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会社の同僚は白駒池とかバンバン紅葉を見に行ってますが、私は引きこもりです。
MS創始者メンバーのポールアレン氏ですが、第一弾で発表した彼の創った「Vulcan FlipStart PC」の紹介をした後、程なくしてお亡くなりになったとの情報。この場をお借りして哀悼の意を表します。
昔集めてたPC第二弾です。今回は私の大好きな三菱Pedionさんです。
元祖「持つ喜び」をキャッチフレーズにしたパソコンです。
当時の三菱はとんがってて自前の技術を惜しみなくPCにつぎ込む姿勢でパソコンを作っていました。
マグネシウム合金の筐体、ノートPC初のリチウムポリマーバッテリー、独創的なHPと共同開発のキーボード、液晶パネル一体のLCDにより世界最薄のパソコンを作り上げました。
当時は円筒形バッテリ18650が主流だった事により、20mm以上の厚さのPCが当たり前だった時代で、世界で初めて薄さ18mmになったパソコンでした。
後に出た現在のウルトラブックの仕様にも合致するバイオノート505エクストリームですら21mm。
シャープの驚異的薄さが注目されたムラマサですら19.6mm
しかしながら個人所有よりは企業導入、モバイルPCの黎明期にあって、半ば職人的な「鍵打感」を重視する雑誌記者のレビューでも大分苛められてしまい、販売は苦戦
高価な部品の構成で作られてましたが、基幹部品のリチウムポリマー電池の開発に事実上失敗してしまい、ソニーセルの薄型リチウムイオン電池供給に切り替わるなど、早すぎたPCでした。
メモリ構成は32MB〜64MBで固定。薄さを追求するあまり当時は東芝でしか作ってなかった薄型2.5インチHDDも1GBと容量的には不足感がありました。
最小構成の200Mhz:32MBのマシンで57万、最大構成のフルセットで72万円と、アップルのパワーブックが100万以上してたのを除けば世界で一番高いクラスのWindowsマシンでした。ThinkPad最上位機種の770も販売は低迷したようですね。
開発段階から他部署一丸となって設計に当たったらしく、3次元キャドを使って本体設計や強度シュミレーションなどを行う一方、マザーの多層基板は開発が追いつかなかった節があります。
初期型Pedionには「シサキ」の記述のICある、青色ジャンパ線が幾重にも張り巡らされたバージョンが存在しています。
販売を急いでたのでしょうね。正に手作りの芸術品といった趣を感じます。
組み立ては三菱熊本。液晶パネルの工場があったためと言われています。
キーボードは静かで図書館でもガンガン使えたPCでしたね。
今じゃ全くキーボードの無いYOGABookなんてのが出てますから。
この頃の三菱共通に言える事ですが、BIOSには癖があって、大容量HDDを換装するには上位機種のPedionEMでFdiskとか、MBRコマンドを実行する必要がありました。
何故か大容量HDDを搭載しようとすると、シリンダ数だかセクタ数を合わせる事が出来ないトラブルを抱えていました。
販売の方では三菱も精いっぱい頑張りました。当時金持ちだったドコモと提携。ヒューレットパッカートにもOEM供給しました。
が、ソニーの大ヒットPC「バイオ505」の出現により最後には投げ売り状態でした。
改造に当たってはBGAチップの基盤をテスターで当たったりしましたが、開発者の方は意地悪でメモリ増設のランドが基板上に出してなかったので暫くの間はメモリ増設改造は128MBまでしか出来ないとされていました。
が(笑)BIOSで使用するメモリをEDOとして規定したモバイルトライトン430TXのメモリアドレス線12が、何とメモリバンクRAS線として転用できる事が判明し、BGA実装ICのレジストを削って直接信号を取り出すことでメモリ限界超え搭載に成功。晴れて192MBのPedionが出来ちゃったのです〜。
三菱Pedion
型式:M3041-****
コードネーム SLENDER NOTE SN
MMX200〜233Mhz
メインメモリ32MB〜64MB
HDD:1GB
写真一枚目:BIOS画面(今見てもカッコイイ)
ドコモ版「Pedion for docomo」
拡張ドック+拡張バッテリ
日本ヒューレットパッカート版「HP Omnibook Sojourn」
写真二枚目
特徴的なキーボード
下:初期型Pedionのクリアコートのあるキーボード(正式名称不明:何方か教えてください。)
上:「弱溶着ボスタイプ」のUS版キーボード
後期型のキーボードです。
写真三枚目
MMX266MhzクロックUPと、EDO192MB実装のマザーボード
緑色のジャンパ線がBGAチップから取り出したメモリアドレス12信号線をメモリRASピンに飛ばす線です。
試作機は黒の部分が緑色だったらしい。
今思えば、ドコモの10円メールって何だったんでしょうね。
50万もかけて1通10円のメールを出せますよって、今思えば相当燃費悪いですよね。当時は画期的だったのですがw
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レビュー
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/970909/pedion.htm
ドコモ版レビュー
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980305/docomo.htm
元MDさんのヤマレコユーザーさんってあまりいないのかな・・・
当時の事を教えて下さる方がいらしたら凄くうれしいです。
次はやべ〜もん出そうかと。
チャンドラIにしようかと。派生機が多すぎてチャンドラ押しになりそうですが、このマシンだけはまずそうなら非公開にするかもしれません。
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