政府や東京都、各種関連学会から発表されている既知の資料をもとに考察します。
あくまでも私見ですが、このテーマにとっても疑問のある方は、頑張って通読してみてください。科学的論理が苦手な方には、スルーしていただきたいと思います。
*** テーマ1「新型コロナウイルス感染症」新規感染者等に関する情報 ***
【1】新型コロナウイルス感染症対策専門家会議 「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」(2020年5月1日)
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000627254.pdf [*1]
東京都の『推定感染時刻別による実効再生産数(R)』のグラフが4pにあるが、3月31日以降、一貫して「R<1」を維持しているのがわかる。
【2】新型コロナウイルス感染症対策専門家会議 「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」(2020年5月4日)
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000627553.pdf [*2]
ここでは、『実効再生産数(R)』については触れられていないが、東京都のローカルデータについては翌5日の東京都での会議に向けて計算されていた様子。
【3】第22回東京都都新型コロナウイルス感染症対策本部会議資料 (2020年5月5日)
確定日別の感染者数等(感染症専門家資料)
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/007/819/2020050803.pdf [*3]
『推定感染時刻別による実効再生産数(R)』のグラフが3pにあるが、95%信頼区間でR>1となってしまうのが、4月13日〜解析可能な直近日である20日まで8日間も存在している。
これは、非常事態宣言中にもかかわらず東京都では、4月13日から連続1週間以上(お尻はこの時点で不明)「1人の既感染者が1人以上に感染させている」可能性が非常に高いことを示しており、まさに「持続的に感染が拡散している」ことを意味している。
【4】第22回東京都都新型コロナウイルス感染症対策本部会議」資料の一部訂正 について
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/007/819/2020050801.pdf [*4]
〜〜〜〜〜〜〜 以下引用 〜〜〜〜〜〜〜
令和2年5月7日
福 祉 保 健 局
「第22回東京都都新型コロナウイルス感染症対策本部会議」資料の一部訂正について
令和2年5月5日(火曜日)に開催した標記の会議において、北海道大学大学院医学研究
院・西浦博教授が使用した資料に誤りがありましたので、訂正いたします。
<概要>
資料「推定感染時刻別による実効再生産数」でグラフに示している実効再生産数
(Reproduction number)について、計算時に使用した潜伏期間分布にエラーがありました。
正しいデータ分析によると、実効再生産数は緊急事態宣言下においても 1 を超えておら
ず、正確に報告できる 4 月 22 日程度までは 1 を十分に下回っています。
(詳細は別紙のとおり。)
〜〜〜〜〜〜〜 引用終り 〜〜〜〜〜〜〜
訂正されたグラフをみると、
5月7日訂正推定感染時刻別による実効再生産数
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/007/819/2020050802.pdf
東京都でさえも、95%信頼区間で4月3日以降一貫して「R<1」をキープしていたことがわかる。
上記「概要」にも次のように記されている。
「正しいデータ分析によると、実効再生産数は緊急事態宣言下においても 1 を超えておら
ず、正確に報告できる 4 月 22 日程度までは 1 を十分に下回っています。」
(全国統計でも4月1日以降一貫して「R<1」 参照[*1] 3p)
【アセスメント】
この5月5日東京都向け資料は当然前日の5月4日に西浦教授から政府にも提示されていたはずであり、少なからず政府の「非常事態宣言延長やむなし」という判断の一翼を担ったことは想像に難くない。
この計算間違えがなかったならば、果たして最初の1か月と同質の非常事態宣言延長がなされ、同質の「自粛要請」が要請されていたかどうか?事後検討されることとなるだろう。
*** テーマ2 医療資源(レスピレーター&ECMO)に関する考察 ***
COVID-19重症者における人工呼吸器装着数
【全国】 ピーク=4月27日;315人 現在=5月8日;237人(ピークの75%)
【東京】 ピーク=4月24日;88人 現在=5月8日;55人(ピークの63%)
COVID-19重症者におけるECMO装着数
【全国】 ピーク=4月27日;63人 現在=5月8日;36人(ピークの57%)
【東京】 ピーク=4月27日;19人 現在=5月8日;7人(ピークの37%)
以上、『COVID-19 重症患者状況 日本COVID-19対策ECMOnet集計』
https://covid19.jsicm.org/ より
尚、全国で使用可能な人材/医療機器の台数は、
臨床工学技士 14,378人 / 人工呼吸器 28,197台 / ECMO 1,412台
2020年2月回答 出典元(一般社団法人 日本呼吸療法医学会 公益社団法人 日本臨床工学技士会)
【アセスメント】
COVID-19感染症重症者のレスピレーター/ECMO装着症例数は、すでに4月下旬にピークアウトしている。
初めまして(^-^)
実効再生産数は、もう少し検査数を増やさないと幅が大きすぎて参考値としては難しそうです。
医療崩壊(防護用品の不足)の心配が無くなる事や、
感染経路不明者が半数以下に減少の方に重点が置かれているみたいです。
日本では人権の問題があって、台湾の様には行かない様ですね。
緊急事態宣言は、前回に比べてかなり緩くなっています。
13の特別警戒都道府県以外は基本3密に気を付けることだけです。
13都道府県も、知事の権限で再開出来る業種も増えています。
今のところ順調に新規の感染者も減っているので、緊急事態宣言解除の前倒しが有望だそうです。(自民党議員より)
*世界基準からしたら、元々緊急事態宣言出すのが不思議なくらいのシボウ者数ですよね。
入国規制をしっかりやってれば済んだことのような気がします。
4/29より入国者の蛇口が強く閉められた様なのでこのまま行けば大丈夫みたいですよ☆
☆一刻も早く、ハイキングを気兼ねなく楽しめる日が訪れることを願います。
itigoさん、はじめまして。
Rtは、前後のnが確定しないと計算できないので、推定感染日が確定したかなり前の日時のdataしか出てきません。
しかし、95%CIは計算間違いがなければまず信用できるので、一番クリティカルな「1より高いか低いか」で大チョンボしてしまったのは不運としか言いようがありません。
感染確定者数が減っているのになぜRtが1以上なのか?私の周辺では皆「?」状態でした。
この「計算間違い〜訂正」が明らかになって、政府の方針も「早めの解除」に動いたようで何よりです。
西浦先生を責めても仕方ありません。
国家の一大方針決定に関わる数理計算に、たった一人の研究者しか担当させていないことの方が大チョンボです。
せめて同じ基礎dataをAチーム、Bチームに与えて計算してチェックするくらいの体制は、今後日本は備えなければならないと思います。
東京都の医療現場でPPEが足りなかったことは事実です。
レインコートやクリアーファイルを代用して凌いだところも現実にあります。
東京都が備蓄していた12万着の防備服を、小池都知事が中国に送ってしまったために、医療従事者が感染のリスクにさらされてしまったことは、決して忘れてはならないことです。
噂になっているように、都知事選がらみで例の自民党の爺さんとバーター取引だったのでしょうか?
下記の論文にあるように、コロナ属の従来ウイルスは、湿度50%、温度20℃以上でどんどん失活することがわかっています。
"Effects of Air Temperature and Relative Humidity on Coronavirus Survival on Surfaces" / Lisa M. Casanova et al.(2010)
最近の感染確定者数が減っているのは、「自粛行動」よりも「湿度・温度が上がっていること」の方が影響が大きいという見方もあります。
特にGW突入前から関東で最高気温が25℃以上の日が連続していたことが、今の少ない感染確定者数に反映してると考えられます。
いずれにせよ、全国規模での自粛要請はまもなく解除されると思いますので、大っぴらにハイキングを楽しめるのも間もなくでしょう。
どのみち私は老人介護のため、まだ当分山には行けませんけれど・・・。
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