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記録ID: 77
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
甲斐駒・北岳

南ア/塩見岳

1999年12月29日(水) 〜 1999年12月31日(金)
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kamog hasaei その他1人
GPS
52:00
距離
23.2km
登り
2,570m
下り
2,567m

コースタイム

1999.12.29 樺沢11:00…11:40塩川…17:20三伏峠
12.30 三伏峠5:25…6:55本谷山…8:55塩見小屋…11:10塩見岳
12:10…14:40本谷山…15:45三伏峠
  12.31 三伏峠6:25…塩川…10:00樺沢
天候 12/29 晴
12/30 晴
12/31 晴
アクセス
三伏峠で夜が白み始める
三伏峠で夜が白み始める
塩見頂上の一端。今年は雪が少ない。
塩見頂上の一端。今年は雪が少ない。
山頂にて。撮影は三伏峠で一緒になった小田原ナーゲルtory氏。
山頂にて。撮影は三伏峠で一緒になった小田原ナーゲルtory氏。

感想

(はさP感想)

年末の休みを利用して南アルプスの塩見岳へ行ってきました。
冬合宿ということで厳しい山行を覚悟していたのですが、
雪不足のうえ好天に恵まれ実に快適な山旅でした。

12月28日(火)
冬合宿前日、今日は仕事納め&カモ忘年会だ。
帰宅後ザックに荷物を積めこみ、忘年会会場の銀座へと急ぐ。
それにしてもこれほど銀座に似合わない姿はあるだろうか?
デカいザックにピッケルかかえ、足元は重登山靴。
どう考えても華やかな銀座の街を歩く格好ではない。
行き交う人々の妙に冷たい視線を感じながら、銀座ミュンヘンへと向かい
忘年会の席に加わる。翌朝のことを考え少しでも早く切り上げたかったのだが、
宴会モードに入ればそんな事すっかり上の空。
結局事務局へ到着したのは0時前。しかも後藤さんはこれから準備をするらしい。
翌朝3時起きだが、果たして起きる事ができるのであろうか?

12月29日(水)
3時。目覚ましのベルでなんとか目覚めるが、眠くてたまらない。
出かけるのが段々面倒になってくるが、今日の行程を考えると
ぐずぐずしてはいられない。眠い眼をこすりながら準備をするものの、
結局事務局を出発したのは30分遅れとなってしまった。
早朝の中央道を飛ばし、駒ヶ根ICで降りる。その後くねくねと曲がる
山道をひたすら走り、車のデポ予定地塩川小屋を目指す。
夏に行った光岳の時も感じたのだが、南アルプスの深部はアプローチは長い。

順調に進んでいたが、塩川小屋までもう少しというところで道が未舗装に変わった。
路面には凍結している箇所があり、これ以上車で進むのは困難と判断。
車をデポしてここから歩くことにする。スケジュールが遅れ気味のうえ、
予定外の地点からのスタートとなり先が思いやられる。

塩川小屋までは未舗装路の歩きだ。所々凍結した路面に注意しながら先を急ぐ。
道路の脇や、塩川をはさんだ反対岸の滝が見事に凍結して美しい。
1時間弱歩いてようやく塩川小屋に到着。小屋周辺には10台ほど車が止まっていた。
その中に同じ神奈川労山所属のナーゲルの上田さんの車を発見。
どうやら事前の情報通り我々と同じ日程で入山しているようだ。

ここから先しばらく塩川沿いに登山道がつけられている。一部急斜面を
トラバース気味のところもあり、バランスを崩して塩川に転落しないよう注意が必要
だ。
標高1600m付近から登山道は尾根沿いに変わり、いよいよ急登が始まる。
三伏峠まで標高差1000mの長い長い登りだ。
あせらずペースを一定に保ってひたすら登り続ける。
背中の荷物は重いが、登山道の凍結やラッセルはなく歩くのに支障はない。
途中できれいな夕焼けを眺めつつ、暗くなる直前にようやく峠へと辿りついた。

休む間もなくテントの設営に移るが、ここで重大事件が発覚!
なんとテント本体が無いではないか!テントだと思って持ってきたのは
フライシートであった。前夜に急いで準備をしたのが災いしたらしい。
雪洞を掘れるほどの積雪は無いし、この寒空のもとツェルトでの生活か?!
と、いや〜なイメージが一瞬脳裏に浮かぶが、幸いにも冬期小屋が開放されており
無事居住スペースを確保する事ができた。
その日は夕食を済ませて早々に寝ることにした。明日は長い行程が待っている。
寝る前に用を足しに外へ出てみると、空には満天の星がキラキラと輝いていた。

12月30日(木)
朝4時に起床。今日は三伏峠から塩見岳の往復だ。
朝食後まだ星が瞬く中ヘッドランプを点けて出発の準備をする。
同じ頃出発しようとするグループがあり、近づいてみるとナーゲルの方々だった。
その場は簡単に挨拶をすませて出発する。道は暗いがトレースはしっかりついており
ルートは明瞭だ。

途中、本谷山でご来光にお目にかかる。風もない穏やかな夜明けだ。
振り向けば中央アルプスにも朝日が当たろうとしていた。
空の赤く染まった部分が次第に降りてきて、やがて山々が輝き始める。
なんとも神々しい光景だ。
すっかり明るくなった登山道を進み、2512mの鞍部から権右衛門岳をトラバースし、
やがて塩見小屋に到着する。一休みしていると小屋の管理人さん達が登って来た。
何十年とこの時期登っているがこんなに雪が少ないのは初めてだと言っている。

ここから先は岩稜帯のためアイゼンを装着して出発する。
稜線はもともと雪付きの悪い場所ではあるが、管理人さんの言う通り雪不足
が影響してか夏道がかなり露出している。岩場も雪や氷の付着はほとんど無い。
今回最大の難所と思われた天狗の岩のトラバースもザイルの出番なしに
通過する事ができた。ここまでくると山頂は目と鼻の先だ!
最後の岩稜をよじ登り塩見岳西峰に辿りつく。そして最高点の東峰へと到着。
ついに塩見岳登頂だ!
山頂からの眺めはすばらしく、南北に連なる南アルプスの山々の姿が雄大だ。
また富士山もその円錐系の姿をくっきりあらわし美しい。
無風、快晴、展望良好!いつまでもそこにとどまりたくなるような心地よい
ひとときだ。やがてナーゲルの方々も到着し、登頂を喜びあった。

山頂で1時間もくつろいでから三伏峠への復路にうつる。
ここから見える峠ははるか彼方だ。帰りも同じルートだが、気温の上昇で
暑いうえ、蓄積された疲労でずいぶん長い道のりに感じられた。
ようやく峠まで辿りついた時にはかなりバテバテだった。

12月31日(金)
今日は下山するだけだが、東京までの道のりは長いため
昨日同様朝4時に起床し下山準備をはじめる。
長い長い下り坂をうんざりするほど歩き続けてようやく塩川まで辿りついた。
こんな長い坂を重い荷物を背負ってよく登ったもんだと我ながら感心。
やがて車のデポ地に到着し2泊3日の行程を無事終了した。

3日間とも好天に恵まれたうえ、雪不足でコース上にも難所は存在せず
雪山として難易度は幾分下がっていたが、それでも僕の心の中は心地よい
達成感で満ち溢れていた。

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