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実技で、まず最初に、胸骨圧迫を何度も繰り返し練習し、次に、複数の救助者がいる場合を想定して、傷病者発見後、心肺蘇生とAEDを両方実施しながら胸骨圧迫の交代もするなど、いくつかの状況を何度も繰り返して通し練習できたことが、とても良かったです。
心肺蘇生法やAEDの使い方については、過去に講義や研修で1〜2度、練習する機会があったのですが、いずれも1回だけ、かつ、ごく部分的だったので、「かなり不安」と感じていましたが、今回、何度も繰り返し練習して、「私にもできそう、やろう」と思えるようになりました。
そして、講師の方々が講習の最初にも最後にも、「あとは、自信とほんの少しの勇気が大切。自身の大切な人、誰かの大切な人の命を救うために」と、熱心に繰り返し説明されていたことに強く共感しました。
写真1:講習テキスト、三角巾、マウスピース(教材、当日配布)
写真2:認定証
以下、受講した内容の備忘録です。
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⛰ 上級救命講習
・日時:2019/08/06(火) 9:00〜17:00(8:45集合)
・場所:立川防災館3階体育館
・受講料金:2,600円(事前にコンビニ払い)
・参加人数:約45人(男性4:女性6、年齢 10代〜60代くらい)
・Agenda:
AM:
・心肺蘇生法(胸骨圧迫、人工呼吸)
・AED(自動体外式除細動器)の使い方
・実技テスト
PM:
・小児、乳児の心肺蘇生法
・筆記テスト
・三角巾の使い方
・搬送の仕方
・まとめ
・アンケート
・認定証交付
公益財団法人 東京防災救急協会
http://www.tokyo-bousai.or.jp/lecture_kousyu/
2019年度開催日程一覧(東京都)
https://www.tokyo-bousai.or.jp/wp-content/themes/tokyobousai/download/lecture/kyukyu/mq7lgl00000008ta-att/k_kousyu_h31.pdf
🚑 Tips1(全体):
・AEDの使い方も繰り返し練習し、電源スイッチを押して電源を入れるものと、フタを開けると自動で電源が入るものを両方使いました。
・実技と筆記のテストは、どちらも受講者全員合格でした。指導は、とても熱心で親切でした。
・お昼休みは1時間(12:00〜13:00)でした。立川防災館の場合、建物内にも、すぐ近くにも売店等がないので、昼食は要持参でした。
・認定証の有効期間は、以下のとおりです。
- 認定証の有効期間は3年で、3年以内に再講習を受講することで認定が継続される
- また、有効期間の6ヶ月前から末日までに再講習を受講した場合は、初回の認定日を起算日として3年が有効期限になる
- 平成30年4月1日より認定証有効期間の起算日が変更された
- 上級救命講習は、普通救命講習を受講していなくても受講できます
認定証有効期間の起算日の変更について
公益財団法人 東京防災救急協会
https://www.tokyo-bousai.or.jp/lecture_kousyu/
上のサイトの赤字の「詳しくはこちらから」を参照
🚒 Tips2(テキストの内容と実技):
・意識なし、普段どおりの呼吸なしを確認 → 救助要請して、救命処置する
・救命処置:心肺蘇生(CPR)、AEDを用いた除細動、気道異物除去
・応急手当:救命処置、その他の応急手当(ファーストエイド)
・その他の応急手当:止血、外傷の応急手当など
・胸骨圧迫
- 強く速く絶え間なく(成人の場合、深さ5cm, 速さ100〜120回/分, 30回/set, 救助者が複数いる場合は、1〜2分で交代)
- 胸骨は頑丈、そのまわりの肋骨は弱い
- 胸骨圧迫をしている間に、手の位置をずらさないように
- 他の救助者が人工呼吸する場合、待っている時に手を浮かせないように(位置をずらさないため)
- 練習は必ず人形で行ない、人間の体で練習してはいけない
・人工呼吸
- 反応がなくなると、全身の筋肉が緩む。舌の筋肉が緩むと、舌が喉に落ち込んで(舌根沈下)、空気の通り道を塞いでしまうため、気道確保する必要がある
- 人工呼吸は、口を大きく開けて傷病者の口を覆い、呼気がもれないようにする(マウスピースがありの場合も同様)。1秒かけ静かに息を吹き込む。軽く胸がふくらむ程度。2回/set 行なう
- 嘔吐や吐血がある場合は、人工呼吸は控える
・救助者が複数いる場合は、一人は、傷病者のあごをあげて気道確保する。救助者が一人だけの場合は、胸骨圧迫と気道確保を交互に(30:2)行なう。
・AED
- AEDが到着したら、AED最優先
- AEDを実施した場合、救助隊にAEDのショックの回数も引き継ぐ
- AEDは、大人用を小児に使用しても良いが、小児用を大人に使用しない。エネルギーが不足し、除細動の成功率が低くなる恐れがある
- AEDを返却するときは、必ず使用したことを伝える。使用後はパッド交換が必要で、万一、交換していなければ、次に使えない。
・AEDの電源が入れば(電源を入れたら)音声メッセージのとおりに行動するが、以下にも注意する
- パッドを取り出した後、シールはすぐに剥がさない。先に衣服を開く
- パッドを貼る位置に汗をかいていれば、その箇所だけ汗を拭く
- パッドを貼る位置をよく確認して、貼る直前にシールを剥がす
- パッドは素肌に密着させるように貼る。パッドが鎖骨にかかると空気が入ってしまい、心電図の解析ができなかったり、除細動が実施できない可能性があるので、鎖骨を避けて貼る
- AEDが心電図を解析している間に傷病者に触れると、救助者の心電図を拾ってしまう可能性があるので、傷病者に触れない
- AEDが電気ショックを実施する間に傷病者に触れると、救助者に感電の危険があるので、傷病者に触れない
・傷病者に何らかの応答や目的のあるしぐさが出現したり、普段どおりの呼吸が出現すれば、心肺蘇生(と使用していれば、AED)の繰り返しをやめ、回復体位をとらせて嘔吐に備える
- 上向きのままだと、嘔吐時に気道がつまる
- このとき、AEDを使用していれば、救急隊が到着するまで、AEDの電源はONのまま、パッドも貼ったままにしておく(傷病者の状態が再び変わるかもしれないから)
・止血は、直接圧迫止血法を優先して行なう。止血帯法は訓練を受けていない市民には推奨しない(神経損傷、筋肉損傷を引き起こすことがあるため)
・感染症防止のために手袋がなければ、ビニール袋で良いので使う。大量出血の場合、目の粘膜から入ることもあるので、顔も注意する
・熱傷面積の概算は、広い場合、9の法則、小さい場合、手掌法(手のひらの面積が約1%)を用いる(成人の場合)
・火傷の水ぶくれは絶対につぶさない(水ぶくれの中で一生懸命治している)
・火傷の冷却(流水)は、20分単位で。ただし、広範囲の場合、体温の低下を避けるため、10分以上の冷却は避ける
・気道熱傷の応急手当は気道切開(=すぐに119)
・毛布による保温は足をくるむのが最初(左右より先、保温効果が少しでも高い)
・具合が悪くなることが多い場所は、CPRに適さない箇所であることが多い→搬送。山でなくても、トイレやお風呂などは、具合が悪くなることが多い場所。傷病者の背部から後方に移動させることが多い
⛰ 関連する情報など
消防本部 - ヤマレコ
https://www.yamareco.com/modules/yamainfo/organization.php?id=11
上級救命講習については、yoshi7673さんの以下の日記がわかりやすく、参考になりました。素晴らしい情報をありがとうございました。
消防庁 上級救命講習 - yoshi7673さんの日記 - ヤマレコ
https://www.yamareco.com/modules/diary/138897-detail-174112
今回の講習は、救助要請することが前提の行動(救命処置)が中心でしたが、救助要請するかどうか、何をするかについては、以下の日記に詳しく書きました。
救助要請する? しない? 何をする? - momoshanさんの日記 - ヤマレコ
https://www.yamareco.com/modules/diary/204795-detail-190738
平成29年高尾山岳救助隊活動状況
https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/about_mpd/shokai/ichiran/kankatsu/takao/about_ps/sangaku.files/h29sngk.pdf
上のpdfファイルは、以下のページから参照しました。
高尾警察署 高尾山岳救助隊 警視庁
https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/smph/about_mpd/shokai/ichiran/kankatsu/takao/about_ps/sangaku.html