昨夜はどしゃ降りの雨の中、栄町市場に突撃して来た。
栄町はブルース感漂う、斜陽の市場であるが、
最近では若い人達がお店を出していたりして
活気を取り戻しつつある一角である。
コーヒー豆専門店の「ぽとほと」なんかは最近わりと有名になったようだ。
以前2ヶ月ほど那覇に滞在した折には足繁く通ったものである。
夜の栄町は今夜が初めて。
表通りから一歩足を踏み入れるとそこは異質の世界。
雨のせいか、異様に怪しげな雰囲気である。
奥まったほうに分け入って行くと、居酒屋がちらほら。
繁盛している店は通路にテーブルを広げて盛大にやっている。
何かのイベントなのか?と思うほどの盛況ぶりである。
今夜のお目当ては「生活の柄」というお店。屋号がいかしている。
行ってみると、なんとまあ、ここも人が通路まで溢れ出ている。
なんか、イメージ違う。無理やり入れなくもなかったけど
もうちょっと静かな店を探すことにする。
「ボトルネック」っていうお店で、スーチカや苦菜の白和えを肴に
軽く一杯飲んできた。
米山さんの言う店とは違うと思われる。
店を出ると雨はすっかり上がっている。
ほろ酔い加減で、薄暗い裏通りを歩いていると妖しい一角に出てしまった。
ピンク色のネオンのしたでおばちゃんが夕涼みしているなぁ・・・
なんて子供みたいなことは思わない。そーいう商売の人達なのだ。
「旅館」の看板を掲げてはいるが、ここは宿泊するところではない。
ある種の特殊浴場には入浴しに行くわけじゃないのと一緒である。
この手のスポットとしては真栄原社交街が有名。コザの近くにも吉原なんてとこがあった。
石垣にも似たような一角がある。まあ、沖縄らしいっちゃ、沖縄らしい。
こういう形態の風俗は内地にはないだろう。
帰りがけ、桜坂社交街でもう一杯飲んでいく。
牧志から壺屋の方へ裏路地を入ったところにある古い飲み屋街である。
桜坂で飲むのも、今夜が初めて。
千円札を二枚も握り締めて行けば、しこたま飲めるやうなところだという。
中には内側から鍵を掛けている、謎のおでん屋などもあるというが、
いきなりそんなディープな店の暖簾をくぐるやうなガッツはない。
玄関を開け放している店も多く、まばらなネオンと街灯の薄明かりの下に、
何処からかぺけぺんぺんと三線の音が漂ってくる。
手堅く、ジャズの看板を掲げている店に入ってみる。
店内にはマスターがテレビを見ているくらいで、客の姿はない。
至ってヒマそうな店だ。
このマスターが伊達メガネなんかして、かなり惚けたヒトである。
かつてはピンサロを経営してたとかで
沖縄サミットの時の盛況ぶりなど面白く聞かせてくれた。
警備の増員で内地から大量の若者が押しかけて来て
それはもう大賑わいだったそうで。
当然、栄町あたりの裏事情にも通じている。
あの辺は古くからの色町だったとかで、
今でも真栄原で稼げなかったやうな娘がやって来たりするそうだ。
おすすめの店なども紹介してくれたが、まあ、行かないかな。行きませんよ。
那覇のナイトスポットと言えば、松山が有名なのだが、
僕はああいう騒がしいところは苦手だ。
何時消えるとも知れない、儚気な風情を湛えたあれらの慎ましやかな
飲み屋街に心を惹かれる。
実際、牧志あたりは激しく再開発されており、明日消えてしまっても不思議はない。
また何時か、機会があったらおでん屋などで玉砕してみたいものだ。
こんにちは
楽しく読ませていただきました。
自由人で良いですね。
あちこちと行きたいのですが
管理社会に縛られていると
そうもできずに
悶々としています。
nezzrowさんの
深遠な世界に入り込めて
幸せでした。
コメントありがとうございます。
沖縄というところは、旅人の吹き溜まりとも言われていて、
本当に変わった人が沢山います。
僕なんかはまだまともな方ですね。
そういった変人たちを受け入れる気質みたいなものが
自然の美しさや、独特の文化と並んで
沖縄の魅力なんじゃないかと思います。
ちょっと下品な内容の日記ですが、
好意的に受け取っていただいて恐縮です。
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