氏から聞いた話だ。 奥多摩の山々は、夏は虫が多く その上暑いとのこと。
『奥多摩の山々よ秋までさらばじゃ!』
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