山に学ぶ (その4)
西中国山地の山々は冬になると1〜2mの雪が積もる。いずれもなだらかな山稜で危険な場所は殆どない。雪山の醍醐味は白銀の世界が広がることだ。そこには霧氷に輝くブナやミズナラそして天然杉など様々な樹木が作り出す自然の芸術を見る事が出来る。
また無雪期では難しいヤブ山でも簡単に歩け、行動範囲が広がることだ。近年、広島、島根の県境である高岳から大佐山までを10回近くに分け縦走した。その殆どはヤブ漕ぎの連続。
これらの中でひやっとしたのが高岳から国道191号線の県境(虫送峠)までの縦走時の事。2回に分けて行ったが、2回目の高岳からその中間点(ナガ谷最深部の鞍部)への下山中、近道をしようと思いあえて沢沿いに下った。危険箇所はないと判断したが、下るにしたがって両岸はブッシュがひどくなり前進不能。やむなく元の道に引き返そうとしたが、踏み跡は分からずおまけに小沢や小尾根が入り組み、迷い込んでしまった。あわてて地図やGPSを取り出して現在地を確認するものの複雑な地形で正確な場所が掴めない。一時は我を忘れパニック状態に陥った。遭難するのではないかと不安になったが、必死になって感を頼りに小沢や小尾根を乗り越えていると、どうにか登って来た尾根にたどりつく事が出来、ほっとした。GPSも万能で無い事を改めて思い知らされた。
またある時は県境は尾根伝いばかりだと思っていると、思いがけず川に出くわし、渡るのに一苦労したことがある。先入感も禁物である事を身をもって教えられた。
それでも奥深い山を歩いていると突如素晴らしい光景に出くわすことがある。自分だけの世界を見つけたようで、こればかりは何ものにも代え難い。
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