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記録ID: 986846 全員に公開 無雪期ピークハント/縦走屋久島

屋久島縦走と観光

日程 2016年09月15日(木) 〜 2016年09月18日(日)
メンバー scientist(CL), その他メンバー1人
アクセス
利用交通機関
バス、 船、 飛行機

その他周辺情報海の華(しゃぶしゃぶ)☆☆
民宿永久保 ☆☆☆
松竹(そば)☆☆☆
過去天気図(気象庁) 2016年09月の天気図 [pdf]

感想/記録

2016年屋久島縦走
研究室のテレビで8月5日の金曜ロードショーを観た。もののけ姫だった。その場にいたうちのひとり市川さんと、シシガミの森のモデルとなったと言われる屋久島に行こうという話になった。一月半後、私の修論中間発表が終わり、そして秋入学の市川さんは卒業間近となる。9月中旬の屋久島には台風が来やすいが、結果的に私たちは強運を備えていたようだ。思えば市川さんとは那須・男体・日光白根・葛葉沢・筑波山を登ってきた。その集大成として、2泊の縦走を企画した。

09.15(Thu.)晴
0640羽田=(ANA619)=0820鹿児島空港0910=1004南埠頭1020=(Rocket114)=1305安房港1331=1432紀元杉1444-1508淀川登山口-1545淀川小屋
初日に淀川小屋に入れれば、二日目の高塚/新高塚小屋までが楽になる。なんとか朝東京を出て(タクシーを使わずに)淀川小屋に入る行程を組めた。早朝の飛行機で鹿児島に初上陸。空港2F『大空食堂』の朝食バイキングで鹿児島名物の鶏飯を掻き込んだら、急いで市内行きのバスに乗り、南埠頭へ。高速船Toppy&Rocketの予約はしていなかったが、休日を外したおかげか席には余裕があった。ちなみに学割がきく。ジェットフォイルに乗るのは2年前の伊豆大島旅行以来2度目である。流石まったく揺れないため、熟睡してるうちに種子島経由で安房港に到着した。出迎えてくれた変なセミの鳴き声は、鹿児島以南に生息するクロイワツクツクのものだ。さて20分後のバスまでに、どこかでEPIガス缶を買わなくてはいけない。ガス缶は飛行機に積めないからだ。港から走って10分のところにある『森のきらめき』の1階のお土産屋さんに置いていた。無事に購入し、警察署前バス停から紀元杉行きのバスに乗車した。少し山に入ると早速、車窓から屋久島の猿、ヤクザルを見られた。終点までは940円と意外とかかった。バス停から少し引き返して紀元杉へ。紀元杉の樹齢は約3000年。幹の腐ったところにに他の植物が根を下ろし、複雑な見た目になっている。紀元名水で水を汲み、のんびり景色を眺めつつ、登山口・淀川小屋と歩いた。道中は杉の巨木がそこいらにある。また、赤くて滑かな樹皮を持つヒメシャラも特徴的だ。距離は短いが、南国の気温と日差し、何より久しぶりの本ザックのため消耗した。念のためテントを持ってきたが、小屋は(翌日の新高塚小屋も)空いており使わなかった。今日の宿、淀川小屋からが世界遺産に登録された地域となる。小屋の周りには屋久杉や苔むした岩があって雰囲気がとても良い。すぐそばに屋久島の小型の鹿、ヤクシカもいた。人を恐れないということは、きっと餌を与える人がいるのだろう。小屋にはヤクシマヒメネズミが出るので食料は天井に渡してある紐に吊るしておくといい。適当に散策し、ジフィーズと缶詰を食べ、他の登山客と喋り、ラジオを聴き、小川で歯を磨き、音楽を聴き、そしていつの間にか寝た。素朴だがこれぞ山小屋ライフ。明日は秋雨前線が緩んで天気がいいそうなので楽しみだ。

09.16(Fri.)晴のち曇
0453淀川小屋-0607花之江河-0636投石平-0815宮之浦岳0840-0940永田岳1010-1130平石-1214第二展望台-1242第一展望台-1650新高塚小屋
不遜ながら山泊のノウハウを教えるわけだから、市川さんにもラーメン餅を振舞わないわけにはいかない。今朝の出来栄えは良かったが起き抜けの胃にはやはり重たい。視界が開けたところで朝日を見たかったので、ヘッデンをつけ5時に出発。小屋の周りには何頭かのヤクシカの目が光っている。高盤岳展望所で長めの休憩を取り、朝日に赤く染まる山と空を眺めた。森林の中から、ヤクザルの咆哮を聞いた。植生が徐々に変化し、シャクナゲが主となっていく。木道が敷いてある花之江河の湿原では、道端の木が根の隙間に澄んだ水を湛えており、まるで絵本のような幻想的な風景である。その先には黒味岳の分岐があったはずだが、うっかり見落としてしまった。エアリアに高地植物の宝庫と記されていただけに惜しい。投石平までの岩場に補助ロープがあるが、痛んでおり使用は危険。投石平では黒味岳と筑紫岳の奇岩に囲まれながらの休憩。ヒバリのように綺麗に鳴く小鳥を見かけた。筑紫岳を登りきったら、ササと花崗岩の稜線歩きを楽しめる。大部分の登山道には砂利が敷かれているが、これは世界遺産に登録された頃にヘリで運んだそうだ。時々足元をはねる小さい茶色のカエルはヤクシマタゴガエル。殻も体も黒いカタツムリもいたが種類は分からず終い。1800mくらいまではヤクシカがいて、たまに獣の匂いが鼻を刺す。栗生岳には岩の隙間に小さな祠があった。晴れていて風もなく真夏のように暑い。宮之浦岳の手前で頂上に人の気配を感じ、一番乗りではなかったことに少しがっかりした。鹿児島訛りのこの先客は、登頂30回目くらいだそうで、屋久島のことを色々と教えてくれた。ハーモニカの演奏も綺麗だった。おっちゃん(名前を聞きそびれた)とは、この日の行動をほぼ共にすることとなる。洋上のアルプスとはよく言ったもので、宮之浦岳からの眺めはとてもよく、近隣の島々・鹿児島・開聞岳までを一望できた。1936mの標高から船が見えるのだから驚きだ。東方は雲に覆われていたがそれはそれで天空の趣がある。予想以上に早く登頂したので、余裕を持って永田岳まで行ける。焼野三叉路に荷物をデポして向かった。少し行った水場は島の最高峰がほど近いにもかかわらずしっかりしており、屋久島の多雨を物語る。後ろからおっちゃんが来ているのが見え、永田の一番乗りは譲れないと我々も頑張ったが、頂上の手前で休んでしまい、直前でまんまと抜かされた。愚かだった。頂上の岩の上からは、永田漁港が見えた。その向こうに大噴火が記憶に新しい口永良部島もはっきり見える。宮之浦岳からドローンを飛ばしている人がいて、轟音を立てながらすぐ上まで来た。永田岳から下りる頃には、宮之浦岳をガスが包み始めていた。その後の各展望所でおっちゃんに写真を撮ってもらいながら、のんびり進んだ。第二展望台から北東を向くと屋久杉の林が見え、奇岩帯の終わりが近いことがわかる。高塚よりも新高塚の方が広い上に人が少ない。私の足にも疲労がたまっていたので、時間は早いが新高塚で泊まることにした。おっちゃんはこの日中に白谷雲水峡まで下った。そこに停めてある自転車で島を周るというから、恐ろしく健脚だ。新高塚の水場は立派だがたまにヒルが出るらしい。TSS汚水処理システムトイレはほぼ無臭でハエもいない。「トイレットペーパー以外は流さないように」の注意書きとともに携帯電話にバツ印の記号が書いてあったが、それをわざと流す人は多分いない。広いデッキで食事をしたかったが、なぜかキイロスズメバチに目をつけられ、場所を変えてもすぐに集まるのでジフィーズに湯を注いだら小屋の中に避難した。ラジオによれば、明日は午後から天気が崩れる。しかし台風16号はとてもゆっくり進んでいるようだ。

09.17(Sat.)曇時々雨
0553新高塚小屋-0652縄文杉-0728夫婦杉-0729ウィルソン株-0902トロッコ道-1022楠川分岐-1120太鼓岩-1158奉公杉コース分岐-1410バス停=1720永久保
下山に余裕があったので6時前に出発。すぐに明るくなった。稜線上よりも森林の方が動物の気配が多く、ヤクザルとヤクシカが近くを通ったり、時に道をふさいだりした。なおクマ鈴をつけていなかったが、屋久島にクマやイノシシはいないらしい。高木の疎林に佇む高塚小屋は、朝日を浴びてとても美しかった。テントが何張りかあったので、昨夜は混んだのだろう。小屋から少し進むと、いよいよ島最大の屋久杉、縄文杉が現れる。写真で見るよりも高さがあった。しかしこれまで杉の巨木を見すぎたせいか、さほどの感動はなかった。縄文杉を過ぎたところで緑色の変わった鳥を見つけたので写真を撮っていると、通りがかったガイドさんがズアカアオバトだと教えてくれた。南国に生息するアオバトらしい。夫婦杉の先で自然観察路が分岐している。遠回りだが、手つかずの自然を楽しむためこちらの方を行くことにした。分岐してすぐ、ヒガラの番が木の間を引っ切り無しに飛び交っていた。追いかけっこに夢中なのか、私たちをまったく警戒することなく手の届く距離で囀ってくれ、あまりの近さに感動した。自然観察路には植物の名前を書いたプレートがいくつもあり、覚えながら進むと楽しい。ウィルソン株の手前で再び先ほどまでの大株歩道に合流する。ウィルソン株にはすでに今朝入った観光客がたくさんいた。株の中に入ると小川が流れていて洒落たインテリアだ。少し休憩して出発すると、今度は河原で地鳴きをしているミソサザイを発見した。お尻を上げて鳴く姿がとても可愛いかった。しばらく行くとトロッコ道に合流する。合流地点には大勢の観光客がいて、もう下界か、と一気に気が抜けてしまった。トロッコ道を行くと左手から「ジェーイ」とカケス。ヤクシマカケスというのもいるが、野外観察でカケスと判別することは困難らしい。何組ものツアーとすれ違いながら延々と下る。次第にアブラセミの声が聞こえ始める。楠川分岐から再び短い登山道だ。ちょっとした登りがこたえる。途中で雨が降り、初めてカッパを着たが、程なくして脱いだ。辻峠にザックをデポして太鼓岩に登った。太鼓岩には風で飛ばされた帽子を身を乗り出して取りに行く人、濡れた岩の上でジャンプする人、色々いて肝を冷やした。ガスで視界は悪かったので、写真を撮ってすぐ戻った。その先に白谷雲水峡の各散策コースを示す地図がある。バスの時間まで余裕があったので、長めの奉行杉コースを行き、特徴的な屋久杉を見物した。その後、一旦バス停まで行ってザックを置いて引き返し、白谷雲水峡をくまなく巡った。バスは始発駅なのに10分遅れ、ルーズだなと思った。山を下るにつれて雨が弱まり、宮之浦に着いた時にはまた南国の暑さだった。ヤクシカの肉を刺身か焼肉で食べたかったのだが、ここ数週間捕獲量が少なく専門店にもあまり卸されてないそうだ。諦めて食事処を探しながら宮之浦港までウロウロしたが、昼飯にしては時間も遅かったので、どこも閉まっていた。お土産屋『武田館』のお母さんに昼食を探していると訊ねたら、知り合いの『海の華』に電話してくれた。2人前のしゃぶしゃぶなら用意があるということで、休憩中の所を開けて頂いた。車で迎えに来てくれるまでの間、冷たいお茶までいただきとてもありがたかった。海の華で食事した後、近所のスーパーで酒やサンダルを買い出し、Aコープ前バス停から今日の宿がある永久保までバスに乗った。民宿永久保は人柄のいいご夫婦が営むペンションで、洗濯機や乾燥室を自由に使わせてもらえる。一通り済ませたら、リビングで酒を飲みながら翌日の島一周計画を立てた。

09.18(Sun.)晴
0750永久保=1530屋久島空港=(JAC3752)=鹿児島空港=(GK628)=成田空港
出発前、民宿のリビングに飾るための記念撮影をし、写真にコメントを書いた。空港までバスで行き、まつばんだ交通で車を借りた。反時計回りに行くので、まず宮之浦から。屋久島発・たんかんジュースを飲み、ホテルのあんぱんを買って食べた。昨日のお礼がてら武田館によってお土産を買い、銀行で金をおろし、北へ。志戸子ガジュマル園の受付で、いきなり尻ポケットに蚊取り線香を吊るされ、うちわを渡された。変わったサービスだなと思って入園した途端、なるほど、蚊の大群に襲われた。腕や足をうちわで叩きながらも先を急ぎたかったが、朝いちばんの客だったからだろう、今度は糸でぶら下がった芋虫のカーテン。なんじゃこりゃ。ガジュマルが全然入ってこない。一応ぐるりと周ったら逃げるように園を後にした。西へ。田舎浜はこの夏初めてのビーチ。美しい砂浜を二人で独占した。ここ永田には近年移住する人が増えているらしい。現役の屋久島灯台は白い壁面が青空によく映える。灯台の先を覗き込むと、岩礁が透けて見えるほど海が綺麗だ。ここから南への道は世界遺産登録地域であり、西部林道と呼ばれる。ヤクシカ・ヤクザルがたくさんおり、中でも今年生まれた小鹿とその母親の触れ合いを間近で見ることができて愛くるしかった。猿と鹿はよく共存していた。西部林道を抜けると再び海岸ドライブ。大川の滝を見て滝風を浴び、栗生で昼を迎えた。地元客で賑わう手打ちそばの店『松竹』に入りとても美味しいそばと鯖の炊き込み御飯を食べた。平内海中温泉は混んでいると読み、手前の湯泊温泉に行った。平内ほど海が近くはないが、二人だったのでタオル一枚で海まで行って泳いできた。東へ。恋泊で良さそうな陶工房を見つけたので、坂を登って行ってみた。ここで杉ぞうくんマグを購入。久しぶりに自分用のお土産というものを買った。巨大な花崗岩スラブに挟まれた千尋の滝を見たら、もう旅は終わりに近い。安房を通過し、民宿永久保で紹介してもらった『八万寿茶園』の抹茶アイスを食べ、レンタカーを返しに空港に向かった。あまり減っていないガス缶は空港で没収。小型のQ400に乗って島を発った。鹿児島空港の『米米麦麦』で角煮丼を食べて荷物を預けたら、日本最大の実在人物像である西郷隆盛像がある近所の公園に行った。公園はすでに閉まっていたが、塀からはみ出した西郷どんをカメラに収めた。空港の土産屋で三岳を探したが無く、代わりに碧空にしようか、などと言っていたところで原酒屋久杉を発見。特に知らなかったのだが、陶器の入れ物と化粧箱を見てジャケ買いした。帰りの飛行機が遅れたため、私の帰宅は困難になった。せっかくなので旅行の2日前に引っ越したという市川さんの新居を見にいくことになった。快く泊めてくださりとてもありがたかった。翌朝、無事に帰宅した。
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