越後駒ケ岳 水無渓谷ルート往復(十二平登山口〜グシガハナ〜山頂)
- GPS
- --:--
- 距離
- 14.0km
- 登り
- 1,755m
- 下り
- 1,753m
コースタイム
天候 | 晴れ後くもり |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
越後三山森林公園 http://snow-country.jp/?a=contents&id=1130 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【越後三山森林公園キャンプ場まで】 関越道の最寄IC(インターチェンジ)は、大和PA内にあるスマートICです。上下線ともに設置されており、ETC車はここを利用するのが便利ですが、利用可能時間が6:00〜22:00となっていて、私は利用できませんでした。 大和PAスマートIC http://www.go-etc.jp/gosmartic/027_yamato/index.html そこで六日町ICからアクセスしました。午前4時頃の通過でしたが、国道沿いにはハンバーガーや牛丼のファストフード店が営業中。コンビニも3店舗見かけました。 荒金入口交差点の手前に、セブンイレブン中越大和北通り店があり、そこが買い物できる最後の場所です。以降、県道に入ると酒屋の前に飲料の自動販売機があるだけでした。 キャンプ場の駐車場は、荒金入口交差点を右折して県道に入り、写真4枚目の車両通行規制看板(工事現場手前)に突き当たり、左に折れた場所にあります。 ここは広く50台は駐車可能のようですが、私が到着した日曜日の午前4時過ぎで私の車を含めて4台駐車しています。登山から戻ったら、私の車だけになっていました。 なお、駐車場入口の千之沢小屋は無人です。ここにはトイレがありました。 【駐車場〜十二平登山口】 昔は車両も通行していたのか、舗装が残っている道を水無川沿いに歩きます。刈り払いがされているようで、草を掻き分けて進むという感じではありませんでした。 ここの楽しみは、水無川の「魚止ノ滝」やオツルミズ沢の「カグラ滝」「オツル滝」など、多くの滝を眺めながら歩くことができることでしょう。 十二平登山口の手前には大きな雪渓が横たわっていました。しかし、道に沿って雪が削られ、トンネルまで掘られています。登山者等への配慮でしょうか、整備された方々に深く感謝いたします。登山口には標識があり、見落とすことはないかと思います。 【十二平登山口〜1308P】 登山口からは、木の根が張った土道でかなりの急登が続きます。基本的には2足歩行で進めますが、場所によっては手も使って体を引き上げます。その後、痩せ尾根の樹林帯を緩急織り交ぜつつもひたすら上へ上へと登る感じで、息つく場所は少ないです。 時折見える当面の目標であるグシガハナは、まだ遠くに見える程度。登りが辛くても、右手(南側)に迫力のある八海山を眺めることができるのが何よりのご褒美になります。 あまり踏まれていないルートと思いますが、道は明瞭です。「力水」は水場のような名前ですが、周囲を見渡しても水場は見当たりませんでした。 【1308P〜グシガハナ】 1308Pまで来ると「滝沢尾根」に差しかかり、グシガハナが明瞭に見えるようになります。右手には八海山に替わり、中ノ岳の雄姿が眼前に現れ、越後三山の雄大さを感じられる一層景色のよい場所です。 ここからは灌木帯。樹木の丈が徐々に低くなっていき、同時に岩場が現れるようになります。勾配は相変わらずキツいのですが、進むほどに高度を稼ぎ、グシガハナが近づいてきます。 我忘峰から先の極楽尾根は、越後三山縦走路のトレイルも見えて眺望が更に良くなります。途中、樹林の中を縫って進む場所もありますが、残り僅かでグシガハナに到着することができます。 【グシガハナ〜山頂】 グシガハナに辿り着いた時の爽快感と安堵感は、一入(ひとしお)です。振り返ると急登コースと、遥か下に水無川や駐車場が見えます。ここからは快適な尾根歩き。斜面の一部には雪が残っていますが、登山道には特に危険箇所はありません。緩やかに山頂に向かいます。 中ノ岳への縦走路の合流点までは「雲竜ノ峰」と呼ばれ、チョウチョ、トンボ、ハチが飛び交う穏やかな場所で、花が咲いています。もっとも、花畑の様な場所を想像していたのですが、そこまで花が多くはありませんでした。 山頂手前には木道が整備されており、歩きやすかったです。 【全体的に】 十二平登山口からグシガハナまでは、かなり勾配があります。特に注意が必要なのは下山時で、一歩一歩の段差が大きいこともそうなのですが、濡れている岩や木の根が滑りやすく、私は2度尻もちをついてしまいました。ここは痩せ尾根ですので、スリップするとそのままコースアウトする危険もあるかと思います。樹木も多く、何十メートルも滑落するような箇所は滅多にありませんが、「下山は特に慎重に」をお願いいたします。 トイレ・水場は、駐車場の千之沢小屋のみ。山頂付近ではルートから少し下りた駒ノ小屋にあります。 指導標識はほとんどありませんが、登山道はとても明瞭で迷うことは無いと思います。 私のau携帯は、終始電波の状態が悪く、通話やメールはできませんでした。 |
その他周辺情報 | ●田畑屋(たばたや) 所在地:新潟県南魚沼市目来田57-1(国道17号線沿い) 営業時間:11:00〜20:40(L.O) 定休日:第3火曜日 へぎ蕎麦、うどんは、コシがあってボリュームもあります。メニューも豊富で店内は広く、多くのお客さんで賑わっていました。人気のお店のようです。 http://www.hokuhoku.co.jp/6kankou/toku/osusume/10-tabata/10-taba.html ●六日町温泉 湯らりあ 所在地:新潟県南魚沼市六日町392-3 開館時間:午前10時〜午後10時 定休日:なし 料金:大人(中学生以上)400円 サウナを利用するとプラス200円 http://www.day-onsen.com/sisetu/5/sisetu5490_home.html |
写真
装備
個人装備 |
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
日よけ帽子
靴
ザック
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
ファーストエイドキット
携帯
時計
タオル
カメラ
|
---|---|
備考 | 荷物を軽くしようと水は3リットルに抑え、節約しながら歩きましたが、特に下りで大汗をかき、登山口に戻った段階で使い切ってしまいました。途中に水場が無いので、もう少し持っていけば良かったと反省しています。 |
感想
越後駒ケ岳の水無渓谷ルートは、数年来「登ってみたい」と思い続けてきました。
標高差1500mで急登の連続。自信が無いので、先々週には標高差1700mの鳳凰三山日帰り登山(青木鉱泉→ドンドコ沢ルート→中道ルート)をして体を慣らしておくことにしました。
単純比較はできませんが、体力的には鳳凰の方が疲れました。急勾配なのは断然に水無渓谷ルートなのですが、鳳凰周回の方は歩行距離・時間が長いことが主な原因でしょうか。
台風12号が朝鮮半島付近に停滞し、四国や九州では豪雨となっています。前日は新潟県の山でも激しい雷雨になりました。当日の天気予報は、「午前中は晴れて安定するが、午後は大気の状態が不安定になり、山沿いでは雷を伴う雨が降る恐れがある。」というもの。
前日とあまり変わりません。そこで、下山があまり遅くならないよう早めに出発しました。
十二平登山口までは、水無川を囲む切り立った山々、多くの滝などに見惚れながら歩きました。
登山口手前の雪渓は、過去のレコを拝見すると「除雪されておらず、止む無く雪渓の上を歩いた。」という方もいるようです。私は難なく通過することができました。いや、ラッキーでしたね。関係者の皆様、ご配慮ありがとうございます。
登山口付近は寂しい雰囲気。人の気配が無いうえ、噂通り急登の連続で精神的にも体力的にも不安がよぎります。
でもまあ、登っていくうちに越後三山の姿を目の当たりにし、雰囲気を肌身で感じることができ、とても楽しくワクワクしてきました。滝沢尾根の露岩帯など、ちょっと怖いなと思う場所もありますが、グシガハナを当面の目標にひたすら急坂を上り続けます。
水無渓谷ルートの良いところは、東京方面からの車のアクセスが他のルートより良いこと、歩行距離自体は短くて済むことと、何と言っても越後三山(駒ケ岳、中ノ岳、八海山)の姿を眺めながら歩くことができるところでしょう。また、グシガハナからの雲竜ノ峰歩きは、非常に気分が良いのもご褒美のひとつと言えると思います。
急登であるという評判からか敬遠されているこのルート。私はもう少し一般的になっても良いのかなと感じました。転落防止対策や指導標識などがほとんど無く、サービスが行き届かないかもしれませんが、新潟の武骨な山の良さと自然の素晴らしさがここに詰まっていると思うからです。もっと急勾配だったり、もっと危険であったり、もっと長距離なのに水場が無い登山道は沢山ありますし、昔は多くの人がこのルートを登ったのではないでしょうか。
全くの初心者や幼い子供を連れた方には不向きと思いますが、一定の知識や経験を持ち、装備を整え、余裕をもった計画をたて、体力を保ったうえで是非利用していただきたいです。私はこれなら是非、次回は三山縦走をしてみたいと思いました。
山頂からの景色も勿論申し分ありませんでした。ただし、周辺は雲がわいてきて平ヶ岳や燧ヶ岳の姿はなんとか確認できる程度。雷に見舞われる前にそそくさと下山することにします。
登山口まで戻った時点で、午後1時頃。まだ雨には降られませんでしたが、車で仮眠をとり始めた2時頃には山の上に厚い雲がかかってきました。そして、3時頃にはついに街中にも強い雨が降り始めます。やれやれ、今日は雨に濡れずに済みました。
水について。
ルート上に水場が無いことは確認済みでしたが、荷物を軽くしようと水は3リットルに抑え、節約しながら歩くことにしました。もし不足すれば駒ノ小屋で補給することもできます。
しかし、このところの猛暑で、新潟県内の平野部では日中に30度を軽く超えています。越後駒ケ岳は山頂でも標高2000mほどとそれほど高くはありません。登山道も陽が高くなるに従って気温がグッと上がります。特に下りでは、このルートがある南斜面は直射日光に照らされて大汗をかきました。登山口に戻ったところでほぼ3リットルは使いきってしまいました。もう少し持っていった方が良かったかなと反省しています。
さて、杉並区のアイドル「なみすけ」と「ナミー」。2匹は妖精です。可愛いでしょ? 私は「すぎなみ山と仲間」というグループに所属しています。今回、東京都は「杉並区」の縁で一緒に登りました。
【大きさ】子犬くらい 【性格】好奇心旺盛でほがらか 【好きなもの】おいしい空気、りんご 【趣味】散歩、人間観察 【特技】背中のひれで空気をきれいにすること
好奇心旺盛とはいえ、小さい体で水無渓谷ルート登山についてくるのはさすがです。
新潟県には好物の「おいしい空気」が沢山ありました。だから、なみすけは新潟県が大好きになったようです。
私もこれから名物の「へぎ蕎麦」をいただきたいと思います。三山縦走だけでなく、また来たいです、新潟県に。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
初めまして、ヤマレコ名:okinaと申します。
越後三山周回を計画しておりまして、駒ヶ岳から十二平に降りる予定です。あまり利用されない登山道のようでどのような様子か気にかかっておりましたが、satotake様のレコでだいぶよく判りました。参考にさせて頂きます、ありがとうございました。
okinaさん、こんにちは。
書き込みをありがとうございました。
越後三山の周回ですか Σ(・ω・ノ)ノ!w
すごいなぁ…。トレランをされているので、体力・技術ともハイレベルなんですね。是非、楽しんできてください。
水無渓谷からのルートは書き込みのとおりで、急坂が嫌われているのかもしれませんが、もう少し一般的に使われてもいいのかな、と感じるほど(特に景色のよい上の方は)気分の良い登山道でした。
過去のレコとリンク先サイトをざっと拝見させていただきました。
戸隠山→高妻山は、私も行ってみたいと計画中です。とても参考になります。
この週末(今日は26年9月12日です)に新潟へお出かけでしょうか。どこも天気は良いようですね。私は明日の夜から富山に向かい、日曜日に剱岳の早月尾根を日帰りしたいなと考え中です。
では、お互いに山を楽しみましょう! d(^^*)
越後駒ヶ岳の十二平登山道、もっとメジャーになって欲しいなと思っていたのですが、昨日25日、この登山道で滑落死亡事故がありました。
50代女性の二人組で、駒の小屋で一泊した後、この登山道を使って下山したところ、標高900m付近で1人が崖から150mほど滑落し、死亡しました。
痩せた尾根の付近ではないかと思われます。
確かに少し注意して下りないととは思っていましたが、天気も晴れていたし、ここまでの事故が起きるような場所だとは思っていませんでした。
どのような転び方をしたのか、非常に気になります。
mackhinderさん、情報をありがとうございました。
この事故について、ネット検索してみましたが、教えていただいた以上の情報を得ることができませんでした。
亡くなられた方のご冥福を心よりお祈りいたします。また、ご家族、ご友人、関係者の皆さまのお気持ちを考えると、心が沈む思いがいたします。
同行された方(ご友人でしょうか)は、さぞやお辛いこととお察しいたします。
レコにありますとおり、私はこのルートを往復しましたので、下山時に注意が必要ということは自分に言い聞かせておりました。しかし、慎重に歩いたつもりが2度もスリップし、尻もちをついてしまいました。
スリップの原因は、いろいろなことが考えられると思いますが、滑落に至らなかったことは「偶然であった」と考える外ないことと思います。
自分の知識、体力、技術に見合った山を選択することは重要と、登山の解説書には書かれています。では、水無渓谷ルートが自分に見合ったルートであったのかは、登山前はおろか登山後でさえ判断することができません。
山には、この越後駒ケ岳水無渓谷ルートより、危険と思われる登山道も、安全と思われる登山道も沢山あります。しかし、事故は危険と思われる場所だけで起こっているわけではありません。
私は東京都日野市に住んでいますが、地元の高尾山の登山道で頭部から流血している死体の処理現場に出くわしたことがあります。仔細は不明ですが、木製階段で足を滑らせ、頭部を強打したようでした。子供連れの登山者も多く訪れ、比較的安全と思われている高尾山でも事故が多数起きているのが現実です。御嶽山噴火のことを踏まえても、登山道の状況が良く、心掛けを持っていてさえ、事故を完全に防ぐことは難しいように思います。「登山にはリスクがある」ということを承知しておくこと以外に無いのだろうと考えます。
ですから、私は同行された方に「事故は防げたかもしれない」と御自身を責めないでほしいと思っております。
水無渓谷ルートについての私の思いは、感想欄に書き込んだとおりですが、事故直後ということもあり、コメントは控えさせていただきます。
ところで、mackhinderさんのレコを拝見しました。
巻機山の井戸尾根は、私もこの9月に登ってきましたが、草紅葉がとても綺麗でした。新潟には素晴らしい山が沢山あるのですね。
これからも、良き山行を楽しんでくださいね。レコを楽しみにしております。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する