柳沢川右俣〜白錫尾根〜日光白根山
- GPS
- --:--
- 距離
- 20.7km
- 登り
- 2,082m
- 下り
- 1,894m
コースタイム
西ノ湖入口バス停10:40-11:25入渓(標高1470m付近)-12:00赤岩滝下12:20-13:25 2段15m下13:35-15:05稜線上-15:40錫ヶ岳-16:15 2170mコル(幕営)
10月18日(日)
幕営地5:30-6:30白桧岳-6:50白根隠山7:00-7:25分岐(ザックデポ)-7:30避難小屋-7:55日光白根山8:05-8:25弥陀ヶ池-8:40避難小屋-8:45分岐-9:05前白根山-10:30湯元温泉バス停
天候 | 10月17日 くもり一時晴れ 10月18日 快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2015年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
日光駅バス停〜湯元温泉バス停(平成27年度版) http://www.tobu-bus.com/pc/area/pdf/nikko_timetable_201504.pdf 赤沼〜千手ヶ浜 http://tsukasan.hiho.jp/etc/teikougaibus.htm |
コース状況/ 危険箇所等 |
柳沢川:前半は平凡な部分が多いですが、後半(二俣以降)はナメとスダレ状滝が連続する見事な渓相に変わります。 白錫尾根:柳沢川終了点から錫ヶ岳までは踏み跡付きの藪、錫ヶ岳〜前白根山までは一般登山道の範疇(一部笹をかぶっていますが)です。全行程を通して本格的な藪漕ぎはありません。 日光白根山周辺〜湯元温泉バス停:一般登山道なので特に問題はありませんが、前白根山〜湯元温泉バス停は思いのほか人が少なかったです。 |
写真
感想
3週間ほど前にオーストラリアでトレッキングをしてから(ヤマレコ掲載済み)どうも体調が悪かったのですが、やっと回復してきたので、紅葉見物がてら簡単な沢に行ってみることにしました。
柳沢川は栃木でも美しい沢との評判で、前から目をつけていたところです。通常は右俣を遡行し左俣を下降するらしいですが、同じルートを戻るスタイルがあまり好きではないので、折角なので白錫尾根を北上して日光白根山まで縦走することにしました。ただこのルートだと藪中泊前提なので、通常ツェルトと運動靴を持っていくところがテントと登山靴となり、荷物が重いのがネックです(笑)
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10月17日(土)
朝、東武線で日光へと向かうが、途中ずっと雨が降っておりテンションが上がらない。
しかし、雨は南部中心の予報だったので、山では曇りくらいで済むかなと思いつつ、若干先行き不安である。
日光に着いても小雨が降っているが、湯元行きのバスは既に行列が出来ている。
バス出発後すぐにアナウンスがあり、
「この時期の日光は通常ムチャクチャ混むので、時間に余裕を持って行動せよ。今日は雨が降っているからそんなに混まないけれど、先週のシルバーウィークは日光駅から湯本まで4時間ほどかかった」
・・・とのこと。
そういう意味では、天気が悪くてかえって良かったのかも。渋滞の名所いろは坂も全く混むことなく通過した。
赤沼バス停で下車し、奥日光低公害バスに乗り換える。
美しい小田代ヶ原などを眺めつつ、ゆっくりと進むバスに30分ほど揺られていると、西ノ湖入口バス停に到着し下車。
幸い雨は小康状態。
はじめは紅葉の彩るほぼ平坦な林道をたどっていく。一時的に雨がぱらついてきたが、20分くらいでおさまった。
堰堤の手前で右岸にわたり、少し行くと、ゴーロが岩床の発達した良い感じの渓相に変化する。
赤岩滝付近までは登山道をたどる予定だったが、雰囲気がGoodなのでちょっと早めに入渓。いきなりナメが続き期待がもてる。
残念ながらこのナメは一時的だったが、側壁の左岸紅葉が美しく後方の空には青空も覗きだし、気分がいい。
ただ、たまにやけにヌメっている岩があるので、少し注意が必要。
そうこうしているうちに赤岩滝への分岐に到着!赤岩滝下までは登山道が通っているため、ちゃんと標識もあった。
あくまで沢沿いに進み、前衛のナメ滝を登ると、どどーんと赤岩滝が姿を現す。これだけでも充分見応えがあるが、下から見える4段の上にさらに3段あり、全体で140m7段の連瀑を形成しているというのだから凄い。(しかも紅葉&快晴だし言うこと無し!)
これまで何十本も沢を遡行してきたが、沢登りで見た中では間違いなく5本の指に入る滝だった。
しばし写真撮影などをしてゆっくりした後、本流に戻って遡行再開。
まだゴーロにちょくちょく小滝が混じる程度。
途中で右岸が大崩壊しており、沢を完全に埋めているところがあった。この後一瞬ゴルジュっぽくなる。
やがて沢は赤茶けたナメ主体となり、二俣に達する。この辺からが柳沢川の本領発揮部分だ。
二俣以降延々とナメが続き、時折優雅なスダレ状滝がアクセントを加える。
最初のスダレ状滝は右から巻き、次のは左の水流際から巻き気味に登った。
今日はザイルと登攀具に加え、藪中泊を想定し、テントと登山靴を持っているためとにかく荷物が重いので、ひたすら安全サイドの遡行(^_^;)
支流のスダレ状滝を右に分けると、この沢のハイライトの2段15m滝となる。少し暗めの印象の滝だ。左岸から大きく巻いて越した。
間髪入れず、もうひとつのハイライト15mスダレ状が登場。緩やかな凸状の岩盤を幾筋もの水流が包み込むようにゆったりと流れる様は、優美という表現がぴったりだ。
ここは、最初右壁を登り、上部は藪から巻き気味に越えた。
これで右俣の主な滝は全て終了。なんともあっけなかった。
初めての沢なので50mザイルを持ってきたが、ザイルどころかスリング1つ使っておらず、流石に無駄歩荷感が強い。。。
標高1980m付近で伏流となったので、今夜の夕食分も考慮して2.5リットルほど水を汲む。
若干ガスってきた。
しばらく平坦な笹原をたどるが、水枯れ地点から少し進んだところに極上のテント場を発見し、泊まりたい衝動に駆られる。
・・・が、明日はなるべく早く下山したいので、我慢して先を急ぐ。。(焚火跡あり)
標高2070mで右に沢を分け、標高2100m付近で左の尾根に取りつく。基本的に藪は無い。標高2230mのコルを狙って詰めたが、若干2241ピーク寄りの稜線に飛び出して遡行終了。
稜線の様子は、藪と登山道の中間くらい。赤いプレートがコンスタントに設置されているので、道迷いの心配はほぼなし。
まずは錫ヶ岳への急登にかかる。時々踏み跡をロストするが、笹の藪なので対して問題は無く進める。荷物が重いのでノロノロペースだが、何とかマイナーピークの錫ヶ岳に到着。この頃、再びガスが晴れだし、雲間に中禅寺湖の湖面も望まれるようになる。
さて、そろそろ今夜のテント場を考えないと。
錫ヶ岳を越すとさらに歩きやすくなり、ほとんど一般登山道の範疇。
どんどん下っていき、標高2170mのコルで稜線右手にわりあい水はけの良さそうな笹原を見つけたので、今日はここで幕営することに決定。
カレー2食分を食べてラジオをしばらく聞いて就寝。夜は満点の星空だった。
10月18日(日)
流石に朝は寒い。ラーメンを食し、かじかむ手でテントをたたみ、夜明け20分前に出発。
透き通るような快晴だ。
実はここから50mほど北に行くとちょうどテント1張分の非常に良いテント場があり、ここで泊まる方が絶対快適だった。結果論だけど。
奥秩父的な苔むした樹林帯などを抜けると、右手にモルゲンロートの日光白根が姿を現す。つい写真を何枚も撮ってしまい、なかなか進まない(笑)
2296ピークを過ぎると疎林や笹原が主体となり、展望がどんどん良くなる。右手には中禅寺湖や日光連山を見渡すことが出来、まさに絶景である。
もっと藪々した篤志家向けの稜線かと思ったが、こんなに素晴らしいトレイルだったとは!
白桧岳周辺は一面の笹原でこれまた快適。
後ろを振り返ると、山並みの向こうの雲の上に富士山の姿があった。もう完璧だ。
続く白根隠山は嫋やかな白桧岳とは対照的で露岩で囲まれたピーク。直下はやや急登。
さて、避難小屋への分岐に達したのでザックをデポし、最後のデザートである日光白根へ空身で向かう。単独かつ空身ということで、ガンガンスピードを出す。
分岐→避難小屋→山頂→弥陀ヶ池→五色沼→避難小屋→分岐
と周回し、1時間20分ほどで帰還。
入山してからこの分岐まで1人も会わなかったが、特に白根山〜弥陀ヶ池の区間は人口密度が非常に高く、30人くらいとすれ違った・・・
あとは下山するだけ。
前白根から湯元までもメジャーなルートかと思っていたが、案外人に会わず、10人くらいしか見かけなかった。外山の先が急坂だから敬遠されてるのかな??
順調に下り、最後はスキー場をてくてくと歩いて、紅葉真っ盛りの湯ノ湖畔に到着した。
東武バスで日光駅へ向かう。ベストシーズンの日光だが、流石にまだ午前中とあって、いろは坂での渋滞はまたもや皆無。日光市街地で多少渋滞したが、無事に日光駅へと着いた。
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柳沢川本流はコンパクトで美しい沢でした。赤岩滝も一見の価値があります。
また、白錫尾根が予想以上に良かったです。3週間前のオーストラリアは壮大で良かったですが、日本の自然も全く負けていないと思えた山行でした。
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