剣ヶ峰の手前から視界が開けたが、稜線はガスっていた。剣ヶ峰の稜線には雪がなく、岩稜帯ではあっても歩きやすかった。三国小屋を過ぎてからの稜線は夏道と雪田が交互に現れた。切合小屋を越え、草履塚、姥権現、御秘所などと面白い名前の標識を楽しみながら登って行くと今夜の宿舎、本山小屋に着いた。
雲が湧いていて展望は良くなかったが、とりあえず主峰の飯豊山に向かった。14時4分登頂。写真だけ撮って本山小屋に戻り、泊りの準備を済まして外に出て景色を楽しんだ。平日なので泊まり客は数人しかいなかった。
翌日は快晴だった。日の出の景色を楽しみ朝食を済ませた後、5時35分に下山開始。花々と残雪の美しい稜線を楽しみながら下った。種蒔山を過ぎ、七森手前の雪田の上でKさんと出会った。といってもKさんとは初対面。本名も顔も知らないネット上の知り合い(?)だ。
実は飯豊山に行くにあたって、飯豊山好きの地元の方が開設していたサイトに「雪山初心者ですが、雪はどのくらい残っていますか」のようなことを質問した。すると何人かの方が返事をくれたのだが、一人だけ「そんな質問をするレベルの人には今の時期の飯豊山は無理。止めなさい」という辛口コメントをくれたのがハンドルネームKさんだった。Kさんは飯豊山ではかなり有名な方で、下山途中登ってきた地元の人と会話する中でKさんもじきに来るということを聞いていた。その後すれ違う登山者の中にKさんがいないか探していた。らしい風貌の人を見つけて声をかけたところ、やっぱりKさんだった。Kさんも自分が無事に登れたか気になっていたようで、お互い自己紹介した後、飯豊山の興味深い話を聞くことができた。
Kさんと別れた後、登ってきた道を順調に下ったのだが、雪の稜線から夏道の樹林帯に戻る場所が分からず、しばらくウロウロした。登山口には11時28分に戻った。土曜日なので駐車場には車がいっぱい停まっていた。帰途、見かけた麓のそば屋に寄ったがむちゃくちゃ美味しかった。後で調べたら山都そばの人気店だった。
思っていたより雪は多くなかったので、難儀すると思っていた飯豊山は無事に登ることができた。とは言っても飯豊連峰のうちの主峰に登っただけ。その後、祝瓶山や二王子岳、御神楽岳などに登ると飯豊連峰の稜線がきれいに見えた。2016年8月に朳差岳に登って目の前に延びる飯豊連峰の長い主稜線を眺めたとき、次は絶対朳差岳〜飯豊山を縦走したいと思った。山の宿題は他にもいっぱいあるのだけれども、飯豊連峰と朝日連峰の縦走は優先度が最高位である。
写真左:本山小屋から飯豊山
写真中:本山小屋から大日岳
写真右:種蒔山から飯豊山
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する