ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 6658145
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
阿蘇・九重

九重山

2024年04月13日(土) 〜 2024年04月14日(日)
 - 拍手
体力度
6
1〜2泊以上が適当
GPS
15:03
距離
24.7km
登り
2,214m
下り
2,202m
歩くペース
速い
0.80.9
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
5:46
休憩
1:19
合計
7:05
7:32
13
7:45
7:47
13
8:00
8:05
22
8:27
8:34
14
8:48
8:49
7
8:56
8:56
21
9:17
9:33
27
10:00
10:17
2
10:19
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20
10:39
10:42
33
11:16
11:26
15
11:41
11:47
19
12:05
12:06
24
12:30
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13
12:43
12:44
15
12:59
13:06
49
13:55
14:01
19
14:20
14:20
20
14:40
2日目
山行
6:45
休憩
1:10
合計
7:55
14:40
2
6:23
6:23
29
6:53
6:53
27
7:20
7:23
1
7:24
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15
7:39
7:56
9
8:05
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20
8:25
8:26
21
8:47
8:47
53
9:40
9:49
44
10:33
10:33
9
10:42
10:50
17
11:06
11:07
4
11:11
11:16
16
11:33
11:34
5
11:38
11:38
16
11:55
12:01
11
12:12
12:15
12
12:27
12:27
5
12:32
12:33
10
12:43
12:59
15
13:14
13:15
32
13:46
13:47
31
14:17
14:19
1
14:20
ゴール地点
天候 1日目 曇り
2日目 快晴
過去天気図(気象庁) 2024年04月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
牧ノ戸峠に駐車
コース状況/
危険箇所等
乾燥しており良好
その他周辺情報 今回は『奥阿蘇の宿やまなみ』で立ち寄り湯をお借りした。
もう少し早く家を出てもよかったかもしれないと思いつつ、出発。
2024年04月13日 07:32撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
4/13 7:32
もう少し早く家を出てもよかったかもしれないと思いつつ、出発。
根子岳は見た目が特徴的なので良い目印になる。そして何よりかっこいい!
2024年04月13日 07:56撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
4/13 7:56
根子岳は見た目が特徴的なので良い目印になる。そして何よりかっこいい!
星生山山頂。
2024年04月13日 09:16撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
4/13 9:16
星生山山頂。
写真左奥の尾根の向こうが星生山で、尾根を通って写真撮影地点までやってくるのだが、写真の左側を通るところを右側を通ろうとしてしまい、死にかけた。道迷いを教えてくれた方ありがとうございました。
2024年04月13日 09:33撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
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4/13 9:33
写真左奥の尾根の向こうが星生山で、尾根を通って写真撮影地点までやってくるのだが、写真の左側を通るところを右側を通ろうとしてしまい、死にかけた。道迷いを教えてくれた方ありがとうございました。
狭めの尾根の少し下をトラバースしながら、久住山避難小屋の裏手に。
2024年04月13日 09:51撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
4/13 9:51
狭めの尾根の少し下をトラバースしながら、久住山避難小屋の裏手に。
久住山避難小屋。
2024年04月13日 10:00撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
4/13 10:00
久住山避難小屋。
前回のくじゅうは冬だったので、凍りついた霧がいっぱいくっついていたことを思い出す。
2024年04月13日 10:29撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
4/13 10:29
前回のくじゅうは冬だったので、凍りついた霧がいっぱいくっついていたことを思い出す。
久住山は登って降りるだけなので、荷物をデポ。めちゃくちゃ人いたけど何も盗られることはなかった。
2024年04月13日 10:34撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
4/13 10:34
久住山は登って降りるだけなので、荷物をデポ。めちゃくちゃ人いたけど何も盗られることはなかった。
久住山山頂。
2024年04月13日 10:41撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
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4/13 10:41
久住山山頂。
中岳へ向かう。
2024年04月13日 10:52撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
4/13 10:52
中岳へ向かう。
これが噂の御池。凍った姿を拝みに来たい。
2024年04月13日 11:00撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
4/13 11:00
これが噂の御池。凍った姿を拝みに来たい。
天狗ヶ城山頂。
2024年04月13日 11:16撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
4/13 11:16
天狗ヶ城山頂。
御池。
2024年04月13日 11:30撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
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御池。
中岳山頂。
2024年04月13日 11:43撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
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4/13 11:43
中岳山頂。
こういうの初めてだった。
2024年04月13日 11:52撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
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4/13 11:52
こういうの初めてだった。
西千里ヶ浜だったかな。
2024年04月13日 12:04撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
4/13 12:04
西千里ヶ浜だったかな。
山が幾重にも重なる様を見るのが好き。
2024年04月13日 12:06撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
4/13 12:06
山が幾重にも重なる様を見るのが好き。
稲星山山頂。きつくてこの辺りの記憶無いです。
2024年04月13日 12:17撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
4/13 12:17
稲星山山頂。きつくてこの辺りの記憶無いです。
ひたすらに低木の枝に引っ掻かれまくる。夏でも薄い長袖1枚あった方がいいね。
2024年04月13日 12:37撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
4/13 12:37
ひたすらに低木の枝に引っ掻かれまくる。夏でも薄い長袖1枚あった方がいいね。
分岐。記憶無い。
2024年04月13日 12:43撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
4/13 12:43
分岐。記憶無い。
白口岳山頂。もう疲れてて記憶無いんだよな。
2024年04月13日 13:01撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
4/13 13:01
白口岳山頂。もう疲れてて記憶無いんだよな。
遂に法華院温泉山荘および坊ガツルが見えた!
2024年04月13日 13:03撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
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遂に法華院温泉山荘および坊ガツルが見えた!
これを降ってきました。地図を見る限りえらく等高線の幅が短いと思ったらこういうことか、と納得した。
2024年04月13日 13:08撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
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4/13 13:08
これを降ってきました。地図を見る限りえらく等高線の幅が短いと思ったらこういうことか、と納得した。
桙峠。この辺りで日本百名山を制覇せんとする留学生と彼のヒッチハイクに応じた男性に遭遇。果たして久住山は制覇できただろうか。
2024年04月13日 13:54撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
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4/13 13:54
桙峠。この辺りで日本百名山を制覇せんとする留学生と彼のヒッチハイクに応じた男性に遭遇。果たして久住山は制覇できただろうか。
これが見えたときの嬉しさと言ったら。自然において、人工物ほど安堵できるものは無い。
2024年04月13日 14:13撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
4/13 14:13
これが見えたときの嬉しさと言ったら。自然において、人工物ほど安堵できるものは無い。
そうそう、法華院がもう少し。
2024年04月13日 14:14撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
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そうそう、法華院がもう少し。
到着!
2024年04月13日 14:18撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
4/13 14:18
到着!
初の法華院温泉山荘!思ったよりも小さかったが、こんな立派な建物が山奥にあるなんて…
2024年04月13日 14:19撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
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4/13 14:19
初の法華院温泉山荘!思ったよりも小さかったが、こんな立派な建物が山奥にあるなんて…
めちゃくちゃ嬉しい看板発見!
2024年04月13日 14:20撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
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4/13 14:20
めちゃくちゃ嬉しい看板発見!
少し歩いて坊ガツルへ。続々とテント泊勢が集まっている。
2024年04月13日 15:37撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
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4/13 15:37
少し歩いて坊ガツルへ。続々とテント泊勢が集まっている。
初めてのテント泊であたふたしながらもとりあえずテントを設営し、空腹で死にそうだったので持ってきたカレーメシを食す。この2日で食べたものの中でこれが1番美味かった。
2024年04月13日 15:52撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
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4/13 15:52
初めてのテント泊であたふたしながらもとりあえずテントを設営し、空腹で死にそうだったので持ってきたカレーメシを食す。この2日で食べたものの中でこれが1番美味かった。
温泉入った後で購入。山間を抜ける風も最高に心地よい。
2024年04月13日 17:05撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
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4/13 17:05
温泉入った後で購入。山間を抜ける風も最高に心地よい。
星空は過去1番綺麗だった。グループ登山の方はテントで円陣を作り、中央を向いて談笑していた。ちょっと憧れる。
2024年04月13日 20:19撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
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4/13 20:19
星空は過去1番綺麗だった。グループ登山の方はテントで円陣を作り、中央を向いて談笑していた。ちょっと憧れる。
くっきりと山容が映る。朝が来た。
2024年04月14日 05:33撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
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4/14 5:33
くっきりと山容が映る。朝が来た。
テント撤収前に軽装備で大船山へ。
2024年04月14日 06:24撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
4/14 6:24
テント撤収前に軽装備で大船山へ。
昨日までの山とは違った感じ。祖母山っぽい。
2024年04月14日 06:35撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
4/14 6:35
昨日までの山とは違った感じ。祖母山っぽい。
もう少しで山頂。
2024年04月14日 07:20撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
4/14 7:20
もう少しで山頂。
大船山山頂。遠くは大分の海まで見えた。最も綺麗な景色が見える山頂のうちの1つかもしれない。
2024年04月14日 07:48撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
4/14 7:48
大船山山頂。遠くは大分の海まで見えた。最も綺麗な景色が見える山頂のうちの1つかもしれない。
巨大なダムが。土石流対策かな。
2024年04月14日 10:12撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
4/14 10:12
巨大なダムが。土石流対策かな。
阿蘇の高岳を砂千里ヶ浜から登るルートっぽい。改めてフル装備を担ぐと重い。
2024年04月14日 10:19撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
4/14 10:19
阿蘇の高岳を砂千里ヶ浜から登るルートっぽい。改めてフル装備を担ぐと重い。
北千里ヶ浜。ここが1番感動した。
2024年04月14日 10:23撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
4/14 10:23
北千里ヶ浜。ここが1番感動した。
砂浜のようだった。
2024年04月14日 10:31撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
4/14 10:31
砂浜のようだった。
諏蛾守越へ。
2024年04月14日 10:33撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
4/14 10:33
諏蛾守越へ。
石の避難小屋?デポして三俣山へ。
2024年04月14日 10:40撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
4/14 10:40
石の避難小屋?デポして三俣山へ。
三俣山西峰山頂。
2024年04月14日 11:15撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
4/14 11:15
三俣山西峰山頂。
ぐるっと回れる。
2024年04月14日 11:33撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
4/14 11:33
ぐるっと回れる。
三俣山本峰山頂。道が登山道感無いというか、心細くなるような感じだった。登山者はいたけれど。
2024年04月14日 11:35撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
4/14 11:35
三俣山本峰山頂。道が登山道感無いというか、心細くなるような感じだった。登山者はいたけれど。
道がわかりにくい。
2024年04月14日 11:46撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
4/14 11:46
道がわかりにくい。
北峰は行きませんでした。管理者が危ないと言っている道は行かないスタンス。
2024年04月14日 11:52撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
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4/14 11:52
北峰は行きませんでした。管理者が危ないと言っている道は行かないスタンス。
三俣山南峰山頂。
2024年04月14日 11:56撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
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三俣山南峰山頂。
そして三俣山IV峰山頂。これで1700m台の山頂9つを制覇。晴れて17サミッターを名乗れるように!めちゃくちゃ嬉しかった。
2024年04月14日 12:12撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
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4/14 12:12
そして三俣山IV峰山頂。これで1700m台の山頂9つを制覇。晴れて17サミッターを名乗れるように!めちゃくちゃ嬉しかった。
北千里ヶ浜から久住へ抜けるルートもあるらしい。
2024年04月14日 12:31撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
4/14 12:31
北千里ヶ浜から久住へ抜けるルートもあるらしい。
緑色の岩肌?!
2024年04月14日 13:13撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
4/14 13:13
緑色の岩肌?!
奥に見える作業用の道?まで向かいます。
2024年04月14日 13:13撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
4/14 13:13
奥に見える作業用の道?まで向かいます。
途中今度はダムを渡ることに。そわそわする。
2024年04月14日 13:17撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
4/14 13:17
途中今度はダムを渡ることに。そわそわする。
いかにも落石多そうな道。
2024年04月14日 13:19撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
4/14 13:19
いかにも落石多そうな道。
落石注意ゾーンを抜けるとしばらく舗装路。
2024年04月14日 13:23撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
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落石注意ゾーンを抜けるとしばらく舗装路。
途中で脇道へ入って大曲登山口へ。
2024年04月14日 13:37撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
4/14 13:37
途中で脇道へ入って大曲登山口へ。
大曲登山口。
2024年04月14日 13:45撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
4/14 13:45
大曲登山口。
舗装路を歩く。車もバイクもどんどん走る。
2024年04月14日 13:52撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
4/14 13:52
舗装路を歩く。車もバイクもどんどん走る。
!!
2024年04月14日 14:14撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
4/14 14:14
!!
フィニッシュ!
2024年04月14日 14:17撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
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4/14 14:17
フィニッシュ!
美味しいソフトクリームを食べて帰りました。
2024年04月14日 14:24撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
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4/14 14:24
美味しいソフトクリームを食べて帰りました。
温泉は『奥阿蘇の宿やまなみ』にて。
2024年04月14日 16:11撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
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4/14 16:11
温泉は『奥阿蘇の宿やまなみ』にて。

感想

まず1つ。家の前にチェーンスパイクを放り出してたら宅配便のおっちゃんが「山登るんですか?」と聞いてきたので「はい」と答えた。「くじゅうとかですか?」と聞くので「くじゅうはまだ」と答えると「それは勿体無い!くじゅう行かないと!」と言われたこと。
そして1つ。よく店のマスターに「いつ本格的な登山をするの?」と煽られたこと。
以上2つの理由に加えて宮之浦岳登山の予行演習も兼ねて、初のテント泊かつくじゅう登山の計画を練っていたところ「17サミッツ」なる概念を知った。いわくくじゅうには1700m台の「サミット」が9つあり、それを「17サミッツ」と、それを制覇した人間を「17サミッター」と呼ぶとどこかの誰かが言ったそうな。これはいい。くじゅうは往復で5時間ほどかかるので気合を入れていかねばならないし、毎週末行けるほど暇でも無いので一気に登ってしまおう、と考えた。2 day 17 サミッツ計画の始動だ。

熊本の登山道具屋『シェルパ』で、予算が無いことをひたすらアピールして熱心に解説してくれる店員さんを辟易させた後は、河川敷でテントを張る練習をするなどした。ちなみに暴風で全く敵わなかった。

ゴールデンウィークに屋久島に行く予定なので土日の数はそう多く無い。そしてこの土日は晴れ予報と絶好のチャンスとなった。そして実際天気には大変よく恵まれた。

前日のうちに足りないものを買い足して、クローズドセルマットの持ち運び方に苦慮しつつも、23:00には床につくことができた。大昔にたてた登山計画によると8:00登山開始で間に合うとのことだったが、さすがに遅すぎると考え、4:30に家を出る予定を立てて、無事寝坊して、7:30に牧ノ戸登山口に着いた。そこそこ車があった。

牧ノ戸からの道は意外にきつかった。というのもテント泊装備が想像を絶するほど重く感じたからである。これは計画通り進むのは不可能だろうと確信さえした。第一展望所を過ぎたあたりで、ツアーに遭遇し、地元に住むという男性と軽くお話した。初めてのテント泊だと告げると激励の言葉をくれた。自然に対して孤独だと思われるソロ登山において他のソロ登山者との交流は、自分と同じ境遇にまさに置かれている人間がこの広く圧倒的な自然の中に、他に存在するのだという安心感をもたらしてくれる。

久住山までの途中にある星生山は思いの外苦労した。途中道を間違えて死にそうになったが、後ろから僕を見ていた他の登山者に助けられた。ここで改めて感謝の気持ちを伝えたい。ありがとうございました。

久住山までは荷物をデポして登った。身軽になると、足が進むこと兎の如し。荷物は軽ければ軽い方がいいと強く思った。

天狗ヶ城を通って御池を回ると中岳に着いた。時間のロスを避けようと昼食をカットしたのが原因かもしれないが、ここから後は記憶に残っていない。ひたすらにテント場まで急いだことは覚えている。

法華院温泉山荘に着いた時は涙が出そうだった。様々な方向から巨大な荷物を背負った人間が集まってくる様は、さながら空港のターミナル。来た方向も行く方向も異なる人間が一堂に会し、湯で1日の疲れをとって、ビールで乾杯する。何故だか感動した。ビールも最高に美味かった。

テントはThe North FaceのMountain Shot I。50%オフだったから買ったのだが、思いの外広くて生活するには十分だと感じた。バックパックに入れた荷物をどさーっと出せば、そこはもう自分だけの部屋。何をどこに置こうが自由。いつ何を食べても自由。カレーメシを食って、温泉に入り、心地よい風にあたりながら、山荘前の木のベンチでビールを飲む。テントに戻るとアルコールで空腹が思い出したかのようにやってきた。そうだカップラーメンを作ろう。チリトマトが1番美味いと思っている。啜る。美味すぎる。今日1日の疲れた身体に味の濃いスープが染み渡る。しばらく1日を振り返る日記をつけながらウトウト。ふと目を覚ますと19:00。そろそろテント場も消灯し始める時間だ。クノールのポタージュを最後に飲んで心を落ち着けたら、就寝。ISUKAのシュラフとユニクロのダウンのおかげでぐっすり眠ることができた。

2日目は4:00に起きた。暗いうちに行動するのは危険だと思い、夜明け前の出発を渋っていたら結構明るくなっていた。6:30前にテントを出て、装備を軽くして、大船山に向かった。前日の「阿蘇っぽい」景色とは打って変わって祖母山のような、というか低山特有と言うべきか、低木と小さい岩と泥の道をひたすら進んだ。大船山の山頂はそれは素晴らしい景色だった。大分の向こうの海も見えたし、結構広い範囲が見えた。韓国岳に次ぐ美しい景色だと言ってよかろう。ミヤマキリシマが綺麗だと聞いていたが、当然咲いておらず、相変わらず枝で引き裂くばかりであった。花を楽しむ登山はまた今度。

大船山を降りるとテントの撤収作業が始まっていた。僕も乗り遅れぬようにテントを適当に片付けて、諏蛾守越を目指した。改めて全装備を背負うと重い。序盤はそこそこの急登だったので心が折れかけたが、諏蛾守越までの途中にある北千里ヶ浜の壮大な景色を前に疲れは吹き飛んだ。草千里ヶ浜も良いし、砂千里ヶ浜も良いが、ここはまた別で緊張を強いるような、そういった類の荘厳さを兼ね備えていた。自分たちは地球の上を歩いている。歩かせてもらっている。そういう気分になった。道はまるで砂浜のように細かな砂で出来ており、道の両端に大きめのケルンがある様子は人間が自然に対して畏敬の念を示すための儀式なのだとさえ想像させた。

諏蛾守越へ到着すると石でできた簡易的な日陰があり、そこへ荷物をおいて17サミッツ最後の山頂を持つ、三俣山へ向かった。まず到達するのが西峰であった。各峰に挟まれたコルでは、まるで自分たちの他に世界から人間がそして自然さえも消えたかのような感覚を抱かせた。道が合っているのか不安を感じつつも、本峰、南峰、IV峰を一気に登頂した。

諏蛾守越へ降りると、後は公道に出て牧ノ戸まで歩くだけだ。しかしあと少し道が続いている。ガレ場や巨大なダムなど最後まで楽しませてくれた。公道ではバイクや自動車がすごい速度で通り過ぎる中、来るべき計画完遂の瞬間を思い、涙しそうになった。そして14:30前、遂に牧ノ戸へ帰ってきたのだった。17サミッツ達成である。

正直言って、もっときつい登山は他にも想像ができる。しかしここまで多彩な景色が楽しめて、長い時間山を歩く経験をできたのは今回が初めてで、とても楽しかった。ソロ登山も実は今回が初めてで、不安もあったが、道ゆく人との会話や雄大な自然に元気をもらい、なんとかやり切った。意外と精神的にきついと感じることがなかったのは、不思議でならない。帰りに温泉に入ってみるととんでもなく顔面を日焼けしていることに気がついた。ハット型の帽子を被っていても日焼けはするのだと知った。熱中症っぽい気分になったのは日焼けのせいであった。日焼け止めをしっかり塗っておきたい。他の反省点としては食糧が少なかったこともあった。宮之浦岳に挑戦するときはより多くの食料が必要になるだろう。それまでに軽量化も念頭に装備を揃えていきたい。

良い経験になったし、いろいろ課題も見つかった。これを経て自分も大きく成長できた気がする。でも1番は、初めてのテント泊、そしてくじゅう、めちゃくちゃ楽しかった。

追記:どうやら17サミッツと呼ぶ場合、三俣山は本峰をカウントし、代わりに北大船山を登るらしいことに今気がつきました笑笑 ということで達成されず、と… ミヤマキリシマが綺麗な季節に北大船山行ってきます…!

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コメント

素晴らしい経験ができましたね。文章から滲み出る不安と達成感と感謝が伝わってきました。身体には気をつけ安全第一で山行を楽しんでくださいね。
2024/4/14 22:24
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無雪期ピークハント/縦走 阿蘇・九重 [3日]
くじゅう山群全山縦走
利用交通機関: 車・バイク、 電車・バス、 タクシー
技術レベル
2/5
体力レベル
4/5

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