朝日連峰 竜門山「恐怖のナイフリッジ」竜門小屋泊

2016年03月20日(日) 〜 2016年03月21日(月)

• GPS: 32:29
• 距離: 27.3km
• 登り: 1,603m
• 下り: 1,593m

コースタイム

1日目

• 山行: 8:37
• 休憩: 0:09
• 合計: 8:46

5:40 根子集落冬季通行止め前
8:14 8:20 日暮沢小屋
10:14 10:14 ゴロビツ沢源頭水場
12:17 12:17 清太岩山
13:08 13:09 ユーフン山
14:13 14:15 竜門山
14:26 竜門山避難小屋

2日目

• 山行: 5:27
• 休憩: 0:46
• 合計: 6:13

7:57 竜門山避難小屋
8:18 8:22 竜門山
9:09 9:10 ユーフン山
9:42 9:43 清太岩山
10:44 10:44 ゴロビツ沢源頭水場
11:23 12:03 日暮沢小屋
14:10 根子集落冬季通行止め前

天候

3/20(日) くもり時々小雪　
稜線は強風10m以上 ホワイトアウト手前

3/21(月) 曇りのち晴れ
稜線上はガスだが流れが速い時々、視界が開ける ホワイトアウトまではいかないが強風(昨日よりはまし）
高度が下がるにつれて晴れ、時々小雪

アクセス

利用交通機関：

自家用車

根子集落 冬季通行止め前に駐車

コース状況／危険箇所等

◆根子集落〜日暮沢小屋
林道歩き約7km スノーシュー使用
去年修復された集落すぐの林道斜面、一部斜面が崩落しているので通過は慎重に。
林道の斜面、今年は積雪が少ないので大きな雪崩は起きそうにないが、通過は斜面を警戒しつつ進んだほうが良い。
日暮沢小屋手前の日暮沢の渡渉、スノーブリッジはなく、丁度良く倒木が沢を渡っていたので倒木の上を通過した。

◆日暮沢小屋〜ゴロビツ沢源頭水場〜P1359
夏道は通らず、一つ隣の尾根から取り付くこちらのほうが傾斜が緩いがそれでもキツイ…途中で夏道と合流。
ゴロビツ沢源頭水場付近より傾斜がきつくなったのでアイゼンに履き替えた。
P1359前の急登、尾根上には雪庇が発達している。所々で雪崩が見られる、5m以上はあるブロックもあった。
今回は丁度真っ直ぐ登った所の雪庇がまだ安全みたいだったので直登したが、1mの雪壁を越え尾根に這い上がった。さらに安全を確保するなら右側に迂回して雪庇が発達してない箇所から登ったほうが確実。

◆P1359〜清太岩山〜ユーフン山
尾根に出ると強風が吹き荒れていた。
ここで視界が一気に開ける。ただこの日はガスで視界は悪い……
清太岩山手前あたりにナイフリッジもあるが傾斜も緩いのでさほど高度感はないかな、ただし強風で通過は慎重を要した。
清太岩山を通過して尾根上を進むが、よく見ると亀裂が入っているのが解る、なるべく灌木ギリギリを通過したほうが無難だろう。

◆ユーフン山〜竜門山〜竜門避難小屋
今回の核心部、幅狭のナイフリッジが待ち受ける。
悪いことにかなりの強風で雪が舞い、ホワイトアウトに近い状態と最悪の状況で辿り着いてしまった。風が弱くなるのを待って通過開始、雪質はアイスまではいかないが表面が凍った状態、一歩一歩慎重に足を進めた。なんとか無事に通過できたが生きた心地がしなかった……過去の山行で一二を争う恐怖だった。
下り時は風が弱く視界も良かった、雪が付いて多少足場をフラットにできるようになったおかげか（もしくは慣れた？）通過は思いのほか容易だった。しかし危険な箇所に変わりはない、通過は慎重に！
最大の核心部を通過すると雪はついているが灌木の間の夏道が解るのでルートは明瞭、しかし竜門山前でホワイトアウト一歩手前の状態に、広い尾根なのでルート判断が難しい。素直に真っ直ぐに登っていくと主稜線に辿り着くことができた、どうやらルートはあっていたようだ。
分岐から竜門小屋までは100m下降。

その他周辺情報

●大井沢温泉館『湯ったり館』
入浴料 300円

写真

3/20 5:42

西川町大井沢根子集落冬季通行止め前より出発

3/20 6:00

集落からすぐの去年修復終えた後、また崩落した林道斜面
雪解け後にまた修復になるのかな？

3/20 6:29

日暮沢小屋までは林道歩き7km

3/20 6:44

先行トレース一名
何時に出発したんだろう…

3/20 7:05

斜面からの雪崩に警戒しつつ進む

3/20 7:17

雪解け滝つぼ

3/20 7:17

ここは危険なので素早く通過

3/20 7:20

砂防ダムが見えた
奥に見えるピークが清太岩山か？

3/20 7:26

下りて来た人がいたので挨拶をしてみると大朝日小屋管理人の阿部氏だった。大朝日小屋まで行くなら一階のドアが壊れているので二階から入ってと情報を貰ったが、行けるかは天候と体力次第かな^^;

3/20 7:28

砂防ダム

3/20 7:28

林道には雪崩れた形跡があるが斜面を見るとほとんどの雪はもうなくなっていて少し残る程度となっていた。

3/20 7:32

あれに登るのか（遠い……）

3/20 7:33

斜面の雪は少ないが一応通過は早めに！

3/20 7:49

か細いスノーブリッジ
でもこれがないと通過は大変そうだ^^;

3/20 8:08

日暮沢小屋前の日暮沢の渡渉
今回はスノーブリッジがなく、変わりに丁度良く沢を渡る用に倒木が倒れていた。前からあったっけ？
倒木スノーブリッジを慎重に通過、崩れませんように……

3/20 8:10

渡り切った！

3/20 8:15

日暮沢小屋に到着

3/20 8:18

夏道尾根の一本隣の尾根
最初ここが夏道の尾根だと勘違いして右の尾根へ進んでしまいルートミスを犯した。

3/20 8:47

夏道の尾根より、傾斜が幾分緩い隣の冬季尾根、でもキツイよ…

3/20 9:09

奥に見えるのは天狗角力取山への尾根か？

3/20 10:04

ひ〜キツイキツイ

3/20 10:09

あのピークはハナヌキ峰？古寺山？

3/20 10:28

傾斜がきついのでアイゼンに変えた

3/20 10:57

P1359前の尾根、雪庇が発達しているのが解る
ここは登れないな…

3/20 10:57

結果から言うと写真の左あたりの雪庇があまりできていない箇所から尾根に這い上がった。

3/20 10:57

いつ崩れてもおかしくはないな……
さらに安全と考えるならこの写真の右端から登ったほうが無難だろう。

3/20 11:38

ここで視界が一気に開けた
が！
強風が待ち受けていた、この風はやばいぞ…

3/20 11:39

一瞬の青空

3/20 11:42

清太岩山

3/20 11:54

幅広尾根

3/20 11:54

真っ白

3/20 12:00

よく見ないと空との境目が解らない^^;

3/20 12:07

ガスの中に突入

3/20 12:10

よく見ると亀裂が…
灌木ギリギリを進もう

3/20 12:11

ナイフリッジ
傾斜が緩いので高度感はあまりないが、強風で通過は慎重を要した。

3/20 13:05

ユーフン山、山頂
風が強いせいか？雪が少ない

3/20 13:15

この岩から先、今回の最大の核心部なんですが…
強風とナイフリッジで写真を撮る余裕もなく、登り時の写真はありません、下山時の写真をお楽しみに^^;

3/20 13:39

核心部を通過すると後は安心と思いきや！
竜門山手前でホアイトアウトに近い状態となり目指す尾根が確認できない、強風に耐えながらガスが薄れる合間の縫って登っていった。

3/20 14:09

朝日連峰主稜線に到着！
結果的に真っ直ぐ直登したがどうやらルートはあっていたようだ。

3/20 14:24

分岐より100mほど下降すると竜門小屋が見えた

3/20 14:25

入口のドアを開けようとしたら、少し開いた状態から開かない
あれ、あれ！？どうしたんだ？
よく見ると室内の床に氷が張っていた。ドアを何回か開け閉めして入ることができた。中に入って床の氷を取り除いて事なきを得た。

3/20 15:04

小屋は寒いのでテントを張らせてもらった。

そういえば一階の室内に雪が侵入して雪の塊があったんだけど窓でも開いていたのだろうか？でも窓は締まっていたんだよな、謎だ…

3/21 7:55

翌朝
曇ってはいるが風は昨日よりはまし、視界もまあまあ。

3/21 7:55

相模山方面

3/21 7:55

お世話になりました、今度は夏かな？

3/21 7:55

竜門山まで100mの登り

3/21 8:01

主稜線は雪が少ないな

3/21 8:01

昨日登ってきた尾根
ユーフン山〜清太岩山が見える

3/21 8:11

お、太陽だ。
このまま晴れろ〜

3/21 8:18

竜門山山頂より
西朝日岳への主稜線、雪が少なく夏道が確認できる

3/21 8:18

よく見ると亀裂が確認できる
進むなら安全に夏道をたどったほうがよさそうだ

3/21 8:24

天から光が！

3/21 8:24

稜線分岐よりユーフン山方面
昨日この雪原でホワイトアウトになって苦労した箇所。

3/21 8:26

竜門山の雪庇

3/21 8:30

視界が良ければ竜門山を巻いて竜門小屋に行けたのに

3/21 8:48

昨日写真どころではなかった今回最大の核心部
昨日は強風にホワイトアウトと最悪の状態で到着してしまった。
風が弱くなるのを待って一気に通過したいところだが足場が不安定で一歩一歩慎重にならざる終えなかった。通過は生きた心地がしなかった。

3/21 8:53

そして下山時、一晩で雪が付いて多少足場がフラットになり安定して進めるようになったおかげか、視界が良いせいか（もしくは慣れた？）通過は容易だった。ただ緊張はしましたけどね^^;

3/21 8:58

セーブポイント通過

3/21 8:58

今回の核心部

3/21 9:01

晴れ間きたー！
テンション上がるね

3/21 9:01

核心部で雪が舞っている
これは雪庇が発達しそうだ。

3/21 9:10

ユーブン山より竜門山を振り返る
よく見るとまだ竜門小屋も確認できる

3/21 9:12

いいぞ、どんどん晴れてきた

3/21 9:19

朝日連峰〜神々の山嶺（なんてね）

3/21 9:19

さて、次は清太岩山へ

3/21 9:25

反射して眩しい、サングラス忘れた

3/21 9:27

あの鋭角なピークは障子ヶ岳かな

3/21 9:32

ここからも竜門小屋みえてたのか

3/21 9:42

大朝日岳方面
今回の山行では結局一度も姿は見えずじまい

3/21 9:42

緩いナイフリッジ

3/21 9:44

こういうの一度やってみたかったんだよね^^

3/21 9:49

雲がとれ…とれ……取れない！

3/21 9:50

下界は完全に晴れましたね

3/21 9:54

良い筋模様

3/21 9:56

もう一回、障子ヶ岳

3/21 10:16

上からだと下降ポイントが分かりにくい
雪庇が発達していない所から傾斜がきついのでフロントポジションで下降した

3/21 10:16

どうやらまだ崩れてはいないみたいだ

3/21 10:18

横から雪崩箇所

3/21 10:19

下には5mはあるブロックが落ちている、あれが直撃したらひとたまりもないだろう

3/21 10:22

安全を優先するなら中央の雪庇が緩い所から登ったほうが安全だろう

3/21 10:32

遠望より雪庇状態
左端から下降してきた、昨日と同じポイント

3/21 10:55

高度が下がり、気温も上がって雪が緩んできた。

3/21 12:00

日暮沢小屋で少し休憩をとって再出発

3/21 12:03

例の倒木から渡ります

3/21 12:07

林道、左右で木の種類がきれいに違う

3/21 12:19

まだ残っていたスノーブリッジ

3/21 12:31

気温が上がり雪が重い

3/21 12:32

林道斜面の雪の状態
雪崩れても小規模程度かな？

3/21 13:08

沢を眺めつつ最後の小休止

3/21 13:29

水が流れているのは沢じゃなく林道です^^;

3/21 13:49

根子集落が見えた

3/21 13:59

スノーシューを脱いで少し歩けば

3/21 14:05

ゴール〜
お疲れ様でした！

3/21 15:16

おまけ
障子ヶ岳への林道入口

撮影機器：

PowerShot S120 CANON

装備

個人装備

長袖シャツ 長袖インナー ハードシェル ズボン 靴下 グローブ アウター手袋 予備手袋 防寒着 ゲイター 毛帽子 着替え 靴 ザック ザックカバー サブザック アイゼン ピッケル スノーシュー ストック スコップ 昼ご飯 行動食 非常食 調理用食材 飲料 水筒（保温性） ガスカートリッジ コンロ コッヘル 食器 ライター 地図（地形図） コンパス ヘッドランプ 予備電池 常備薬 ロールペーパー 携帯 時計 タオル ナイフ カメラ テント テントマット シェラフ

感想

manimani

　前々から行きたいと考えていた、冬季朝日連峰主稜線。
さて、どのルートで登ろうか、この時期はどのルートから登るにしても長い林道歩きが待ち受ける。悩んだ結果、一番登りやすそうな日暮沢コースにすることにした。

　根子集落から出発、この日は先行トレースが一名、人がいることに少しほっとした。日暮沢小屋までは林道歩き約7km、斜面からの雪崩に注意しつつ進んだ。
小屋から本格的な登りに突入、夏もきつかったが冬季は更に大変だ。

　今回、行く前から不安でしょうがなかったユーフン山先の最大の核心部のナイフリッジ、予想通りの怖さで危険な場所でした。過去の山行で一二を争う怖さだったかも。通過は生きた心地がしませんでした。
　その日は竜門山のピークに足を延ばして強風と景色も何も見えず、もう早々に竜門小屋に飛び込んでしまった。その夜は明日、この強風と天候が良くなることを願いつつ不安になりながら寝ることになった。

　翌朝、願いが通じたのか、昨日ほど強くはなく、風で体が飛ばされそうになることはなさそうだった。視界もまあ良好、これなら問題なく下山できそうだ。竜門山山頂から西朝日岳方面を眺めていると足を延ばしたくなったが、今回は止めておくことにした。帰りももちろん例の核心部を通過したわけですが、視界が良く風も弱く雪が付いて足場が良くなったせいももちろんあるのだろうけど、下山時の通過はそれほどの恐怖はなくなっているから不思議ですね。これが慣れというものなのでしょうか。

　核心部を抜ければ後は問題はない、天候も良くなり気持ちよく下山することができた、ただし、林道歩きはやはり疲れる……

　今回の目標だった冬季朝日主稜線、無事に辿り着くことが来ましたが、不満を上げるなら主稜線からの景色がほぼ見れなかったことでしょうね。

次回は天候が良くなる日が休日になりますように願いつつ今回はこの辺にて

コメント

juan

お疲れ様でした
昨年夏、お会いした道の冬バージョンですね。
夏でも遠いのに冬ならもっと遠く感じそうです。
しかも清太岩山から先が…。
天候が残念でしたがまたの楽しみにですね。

manimani

Re: お疲れ様でした
juanさん、こんばんは。
夏に何となく通過していた場所が危険な箇所になっていたりと、夏とはまるっきり印象が違う感じでした
天候 はホント残念でした、二日目に青空が見えてだけましといったところでしょう
次回は快晴で登りたいものです