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計画では青年小屋へ最短ルートで行く予定だったが、出発する直前になって、急きょ権現岳を経由して向かう事になった。ナゼかはワカらんが、そうなってしまった。
距離も伸びるし高低差も増える…登り返しのオマケまで付いたようだ…
青年小屋までなら…と言う事でアホみたいに宴会装備を詰め込んでいたのだった。
のっけから修羅の様相が漂いつつあった…
ともかく個人的にも何十年ぶりかの権現岳。
何よりメンバーが素晴らしかった。我らがa●by隊長に、その類ではヤマレコ第1人者のkimid○riさん。道中も楽しい話は尽きない。今回はkimiさんの体験談も楽しみにしていたし、聞いてみたい事も沢山あった。
そして…
『お化けや幽霊の類を見た事がなく、居るとも思ってない』そんな私でも、kimiさんが一緒なら、あるいは…と言う期待。見てみたいような、見たくないような…。
その場面はいきなり訪れる。
ちょ、待っ・・・まだ心の準備というものが…
やはり、kimiさんが一緒だからだろうか。本人は霊感がないと申されているが、ゾンビとの遭遇話は何度も聞いていたし、今まで数えきれないくらい様々な体験をされておられるはず。
霧の中から下って来る人影が視界に入った。
こんな早い時間にこの場所を下山?
三人とも見て居るから見間違いではない。
先頭を行くa●by隊長がとっさに小声で耳打ちした。○○○だ!と…
緊張はしたが、怖さは微塵も感じなかった。だが…
それ以降はそれがひとしきり話のネタとなった。
そして話の結びは決まっている。でわでわ…だ。
やがて天候は一気に崩れ、強風を伴った雨に変わった。やはり山の天気は変わりやすい。いや、これはその何者かの仕業なのか?
山に合羽など持った事がない私は全身ずぶ濡れ。でもそれはいつもの事で別に何の問題もない(本来は好ましくないが)。ただ、三脚につけたままのカメラも濡れてしまい、レンズ内が結露して使い物にならなくなった事と、雨水を吸ったザックが余計に重くなるのが難ではあった。
その後は私が遅れを取ってしまった。それは何者かの仕業ではない。ただ単に私の体力不足が原因であるorz.
達者なお二人は天気が回復しつつある権現岳の山頂で、遅れた私を待ってくれていた。
権現岳山頂で遊んだり、センスのかけらもない標識で記念撮影を楽しむ。
山でこんな目障りなモノはないが、もはやその標識は墓標に代わっていたので、蹴り落とすワケにもいかなかった。
青年小屋幕営地での漢呑み宴会は最高にハイってヤツになるほど楽しい夜だった。
うまい酒に山の上とは思えない美味しい料理、そして気心の知れた仲間。
ココは天下の八ヶ岳。話題は当然八ツ。もとい、ヤツにも及ぶことになる…。
ヤツ、では失礼だから、彼としよう。
彼はたぶん、別に悪い人だったわけではなかったと思う。
山への情熱もあっただろうし、だからこそ限られた時間をやりくりして山を楽しんでおられた。だが、岳人と称するには疑問符がついた。何より、山も、ネット(SNS)も、初心者にありそうな危うさを感じさせた。苦言や忠告、アドバイスを差し上げる人も中には居たようだが、それも届いたのかどうか。
誰もが最初は初心者である。どんなに自意識過剰な者でも、お釈迦様の手のひらにあった事に気づく時が来る。言い方を変えれば、春の夜の夢、風の前の塵、に過ぎなかった事を何れ必ず悟る。生きてさえいれば、だ。
まぁ、そんな事はどうでも良いのだ。私には関係のない話です。ただ、唯一、私が迷惑を被ったことを挙げるなら、必死こいて登った山の頂にクソ目障りなモンがあっただけ…のこと。
だから。
例えどんなに死ななきゃ治らぬぇようなアホでも、山で死ぬことはないし、山で死んではならないのだ。
そんな事を思いながら持参した蠟燭に火を灯した。
お小水に立ったついでに、幕営地の奥にある真っ暗闇の森にも入ってみた。
ちょっと怖かった。
だが、彼は現れなかった。
もうご家族の元へ帰られたのだろう。
その時の記録
・2017年8月26日(土)〜27日(日)
【我が肝臓に一片の悔いなし】「遠い飲み屋」青年小屋テント場 de 納涼会【漢呑み】
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1238541.html
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