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その頃、私は奈良県在住で、週末になると大峰や台高の山々に通ってました。当時、太古ノ辻より北の大峰奥駈道はほぼ踏破し終えており、いよいよ太古ノ辻以南に取り掛かろうとしている頃でした。その事前の偵察のつもりで、その日も大峰の笠捨山に登りに行っていました。
そして、ソイツに遭遇したのです。。。物音に視線を上げると登山道を走っていく動物の後ろ姿が見えました。タヌキぐらいの大きさで白茶けた色。あっという間に登山道をはずれ、ヤブの中に姿を消してしまいました。
なんじゃ、ありゃ???タヌキか?夜、登山口へとクルマを走らせている時などにタヌキは何度か見たことがありますが、毛色はもっと黒っぽかった気がする。。。キツネやイタチではないな、体型がずんぐりしてたし・・・
その時はその動物の正体がわからず、大方、年をとって毛の色素がうすくなったタヌキではないか(人間だって白髪になるもんな)などと自分を納得させたのでした。
閑話休題。
過日、上野の国立科学博物館で開催中の「特別展 深海」を見たいと思い、お昼頃に行ってみたら、なんと待ち時間100分!ダイオウイカがこれほど国民的人気者とは知りませんでした。。。
とてもじゃないが、そんなに待っとれんな・・・ダイオウイカの動画は次に機会にするしかないな・・・せっかく来たんだから常設展示でも見ていくか。。。
国立科学博物館には忠犬ハチ公の剥製、「南極物語」のジロの剥製、世界に4体しかないニホンオオカミの剥製のうちの1体などが展示されていて、ご覧になった方も多いかと思います。そういった剥製のなかに、7年前に遭遇したソイツを見つけました。
ニホンアナグマ、だそうです。
ネットで拾った写真で両者を比べてみると「全然違うじゃん」とわかるのですが、当時は毛色の変わったタヌキであろう、と信じて疑いませんでした。
自己弁護するわけではありませんが昔の人達も結構おおざっぱにこの両者を混同・同一視していたみたいです。「同じ穴の貉(ムジナ)」という言葉がありますが、このムジナがニホンアナグマの事らしい。
Wikipediaより。
『ムジナ(貉、狢)とは、主にアナグマのことを指す。地方によってはタヌキやハクビシンを指したり、これらの種をはっきり区別することなくまとめて指している場合もある。
この混乱は、「マミ」のような地方名を交えて、非常に複雑な様相を呈しており、栃木県の一部のように、アナグマを「タヌキ」、タヌキを「ムジナ」と呼ぶ地域さえある』
新たにハクビシンなる動物が出てきて余計ややこしくなってしまいましたが、現代の我々よりもこういう小動物に接する機会が多かったであろう昔の人達も混同・同一視していたぐらいですから、現代人である私に見分けがつかなかったのは無理からぬことです。。。
タヌキ・ムジナ事件(大正時代に大審院で実際にあったムジナがタヌキに該当するかどうかで争われた狩猟法違反事件)は判例六法にも載っている有名な判例だそうです。
日本の民話ではムジナ(ニホンアナグマ)はキツネ・タヌキと同様、人を化かす生き物として描かれているようで、私も7年間化かされていたようなものです。。。
ニホンアナグマ、恐るべし・・・
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