皇海山(銀山平→庚申山→皇海山→六林班峠→銀山平)
- GPS
- 10:12
- 距離
- 25.0km
- 登り
- 1,982m
- 下り
- 1,980m
コースタイム
- 山行
- 9:45
- 休憩
- 0:20
- 合計
- 10:05
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
◯茨城の実家から宇都宮経由、日光宇都宮道路→R122→r293の行程で向かいました。 ◯宇都宮から清滝IC(日光宇都宮道路) ・南側から来る人が大半だと思いますが、皇海山は早立ち勝負なので、日光宇都宮道路使用でさっさと登山口に向かうが大正義だと思います。 ・料金は通常期470円、閑散期360円です。 ◯清滝IC→銀山平(R122→r293) ・清滝ICを降りたところがR122ですが、次の交差点を左折し、そのままR122を進みます。(直進するとR120) ・足尾の街を過ぎたあたりでr293に入り、山道を10分ほど走ると駐車場です。 【備考】 ・清滝インターチェンジ以降に補給可能な場所として、インターすぐ近くのローソン・ファミマとそこからR122を15分くらい進んだところにやはりローソンがあります。 ・r293は入り口の雰囲気こそ秘境感があり、急カーブもありますが、ダム周辺や橋梁を除いて片側1車線は確保されているので、カーブで膨らんだりショートカットしたりしなければ問題はなく、特別運転技量が必要な道ではありません。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【概要】 ◯登山道については以下の理由で見失いやすいところが多数ありましたが、ひし形2色の標識やピンクリボンがそこら中にあるので、進んでいる道に自信がない時は視線を上げて標識を探してみるといいかもしれません。 ・登山道に落ち葉が降り積もっている。 ・登山道と枯れ沢が併走している。 ・登山道周りに無秩序な踏み跡多数 ・登山道を遮るような倒木多数 ・笹が生い茂っているところがある ◯鎖・ロープについては数も長さも大したことはありませんが北アルプスなどの岩場と違い、ホールドやスタンスがあまりなく、ある程度腕の力と鎖頼りになる箇所もあります。(ホールド・スタンスと三点支持で登り降りできる箇所もあります。全部腕頼りだと消耗します) ◯鎖・ロープ以外にも痩せ尾根、険阻な(崩落しているものもあり)トラバース、低い位置の岩や木(頭上注意)等注意が必要です(個々の難度は高くありません) ◯コースタイム14時間とインパクトがありますが、甘め・辛めの設定が混じっているというのが個人的印象なので、コースタイムだけで判断せず、距離、累積標高、地形を加味して計画を練ったほうが良いと思われます。個人的な感触は以下のとおりです。 ・銀山平・一の鳥居間は登り降りともに、かなり甘い設定だと思います。確かに長くてうんざりしますが、テキパキ歩けば2時間はかかりません。 ・薬師岳・鋸岳間は渋滞ポイントなので、コースタイムどおりに行けるかは運次第です(私は1.9倍の時間を要しました。) ・鋸岳から六林班峠への降りと六林班峠から庚申山荘までのトラバースのコースタイムは辛めの印象です。疲労の蓄積はあったものの、テキパキ歩いたつもりですが、コースタイムどおりか少し遅いくらいでした。 【詳細】 ◯銀山平から庚申山荘 ・一の鳥居までは整備されていない車道歩きで、落石や土砂が多数ありますが、歩く分には問題ありません。 ・一の鳥居から本格的な登山道となり勾配も出てきますが、さほど急でもなく登りやすいです。 ・落ち葉が積もっているほか、並走する枯れ沢の存在で一部わかりにくいところがあります。 ◯庚申山荘から庚申山経由で鋸岳 ・地図上、庚申山への分岐は庚申山荘前にあるようにも見えますが、実際の道は山荘の建物より登山口側にあります。 ・山荘は利用停止中ですが、外にあるベンチ、水道は使用可能です。 ・庚申山荘から、初めは普通の登山道を登り、じきに岩場となってきます。ハシゴがあったり切れ落ちたトラバースがあったりと油断は禁物ですが、技術的に難しいところはありません。 ・稜線に着くと、ところどころ眺望が開けるところもありすが、基本は樹林帯歩きです。 ・庚申、駒掛、地蔵、薬師等の各ピークを縦走するので、アップダウンが続きます。 ・薬師からの降りと、鋸への登りのところに鎖場があります。 ・薬師からの降りはホールド・スタンスがあまりないので、腕の力も多少必要ですが、特段難易度は高くありません。ただ、岩質自体が脆いので、滑らないことと落石を起こさないことに注意が必要です。 ・鋸への登りは見た目ほど難しさはなく、しゃにむにに昇っているうちに到着しますが、引き続き脆い岩質なので、落石を起こさないよう注意が必要です。 ◯鋸岳・皇海山往復 ・鋸岳が1,996m、不動沢のコルが1,863m、皇海山が2,143mなので、距離は大したことありませんが、登り返しがえぐいです。 ・鋸岳の北面にはロープが2箇所ほどあります。やはりホールド・スタンスは豊富ではないので、しっかりロープを使います。 ・雪が鋸岳の北面に残っていますが、登山道にはないので、支障は全くありません。 ・岩場を越えると、不動沢のコルまではダラダラと樹林帯を登ったり降りたりしながら高度を下げていきます。 ・不動沢のコルからは、樹林帯の激登りです。登山道上に腐れ雪が若干残っていますが、トレースを追えば全く問題ありません。 ・登山道の周囲に無秩序な踏み跡が多くあるので、道を失わないように、標識を適宜視認するといいです。 ・ロープが下がっている岩場を越えれば、傾斜は緩やかになり、程なく山頂です。 ・帰路は、鋸岳までは来た道をそのまま戻ります。とにかく体力勝負。 ◯鋸岳から六林班峠経由で庚申山荘 ・藪漕ぎで有名で確かに通過にはストレスがあるものの、藪漕ぎ区間自体は長く見ても1時間程度で、皆が漕いだ後も残っているので迷うことはないと思います。 ・笹に埋もれた倒木や段差が多数あるので、つまづきによる転倒に注意が必要です。 ・鋸岳直下からいきなり笹の道が始まります。刈り込んではあるものの、登山道上を笹の茎が残っているので滑りやすいです。 ・六林班峠までは稜線を下っていくので登り降りがあります。 ・六林班峠からは藪漕ぎはほとんどなくなりますが、今度は笹が生い茂るトラバース道が無数の沢と交差する歩きにくい道で、無限ループと思えるほどにトラバース歩きと渡渉を交互に繰り返します。(うんざりですが逆に水の補給には困りません。) ・トラバース道は基本的に谷側に向かって傾いているため、足首に負担がかかることに加え、渡渉のたびに地図には現れないアップダウンがあったり、崩落している箇所があったりと地味に体力を削ってきます。 ・欅平からは急に渡渉が減り、道も歩きやすくなりますが、一方で、この期に及んで登り基調となります。 ・辛抱して歩き続ければ庚申山荘に到着します。 ◯庚申山荘から銀山平 ・往路に同じです。消化試合。 |
その他周辺情報 | ◯登山者用駐車場すぐ近くに国民宿舎かじか荘があり、宿泊のほか日帰り入浴も可能ですが、14:30まで受付、15:00終了なので、間に合わせるためには相当早出する必要がありそうです。 ◯清滝インター付近に日帰り入浴施設「日光和の代温泉 やしおの湯」が21時まで営業しているのでそちらで汗を流すのもいいかもしれません。 ◯周囲に飲食店は見当たりませんが、キャンプ場の売店では飲食物が売っているようです。常時空いているわけでもないようなので、補給は事前に済ませておいたほうが無難かもしれません。 ◯登山者用駐車場はキャンプ場やかじか荘より登山口よりにあります。 ◯トイレは登山者用駐車場にはなく、銀山平キャンプ場にありますので、登山前の一踏ん張りをされる方は御用心を。 |
写真
感想
GWに妻子を連れて実家に帰省していました。
当初は、妻子を自分の実家に残して登山に行く後ろめたさから、早めに帰宅できるライトな山行を考えていたが、同時にせっかくの長期休暇なので久々に百名山をやりたい気持ちもありました。
関東周辺でソートをかけると、この時期に雪がなく本当にちょうどいい存在として皇海山が浮かび上がって来ました。
さらに、この山は個人的に因縁があったため、一度気になり出すと、ライトな山行云々は消え失せてしまったのでした。
心よく送り出してくれた妻子に足を向けて寝られません。
思いおこすと十年前に、コウシンソウを見ながクラシックコースで皇海山を踏破することを企みましたが、鋸岳山頂で凄まじい疲労感を感じたほか、その時点で12時を過ぎていたので、時間切れと判断。
今回は十年越しのリベンジマッチとなりました。
無事登頂できたことに加え、天気も良く眺望も楽しめたので思い残すことはありません。
よって2度と登りません笑
いえ、とても楽しめましたし、巷で言われるようなつまらない山ではありません。
群馬側から登ったことはないのでわかりませんが、少なくとも日光側からのルートからは威風堂々たる皇海山を見られますし、日光の山深さを感じられ、とてもいい山です。
しかし、いかんせんとにかくハードです。
また景色や山の楽しさ自体を考えると、仮に再度この山域に来ることがあるとすれば、鋸岳までで十分楽しめそうかなぁと思ってしまいました。
リベンジに成功したのは以下の理由によるかなと考えています。
・単純に山行の経験が増えて来た。
・ストックを使うようになり、足の疲弊を減らせた。
・六林班経由の道の状況がよくなっていた(気がする)。
・(最大の理由)皇海橋からの最短コースが廃道となり、百名山ハンターにとって、銀山平からのコースが皇海山登頂のための唯一の選択肢となり、登山者が増えたため、不安感が減らせた。(十年前はほとんど人と会わず、積もる疲労と合わせて非常に心細かった。)
以下はちょっとした反省
・トレランシューズできたものの、グチャドロゾーンもあったので、防水がしっかりした登山靴の方が良かった。
・樹林帯歩きの印象だったが、樹林帯でも日当たりが良く、汗ばんだ結果水が心許なかった(もっとも、六林班峠まで降りれば、腐るほど沢があるので水は補給できるが、鋸・皇海山間で水が減って来たのが気持ち的にきつかった。)
山選定経緯や反省点は色々ツッコミどころがありつつも、総じていい山行となり、えいやで行ってみて良かったです。
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