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2012年11月12日 13:00講習会全体に公開

「日光修験三峰五禅頂の道」講演メモ

第6回秋季講演会
日時:24年11月10日(土)16:00〜18:00
会場:コンセーレ1階 大ホール
主催:日本山岳協会栃木支部・財団法人栃木青年会館
演題:「日光修験(にっこうしゅげん) 三峰五禅頂(さんぷごぜんじょう)の道」

講師:池田正夫氏
昭和13年3月5日、宇都宮市古賀志町生まれ。宇都宮大学学芸学部卒。宇都宮市立姿川第一小学校長(平成5〜7年)宇都宮市泉が丘小学校長(平成8〜9年)を歴任。退職後、宇都宮市立中央公民館社会教育指導員(平成10〜13年)を勤めた。退職後に山行を始め、平成11年から6年かけて日光修験三峰五禅頂の全行程を6巡。現在、県内の古道の山道を踏査中。

講演内容
★動機(どの様な事で取り組んだか)
60才までは、日光の山は眺めるもので登る山ではないと言う考えであった。
・原点は古賀志山(どうして登る様になったか)生まれが古賀志山の麓で、20歳までは家の手伝い(木の葉さらい)で、常に古賀志山に登っていた。幼少時代に父母と分かれ父方の家に世話になり、小学校5年の頃に夕日が沈む景色を御岳に登り自然に見ていた。職場を退職後、ラジオの放送で「父親は夕日の中にいる」と言う言葉を聞き、少年時代に御岳に夕日を見に行っていたのはこの事かな?と思った。中学1年の時に放送で流れていた「アザミの歌」が心をうって、今でもアザミの歌が好きです。アザミの歌は、小学校時代に古賀志山に夕日を見に行っていたことを思い出してくれます。
・一冊の本(歩こうと思った要因)
中川光憙先生の本【四季日光】を読んで、横根山に沈む夕日を見ていたことを思い出した。これが要因の一つ。勝道上人は女峰山、帝釈山、小真名子山、大真名子山から男体山へのルートで男体山に登る事を3度失敗している。その様な事から勝道上人が歩いたルートを歩いてみようかなと思い。歩くきっかけになった。
★単独山行を支えたもの
中央公民館で社会教育指導員を4年間過ごした。1週間のうちの3日間は休日。休みを利用して山に入った。単独山行。しかもピストン山行。単独山行をするに当たり心がけた事は、地図を良く見た。各日入山に当たり地図を暗記、一日中地図を見て覚え込んだ。そして往路の状況だけでなく、復路の様子もコースの周りの状況も覚え込んだ。山に入るのに他人に迷惑をかけない様。頼るのが自分だけなので慎重をきした。そして勘違いしない様に、思い込みの誤認を避けるには地図を良く見て現地に行った。現地と地図、そして頭の中。三者を融合させながら歩いた。自己防衛策として、杖に赤いテープを巻いてポイントには付けた。持ち物は、爆竹とライターは必ず持って行った。そして、スズ、笛、ナタ、ノコギリ、草刈鎌、スコップ、ロープ(10m)そして水はペットボトル4本(中身はレモン、梅干し、酢を自分で作る)各山10時間の山行で飲みつくしてしまう。マウンテンバイクも利用、知人の家に置かせてもらった。
★古文書と現地の検証(拠り所としたもの)
日光市市史の中に古文書(中川光憙先生)がかかれていて、冬峯、夏峯、秋峯時折に歩いてみよう。頼りになるのは四つの古文書のみ。一番先に取り組んだのは、勝道上人が芳賀町で生まれ、いずるさん万願寺から弟子を10人引き連れて日光山についた。三峯とは冬峯、華供峯、夏峯を総称して言う。五禅頂とは、秋の峯修行である。三峯五禅頂は、四季に応じて、日光の山中で行われた入峯修行の総称。
★山行の経緯
不動岳【現在の尾出山】から雑木林が多く「クマだな」が多くある。スズの他に爆竹を鳴らしながら歩いた。峰々の祠の年号を見て、写真を撮って歩いてくる作業。鍋山から鳴虫山を歩いて分かった事ですが、宿は必ず鞍部にある事を知りました。不動岳山頂には、古い年号(1527年)の本郷堂が、峠には水場がある。本郷堂の扉には「不動岳」とあります。尾出山は昔、不動岳と言っていたのでは。地域の名は歴史の中で変わると言う事も知りました。
・1年目
日光まで。勝道上人は男体山登頂に3度失敗している。それは女峰山から入ったので失敗した。これでは修験道を歩いた事にならず、ただピークハントをしたという事で、夏峯の史誌に書かれている土地の名前が分からず何度も歩いた。こんな事で1年目は終わってしまった。
・2年目
夏峯の挑戦が始まって、鳴虫山、細尾峠、茶ノ木平、歌が浜、於呂倶羅山まで、一回りしたが落とし穴があった。冬峯は冬峯に歩かなければ当時の様子が分からない事に気が付いた。古峰ヶ原から地蔵岳も50cmの積雪。当時の勝道上人が歩いた時には雪踏み人側がいた。その点違う。単独でこの冬峯山行が大変な思いをした。
・3巡目
1,2年に着けた赤のテープが役に立った。四季に応じて歩く。古文書と現地の検証。
現地と古文書を確認する作業であった。分からない事は何度も現地に出向いた。
・4・5・6巡目
冬峯は厳冬期に辿るべし。華供峯、夏峰、五禅頂も同断
★筆録に三年を要した。
★現在、故郷志向。「古賀志の里歳時記」を出版、「古賀志塾を開設」している。
★最後に、
山行にあたって、一番いやだった事。シカ狩りの猟銃でした。ライフルに対抗するには、爆竹しかなく、鳴らすと猟師からシカが逃げてしまうと言われた事があり、狩猟の期間が一番大変だった。もちろんイロハ坂を歩いて下る事も大変でした。余命は後2年と自分に言い聞かせ、常に自分を追い込んできた。

今日の講演会のメモです。皆さんに参考になるかなと思い日記に記録しました。
なお、この本は随想舎から出版されています。
全踏査「日光修験三峯五禅頂の道」池田正夫 氏
興味のある方は是非お買い求めください。
(定価:本体4,700円+税)
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コメント

RE: 「日光修験三峰五禅頂の道」講演メモ
不肖池田正夫です。ブログ拝見、恐縮至極です。貴殿の希有な行動力と発想力に敬服いたしております。これからも貴殿の御力添えをいただくことが多々あるかと存じます。と申しますのは、貴殿の御力を借りて、満身創痍の古賀志山を守りたいと念じているからです。先ずはブログの御礼まで。
2013/1/12 21:37
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