赤崎ウタキ、再び。

先日、うっかり「赤崎ガマ」などと書いてしまったが、
「赤崎ウタキ」の間違いでした。ガマは洞穴のことだった。
ネットでちょっと調べてみると、そっち系の方たちの間では
かなりやんごとなき場所とされているやうで、
僕の如きよそ者がうろちょろしてちゃダメだったみたい。
まずい、バ、バチが当たる・・・。
まあ、ちゃんと生きてるからいいのか？

週末にかけて大潮である。
シュノーケリングなんてものをやっていると
天気予報は勿論、潮見表にも敏感になる。
重要なのは風向きと月齢、それに干潮時間である。
あとはグーグルアースで海岸の様子を探りつつ
ポイントを選ぶわけだ。

天気はいまいち。沖縄っていうと暖かいイメージがあるが、
気温的には東京とさして変わらない。違うのは陽射しの強さであって、
曇ってるとさしてあったかくはなかったりする。

干潮を狙って昼頃海へ。
東風が強いのでまた長間浜で和もうかと思ったのだが、
橋の上から見ると、海はばちこーんと干上がっていて
例のリーフまで歩いていけそうなくらいだ。
むむむ、風もやや北寄りで影響少なそうだし・・・。
ってことで予定変更。赤崎ウタキ近くの海岸へ行く。

砂浜には漁師さんが一人。素潜りで何か突いてきたやうだ。
前に来た時も漁師さんがいたな、そういや。
でもあまり愛想良くはしてくれない。
くゎんこう客は前浜へ行けって感じなんだろう。俺もそう思う。

沖縄の干潮時と満潮時の海水面の高さには２メートル近い差がある。
大潮近くの干潮時の潮の引きっぷりは圧巻だ。
初めて見た時にはなんか良くないことでも起こったんじゃないかと
心配になったほどだ。
もちろん遠浅の珊瑚礁で囲まれているってのもあるけど
水位自体もかなり変わるのだ。２メートルっていうと頭よりずっと上だ。

海岸の様子は三日前とは大分違っている。
新月と満月の前後が大潮になるから、
だいたい一週間で小潮から大潮へと推移する。
三日違うと大違いである。
沖へ伸びる岩場をたどっていくと、リーフはもうすぐそこ。
やっぱりな、思った通りだ。慎重に泳いでみる。
水深は１５メートル弱くらいかな。もっと浅いかも。
スパッとドロップになって切れ落ちてる感じではない。
珊瑚も思った程元気ではない。
なんとなくリーフの雰囲気だけは楽しめる。
来間島に向かってリーフづたいに泳いで行くと
また違うのかもしれないけど、僕もそこまでやるほどパーじゃない。
こんなところに一人で来ること自体、あまり推奨されてはいないのだ。
適当なところで満足して戻ってくる。

早くも潮が満ち始めた。風も南よりに変わって、海面が変にザワついている。
来間島に移動。橋の袂を泳いでみる。
ここは盲点だった。枝珊瑚がすごい勢いで密生している。
橋を渡っただけでなんでこうも違うのか。
テバスズメダイとミスジリュウキュウスズメダイがたくさんいた。
満ち潮のせいか流れがかなり早い。
ここは島と島の間にあたるから、慢性的に潮は早いのかもしれないと思った。
今日は港の方へ向かう流れだったから怖くはなかったが、
これが沖へ向かう流れだったらヤバいだろう。
もう少し流れの緩い時に改めて来てみたいところだ。

来間港でぼんやりしてたら雨。
もう一本くらい泳ぎたかったが、諦めて帰る。
宿で「多良川」を舐めていたら、晴れてきやがんの。
ちなみに多良川は宮古の泡盛。

夕方、ほろ酔い加減で“おっちゃん”の散歩。
どうしても、ほんとの名前がなんていうのか訊きそびれてしまう。
もういいか、おっちゃんで。
宿の周辺は路地が変な方に向いていて極度に迷い易い。
徒歩旅行なんてやってたんで、方向感覚が良いと勘違いされたりするが、
ぼくは酷い方向音痴である。徒歩旅行で迷わないのは、目的地が遥か彼方に
あるからに過ぎない。行き止まることはあっても迷ったりはしないのだ。
こういう小さい集落では面白いやうに迷う。
ふとした曲り角でいきなり眼前に海が広がったりする。
何処なんだ？ここは・・・。
こうなると帰り道はおっちゃん任せである。
「おっちゃん、もう帰ろうよ。」
などとなだめすかしつつ、一時間ほどで無事帰着。
おもしれえな、犬の散歩。

コメント

イグルスキー米山

RE: 赤崎ウタキ、再び。
ウタキは御岳と書くらしいね。

前に久高島の霊験高いウタキを案内してもらったことがあります。激戦地跡のアブチラガマも暗くてどこまでも深いので驚いた。

３年前、長万部の先の道無し海岸を泳いだりへつったりで行軍しようとしたとき、波の高さをなめてかかって泳いだはいいが全く岸に上がれず、流血してやっとはい上がり、死ぬかと思った。カメラ一台オシャカにした。いや〜〜海は怖い。山より怖いよ。

海無し県育ちだけど、海の勘所をいつか習得したいもんだ。

nezzrow

確かに怖いですね、海。
うっかり迷ってもビバークなんて出来ませんからね。

水の中って人間にとって不自然な場所ですけど
深いところに潜りたいって衝動自体は
高いところに登りたいって衝動と同じくらい
自然なことのように思います。
なんなんですかね、あれは。

ジャック・マイヨールはそれを
人類がいつか海に還っていく証拠だと
考えていたんじゃないでしょうか。
トドやアザラシなんかに起こる「ブラッドシフト」って現象は
人間にも起こるそうです。
海で生活する為の素養が人体には備わっているんだとか。

なるほど、それで人間の体毛は少ないのか、
などと思ったりします。
ハゲでメタボな奴こそが、
実は人類として一番進化してるのかもしれません。
体脂肪率の低い奴は海ではダメですよ。