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新穂高中尾温泉の民宿「まほろば」を相棒と初めて訪れたのはいつだったか。無雪期の錫杖岳の岩登り、積雪期の槍穂の定番コースがこのあたりを玄関口にしていたので新穂高温泉にはよく来ていた。バスターミナル付近には今は無い「山男の湯」という無料のお風呂があり下山時に入った。たぶん「山女の湯」もあったと思う。冬は寒いので暖房の効いた立派なトイレの中で寝たこともある。当時「まほろば」があったかどうか知らないが泊まった事はなかった。
別室の囲炉裏での飛騨牛の串焼き。食堂で食前酒に始まりナマズやニジマスの刺身。旬の山菜や手作りのソバ、ヤマメやイワナのホイール焼き各種総菜の小鉢、飛騨牛のすき焼きやしゃぶしゃぶ、季節により少しは違うがそれらが品のいい器に盛られ眼を楽しませてくれる。締めはご主人手作りのヨーグルト。
ハイキングをするようになり10回以上訪れたと思う。イワナの骨酒の味を覚え、それが楽しみの一つになった。天然のイワナが入った時はご主人が嬉しそうに知らせてくれた。お風呂は内湯の他、笠、錫杖、穂高、焼岳の四つの露天風呂。三か所の入口の木札を裏返すと入浴中になり貸し切り露天風呂になる。冬は少し寒いが露天風呂周囲の景色が最高で湯舟に浸かり幸せを噛みしめる。
山友に言わせれば新穂高温泉には他にも良いところがいっぱいあるとのこと。でもご主人や女将さん、スタッフの持つ雰囲気がとても心地良く遠方の山からの帰りにもよるほどのリピーターになってしまった。女将さんは長岡の人でご主人より年上、ご主人は「金のわらじ」どころか「ダイヤモンドのわらじ」を履いてでも・・・と絶賛(何かミスったのかな?)。
和風生地を使った女将さん手作りの敷物や飾りが各所に置かれ、ご主人も木彫り細工の小物を展示している。露天風呂もご主人が温度調整の水を引き入れ現在の姿に築き上げたとか。スタッフも訪れるたびに変わるが皆さん感じがよく、普段は山のガイドをしているおばさん、手伝いに来てくれる長岡のおじさん、山小屋で働いていたフランス人と日本人のハーフの娘さん、ここが気に入り九州の方から修行に来ている娘さんのことが、長話をする訳でもないのに印象に残っている。
足をけがしたご主人は以前の元気がなくなってきた。女将さんも私と同い年だから忙しい時は大変だったと想う。記憶は前後するかも知れないが、白山チブリ尾根から三ノ峰周回の時に腰痛で下山が遅れ予約をキャンセル。そのお詫びがてら尋ねた時は、イタリアンレストランで働いていた息子さん夫婦が子供を連れて帰ってきていた。その時はイタリア料理も少し出た。
リピーターの多い「まほろば」も若い世代になり少し淋しい思いもしたがそれも時代の流れ。最後に「まほろば」に行ったときは元の「まほろば」の伝統料理に戻っていた。女将さん曰く修行の娘さんは九州に帰ったとの事。ホームページで観る限り若主人の代になり、ますます繁盛しているみたいだ。先代のご主人、女将さんはお元気なのだろうか。
※何枚も撮った写真が見当たらず「温泉の杜」HPの写真を転載させていただきました。
※写真出てきました。正月に撮った写真です。錫杖岳が写っています。
拝読し、訪れてみたい気持ちになりました
人の温かみと自然からの癒しを感じます
素敵な記憶の共有をありがとうございます
コメントありがとうございます。
「まほろば」の料理は量質とも私達に合っており、雨飾や濁河など他の宿に泊まっても、「まほろば」が良かったという事になってしまいます。
温泉は淡白ですが貸切の露天風呂は落ち着きます。
山も槍や笠は遠いが焼岳や福知山は比較的近いです。当時は山小屋料金プラスアルファで利用でき最高でした。
近くに行かれることがあれば寄ってみてください。
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