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いわゆる霊感と呼ばれる類は全くない私の実体験談です。
2週連続で赤石山脈方面へ繰り出したある秋の事。まだ暗い早朝、道が正しいのか不安になりながら、このまま異世界へ逝ってしまうのではないか?そんな気分にさせるような、暗闇から野犬の群れが踊り出て来る林道をビビリながら走らせると、やがて目的の登山口。今回は山中二泊の長丁場、信州何ちゃら名山をいくつかと、深キュン百名山とやらに数えられる山を数座ほど登る予定である。何れも未踏の山だ。
ズボンを濡らしつつも沢を何とか渡渉し、とっても素敵な雰囲気を漂わせる崩れかかった廃墟小屋を何事もなく通り過ぎて安堵するもつかの間、展望のない樹林の急登をひたすら登らされる現実に直面する。いつだって怖いのは現実の方だ。この時まではそう思っていた。
尾根を登りきると不意に視界が開け、紅葉に包まれつつある雄大な赤石山脈が視界いっぱいに広がる。今日もツイている。立山以来となるピンク色のチングルマも思いがけず見れた。今日も南プス貸し切りだねッ!とウキウキする反面、一抹の不安も覚える。それはもちろん、一つ一つの峰が広大な山並みを越えて行かねばならぬ行程を思っての事ではない…
一日目の宿泊地は意外にも山小屋が営業していた。小屋閉め前との事で、余り物などのお裾分けを頂きつつ、主食のラーメンにおかずの焼きそば、得意の炭水化物系山ごはんを食べると、ひたすらに長かったが、充実した一日の疲れもあって早々に撃沈、何事もなく爆睡した(と思う)。
二日目。今日も長丁場の為、暗いうちから行く。日の出と共にガスが晴れて明るくなると、もう怖いものはない。道中、地図の確認を怠り、得意の勘ピューター任せにより、水場をスルーしたり、少し遠回りさせられる誤算もあったが、再びガスに包まれるなか、這う這うの体で何とか宿泊地へ。
今夜も営業最終日で越冬前ビール飲み放題かな?大丈夫かな私の肝臓?などと言う余計な心配は杞憂に終わって、既に営業は終了しており、一部が冬期小屋として開放されていた。まぁそれは事前にワカっていた事だったが、前日の事もあったから、あるいはと言う期待も少しあった。
しかし、こんなキレイで快適な山小屋を冬期開放してくれるなんて、倉庫の一角を申し訳程度に開放している飛騨山脈の山域(それでも十分に有り難いが)では、燕山荘の冬期小屋以外にはないだろう。
しかもッ、泣こうが叫ぼうが、押し倒そうが、助けなど誰も来ない、その声は誰にも届かないッ。ヒトッコ1人いない貸し切りである。
まぁ、既に、それがいわゆる『フラグが立った状況』にある事など、単細胞の私には思う由もないのだった…。
隅っこに寝床を準備していると、何やらヘンな音が聞こえて来るではないか!
ん?(゜-゜;)
ナニゴトかッ?
他に誰も居るわけぬぇ、新たに登山者が来たような形跡もない。
風が原因で発せられた音とも思えない。思わず小屋のサンダルを履いて駆けだしてみたが、物理的な音の発生源は特定できなかった。
音なんかするはずねぇ。
無風なんだよね…。
取りあえず、サンダルのまま近くのピークへ避難してあたふたしてみる。
この小屋ってもしかしてヤバかったの?いわく有りあり?
出るのか?出ちゃうのかッ?
それにしても、この手の類で不思議に思うのは、人が多い時はダンマリを決め込むくせに、相手が単独とか少数になると、俄然ハツラツと活性化しちゃう輩の方よ。
とんだヘタレ野郎じゃぬぇかよ?
そんなヘタレ野郎さんと貸し切りでご一緒ですかぁ?
誰か登山者来ないかなぁ?
かつて山を1人で貸し切りだった者がこんな言葉を言ったらしい。
『山でこんな贅沢はない』
誰だよ?
おいおい、何やら楽しい夜になりそうだなぁ…。
やがて夜の帳は一気に落ちた。
おあつらえ向きに、夜長の季節ですよ。
そして、(((*´-`))ヒィィィィイイィ!!出たんです。
最近、kimiさんの小説を見ないので、期待してます。
山経験はそれなりにありますが(ヤマレコへの記録掲載は全山行の十分の一程度)、この手👻の経験談はそう多くあるわけでもなく、あともう1話か2話でラストになります。
何れにしても最後に全話の結末を解き明かす予定です。
楽しみ、たのしみー😆
おはなし、おはなしー👻
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