先月訪れた縁坂峠に掛けられていたプレートに引用されていた上記の一節が印象的だったので、地元の図書館から上・中・下巻まとめて借りてきました。
副題の通り、京都市近郊から若狭へ至る街道上、またそれに沿って点在する集落間を結ぶ多くの峠について著者による案内・随筆文が記されています。
前書きで著者は近代的な登山のあり方を危惧し(「融け込むべき山に肩肘を張って対立している。これでは日本の山の美しさが分からない。これは大変なことである。この断絶は繋がれねばならない」)、かつて先人たちが自然と接した峠道をさぐる心の重要性を説いています。冒頭で引用した縁坂峠の解説文はそうした筆者の思いを象徴しているようです。
上巻の初版が昭和53年ですから40年近く前になりますが、こういう本は古い方が味わいがあっていいですね。この内容を読んでから実際の峠道を歩けば見える景色が変わってきそうです。
写真は、現在は林道の敷設ですっかり様変わりしてしまった魚谷峠
(上巻巻頭のカラーページに収録)
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