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立山(14:00〜14:10)…美女平(14:17〜14:40)…室堂BT(15:30)〜
雷鳥沢幕場(16:40)・泊
8月20日(金)
雷鳥沢(幕撤収7:00)〜室堂山荘��(8:10〜8:30)〜
室堂山▲2,668m��(9:20〜9:30)〜浄土山▲2,831m��(10:20〜10:30)〜
龍王岳分岐��(11:20〜11:40)〜鬼岳東面(12:20〜12:30)〜
獅子岳▲2,741m(13:40〜13:55)〜((梯子))〜
ザラ峠2,348m(15:10〜15:20)〜五色ヶ原キャンプ場(16:00)・泊
8月21日(土)
五色ヶ原(幕撤収7:30)�茵船圈璽�▲2,362m(8:00〜8:10)〜
ピーク▲2,155m〜平ノ小屋(11:30〜12:10)�茵船蹈奪犬�ろよん(16:50)・泊
8月22日(日)
ロッジくろよん(展望台散策後、8:30幕撤収)〜黒部湖(9:00)〜
黒部ダム(9:20〜11:05)…扇沢(11:20〜12:35)…信濃大町…松本
今春GWの真っ只中、会企画の山行として参加した立山へもう一度、今度は夏の時季に行ってみたかった。かくして夏の立山を満喫する旅に出ることとなった。
今年の7・8月の登山専門媒体の特集記事はこぞって雲ノ平を取り上げていた。内容は当然のように、ひどく魅力的だった。
まだ未知の場所ということもあるのか、ここもまた行きたい場所の一つである。雲ノ平と似た湿原地帯で行きたかったのが今回向かった五色ヶ原である。
5月に雷鳥沢定着で行った奥大日岳と立山・雄山には今回廻らず、五色ヶ原をメインに幕持参の縦走を楽しむことを一つの目標とした。
先日幕を担いで臨んだ甲斐駒ケ岳黒戸尾根敗退で体力の無さを痛感したことが大きい。
また中学生の頃、健在だった祖父母と共に家族や従兄弟と一緒に巡った立山黒部アルペンルートの一角、黒部ダムへまた行きたかったのもある。何にせよカミさんは初めて行くことになるので最終日に少し廻れるよう時間に余裕を持ったスケジュールとした。
一日目朝少しゆったりめで最寄駅へ向かう。大宮から新幹線に。乗換えを経て富山駅から富山地鉄に乗り込み立山駅へ。ここからは春と同様ケーブルカーと高原バスを乗り継いで室堂へ。室堂バスターミナルから展望台へと階段を上まで上がると山崎カールが出迎えてくれる。春は白一色だったのに山々はくっきりと姿を表し、稜線を辿ると雪で覆われていた時は見えなかった険しさを顕わにしていた。
立山の峰々から奥大日岳にまで伸びる稜線をバックに写真を撮り、幕場まで歩きながら途中ミクリガ池に写る逆さ立山を記念に撮影。暫し歩くと眼下に雷鳥沢の幕場が現れた。
春とは違い、テントサイトに建つ管理棟がやたらでっかく見える。春は雪に完全に埋まっていて、入口まで掘り進んで表だけ顔を出していた。春には雪の下に埋まって見えなかった外の水場も確認出来た。景色が全然違う！
周囲の足下を見ると高山植物がこれでもか！と咲き誇っていた。
ちょうど夕方16時を廻った辺りだったためか、奥大日岳方面や一ノ越方面から続々とハイカーが戻って来るところであった。
荷を解き天幕を引っ張り出す。幕営を終え管理棟で代金を支払う。
今回の縦走での食事は、夕食用として冷凍焼きおにぎり(6個入り)とラーメン3個。これを2人×3日分とした。冷凍食品でなくフリーズドライ米にすればもう少し荷が軽くなったであろう。購入が間に合わなかったため家にあるもので代用した。また、朝食用として毎週末自宅HBで焼いているパンを6枚とお馴染みちょい食べカレー×3個を持参した。これに珈琲＆紅茶で流し込む。今回は荷に余裕が無かったため柑橘系果物や生野菜の持参は控えた。お昼はあまり時間を取らないのが基本なので行動食を分けて摂るのはいつもの通り。
この日は富山駅で乗り換えの待ち時間に購入したビールで入山の乾杯をした。
後で何度も抜きつ抜かれつしながら話す内に判明したのだが、雷鳥沢の同じ幕場にPEAKSの撮影クルー7名が居た。この後五色ヶ原でも一緒になるのである。
翌日またも快晴。結構早くから起き出し出発するパーティが多かったようだ。
こちらはマイペースで7時に撤収を済ませ出発。今日は縦走のメインとなる室堂山・浄土山・獅子岳・ザラ峠を経て五色ヶ原へと向かう。
奥大日岳・立山連峰は今冬か来春に改めてまたカミさんと行こうと思う。
室堂山荘までの途中、ミドリガ池畔にて雷鳥の親子を見つけた。柵に遮られ結構距離があったので写真では判り難いがヒナが3羽親鳥の傍にちょこまかと動き回っていた。
暫しほのぼのとし、山荘へと歩き出すと目の前に体長25cm位の可愛いオコジョが現れ一度立ち止まるとすぐに脇の茂みへと消えていった。カミさんは見つけられなかったらしく酷く落胆していた。
室堂山荘に到着。水分補給とトイレを済ませ、山荘横にある日本最古の山小屋の展示を観る。室堂山荘にこんな施設があるとは知らなかった。中には立山曼荼羅(大仙坊本)が展示され立山信仰の歴史の長さを改めて認識させられた。
室堂山への緩やかな山道を進む。時折急勾配となりながら少しずつ高度を上げていく。
展望台に近付くと大きな岩が点在し歩き難くなって来る。分岐から左へ浄土山への道へと進む。大岩だらけの急斜面をよじ登りながら一気に高度を上げていく。荷がズシリと食い込み何組かのパーティに先を譲りつつ一歩一歩前に進む。程なく眼前が開けたと思うと、左に浄土山山頂を経て雄山が真上に見渡せる。右に目を移すと龍王岳分岐に建つ富山大学研究施設が見える。軍人霊碑のある浄土山山頂は柵で覆われ、碑の右にある岩山上に位置するピークに立つことが出来ない。諦めて雄山方面を仰ぐ。お盆を挟む夏の時期は参拝登山が多く、雄山山頂の社は人でいっぱいのはずだ。荷揚げ用のヘリが幾度となく山頂へ飛来していた。
龍王岳を間近に見ることの出来る分岐で昼食とした。ここで前夜幕場で一緒だった撮影クルーと再び一緒になる。五色ヶ原までは同じ行程となるので途中の至る所で抜きつ抜かれつしながら何かと話をさせて頂いた。
ここから獅子岳までは稜線を右に左にと捲きながら、それでも険しい岩稜帯の歩き難い道を行く。途中、後から負いついて来たヤングマンと話すと、何と8月12日に白馬から入りここまで来たと言う。既に一週間を越えた辺りのようだ。「食事は？」の問いに「メインはマルタイです。」と答えが返って来た。以前は自分もよく使ったが最近は殆ど5食パックの所謂インスタントラーメンに換えている。マルタイを扱う店が遠くなっただけなのだが最近はとんと使わなくなった。もう一人の友人と二人で其々自分のペースで登っているのだそうだ。
鬼岳東面を撒き終わる頃、少し長めに休憩を取る。獅子岳まではあと30分程か。
山頂直下で真横の岩の上に雷鳥の親子をまた見つけた。今回はぐ〜んと近い場所だ。岩の脇にあるハイマツの茂みの中にヒナが2羽遊んでいた。後から来た他のハイカーにも知らせ暫らく皆でほっこりする。心休まる瞬間であった。
獅子岳山頂からは、一ノ越から黒部湖へと一直線に続く一筋の道が確認出来た。進行方向へ目を移すと雲の向こうにうっすらと五色ヶ原が見渡せた。まだまだ先のようである。
マップ上のコースタイムで2時間弱なので16時前後には到着するだろう。先を急ぐ。
ザラ峠までの下りは砂利だらけの上に急で歩き難く滑りそうになるのを何とか食い止めながら慎重に下る。峠まで降り立つと霧で白く覆われ視界が利かなくなったので暫らく休んでいくことにする。考えることは皆同じらしく他パーティも各々小休止としたようだ。
10分程で視界が回復して来たので出発する。あと30〜40分というところか、五色ヶ原の木道までは長く緩やかな登りがずっと続く。撮影機材を背負う編集マンだけが少し遅れ気味に自分のすぐ前を歩いていた。
程なく眼前が開けて木道が現れる。五色ヶ原の一角に到着である。
少し歩くと山小屋方面と幕場への分岐が現れる。カミさんとはここで別れ、受付をカミさんに任せ天幕を張りに行く。大きな岩がゴロゴロとしているものの平らな所が多く、天幕を張るには申し分ない。近くにトイレと少し離れた所に水場もあり快適なテントサイトのようであった。周囲は高山植物の群生が至る所で見られ、池塘も点在している。山の上に突如現れた天国のような平原である。良い所に来たものだとしみじみ思う。
幕を張り終わる頃、カミさんが到着。手にはビールが2本！嬉しいではないか。
当然乾杯！食事と共にもう一本、良い気分である。
結構歩いたので早めに就寝、暑かったが明け方まで目覚めずぐっすりだった。
翌朝も当然のように晴れ！雨に一度も遭わずに済みそうだ。
撮影クルーは一足先に次の幕場スゴ乗越を目指して出発するところだった。彼らを見送り、こちらも出発準備に入る。今日は黒部湖まで下り黒部ダム手前のロッジくろよん前の幕場まで6時間以上の道のりである。
暫らくは池塘の点在する湿地帯を歩く。雨の日は水の通り道になるような山道をひたすら歩き、五色ヶ原から樹林帯へと下って行く。山道の傍らは野生の苺やブルーベリーの群生で近くに動物が出て来やしないかとひやひやしながらやたら喋り捲りながら進む。
炎天下で暑く、日陰になるところを探しながら小休止を取りどんどん下る。2つ目のピークを過ぎた辺りでようやく登って来るパーティと出会う。あまり歩く人の居ないコースのようだ。五色ヶ原から続く山道の先には薬師岳があるので、そちらへ向かう人が殆どなのだろう。ご年配の方ばかりという10人規模のパーティだった。船窪小屋から前日には平ノ小屋に宿泊し、今日は足を伸ばして一ノ越山荘に泊まるという。何とパワフルな！
挨拶を交わしてこちらも先を急ぐ。ブナの樹林帯に入ると風の温度がぐんと下がったようだ。何と涼しいではないか。快適な下りを暫らく行くと眼前に水が緑色に染まる黒部湖が見えて来た。左の山腹から湧き出る水を口に含むとこの上なく旨い。この辺りでは出会うハイカーは渓谷釣り目的か沢登りのパーティが多いようだ。すれ違う殆どの方々がそうだった。コースタイムを大幅にオーバーして平ノ渡し手前にある平ノ小屋に到着。
ここで長めの休憩を取り昼食用に小屋でカレーをお願いする。共に提供されていた冷たいポテトサラダが絶品だった。ここの水は通って来た山道の途中にあった谷川から引いている水らしく当然旨い。40分程長めに休み改めて先を目指す。まだ3時間あるのだ、先は長い。ここからの道のりが一番険しかったのではないだろうか。やたら長い梯子を昇り降りし谷川を何度も渡りながら、黒部湖に沿った険しい山腹を舐めるように進むのである。
黒部湖を周遊する観光船のアナウンスを遠くに近くに何度も聞きながら延々続く山道をひたすら歩くだけだ。黒部ダムが遠くに小さく見え始めてから更に1時間。ようやく谷川を挟んだ対岸に青い屋根のロッジくろよんが見えた時はホッとした。だが、ここからが更に長く50分程掛かってしまった。この先に3段に分かれた長い階段状の梯子が2箇所と丸木橋が1箇所あり、そこを抜けるのにえらく時間が掛かる。もううんざり！という頃、やっとロッジの建物が左に現れた。
小屋の入口で天幕の申し込みを済ませ幕場へ。トイレも水場もあり快適そうである。
この日は自分らだけで他のハイカーは居ないようだ。
水場からトイレに向かう傍らのあちらこちらでガサガサと音がしたので近付いてみると何匹もの蛙であった。やたら大きなヒキガエルから土蛙や緑色の鮮やかな青蛙の一種も居る。一体何匹居るのだろう。中にはカナヘビも数匹居た。
この晩は珍しく雲が掛かり星は見えなかったが雨の降ることはなかった。
最後の晩もビールで乾杯し早めに就寝。この日は結構蒸し暑く寝付けなかったのに対し、夜中に一度寒くて目を覚まし、前を空けていた寝袋をきっちりと閉め直し改めてぐっすりと寝入ることが出来た。
最終日、トイレ脇から黒部湖へと続く道を少し入り展望台へ行く。まだまだ遠く左に黒部ダムが見える。撮影を済ませ幕場に戻る。
撤収後、小屋に挨拶がてらトロリーバスの時刻を確認させて頂く。毎時刻5分と35分に扇沢行きが出ていると教えて頂き出発。
ケーブルのある黒部湖駅まで25分。トンネル内で右折し黒部ダムへ。ダムの大きさに驚きながら撮影しつつ、対岸に渡り慰霊碑に頭を下げる。レストハウス内の資料館に行き映像を観て歴史を改めて知る。鉄階段を全て上がりダムから山まで一望出来る展望台まで行く。
ちょっとした観光となった。食べたかった苺ソフトを食べながら休憩室で腰を下す。
11:05発の扇沢行きトロリーバスに乗り込み4日間に渡る山歩きを終えた。
雷鳥が美しいです。
立山は私が登山を始めるきっかけになった山。
登山に出会えた事を感謝です。
cokiinuさん、立山がきっかけだったんですね。
雷鳥は凄く間近で親子を見れたので嬉しかったです。
長い道のりでしたが、もう1〜2日余裕があれば薬師岳辺りまで行きたかったです。
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